歯列矯正で後悔するケース|非抜歯の危険性・ワイヤー矯正とマウスピース型矯正の違いも解説
歯列矯正は、抜歯を行う場合があることを知っていますか?歯科医院によっては抜歯をしない矯正治療を提供している場合もありますが、正しい矯正治療の知識を身につけることが大切です。
また、歯列矯正には、ワイヤー矯正とマウスピース型矯正があります。矯正治療で後悔しないためにも、どの矯正装置が自分に合っているのかを見極めて治療しましょう。
本記事では、非抜歯矯正治療のリスクや歯列矯正装置の違いなどを解説しますので、ぜひ歯列矯正の知識を深めてください。
監修歯科医師:
國則 貴玄(こはる矯正歯科)
鹿児島大学病院歯科総合診療部で臨床研修
2007年 鹿児島大学大学院歯科矯正学分野入局
2011年 鹿児島大学医学部・歯学部附属病院 医員
2014年 鹿児島大学医学部・歯学部附属病院 矯正歯科 助教
博士号(歯学)取得
2015年 厚生労働省 歯科医師臨床研修指導歯科医
2016年 鹿児島大学大学院歯科矯正学分野助教
2019年 こはる矯正歯科開院
目次 -INDEX-
歯列矯正で後悔するケースは?
歯列矯正は長い時間をかけて治療するものですが、治療後に後悔することがあります。いくつかケースを挙げてみましょう。
- あまり変化がなかった
- 非抜歯で治療したら口元が出てしまった
- 顎関節に痛みが出た
- 治療したけどすぐに戻ってしまった
これらのケースは、非抜歯による矯正治療を受けた際に現れやすい症例です。このような矯正治療では再治療が必要になったり、治療期間が長くなったりと、費用面でも大きな負担になることがあります。
非抜歯で歯列矯正を行う危険性
矯正治療で後悔してしまう傾向にあるのは、噛み合わせや顔つき、治療後の歯列(歯並び)です。
治療を受けた方の中には、不適切な非抜歯矯正治療を受けた結果再治療が必要となるケースもあります。
抜歯するか非抜歯で治療をするかは患者さん自身で希望を伝えられますが、症例によっては頑なに抜歯を拒否するのはおすすめできません。歯科医師の説明をよく聞き、治療方針を把握したうえで治療をスタートしましょう。
矯正治療を受ける前に気をつけること
非抜歯で歯列矯正して不正咬合になると、見た目が変化することがあります。歯並びはきれいになっても口元が前方に出て口がうまく閉じないなどになると、そのことが劣等感につながりストレスになることもあるかもしれません。
歯列矯正の仕上がりは、以下をチェックをしましょう。
- 顔や歯並びが左右対称になっているか
- 横顔で唇が出ている、または引っ込んでいないか
- 前歯の噛み合わせが深くなりすぎていないか
- 前歯上下の中心が一致しているか
- 歯の隙間が残っていないか
上記のような症状がある場合は、歯科医院への受診を検討しましょう。
無理な非抜歯矯正を行うことによる危険性
非抜歯矯正による不正咬合は歯の健康にも影響するリスクがあります。考えられる影響は以下のようなものになります。
- 顎が正常な成長や発育ができない
- より噛み合わせや歯並びが悪くなる
- 硬い物が食べにくくなる
- 歯の寿命が短くなる
なお、無理な非抜歯は矯正治療後は歯を支える歯槽骨が減り歯肉退縮(歯茎が下がる)を加速させることがあります。無理な非抜歯矯正をおこなうことにより治療前よりも歯や歯茎へ負担をかける可能性があるのです。矯正治療では、歯の状態によって抜歯の必要もあることを理解し、再矯正治療をするリスクを減らしましょう。
歯列矯正の種類
歯列矯正は、矯正装置の特性を利用して治療を行います。なお、歯列矯正方法は、ワイヤー矯正とマウスピース型矯正がありますが、それぞれにメリットやデメリットがあります。
ここからはワイヤー矯正とマウスピース型矯正の特徴を解説しますので、生活スタイルに合った矯正装置を検討しましょう。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、歯の表面に小さなブラケットと呼ばれる装置を装着し、細いワイヤーを通します。ワイヤーは歯に沿って曲がり、弾力性があります。この弾力性を利用して歯を少しずつ移動させ、歯並びを直していきます。この装置の総称を「マルチブラケット装置」といいます。
