肺炎の原因、症状、治療方法をご紹介
肺炎(読み方:はいえん)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。
この記事の監修ドクター:
竹澤 信治 医師 竹沢クリニック 院長
肺炎とは
肺炎は、肺にある小さな空気の袋(肺胞)やその周辺組織に発生する感染症です。
肺炎は、世界で最も一般的な死因の1つです。
重篤な慢性の病気が他にある患者において、肺炎はしばしば最終的な死因となります。
肺炎の種類によっては、ワクチンの接種によって予防できます。引用:MSDマニュアル家庭版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/07-肺と気道の病気/肺炎/肺炎の概要
肺炎の症状
肺炎の症状として代表的なものは、せきや発熱、呼吸困難、くしゃみ、たん、のどの痛み、胸痛などがあります。風邪の症状に似ていますが、肺炎と風邪とのの違いは症状の重さです(表)。
引用:長寿科学振興財団 健康長寿ネット
https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/haien/shoujou.html
肺炎の原因
肺炎の原因菌の代表格は肺炎球菌。このほかインフルエンザウイルスや、クラミジアといった微生物も肺炎を引き起こします。特にこの数年、季節を問わず若い年齢層にマイコプラズマ肺炎の発症が増えています。マイコプラズマ肺炎は発熱や全身のだるさ、痰のでない乾いた咳が特徴。熱が治まった後も3~4週間ほどしつこく咳が続きます。
肺炎には「喫煙者の病気」というイメージがありますが、ストレスや疲労で抵抗力が落ちたとたんに感染したり、喘息や糖尿病などの慢性疾患があると発症しやすいことが知られています。「タバコを吸わないから大丈夫」、「若いから大丈夫」などという油断は禁物です。
また高齢者は感染以外にも、間違って気管に入った食べ物や唾液が原因で炎症を起こしたり、アレルギー性の肺炎を起こすことがあります。若い人に比べて発熱などの自覚症状がでにくく、見逃しやすいので注意してください。少しでも体調が悪いと感じられたら病院を受診するようにしましょう。
引用:沢井製薬 サワイ健康推進課
https://www.sawai.co.jp/kenko-suishinka/illness/201212-02.html
肺炎の検査法
病院では問診に続き聴診器で胸の中の音を聞き取ります。肺炎の場合、炎症や分泌物のために気道が狭くなり独特の雑音が聞こえます。疑いが強くなったら胸部レントゲン撮影へ。肺に炎症があると真っ白な影が映るため「肺炎」と診断できますが、念のために胸部CTを撮影することもあります。確定診断の後は、良く効く抗菌薬を決定するため血液と痰の検査が行われます。
引用:沢井製薬 サワイ健康推進課
https://www.sawai.co.jp/kenko-suishinka/illness/201212-02.html
肺炎の診断に必須なものとして、胸部レントゲンがあります。また血液検査で、白血球の増加やCRP(炎症反応を調べる指標)、個々の抗原(マイコプラズマや肺炎球菌等)を確認します。
肺炎の治療方法
肺炎患者では、気道の分泌物を除去する必要もあり、深呼吸の訓練が有益な可能性があります。肺炎患者に息切れがある場合や、血液中の酸素レベルが低い場合は、酸素投与が行われます。酸素投与には通常、鼻孔に挿入する合成樹脂の細い管(鼻カニューレ)を用います。安静は治療の重要な要素ですが、完全に寝たきりの状態が続くと体に悪いこともあるため、体を頻繁に動かしたりベッドから椅子へ移動したりすることが勧められます。
通常、細菌性肺炎が疑われる場合は、原因微生物が特定される前であっても、抗菌薬の投与を開始します。抗菌薬の使用開始が早ければ、肺炎の重症度や、死に至りうる合併症を起こす可能性が低下します。
引用:MSDマニュアル家庭版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/07-肺と気道の病気/肺炎/肺炎の概要
もしこのような症状が出た場合は、専門医にご相談されるのがいいでしょう。一方、普段から肺炎にならないように過労を避けて、充分な睡眠、適度な運動も大切になります。