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矯正のやり直しが必要なケースとは?やり直す方法・相談先・費用も紹介します

 公開日:2023/02/08

矯正は、歯並びをきれいに形成する治療方法です。一度行えば、誰しもきれいな歯並びになると思っている方も多いことでしょう。
しかし、矯正後に歯並びが崩れてしまうことがあるのをご存知でしょうか。崩れてしまった場合には、矯正のやり直しが必要となることもあるのです。
そこで本記事では、矯正のやり直しが必要なケースについて解説します。やり直す方法・相談先・費用についても紹介するので、参考にしてください。

郷 正憲

監修医師
郷 正憲(徳島赤十字病院)

プロフィールをもっと見る
徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。

歯列矯正はやり直しが必要なことがある?

歯列矯正はやり直しが必要なことがある?
矯正が完了しても、数年経過すると歯並びが崩れてしまうことがあります。その場合は、やり直しが必要となることがあるのです。
通常、矯正には専用の器具を用いて、長い治療期間を必要とします。
問題なければ歯並びはきれいになるのですが、なんらかの原因で、歯並びが元の乱れた歯に後戻りしてしまうことがあるのです。
後戻りの原因は、次のようなものが挙げられます。

  • 保定装置が正しく使われていない
  • 親知らずがある
  • 歯周病がある
  • 歯ぎしり・くいしばりなどの癖がある

保定装置は、矯正治療に欠かせない器具であり、歯並びを安定させるために付けるものです。これを付けることで、矯正治療後の歯並びをしっかりと固定させます。
歯並びを治しても、骨にしっかりと固定されるまでは3年程の期間がかかります。この期間は保定装置でしっかりと固定しなければ、歯は動いてしまうのです。
保定装置の装着が不十分であった場合、食べ物を噛むといった動作で、歯が動いてしまうため歯並びが悪くなってしまいます。
また、親知らずがある場合も、治療後の歯並びを悪化させる原因です。親知らずが出てくると、他の歯を押して動かしてしまう原因となります。
このようなことを起こさないためには、あらかじめ親知らずの抜歯を行ったほうが良いでしょう。
歯周病を患っている場合も、歯並びが悪化する可能性があります。歯は、歯槽骨で支えられていますが、歯周病となるとこの歯槽骨が溶けてしまっています。
溶けている状態では歯を十分に支えられないため、改善した歯並びも支えきれなくなってしまうのです。
歯ぎしりやくいしばりなどがあることも、歯並びが元に戻ってしまう原因です。治療直後の歯は、まだ骨にしっかりと固定されていません。
そのため、歯ぎしりなどで強い力がかかり続けると、移動してしまうのです。これらの原因によって、改善した歯並びが元の歯並びのように崩れてしまうことがあります。
後戻りが起きた場合は、矯正のやり直しが必要なケースもあるため、あらかじめ後戻りの原因を把握することは非常に大切です。

歯列矯正のやり直しが必要なケース

歯列矯正のやり直しが必要なケース
一度矯正を行った後も、やり直しが発生する可能性があることをご紹介しました。では、どのような場合にやり直しが必要となるのでしょうか。
未然に防ぐためにも、やり直しが必要なケースを把握して置くことは非常に大切です。

歯の後戻りが起きた

やり直しが必要なケースの中でも、最初に挙げられるのが、歯の後戻りが起きた場合です。
後戻りは、先述したようなさまざまな原因によって起こる可能性があります。特に、保定装置が正しく使われていないケースは、少なくありません。
矯正治療は期間が長いため、いざ治療が終わってきれいな歯並びが手に入ると、その後の通院を止めてしまう方がいるためです。
通院を辞めてしまえば、当然保定装置の正しい装着も行えません。正しい処置を行えないため、歯が移動し始めてしまうのです。
正しい保定装置の装着期間としては、症状によっても異なりますが、3年程度は必要となります。
また、保定装置をきちんと装着していても、後戻りが発生するリスクはあります。きちんと治療を続けていても、歯並びが崩れることはあるのです。

