早めの受診で守る子どもの歯並びと成長|後悔しないための小児矯正
公開日:2025/10/29

子どもの歯並びについて、「もう少し様子を見てから……」と考えていませんか? 適切な時期を逃してしまうと、治療が複雑になったり、費用や治療期間が増えたりする可能性があります。 小児矯正は、お子さんの成長を味方につけながら、自然に歯並びや噛み合わせを整えていく治療です。早めに受診して適切な診断を受けることで、将来的なトラブルを未然に防ぎ、お子さんの健やかな成長をサポートできます。 本記事では、小児矯正の特徴や早期受診のメリット、受診前に知っておきたいポイントを解説します。

監修歯科医師:
若泉 学史(若泉歯科クリニック)
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1997年 武生高等学校 卒業
2003年 神奈川歯科大学卒業 歯科医師免許取得
2004年 歯科医師臨床研修課程 修了
2011年 厚生労働省指定 臨床研修指導歯科医 取得
2012年 若泉歯科クリニック 院長就任
研修会・参加学会等
・JIADSエンドコース 修了
・JIADSペリオコース 修了
・青島徹児先生ダイレクトボンディングセミナー 修了
・Harvard School Of Dental Medicine Esthetics & Implant course 修了
・Pennsylvania School Of Dental Medicine Esthetics & Implant course 修了
2003年 神奈川歯科大学卒業 歯科医師免許取得
2004年 歯科医師臨床研修課程 修了
2011年 厚生労働省指定 臨床研修指導歯科医 取得
2012年 若泉歯科クリニック 院長就任
研修会・参加学会等
・JIADSエンドコース 修了
・JIADSペリオコース 修了
・青島徹児先生ダイレクトボンディングセミナー 修了
・Harvard School Of Dental Medicine Esthetics & Implant course 修了
・Pennsylvania School Of Dental Medicine Esthetics & Implant course 修了
目次 -INDEX-
小児矯正とは?大人の矯正との違い
小児矯正は、成長期のお子さんを対象とした歯列矯正治療です。成人矯正とは目的や治療のアプローチが大きく異なり、単に歯並びを整えるだけでなく、顎の成長をコントロールしながら将来的なトラブルを防ぐことを目指します。ここでは、小児矯正の目的や特徴、成人矯正との違いについて説明します。
小児矯正の目的は「歯並びを整える前に土台を整えること」
小児矯正の大きな目的は、歯がきれいに並ぶための「土台」を整えることにあります。顎骨が成長途中にある時期だからこそ、その成長を利用して上下の顎のバランスを調整したり、永久歯が生えるスペースを確保したりすることが可能です。歯並びが悪くなる原因の多くは、顎の大きさや位置のずれ、口周りの筋肉の使い方にあります。これらの根本的な問題にアプローチできるのが、小児矯正の特徴といえるでしょう。 土台がしっかり整っていれば、永久歯が自然に正しい位置へ生えやすくなります。その結果、将来的に本格的な矯正治療が必要になったとしても、治療期間が短くなったり、歯を抜かずに済んだりする可能性が高まります。つまり、小児矯正は「将来への投資」として、お子さんの口腔環境を整える大切なステップなのです。 ただし、矯正装置の装着時間が十分に確保できないと効果が出にくいことや、装置の刺激によって口内炎ができる可能性があるといったデメリットもあります。 成長期ならではの矯正治療の特徴と進め方
小児矯正は、お子さんの成長段階に合わせて段階的に進めていくのが一般的です。治療は大きく分けて第一期治療と第二期治療の2つに分けられます。 第一期治療は、乳歯と永久歯が混在する混合歯列期に行われ、主に顎の成長をコントロールしながら歯が並ぶスペースを作ることを目指します。取り外し可能な装置や拡大装置を使用して顎骨を広げたり、口周りの筋肉の使い方を改善したりします。 第二期治療は、永久歯が生えそろった後に行われる治療で、歯を細かく動かして最終的な歯並びを整えます。この段階では、ブラケットやワイヤーを使った固定式の装置や、マウスピース型矯正装置が用いられることが多くなります。第一期治療で土台がしっかり整っていれば、第二期治療がスムーズに進むだけでなく、場合によっては第二期治療が不要になるケースもあります。成人矯正との違い
