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重度の叢生を治すには?ガタガタな歯並びの治療方法を紹介!

 公開日:2026/03/08
重度の叢生を治すには?ガタガタな歯並びの治療方法を紹介!

「鏡を見るたびに、ガタガタな歯並びが気になってうまく笑えない」「重なっている部分の歯磨きが難しくて、将来のむし歯が心配……」そんな悩みを抱えていませんか?
叢生は、単に見た目のコンプレックスだけでなく、噛み合わせの不具合や歯周病リスクにも直結する深刻な問題です。

本記事では歯並びが悪い重度の叢生について以下の点を中心に紹介します。

  • 叢生(そうせい)とは
  • 叢生を放置した場合のリスク
  • 叢生の治療法

歯並びが悪い重度の叢生について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

小田 義仁

監修歯科医師
小田 義仁(歯科医師)

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小田歯科・矯正歯科
院長 小田 義仁
岡山大学歯学部 卒業
広島大学歯学部歯科矯正学教室
歯科医院勤務をへて平成10年3月小田歯科・矯正歯科を開院
所属協会・資格
日本矯正歯科学会 認定医
日本顎関節学会
日本口蓋裂学会
安佐歯科医師会 学校保健部所属
広島大学歯学部歯科矯正学教室同門会 会員
岡山大学歯学部同窓会広島支部 副支部長
岡山大学全学同窓会(Alumni)広島支部幹事
アカシア歯科医会学術理事

重度の叢生とはどのような歯並び?

重度の叢生とはどのような歯並び?
叢生(そうせい)とは、歯の大きさと顎の大きさのバランスが合わないことで、歯がきれいに並びきらず重なり合って生えてしまう不正咬合の一種です。
歯のサイズが大きい、あるいは顎が小さい場合に起こりやすく、歯列が乱杭のように前後左右へずれている状態が特徴です。いわゆる八重歯も、歯の生える順序などが関係して生じる叢生の一例とされています。

なかでも重度の叢生は、前歯だけにとどまらず歯列全体に大きな乱れが及んでいる状態を指します。奥歯を含めて歯の重なりやねじれが見られ、歯が並ぶアーチの形自体が大きく歪んでいるケースも少なくありません。
さらに、上顎前突や下顎前突、交叉咬合など、ほかの不正咬合を併発しているケースもあります。

以上のような状態では、見た目の問題だけでなく、進行すると全身の健康に関わる可能性もあるため、早期の診断と対応が重要です。

叢生における歯並びの重症度の基準

叢生における歯並びの重症度の基準
ここでは、叢生における軽度と重度の歯並びの基準について解説します。

軽度の叢生

軽度の叢生は、歯列にわずかな乱れが見られるものの、見た目や機能面への影響が小さい状態を指します。前歯の突出や重なりが4〜5mm未満に収まるケースが軽度と判断される傾向があり、日常生活に大きな支障は生じにくいとされています。

見た目の特徴としては、歯の並びに小さな凸凹がある、前歯が少し前後にずれているといった程度で、周囲からは気付かれにくい場合も少なくありません。代表的な例は、軽い八重歯や、歯と歯の間のわずかなすき間、前歯が1〜2mmほど突出している状態などが挙げられます。

【主な特徴】
・歯の重なりやズレが小さい
・見た目の乱れが目立ちにくい
・噛み合わせはほぼ正常
・食事や会話への支障が少ないとされている
・発音障害などの機能的問題はあまりみられない

健康面への影響も限定的で、発音がしづらい、噛みきれないなどの機能障害が生じるケースは少ないとされています。
ただし、歯がわずかに重なっていることで歯ブラシが届きにくく、磨き残しが生じやすくなる点には注意が必要です。そのため、むし歯や歯周病予防を目的とした定期的なメンテナンスが重要です。

重度の叢生

重度の叢生は、歯列全体に大きな乱れがあり、見た目だけでなく噛み合わせや口腔機能、健康面にも影響が生じている状態を指します。前歯の突出や歯の重なりが6mm以上に達する場合、重度と判断される傾向があり、日常生活への支障が現れやすいとされています。

