なぜ矯正歯科で治療すべきなのか?矯正治療のメリットや始める前に知っておきたいこと
公開日:2025/09/05

歯並びや噛み合わせに悩みを抱えていませんか? 矯正治療は見た目の改善だけでなく、健康面や心の状態にも大きな影響を与える治療です。特に近年では、お子さんからご高齢の方まで、幅広い年代で矯正治療を受ける方が増えています。 本記事では、矯正歯科での治療がなぜ重要なのか、その理由やメリット、始める前に知っておきたいことを解説します。ご自身やご家族の将来の健康のために、矯正治療について理解を深めていただけると幸いです。

監修歯科医師:
酒向 絵美(よごう歯科クリニック)
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北海道大学歯学部を卒業後、東京医科歯科大学大学院を修了し博士号を取得。東京医科歯科大学病院や矯正歯科クリニックなどで矯正治療の研鑽を積む。日本矯正歯科学会認定医の資格を持ち、日本舌側矯正歯科学会などに所属。ライフスタイルに合わせた矯正期間や矯正装置の提案、メリット・デメリットについて、患者にわかりやすく丁寧に説明することを心がけている。
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矯正治療が必要な理由とは?
矯正治療と聞くと、「見た目を良くするためのもの」と思われがちですが、実はそれ以上に重要な意味があります。歯列の乱れや不正咬合は咀嚼機能低下やむし歯・歯周病のリスク、隣接する歯や粘膜への過剰負担などさまざまな口腔疾患を引き起こすリスクがあるだけでなく、食事のしやすさや発音、さらには身体全体の健康にも深く関わってきます。
ここでは、矯正治療が私たちの健康にどのような影響を与えるのか、そして矯正治療によって得られる本当のメリットについて解説します。
噛み合わせが与える全身への影響
不正咬合は、聴覚異常や発音・咀嚼異常、平衡感覚の異常、身体運動機能の低下、自律神経異常によるストレス・睡眠障害などを与える可能性があります。 顎関節は神経系を感受する内耳や中耳の器官と隣接しています。不正咬合で顎関節に障害を生じる場合、聴覚や神経系に影響し眩暈や耳鳴りなど聴覚異常や平衡感覚の異常に発展する場合があります。発音のしにくさを自覚したり、咀嚼機能が低下し食欲不振や栄養状態の悪化などを招いたりする場合もあるでしょう。咬合は身体運動機能に深く関わりがある報告もあり、不正咬合により基礎体力が低下する可能性があります。 また不正咬合に伴う歯ぎしりや食いしばりがある場合、自律神経系へ影響を及ぼすことが示唆されており自律神経機能低下による不眠や眩暈、心的ストレスを抱えやすいなど全身のさまざまなトラブルを誘発する可能性があります。 矯正治療によって噛み合わせを整えることは、身体のバランスを取り戻す大切な第一歩なのです。矯正治療で得られる本当のメリット
矯正治療によって歯並びが整うと、見た目の印象が良くなるだけでなく、自分に自信を持てるようになります。人前で笑うことが苦手だった方が、口元を気にせず自然に笑えるようになるケースも少なくありません。また、歯列が整うことで歯磨きがしやすくなり、むし歯や歯周病の予防にもつながります。 ほかにも、発音の改善や全身の合併症予防に繋がるなど、矯正治療は見た目の美しさと健康の両方を叶える治療なのです。矯正歯科だからできる“専門的な治療”
矯正治療は、単に歯を動かすだけの治療ではありません。顔全体のバランスや顎の動き、将来の噛み合わせまでを見据えて計画的に行う必要がある専門性の高い治療です。そのため、矯正歯科を専門にしている歯科医院での治療が、より安全かつ効果的な結果につながります。
ここでは、矯正歯科で受けられる専門的な診断や設備、治療の幅広さについて紹介します。
矯正治療専門の歯科医師が行う診断と計画
矯正歯科では、矯正治療の専門の知識と経験をもつ歯科医師が治療を担当します。なかでも、日本矯正歯科学会 認定医が在籍していると、より専門的な治療を受けられる可能性が高いでしょう。 治療前には、精密な検査やレントゲン、口腔内スキャンを通じて、顎の成長や歯の動き方を詳細に分析し、一人ひとりに合わせた治療計画を立てます。見た目だけでなく機能面にも配慮されたアプローチで、長期的に安定した噛み合わせを目指します。専門的な設備と幅広い選択肢
矯正治療に特化した矯正歯科医院、治療前に十分な精密検査を行うための設備が充実していることが多いです。歯科用CTや口腔内カメラ、3Dシミュレーションソフトなど、先進的な設備を活用して治療精度を高めています。特に3Dシミュレーションでは、治療前に歯並びがどのように変化するかを可視化できるため、患者さんも安心して治療をスタートできるでしょう。専門性の高い矯正歯科だからこそ、患者さんの希望や不安に寄り添った柔軟な提案が可能です。小児矯正・成人矯正のメリット