成人矯正は、すでに顎の成長が完了した状態で行う治療です。そのため、顎骨のバランスを整えることは難しく、歯を動かすことが中心となります。場合によっては歯を抜いてスペースを作ったり、外科的な処置が必要になったりすることもあります。また、成人の歯は子どもに比べて動きにくいため、治療期間が長くなる傾向があります。 一方、小児矯正は成長期の柔軟性を活かせるため、痛みが少なく、治療がスムーズに進みやすいのが特徴です。取り外し可能な装置を使用することが多く、食事や歯磨きの際に外せるため、衛生管理もしやすくなります。さらに、顎の成長をコントロールできるため、将来的に複雑な治療を避けられる可能性が高まります。このように、成長期だからこそ得られるメリットが、小児矯正には数多く存在します。小児矯正は早めの受診が大切な理由
小児矯正において、受診のタイミングは治療効果を大きく左右します。「まだ乳歯だから」「永久歯が生えそろってから」と考えて様子を見ていると、適切な治療時期を逃してしまうことがあります。ここでは、早めの受診がなぜ重要なのか、その理由を解説します。
5~8歳が治療に適している理由
小児矯正を始める適切な時期は、一般的に5歳〜8歳頃とされています。この時期は、前歯が永久歯に生え変わり始め、顎骨がまだ柔らかく成長途中にあるため、治療による効果が期待できるタイミングです。顎骨が柔軟なうちに治療を始めることで、顎の幅を広げたり、上下の顎のバランスを整えたりすることが容易になります。 また、この時期に口呼吸や指しゃぶり、舌の位置の癖といった悪習癖を改善することで、将来的な歯並びの乱れを予防できます。悪習癖は放置すると歯並びや顎の発育に悪影響を及ぼし、成人になってからでは改善が難しくなる場合もあります。5歳〜8歳という時期は、こうした習慣を正すのに適したタイミングでもあるのです。 さらに、この年齢のお子さんは歯科医院の雰囲気に慣れやすく、治療に対する協力が得られやすい傾向があります。治療を通じて歯科医師やスタッフとの信頼関係を築くことで、お子さんが歯科治療に対して前向きな姿勢を持ちやすくなります。これは、将来的な口腔ケアにおいても大きなメリットとなるでしょう。放置すると起こりやすい問題
歯並びや噛み合わせの問題を放置すると、さまざまなトラブルが生じる可能性があります。まず、歯並びが悪いと歯磨きがしにくくなり、むし歯や歯周病のリスクが高まります。歯と歯の間に食べ物が詰まりやすくなり、歯ブラシや歯間ブラシが届きにくい部分が増えるためです。子どものうちからむし歯を繰り返すと、将来的に歯を失うリスクも高くなります。 また、噛み合わせが悪いと、食べ物をしっかり噛めないため消化器官に負担がかかります。特に成長期のお子さんにとって、栄養の吸収は身体の発育に直結するため、噛み合わせの問題は健康全体に影響を及ぼす可能性があります。さらに、噛む力が偏ることで顎の関節に負担がかかり、顎関節症を引き起こすこともあります。 口元の見た目に関するコンプレックスも見過ごせない問題です。歯並びが気になることで、お子さんが笑顔を見せることをためらったり、人前で話すことに消極的になったりするケースもあります。思春期に入ると、こうした心理的な影響はさらに大きくなる傾向があります。早めに治療を始めることで、こうした問題を未然に防ぎ、お子さんの心身の健やかな成長をサポートできます。様子を見ていたら手遅れになるケースも
「もう少し様子を見てから」という考え方が、かえって治療を難しくするケースも少なくありません。たとえば、顎骨のずれが大きい場合、成長期を過ぎてから治療を始めると、外科的な処置が必要になることがあります。また、永久歯が生えそろってからでは、歯を動かすスペースを確保するために抜歯が必要になる可能性も高まります。 10歳以降になると、顎の成長が落ち着き始めるため、顎骨を広げるような治療が難しくなります。その結果、固定式の装置を使った治療が中心となり、治療期間が長くなったり、費用が増えたりすることもあります。さらに、装置が目立つことで、お子さんが治療に対して抵抗感を持つ場合もあります。 早めに受診して専門的な診断を受けることで、今すぐ治療を始めるべきか、もう少し様子を見ても良いかを正確に判断できます。仮にすぐに治療が必要でなかったとしても、定期的に経過を観察することで、適切なタイミングを逃さずに治療を開始できます。お子さんの将来を見据えた判断をするためにも、早めの受診が大切です。早めに受診することで得られるメリット