歯が大きく重なり合い、歯列のアーチそのものが歪んでいるケースもあり、口元の印象に影響を与えます。叢生に加えて、上顎前突(出っ歯)や下顎前突(受け口)、交叉咬合など複数の不正咬合を併発している症例もあります。

【主な特徴】
・多数の歯が重なり合っている
・前歯が著しく突出、または引っ込んでいる
・上下の歯がうまく噛み合わない
・お口が閉じにくい
・顎の位置関係に明らかなズレがある

このような状態では、咀嚼効率の低下により食事がしにくくなるほか、発音障害や滑舌の悪さが生じることもあります。さらに、顎関節や周囲の筋肉への負担が増加し、顎関節症のリスクが高まる点も見逃せません。
生活の質にも関わる重要な問題となるため、重度の叢生が疑われる場合は、早期に歯科医師へ相談しましょう。

重度の叢生を放置するとどうなるか

重度の叢生を放置するとどうなるか
重度の叢生を治療しないまま放置すると、どのようなリスクがあるのでしょうか。以下で解説します。

むし歯や歯周病が進行しやすい

重度の叢生を放置すると、むし歯や歯周病が進行する可能性があります。叢生は歯と歯が重なり合い、傾きやねじれも伴うため、歯ブラシが細部まで届きにくいからです。
丁寧に磨いているつもりでも磨き残しが生じやすく、歯垢が蓄積しやすい環境となり、細菌の繁殖によってむし歯や歯肉炎、歯周病のリスクが高まります。なかでも重度の叢生の場合、歯が覆い被さるように並ぶことで初期むし歯に気付きにくく、発見が遅れて神経の処置や抜歯が必要となるケースもあります。

また、噛み合わせの乱れによりお口が閉じにくい症例では、口腔内が乾燥するため雑菌が繁殖しやすい状態になります。さらに、磨き残しの増加は口臭の原因にもつながります。

噛み合わせや咀嚼への影響

重度の叢生を放置すると、歯並びの乱れだけでなく、噛み合わせや咀嚼機能にも影響がおよびます。叢生は歯が並ぶスペース不足によって生じるため、上顎と下顎の大きさや歯列のアーチバランスが崩れやすく、上下の歯が正しく噛み合わない状態になりやすいとされています。

噛み合わせが悪いと、食べ物を効率よく噛み砕くことが難しくなります。その結果、十分に咀嚼しないまま飲み込んでしまい、胃腸など消化器官への負担が増大し、消化不良につながる可能性も否定できません。また、片側だけで噛む癖がつくことで、咀嚼バランスがさらに崩れる場合もあります。

さらに、噛み合う力の分布が偏ると、特定の歯だけが強く当たり、すり減りが早まる可能性があります。歯の摩耗が進むと噛み合わせの高さが変化し、状態の悪化を招く要因につながります。
加えて、顎の動きが噛みやすい位置へ偏ることで、正中線のズレや交叉咬合、開咬、上顎前突や下顎前突などの不正咬合を併発するケースもあります。

見た目や発音が気になりやすい

歯並びが大きく乱れた状態は、口元の印象に直結します。そのため、歯並びを気にしてお口を大きく開けられなくなったり、無意識に口元を手で隠す癖がついたりするなど、日常の仕草にも影響が及ぶ場合があります。

また、歯は顔全体の印象を左右する重要な要素のひとつです。乱れた歯列を気にし続けることで、人前で話すことや笑うことに消極的になり、精神面に負担を感じるケースもあります。

さらに、歯が内側に入り込むように生えている場合、舌を動かした際に歯へ当たりやすくなります。その結果、言葉をはっきり発音しにくくなったり、滑舌が悪くなったりする場合があります。相手に声が伝わりにくいと、会話に苦手意識を持つこともあるでしょう。