矯正治療には、成長期を活かした小児矯正と、自分の意思で始められる成人矯正があります。それぞれの時期で適した治療法があり、目的やアプローチも異なります。年齢に応じたタイミングで矯正治療を行うことが、美しい歯並びと健やかな口腔環境をつくるうえで重要です。
ここでは、小児矯正と成人矯正の特徴と、それぞれのメリットについて解説します。
成長期の骨格を活かす小児矯正
小児矯正の大きなメリットは、顎の成長を利用して骨格バランスを整えられることです。永久歯が生えそろう前に治療を始めることで、将来的な歯並びの悪化や顎関節の問題を予防することが可能です。 たとえば、顎の幅が狭い子どもには拡大装置を使って顎を広げ、歯がきれいに並ぶスペースを確保します。また、受け口や出っ歯など骨格的な問題を成長をコントロールしながら修正できるのも小児期ならではの強みです。 さらに、小児矯正は心理面のサポートにもなります。早い段階で歯並びが整うことで、見た目に対するコンプレックスが軽減され、笑顔に自信を持てるようになります。これは、学校生活や人間関係にもよい影響を与えるでしょう。自分の意思で始められる成人矯正
一方、成人矯正は自らの意思で「変わりたい」と思ったときに始められるのが特徴です。近年は、見た目を重視した透明なマウスピース型矯正など、働きながらでも治療を受けやすくなりました。治療装置の選択肢も豊富で、ライフスタイルや審美性、費用面など、自身に合った方法を選ぶことが可能です。 また、成人矯正は歯並びの改善だけでなく、噛み合わせのバランスや発音、食事のしやすさなど、口腔機能の向上にもつながります。歯磨きがしやすくなるため、むし歯や歯周病の予防にも効果的です。 このように、小児矯正と成人矯正のどちらにも、それぞれ異なるメリットがあります。年齢や目的に応じて適切な治療を選ぶことが、健康で美しい口元への第一歩となります。矯正治療を始める前に知っておきたいこと
歯列や咬合を整え歯や全身の健康増進を促すための治療の一つとして、歯列矯正は身近なものになりつつあります。一方で、治療期間が長く費用もかかるため、治療開始前に治療に対する理解を深めておくことが大切です。
ここでは、矯正治療を検討している方が知っておきたい矯正治療の基本や治療の流れ、歯科医院選びのポイントを紹介します。
治療の種類や治療の流れ
矯正治療には主に、ワイヤー矯正・マウスピース型矯正・舌側矯正(裏側矯正)などの方法があります。それぞれにメリット・デメリットがあり、費用やライフスタイルも考慮して選ぶことが大切です。 ワイヤー矯正(表側矯正)は、一般的な矯正方法で、歯の表面にブラケットを装着してワイヤーで歯を少しずつ動かしていきます。メリットは、多くの症例に対応できて効果が高い点や、治療計画も立てやすいなどが挙げられます。一方、デメリットは見た目が目立つことや金属の刺激で口内炎ができやすいことなどです。費用相場は 800,000〜1,200,000円(税込)程です。 マウスピース型矯正は、透明なマウスピース型の装置を一定期間ごとに交換しながら歯を動かす方法です。 メリットは、目立ちにくく取り外しができる点で、食事や歯磨きの際にストレスが少なく、日常生活への影響が軽減されます。デメリットは、適応できる症例が限られることと、1日20時間以上の装着が必要な点です。 費用相場は 600,000〜1,000,000円(税込)程です。 舌側矯正(裏側矯正)は、歯の裏側に矯正装置をつける方法で、見た目にはほとんど気づかれないのが大きなメリットです。審美性を重視する方に選ばれることが多いですが、装置が舌に当たりやすく、発音や食事に慣れるまで時間がかかる点がデメリットです。治療の難易度も高く、対応できる歯科医師が限られる場合があります。費用相場は1,000,000〜1,500,000円(税込)程です。 こうした治療法の違いを理解し、ライフスタイルや予算、歯並びの状態に合わせて適切な方法を選ぶことが重要です。 治療の流れは、まず初回カウンセリングで悩みや希望を伝え、歯科医師と相談しながら方向性を決定します。その後、レントゲン撮影や口腔内スキャンなどの精密検査を行い、診断結果に基づいて治療計画を立てます。矯正装置を装着した後は、定期的に通院しながら歯を少しずつ動かしていきます。治療期間は平均で1年半〜3年程度で、治療後は歯の後戻りを防ぐ保定装置(リテーナー)を一定期間装着する必要があります。 矯正治療は長期にわたるため、事前の理解と準備が不可欠です。不安や疑問は遠慮せず質問し、丁寧に説明してくれる歯科医院を選びましょう。失敗しない歯科医院の選び方
