出血性膀胱炎の症状や原因、治療方法とは?
出血性膀胱炎(読み方:しゅっけつせいぼうこうえん)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。
この記事の監修ドクター:
名城 文雄 医師 なしろハルンクリニック院長
出血性膀胱炎とは
主にウイルスの感染やウイルス感染によるアレルギーなどによって膀胱の粘膜に炎症が起きる病気です。アデノウイルスによるものがいちばん多く、子どもがかかりやすいという特徴があります。
引用:五本木クリニック
http://www.gohongi-clinic.com/section/hinyoukika/syukketsusei_boukouen.html
出血性膀胱炎の症状
主な症状としては、尿意が増すことによる尿回数の増加(頻尿)、排尿時の痛み、尿の残っている感じ(残尿感)、血尿がみられます。
軽症では肉眼ではわからない程度の顕微鏡的血尿ですが、中等症では肉眼的血尿、重症では血の塊が見られるようになります。発熱は膀胱の炎症のみではあまり見られません。引用:厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 出血性膀胱炎」
https://www.pmda.go.jp/files/000144962.pdf
出血性膀胱炎の原因
原因は小児ではアデノウイルスによるものが多いとされますが、健康女性がかかりやすい細菌性のものでもみられることがあります。
また、放射線治療の晩期後遺症で問題となることがありますが、この場合は以前の放射線治療歴から判断されます。
出血性膀胱炎は医薬品によっても起きることがあります。多くの薬品が原因としてあげられており、抗がん薬(シクロホスファミド、イホスファミド)、免疫抑制薬、抗アレルギー薬が以前から知られていますが、抗生物質、漢方薬(小柴胡湯など)などでも報告があります。ただ、最近ではシクロホスファミド、イホスファミドについては投与方法が工夫され、メスナというお薬を併用することにより起きることは少なくなりました。引用:厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 出血性膀胱炎」
https://www.pmda.go.jp/files/000144962.pdf
出血性膀胱炎の検査法
膀胱がんや結石などを除外する必要があります。膀胱鏡検査が必須です。
引用:五本木クリニック
http://www.gohongi-clinic.com/section/hinyoukika/syukketsusei_boukouen.html
【血液検査】:出血の程度を調べるため貧血の有無を調べます。 また、出血傾向が無いかどうか腎機能、肝機能、血液凝固能検査も行います。
【腹部超音波検査】:膀胱内に凝血塊が無いかどうか、排尿困難のために膀胱が緊満していないか(尿閉の有無)を調べます。 なお、血尿は膀胱がんや腎臓がんでも発症するためこれらの疾患との鑑別を行います。
【膀胱鏡検査】: 膀胱の中をカメラで観察し、出血している部位や状況、原因を調べます。
出血性膀胱炎の治療方法
治療は安静と水分の摂取、更に抗菌剤の服用で十分です。
引用:広島県医師会
http://www.hiroshima.med.or.jp/pamphlet/173/iii-2.html
出血性膀胱炎の原因いかんにかかわらず、重症の場合は膀胱内で血塊が出来てしまい尿が出なくなる事があります(膀胱タンポナーデ)。この場合には膀胱内に特殊なカテーテルを留置して膀胱内の血塊を除去し持続的な膀胱洗浄を行います。それでも止血が困難な場合には、内視鏡を用いて止血手術を行う必要があります。また、貧血があった場合には輸血を行います。