このように、重度の叢生は審美面だけでなく、コミュニケーションや心理面にも影響を及ぼす可能性があります。

叢生になる主な原因

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叢生が重度になる主な原因には、次のような点が挙げられます。

歯と顎のサイズ不一致
歯の大きさは主に遺伝で決まる一方、顎の成長は栄養状態や発育環境の影響も受けるとされています。そのため、顎の発育が十分でない場合、歯が並びきらず叢生が起こりやすくなります。

遺伝的要因
親や祖父母に歯並びの乱れがある場合、顎の形態や歯のサイズが似ることで、同様の歯列不正が現れる可能性があります。

乳歯から永久歯への生え替わりの問題
乳歯がむし歯や事故で早期に失われると、空いたスペースへ周囲の歯が移動し、永久歯が正しい位置に生えにくくなります。反対に、乳歯が抜けないまま永久歯が生えることで、八重歯や重なりが生じる場合もあります。

口腔の悪習慣
指しゃぶり、舌で歯を押す癖、口呼吸などは、顎の正常な成長を妨げ、歯列へ不均衡な力をかける要因となります。

例えば、乳歯が早く抜けた場合、空いたスペースへ周囲の歯が移動し、永久歯が正しい位置に生えにくくなります。逆に乳歯が抜けずに残ることでも、歯列の乱れを招くことがあります。

なお、やわらかい物ばかり食べると顎が小さくなり叢生になるという説もありますが、食物の硬さや咀嚼回数の減少と顎骨の幅の変化には明確な関連がないとされています。

このように叢生は、骨格や歯のサイズ、成長過程、生活習慣など、多面的な要因が関与して発症します。

重度の叢生の主な治療方法

重度の叢生の主な治療方法
ここでは、叢生の治療法について解説します。

マウスピース型矯正

重度の叢生に対する治療法のひとつは、透明な装置を用いるマウスピース型矯正です。装置が目立ちにくく取り外しが可能なため、日常生活への影響を抑えながら矯正治療を進められる点が特徴です。

マウスピース型矯正は歯列全体に装着し、段階に応じて数週間単位で新しいマウスピースへ交換しながら歯を移動させていきます。重度の症例では歯の重なりが強く、移動量も多くなる傾向にあるため、治療期間は2〜3年程度が目安とされています。スペース確保のため抜歯を併用した全体矯正となる場合もあり、段階的な調整が必要です。

費用は治療範囲により異なりますが、全体矯正では約500,000円〜1,500,000円が相場とされており、追加処置がある場合は別途費用が発生することもあります。

なお、歯の移動距離が大きい場合などは適応が限られるため、事前に歯科医師の診断を受けたうえで治療計画を検討することが大切です。

ワイヤー矯正

重度の叢生を治療する際、ワイヤー矯正は選択肢に挙がりやすい代表的な治療法です。
ワイヤー矯正は歯の表面にブラケットと呼ばれる装置を装着し、そこへワイヤーを通して力を加え、歯を少しずつ理想的な位置へ移動させていきます。奥歯を支点に歯列全体をコントロールできるため、大きな移動や複雑な歯並びにも対応しやすい点が特徴です。

重度の叢生は歯の重なりやねじれが強く、歯を大きく動かす必要があります。ワイヤー矯正はマウスピース型矯正に比べて強い力をかけられるため、歯の回転や移動方向の細かな調整がしやすく、幅広い症例に用いられています。

装置の種類には、歯の表側に装着する表側矯正のほか、外から見えにくい裏側矯正舌側矯正)、目立ちにくい素材を用いた審美ブラケットなどがあります。治療期間は症例によりますが、1〜3年程度が目安とされており、費用は約500,000円〜1,500,000円と幅があります。

ワイヤー矯正とマウスピース型矯正の併用

重度の叢生に対しては、ワイヤー矯正とマウスピース型矯正を組み合わせて行う方法もあります。それぞれの特性を活かすことで、複雑な歯並びにも対応できる点が特徴です。

まずワイヤー矯正で歯を大きく移動させ、歯列全体のバランスを整えます。重なりが強い歯や大きく位置がずれている歯を動かした後、マウスピース型矯正へ移行し、細かなズレや噛み合わせを調整します。