ブラケットやワイヤーの種類は多数あり、透明のものや金属以外の素材のものなどさまざまです。また、このマルチブラケット装置は歯の裏側につける「裏側矯正(舌側矯正)」タイプもあります。この裏側矯正(舌側矯正)は、口を開いても矯正していることがわかりにくいというメリットがあります。なお、ワイヤー矯正は一度装着すると自身で取り外すことはできません。
そのためマウスピース型矯正と比較すると歯の移動量は多くなるものの、歯磨きや食事がしにくい点がデメリットといえます。メリットは、適応できる症例が多いことです。
マウスピース型矯正
マウスピース型矯正は厚さ約0.5mmのマウスピース型を装着して歯列矯正を行います。このマウスピースは透明性が高く、目立ちにくいことがメリットです。
治療計画に基づき、一定期間ごとにマウスピースを交換して歯を移動させていきます。また、マウスピースは取り外しが可能で食事や歯磨きの際に取り外せるため、普段通りに歯磨きができて口腔内を清潔に保つことができるでしょう。
しかし、ワイヤー矯正に比べると患者さんの使用時間によっては治療の成果が大きく左右されます。なお、マウスピース型は一般的に1日20~22時間は装着する必要があるため、食事や歯磨き以外ではなるべく外さないようにしなければいけません。
ワイヤー矯正とマウスピース型矯正の違い
ワイヤー矯正とマウスピース型矯正のメリット・デメリットを解説しましたが、ここからはそれぞれの違いについて解説します。ワイヤー矯正とマウスピース型矯正の選択に悩んでいる方は、ぜひチェックしてみてください。
使用する装置の違い
使用する装置の違いは明確です。ワイヤー矯正ではブラケットとワイヤーを歯に直接装着します。装置は金属製のワイヤーのほか、透明なブラケットや白くコーティングされたワイヤーもあります。なお、金属製のワイヤーは金属アレルギーの方だと使用できないことがあるため、事前に歯科医師にアレルギーの有無を伝えておくことが大切です。
一方、マウスピース型矯正は透明なマウスピースを使用して歯列矯正を行います。目立ちにくいうえに取り外しが可能なため、見た目が気になったり食事や歯磨きがしづらかったりするストレスを軽減できるのもメリットのひとつです。なお、マウスピース型矯正は金属アレルギーがある人でも使用できます。
治療期間の違い
ワイヤー矯正の治療期間は平均で2~3年です。これは永久歯列全体を治療した場合の目安になります。
治療期間は元の歯の状態や年齢などでも左右されるため、個人差があります。また、治療期間が終了した後は、リテーナーという保定装置をつける必要があります。リテーナーの装着期間は平均で2年以上です。元の歯の状態や装着時間によっては、さらに治療期間が延びる可能性もあるでしょう。なお、リテーナーの装着は長ければ長いほどよいとされています。
一方、マウスピース型矯正の治療期間は患者さんの元の歯の状態や装着時間によっては、さらに治療期間が延びる可能性もあるでしょう。
治療できる症例の違い
固定装置であるワイヤー矯正は、叢生(乱ぐい歯)などの不正咬合や歯並びを正しい噛み合わせにする効果が期待できます。そのため、多くの不正咬合による歯並びを治療できます。
一方、マウスピース型矯正は多くの場合歯をきれいに並べることはできますが、不正咬合の状態によっては噛み合わせをきちんと治せないケースがあります。
なお、マウスピース型治療を望んでいたとしても条件が合わず、ワイヤー矯正に変更する可能性があることも理解しておきましょう。
歯磨きや装置の手入れの違い
ワイヤー矯正は治療を開始した時点から取り外せないため、うまく歯磨きができなかったり食べ物が詰まったりして、むし歯・歯茎の炎症・口臭を生じる可能性があります。また、硬い物や粘着性のある食べ物は固定式装置が外れたりワイヤーが変形する事があるので注意が必要です。
一方、マウスピース型矯正は取り外しが可能で、歯磨きや口腔内の清掃が容易なため、口の中を清潔に保ちやすいです。
費用の違い