小児矯正を早めに始めることは、お子さんにとってさまざまなメリットをもたらします。治療面だけでなく、経済面や心理面においてもプラスの効果が期待できるため、保護者の方にとっても安心でしょう。ここでは、早期受診によるメリットを具体的に紹介します。
成長を味方につけた自然な歯並び改善
成長期の顎骨は柔軟性があり、適切な力を加えることで自然に形を変えることができます。この時期に治療を行うことで、無理なく顎のバランスを整え、永久歯が正しい位置に生えるための環境を作ることが可能です。顎を広げる治療や、上下の顎の位置を調整する治療は、成長期ならではのアプローチといえます。 また、取り外し可能な装置を使用することが多いため、お子さんの負担が少なく、治療を続けやすいのも特徴です。食事や歯磨きの際には装置を外せるため、日常生活に大きな支障をきたすこともありません。さらに、口周りの筋肉を正しく使うトレーニングを併用することで、舌の位置や唇の動きといった悪習癖を改善し、後戻りのリスクを減らせます。長期的に見ると治療コストを抑えられる可能性
早めに治療を始めることで、将来的な治療費を抑えられる可能性があります。第一期治療で顎の成長をコントロールして土台を整えておけば、第二期治療が必要なくなる場合や、治療期間が短くなる場合があります。また、抜歯や外科的な処置を避けられることで、身体的な負担だけでなく、経済的な負担も軽減できます。 さらに、小児矯正を行うことで、むし歯や歯周病のリスクを減らすことができます。歯並びが整うことで歯磨きがしやすくなり、口腔内を清潔に保ちやすくなるためです。結果的に、むし歯治療にかかる費用や時間を削減できる可能性が高まります。お子さんの将来の健康を考えると、早めの投資が大きなリターンをもたらすといえるでしょう。自信をもって笑えるなど心理面のメリット
歯並びが整うことで、お子さんが自分の口元に自信を持てるようになります。人前で笑うことや話すことに対する抵抗感が減り、積極的にコミュニケーションを取れるようになることも期待できます。特に思春期は、見た目に対する意識が高まる時期です。この時期に歯並びが整っていることは、お子さんの自尊心や社会性の発達にもよい影響を与えるでしょう。 また、早めに治療を始めることで、治療期間中の心理的な負担を軽減できます。目立ちにくい装置を使用できる時期に治療を行えば、お子さんが装置を気にせず学校生活を送れます。笑顔に自信を持つことは、お子さんの人生を豊かにする大切な要素です。早期受診によって、そうした未来をサポートできるでしょう。小児矯正の受診前に知っておきたいチェックポイント
小児矯正を検討する際には、事前にいくつかのポイントを確認しておくことが大切です。治療方針や費用、通院頻度など、具体的な内容を把握しておくことで安心感を持って治療を始められるでしょう。ここでは、受診前に知っておきたいチェックポイントを紹介します。
治療方針・費用・通院頻度をしっかり確認する
小児矯正は自由診療となることが多く、費用や治療方針は歯科医院によって異なります。初診時のカウンセリングで、治療の目的や使用する装置、期間の見通しについて詳しく説明を受けることが重要です。また、費用については、第一期治療と第二期治療でそれぞれどの程度かかるのか、追加費用が発生する可能性はあるのかなど、具体的に確認しておきましょう。 通院頻度も治療を続けるうえで重要なポイントです。定期的な調整が必要な場合、1〜2ヶ月に1回程度の通院することが一般的です。お子さんの学校生活や習い事との兼ね合いを考慮し、無理なく通える環境かどうかを事前に確認しておくと安心でしょう。治療計画や費用に関して不明な点があれば遠慮せずに質問し、納得したうえで治療を開始することが大切です。信頼できる矯正専門の歯科医院を選ぶポイント
小児矯正を受ける際には、信頼できる歯科医院を選ぶことが重要です。専門的な知識と経験を持つ歯科医師が在籍しているか、新しい設備が整っているかなどを確認しましょう。特に、日本矯正歯科学会 認定医が在籍している歯科医院は、専門的な診断と治療を受けられる可能性が高まります。 また、カウンセリングの際に、お子さんや保護者の方の話をしっかり聞いてくれるか、わかりやすく説明してくれるかも大切なポイントです。治療は長期にわたるため、信頼関係を築ける歯科医院を選ぶことがスムーズな治療につながります。相談のタイミングを逃さないための目安