ワイヤー矯正とマウスピース型矯正を併用すると、マウスピース単独では難しい症例にも対応しやすくなります。また、ワイヤー装置の装着期間を短縮できる可能性もあります。

外科的治療を伴うケース

重度の叢生のなかでも、歯並びだけでなく骨格的な問題が大きく関与している場合は、外科的治療を併用するケースがあります。これは外科矯正と呼ばれ、通常の歯列矯正に加えて顎骨を手術で移動させ、噛み合わせを根本から整える治療法です。

例えば、下顎が小さすぎる、顎が曲がっている、上下顎のバランスが大きく崩れている場合などは、歯の移動だけでは改善に限界があります。このような顎変形症(反対咬合、上顎前突、開咬、下顎骨の偏位など)では、手術によって顎の位置や大きさを調整したうえで歯列矯正を行います。

骨格から整えることで、見た目の改善だけでなく、噛み合わせや機能面の向上も期待できます。治療期間は長くなる傾向がありますが、重度症例においては根本的改善を目的とした有効な選択肢とされています。

抜歯を伴うこともある

重度の叢生では歯の重なりが強く、歯列内に十分なスペースを確保できない場合があります。このようなケースでは、歯を整列させるための空間を確保する目的で、特定の歯の抜歯が検討されることがあります。

スペースが不足した状態のまま矯正治療を進めると、歯列のアーチが不自然に広がったり、噛み合わせのバランスに影響が及んだりする可能性があります。そうした場合は、抜歯を行うことで歯の移動がスムーズになり、歯列全体の調和を図りやすくなります。

ただし、抜歯を伴う歯列矯正は歯の移動距離が長くなるため、、治療期間は2〜3年以上かかる傾向があります。また、治療後の歯並びを安定させるためには、長期的な経過観察が重要です。症状が進行する前に治療を開始することで、より計画的な改善につながります。

重度の叢生は医療費控除を申請できる?

重度の叢生は医療費控除を申請できる?
重度の叢生に対する矯正治療は、医療目的と認められる場合に医療費控除の対象となる可能性があります。矯正治療は自費診療となるケースが多いとされており、治療期間も長期に及ぶため費用負担が大きくなりやすいですが、一定条件を満たせば税負担の軽減が図れます。

医療費控除とは、1年間(1月1日〜12月31日)に支払った医療費が100,000円(または所得2,000,000円未満の場合は所得の5%)を超えた際、確定申告により所得税や住民税の一部が還付される制度です。

対象となるのは、見た目の改善ではなく機能回復を目的とした治療です。例えば、咀嚼障害や顎関節症、発音障害、清掃不良によるむし歯や歯周病リスクの軽減などが該当します。申請に備え、診断内容や領収書は保管しておきましょう。

まとめ

まとめ

ここまで歯並びが悪い重度の叢生についてお伝えしてきました。歯並びが悪い重度の叢生の要点をまとめると以下のとおりです。

  • 叢生とは、歯の大きさと顎の大きさの不均衡により歯が並びきらず、前後左右に重なって生える不正咬合の一種で、歯列全体が乱れ、ねじれや突出を伴うなど、見た目と機能の両面に影響を及ぼしかねない
  • 叢生は歯が重なり清掃性が低下するため、治療しないままでいるとむし歯や歯周病が進行しやすくなるほか、噛み合わせの乱れにより咀嚼効率が落ち、発音や顎関節への負担、見た目や心理面への影響が生じる可能性もある
  • 叢生の主な治療法には、マウスピース型矯正やワイヤー矯正があり、症例によっては両者を併用したり、抜歯や外科手術を伴ったりする場合もある

重度の叢生は見た目だけでなく、口腔機能や将来の健康にも関わる重要な問題です。気になる症状がある場合は早めに歯科医師へ相談し、自身に合った治療方法を検討していきましょう。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師

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