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「成長痛」の症状・対処法はご存知ですか?医師が監修!

 更新日:2023/03/27
「成長痛」の症状・対処法はご存知ですか?医師が監修!

夜中に子どもが足を痛がり、時には泣き続けることもある「成長痛」とは、どんなことが原因で起きるのでしょうか。

今回は、症状・対処方法・日常生活での注意点などについて詳しく解説します。

お子さんがあまりに激しく泣くと、「何か大きな病気なのではないか…」と不安になりますが、この痛みは一過性のことがほとんどです。

また、成長痛自体は珍しいものではなく、成長期の多くの子どもが経験するといわれています。

ただ、中には似た症状でも異なる疾患が隠れていることがあります。似た症状が出る病気についても確認しておきましょう。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

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大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

成長痛の特徴と症状

子どもの足

成長痛の特徴を教えてください。

2歳から14歳くらいの成長期の子どもに原因不明の下肢の痛みが現れます。一番の特徴は、夕方から夜間にかけての一過性の痛みです。
夜に激しく痛がっても朝になると痛みがすっかり治まってしまいます。また、成長期を過ぎると自然に痛みがなくなっていくことも特徴のひとつです。

どのような症状が出ますか?

夕方から夜間にかけて、太もも・膝・ふくらはぎ・足首などの下肢に痛みが現れます。また、下肢の中でも特に太ももから膝の辺りにかけて痛みを訴えるケースが多く報告されています。
痛みの度合いは人それぞれ異なりますが、夜中に強い痛みで目を覚まし、激しく泣き続けることも多いようです。ただし、翌朝には何事も無かったかのように元気に過ごすことが成長痛による症状の特徴です。
日中に変わった様子が無いので、安心する保護者も少なくありません。また、一般的に痛みは日中には起こらないことが多く、夕方から夜間にかけて不定期で現れます。

成長痛の原因は何でしょうか?

成長痛の原因は、はっきりしていません。“成長痛”という名前がついているものの、成長にともなう骨や筋肉の変化だけが原因というわけではないのです。運動後の下肢の疲れや心理的なことが痛みの引き金になるともいわれています。

成長痛は何歳くらいの方に多いですか?

2歳から14歳くらいの成長期の子どもにみられますが、特に多いのは3歳から5歳の幼児です。また、成長痛は国内だけでなく、海外の調査でも高頻度で報告されている症状のひとつでもあります。

成長痛と似ている症状が出る病気を教えてください。

成長痛と同様に下肢に痛みが出る病気の一例は以下の5つです。

  • オスグッド

ジャンプしたり・走ったり・ボールを蹴ったりすることで発症するスポーツ障害です。10歳から15歳の成長期に発症します。
膝のお皿の下の骨(脛骨結節)が出てくることが特徴的な症状です。それに伴い、患部に痛みが出たり、腫れたりします。脛骨結節の突出やレントゲン検査で診断することができます。

  • 骨端症(セーバー病・シーバー病)

小学校中学年くらいの男の子によく発症する病気です。主症状は、かかとの痛みです。野球やサッカーなどの激しいスポーツでアキレス腱に過度な負担がかかることが原因となります。
成長期の子どものかかとにみられる骨端軟骨という部分に炎症が起こることが痛みの原因です。時には、かかとが腫れたり、痛くて歩けなくなったりすることもあります。

  • ペルテス病

5歳から7歳くらいの男の子に頻発する大腿骨頭壊死です。原因は、はっきりしていません。主な症状は、股関節・太もも・膝の痛みです。歩行時に足を引きずることがあります。股関節ではなく、太ももや膝のみの痛みを訴えることもあります。

  • 単純性股関節炎

4歳から8歳くらいの子どもに発症する股関節炎です。感染症が引き金となることもありますが、はっきりした原因は分かっていません。
主な症状は股関節の痛みがほとんどですが、太ももや膝の痛みを訴え、足を引きずって歩いたり、痛くて歩けなくなったりすることもあります。
ペルテス病や化膿性股関節炎と症状が似ているため、MRI検査や血液検査での鑑別が必要となります。

  • 小児リウマチ

若年性特発性関節炎という原因不明の疾患で指定難病のひとつです。16歳未満の子どもに発症し、6週間以上持続します。
症状は関節の痛みだけではありません。発疹が出たり、熱が出たりすることもあります。朝方に関節がこわばり、動かしにくくなることが特徴的な症状です。

成長痛の診断方法と治療方法

医師と子どもの手

成長痛はどの部分に痛みが出ますか?