特殊な不正咬合は保険が適用されるものもありますが、一般的に矯正治療は保険適用外です。そのため、治療費は全額自己負担になります。なお、治療が複雑なワイヤー矯正は、初診から保定期間までの総額が一般的に600,000~1,200,000円(税込)程度かかる傾向にあります。
一方、マウスピース型矯正の費用相場は500,000~1,000,000円(税込)程です。全体矯正や部分矯正、歯の状態によって、費用が大きく変わります。なお、矯正治療は治療前におおよその費用を提示されることが多いため、確認したうえで検討するとよいでしょう。
歯列矯正のことならこはる矯正歯科にご相談を
こはる矯正歯科は、鹿児島大学の向かい側にある矯正歯科医院です。未就学児から歯列矯正の相談が可能なため、子どもの歯並びが気になる場合なども相談できます。初回のカウンセリング料は無料です。
なお、カウンセリング室と診察室は別になっているため、対面で相談できて話しやすい環境になっています。
土日も診療を受けられる矯正歯科専門のクリニック
こはる矯正歯科は、土日も診療を受けられる矯正歯科専門の歯科医院です。土曜は毎週、日曜は第2と第4が診療日になっているため、平日は忙しい学生や会社勤めの方でも通いやすいでしょう。
また、矯正歯科専門の歯科医院であるため、健康面だけでなく見た目の悩みや要望にも応えられるように取り組んでいるそうです。
日本矯正歯科学会認定医による診療
こはる矯正歯科の國則院長は日本矯正歯科学会認定医であり、これまで先天性奇形症候群や顎変形症などの難しい治療についても深く学んできたそうです。
そのため、知識や技術を活かした治療の提案が受けられるでしょう。
また、カウンセリングでは歯並びのチェックを行い、治療の有無や治療をする場合に使用する装置や治療期間、費用などの説明をしっかり行っているため、納得してから治療を開始することができます。
検査などにかかる所要時間は以下の通りです。
- 検査:60
- 診断:約30分
- 矯正装置の装着:30~60分
- 矯正装置の調整:約30分
- 保定:約30分
なお、矯正治療についての相談のみでも受診できます。受診する際は、事前に電話やネットでの予約が必要です。
患者さんの症状に合わせて適切な装置と治療を提供
こはる矯正歯科では、患者さん一人ひとりの症状や要望に合わせた治療を行っています。提供する矯正装置は以下のものがあります。
- ワイヤー矯正
- マウスピース型矯正
どの矯正装置が適しているかを慎重に見極めるため、検査では矯正歯科専用のデジタルレントゲン機器を導入しています。
その検査結果をもとに治療方針を立て、患者さんが納得できるまで丁寧に説明しているそうです。
歯列矯正で後悔したくない方は、こはる矯正歯科に相談してみてはいかがでしょうか。
こはる矯正歯科の基本情報
アクセス・住所・診療時間・費用・治療期間・治療回数
市立病院前電停より徒歩10分
騎射場電停より徒歩9分
JR郡元駅より徒歩15分
鹿児島市バス 鹿大正門前停より徒歩1分
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
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10:00〜14:00 | ● | ● | - | ● | ● | ▲ | ★ | - |
16:00〜19:00 | ● | ● | - | ● | ● | ▲ | ★ | - |
▲…10:00~13:00/14:00~17:00
★…10:00~13:00/14:00~17:00(第2・4日曜のみ診療)
休診日:水・祝祭日・第1・第3・第5日曜
【費用(税込)】
・表側矯正:638,000円
・裏側矯正(舌側矯正):990,000円
・マウスピース型矯正(インビザライン(※)):550,000〜748,000円
(※)未承認医薬品等であるため医薬品副作用被害救済制度の対象とはならない可能性があります。
【治療期間】1〜3年
【治療回数】
・ワイヤー矯正は月に1回(12〜36回)
・マウスピース型矯正は3ヶ月に1回(4〜12回)
参考文献