お子さんにこのような症状や習慣が見られる場合は、早めに受診を検討しましょう。- 口がポカンと開いている
- いびきをかく
- 噛んだときに下の前歯が出ている
- 乳歯がすき間なく並んでいる
小児矯正なら若泉歯科クリニックにご相談を
福井県越前市にある若泉歯科クリニックは、小児矯正をはじめとする幅広い歯科治療に対応している歯科医院です。お子さんの成長に合わせた適切な治療を提供し、一人ひとりの将来を見据えたサポートを行っています。ここでは、若泉歯科クリニックの小児矯正の特長を紹介します。
日本矯正歯科学会 認定医による専門的な診断と治療
若泉歯科クリニックには日本矯正歯科学会 認定医が在籍しており、専門的な知識と豊富な経験をもとに質の高い矯正治療を提供しています。日本矯正歯科学会 認定医は、厳しい基準をクリアした歯科医師のみが取得できる資格であり、矯正治療において高い専門性を持つことを示すものです。そのため、お子さんの歯並びや顎の成長に関する複雑な症例にも適切に対応できるでしょう。
また、院長をはじめとする複数の歯科医師が在籍しており、それぞれが専門分野をお持ちです。矯正治療だけでなく、むし歯治療や予防治療など総合的な歯科診療を一つの医院で受けられます。お子さんの口腔内全体を見渡しながら、適切な治療計画を立案できる体制が整っています。
お子さんの成長に合わせた段階的な治療プラン
若泉歯科クリニックでは、お子さん一人ひとりの成長段階や口腔内の状態に合わせて、オーダーメイドの治療プランを提案しています。 第一期治療では、拡大床などを使用し、顎の成長をコントロールしながら永久歯が正しく生えるためのスペースを確保します。これらの装置は取り外し可能なため、お子さんの負担が少なく衛生的に管理できます。 第二期治療では、歯を細かく動かして最終的な歯並びを整えます。お子さんのライフスタイルや希望に応じて適切な装置を提案してくれるため、無理なく治療を続けられるでしょう。 さらに、MFT(口腔筋機能療法)と呼ばれるトレーニングを併用することで、舌や唇、頬の筋肉を正しく使えるようにし、口呼吸の改善や嚥下機能の向上を目指します。 こうした総合的なアプローチによって後戻りのリスクを減らし、長期的に安定した歯並びを維持できるようサポートしています。親子で相談しやすい丁寧なカウンセリング体制
若泉歯科クリニックは、患者さんとのコミュニケーションを大切にしており、カウンセリングに十分な時間をかけています。治療に入る前に、お子さんや保護者の方の不安や疑問に丁寧に耳を傾け、わかりやすい言葉で説明を行います。模型や画像を用いた視覚的な説明も行うため、治療の流れや目指すゴールを具体的にイメージしやすいでしょう。 また、小さなお子さん連れの保護者の方でも安心して通院できるよう、無料の託児サービスを提供しています。保育士や子育て経験のあるスタッフがお子さんをお預かりするため、保護者の方は治療に集中できます。さらに、院内はバリアフリー設計となっており、ベビーカーのまま診療室まで入れるなど、家族全員が快適に過ごせる環境が整っています。 若泉歯科クリニックは、地域の皆さまの健やかな笑顔を守るため、質の高い歯科医療を提供されています。お子さんの歯並びや成長について気になることがあれば、相談してみてはいかがでしょうか。若泉歯科クリニックの基本情報
アクセス・住所・診療時間・費用・治療回数・治療期間
福井鉄道福武線 北府駅 車で6分
▲:9:00~16:30
【費用(税込)】
MRC矯正(予防矯正):検査含め33,000~88,000円
床矯正(予防矯正):検査含め236,500~434,500円
成人矯正に移行:別途 440,000~990,000円
【治療期間】
MRC矯正(予防矯正):1年半~2年半程度
床矯正(予防矯正):1年~4年程度
成人矯正移行:1年~2年程度
【治療回数】24~36回程度
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
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| 9:00〜12:30 | ⚫︎ | ⚫︎ | ⚫︎ | ⚫︎ | ⚫︎ | ▲ | - | - |
| 14:00〜17:30 | ⚫︎ | ⚫︎ | ⚫︎ | ⚫︎ | ⚫︎ | ▲ | - | - |
参考文献