太もも・膝・ふくらはぎ・足首などの下肢に痛みが出ます。特に、膝から足側の部分に痛みが出ることが多く報告されています。
ただし痛みが出る部分は人それぞれです。人によっても、その時々によっても、痛みの部位が異なります。

成長痛はどのように診断しますか?

まず初めに行うのは、痛みの部位・訴えの様子・時間帯などの問診です。それに加えて、レントゲン検査と痛みが出た部分の確認をします。
具体的には、関節の動きに異常が無いか・押した時に痛みは無いか・腫れや皮膚の赤みは無いか、などです。
レントゲン検査や患部の確認で異常が見当たらず、成長痛で現れる特徴的な症状が確認できた場合に「成長痛」と診断します。

治療方法が知りたいです。

成長痛と診断された場合、特別な治療はありません。患部に湿布を貼ったり、痛み止めの軟膏を塗ったりして様子をみましょう。医師からの指示に従って対応してください。
患部をさすってあげると次第に痛みが落ち着きます。

成長痛の対処方法と生活する上での注意点

子どもをおんぶする母親

成長痛の症状が出た場合の対処の仕方を教えてください。

痛がっている部分をさすってあげることで症状が和らいでいきます。痛み止めの軟膏や湿布を使うのも対処方法のひとつです。また、運動した日の夜に痛みを訴えることも報告されています。
子どもの様子を注意深く見守り、運動した日の夜はお風呂で温めたり、マッサージストレッチをしたりするのも良いでしょう。
心のストレスが原因となっている可能性もあるので、できるだけお子さんの話に耳を傾け、スキンシップをとるように心がけてみてください。

成長痛は精神的な原因で起こることがあるんですね…。

神経質な性格・家族背景・幼稚園や小学校での嫌な出来事・基礎疾患の有無などが影響していることもあります。はっきりした原因が分かっているわけではありませんが、成長期は身体だけでなく、心も成長する時期です。
保護者の知らない間に辛い思いをしている可能性もあります。場合によっては、幼稚園や小学校などの先生に相談してみるといいでしょう。日頃からお子さんの話に耳を傾け、精神的なケアをしてあげることも対処方法のひとつになります。

日常生活における注意点は何ですか?<

痛みの出方は重要な診断材料です。痛みがいつから・どんなふうに・どのくらい続いているのかをメモしておくと、受診の際に役立ちます。
痛みが出る前に変わったことが無かったか・どんな時に痛みが治まるか等も書き留めておくと良いでしょう。まれに他の病気が隠れていることもあります。不安に感じる場合は、早めに病院に相談するといいでしょう。
昼間にも痛がる様子が無いか・足を引きずって歩いていないか・関節の動かし方に違和感が無いかを注意して観察することも重要です。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

夜間にお子さんが下肢を酷く痛がると不安になりますが、成長痛の場合は朝には治ることがほとんどです。焦らず・慌てず・患部をさすりながら優しく声をかけて様子をみましょう。辛い夜が続きますが、一過性の場合が多いです。冷静にお子さんの様子を観察してみてください。
もし、次の朝になっても痛がるようなら整形外科を受診しましょう。

編集部まとめ

メモを取る女性
不定期に繰り返す足の痛みは子どもにとっても親にとっても辛いものですが、成長痛は多くの子どもが経験する症状のひとつです。

まずは、落ち着いて痛みの様子を確認しつつ、患部をさすってあげるようにしましょう。

集団生活の中でたくさん走り回って、たくさんお友達と関わる子どもにとっては、身体的・精神的な疲労が痛みとして出やすいこともあります。

身体のケアだけでなく、心のケアを心がけることも大切です。また、成長痛と似た症状でも、他の疾患が隠れていることもあります。

日中にも変わった様子が無いか、注意してみてあげるようにしましょう。不安なことがあれば、主治医に相談してみてください。

この記事の監修医師