FOLLOW US

目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 病気の事典
  3. 起立性調節障害の症状や原因、治療方法とは?

起立性調節障害の症状や原因、治療方法とは?

 更新日:2023/03/27
起立性調節障害

起立性調節障害とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントを交えつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
村上 友太 医師(東京予防クリニック)

起立性調節障害とは

起立性調節障害とは、自律神経の失調により、立ち上がる時などに大きく血圧が下がり、倦怠感やめまい、時には失神をきたしてしまう病気です。

パーキンソン病などの自律神経障害を伴う病気で発症しやすいのですが、加齢や脱水などの複合的な要因によって、症状がでることもあります。

村上友太 医師 東京予防クリニックドクターの解説
横になっている状態から起き上がると、重力の影響で普通の人でも一時的に血圧が下がります。
自律神経機能が保たれていれば、血圧の変動は小さく数秒程度で戻りますが、機能が低下している人は血圧の変動が大きくなり、めまいや立ちくらみなどの症状が出現します。

起立性調節障害の症状

主な症状は、横になっている状態や座っている状態から立ちあがった時に、めまいやふらつき、倦怠感などを感じ、時には失神してしまうものです。

起床時や食後、運動後などに症状が出やすいため、注意が必要です。

また、自律神経の失調があると長時間の立位や排尿・排便前後にも、ふらつきや失神が起こることもあります。

村上友太 医師 東京予防クリニックドクターの解説
起立性調節障害は、軽度では倦怠感やめまいなどの症状のみであり、病気と認識されない場合もあります。
立ちくらみや疲れやすさがあり、社会生活などに支障をきたすことがあるため、起立時などの体位変換時に悪化する場合には、医療機関での相談が必要です。自律神経の失調は小児でもみられることがあります。朝になかなか起きられない、朝礼時に倒れるなどの症状が現れますが、成長とともに改善することが多いといわれます。また、失神などを起こす場合には、転倒や打撲というケガを負う可能性があり、特に高齢者では、骨折などの原因となるため、起立時にふらついてしまう場合には、早めに医療機関で相談してください。

起立性調節障害の原因

起立時には心臓の位置が高くなることで、重力の影響で心臓に戻る血液量が減り、血圧が下がります。

正常の場合、血管を収縮させたり脈拍数を増加させたりするような、変動を調整する機能が速やかに働きます。

しかし、自律神経の障害があると、その速やかな調整ができなくなることで、症状が出現します。

また、血圧を下げる薬や脈拍を下げる薬、抗うつ薬や抗精神病薬などが原因になることもあります。

村上友太 医師 東京予防クリニックドクターの解説

自律神経障害は、パーキンソン病や多系統萎縮症だけでなく、二次性の障害として、糖尿病やアルコール中毒、梅毒、ビタミンB12欠乏症などでも起こります。降圧薬や利尿薬などのよく使われる薬剤が原因になることもあるため、症状がある場合には、服用している薬剤の見直しが必要です。

起立性調節障害の検査法

横になっている状態から立位姿勢になる間や、その後に立位姿勢を維持している間の血圧を、連続して計測する「3分間起立試験」や「head up tilt試験」を行います。
また、心臓超音波検査や心電図検査などを行います。

村上友太 医師 東京予防クリニックドクターの解説

起立性調節障害の症状は、体水分量などさまざまな要因が重なって出現するため、検査時に症状が出現するとは限りません。

症状は出なくても、血圧や脈拍の変動の程度などを参考に診断を行うことができます。

起立性調節障害の治療方法

起立性調節障害の原因になる薬剤がある場合には、薬剤の変更を行います。

その他に、原因になる病気がある場合には、その原因になる病気の治療が重要です。

村上友太 医師 東京予防クリニックドクターの解説

薬剤調整や原因になりうる病気の治療、日常生活での注意を行っても症状が残る場合には、循環血症量を増加させる薬や血圧をあげる薬などによる薬物療法を行う場合もあります。

最も重要な治療・予防は、生活改善と、周囲の方々の理解です。

起立性調節障害の予防法

起立性調節障害は、さまざまな要因が重なって起こります。

症状が出やすくなるような動作・習慣を改めることが予防になります。

例えば、急に起き上がったり立ち上がったりしないこと、大量飲酒、水分不足、塩分制限、睡眠不足、過度なストレスをさけること、などが考えられます。

この記事の監修ドクター

この記事の監修医師