矯正治療の結果は、歯科医院によって大きく左右されます。適切な矯正治療を受けられる歯科医院を選ぶために、矯正治療について理解を深めることに加え、以下のような点を歯科医院選びの参考にしましょう。- 治療計画のわかりやすい説明がある
- 治療のメリット・デメリットの説明がある
- 費用に関する説明がある
- 日本矯正歯科学会 認定医が在籍している
- アフターケア・メンテナンス体制が整っている
矯正治療ならよごう歯科クリニックにご相談を
質の高い矯正治療を受けられる歯科医院を探している方は、よごう歯科クリニックに相談してみてはいかがでしょうか。
よごう歯科クリニックは横浜市綱島にあり、家族で気軽に通えて相談できる歯科医院を目指しています。
お子さん連れの方も気兼ねなく受診できるようにキッズルームを完備するなど、院内環境への心配りが行き届いている歯科医院です。
日本矯正歯科学会 認定医による診断と治療
よごう歯科クリニックは、日本矯正歯科学会 認定医の資格を有している歯科医師が矯正治療を担当しています。矯正治療に幅広い知見と経験をお持ちで、初診のカウンセリングから診断、治療計画の立案、処置に至るまで、一貫して高い専門性に基づいた治療を提供しています。見た目の改善だけでなく、噛み合わせや口腔機能まで含めた包括的な診断が行われるため、より健康的で美しい歯並びを目指せます。 治療では、的確な診断をもとに適切な矯正治療の提案や治療のメリット・デメリット、治療期間などをわかりやすく丁寧に患者さんへ伝えることを心がけているそうです。患者さんとのコミュニケーションも重視しているため、納得がいくまで説明を受けることができ、安心感を持って治療に臨めるでしょう。小児矯正に力を入れ成長を活かした早期介入を実現
よごう歯科クリニックでは小児矯正に力を入れており、成長を活かした早期介入を行っています。5〜6歳頃からお子さんの口腔内の状態の検査が可能で、歯列矯正の必要性を検討できるそうです。また、反対咬合や下顎前突など顎骨に変形を生じている場合は3歳頃から診断が可能で、早期介入により顎骨の成長を利用した治療を提供しています。 成長期の子どもに対しては、単に歯を動かすだけでなく、お口周りの筋肉や呼吸、姿勢などを総合的に評価し、正しい発育を促すアプローチを取るそうです。矯正装置だけでなく、筋機能療法(MFT)や生活習慣の改善指導なども取り入れ、将来を見据えた健全な口腔環境を育んでいます。 また、キッズスペースや親子で通いやすい環境づくりにも配慮されており、初めての矯正歯科でも安心して通うことができるでしょう。予防と矯正を両立した包括的な診療体制
歯を失うと咬合に異常が生じ全身への悪影響が懸念されるため、よごう歯科クリニックでは歯の寿命を延ばすことを目標に予防治療にも注力しています。
予防の観点から診察を行っており、以下の点を約束しているそうです。
- 口腔内の状態を正確に診断
- 生活習慣の見直しの推奨
- 患者さん個人に適切なケア用品を推奨
よごう歯科クリニックの基本情報
アクセス・住所・診療時間・費用・治療期間・治療回数
東急東横線 綱島駅北口 徒歩2分
横浜市港北区綱島東1-6-10 T`S BRIGHTIA綱島101号
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 10:00〜13:30 | ● | ● | ● | - | ● | ● | ● | ● |
| 15:00〜20:00 | ● | ● | ● | - | ● | ● | ● | ● |
参考文献
- 1.矯正歯科治療はなぜ必要|公益社団法人日本臨床矯正歯科医会
- 治療先の選び方(成長期)|公益社団法人日本臨床矯正歯科医会
- 矯正歯科治療について|公益社団法人日本臨床矯正歯科医会
- 成長期の皆様|公益社団法人日本臨床矯正歯科医会
- 成人の皆様|公益社団法人日本臨床矯正歯科医会
- 大人の治療は、子どもの矯正歯科治療とどう違うのでしょう?|公益社団法人日本臨床矯正歯科医会
- 子どもの矯正歯科治療、始める前に”ココ”をチェック!|公益社団法人日本臨床矯正歯科医会
- 全身とのかかわり|日本歯科医師会
- 矯正歯科|日本歯科医師会
- 生活習慣病などの情報|厚生労働省
- 噛み合わせと全身状態|一般社団法人 日本訪問歯科協会
- 咬合と全身の機能との関係
- 顎変形症|一般社団法人 日本頭蓋顎顔面外科学会
- 矯正歯科治療の診療ガイドライン 成長期の骨格性下顎前突編
- むし歯や歯周病の予防(予防治療)|よごう歯科クリニック
- 矯正歯科について|よごう歯科クリニック