矯正後の仕上がりが思い通りでなかった

やり直しが必要となるケースとしては、矯正後の仕上がりが思い通りではなかったことも挙げられます。
個人の納得の度合いとなるため、個人差は大きいです。しかし、見た目が思っていたものと違うと感じることは、誰しもあり得ます。
歯列矯正は、元々の骨格や歯の生え方によって、きれいな歯並びにするのが難しい場合もあります。
そのため、矯正後の見た目が予想していたものと異なると感じる方は少なくありません。治療期間や高額な費用をかけているため、余計に思ってしまうのです。
思い通りの仕上がりでない場合も、やり直しが必要となる可能性があることは、あらかじめ押さえておいたほうが良いでしょう。

歯列矯正のやり直し方

歯列矯正のやり直し方
後戻りが起きてしまった場合や、思い通りの歯並びでなかった場合には、やり直しが必要となる可能性があるとご紹介しました。
それでは、矯正をやり直す場合にはどのような方法で行うのでしょうか。同じような治療をするのかと不安に感じている方もいるでしょう。
ここでは、歯列矯正のやり直し方を詳しくご紹介します。

軽度の場合はマウスピース矯正

軽度の場合はマウスピース矯正
やり直し方はいくつかありますが、歯並びが崩れてしまった程度に応じて方法が異なります。
歯並びの崩れが軽度の場合には、マウスピースによる矯正が可能です。インビザライン矯正とも呼ばれる方法で、後戻りの気になる部分だけを正すことが可能な方法となります。
マウスピースは透明であり、治療期間中の見た目を気にすることなく、治療を進められます。
また、取り外しが簡単で食事の際に取り外すことも可能であるため、日常生活においても軽度な負担で治療が行える点が特徴です。
基本的には、2週間ごとに新しいマウスピースへと交換し、数カ月に1度の通院を行いながら治療を進めます。
崩れた歯並びも、マウスピースの効果で徐々に動いていき、正しい歯並びを形成していくのです。

重度の場合はワイヤー矯正

歯並びが崩れているにもかかわらず放置期間が長くなると、治療前のような崩れた歯並びになることがあります。
それほど崩れてしまうと重度の状態であり、マウスピース矯正ではきれいな歯並びにすることは不可能な場合があります。
そのため、重度の場合にはワイヤー矯正がおすすめです。歯の表面に、ブラケットと呼ばれる装置を取り付け、ブラケットにワイヤーを通して歯を動かします。
幅広い歯並びの状態に対応できるため、多くの方の症例に対応することが可能です。しかし、マウスピース矯正とは違って見た目が目立つ点が挙げられます。
近年では、金属製のブラケットに代わって透明なブラケットを用いることがあります。
また、歯の裏側への固定で見た目が気にならないようにする対策も考えられていますが、費用が高額となるケースが多いです。
そのため、見た目だけでなく費用が気になって、やり直し自体を断念する方も少なくありません。

歯列矯正のやり直しはどこで行うべき?

歯列矯正のやり直しはどこで行うべき?
矯正のやり直し方をご紹介しましたが、実際にやり直しをするのであればどこで行うべきなのでしょうか。
これまで治療を受けていたクリニックでも良いのか不安に思っている方もいるでしょう。ここでは、矯正のやり直しはどこで行うべきかをご紹介します。

矯正治療を受けたクリニック

やり直しを行うのであれば、まずは矯正治療を受けていたクリニックがおすすめです。
すでに治療を受けたクリニックには、歯のレントゲン写真や詳しい治療内容のデータが保存されています。
そのため、やり直しとなっても、保存していたデータを元に比較的スムーズに治療を行うことが可能なのです。
他のクリニックの場合、再度レントゲンなどを撮影し、治療方法を相談していると時間や費用がさらにかかってしまうでしょう。
また、クリニックによっては、再矯正プランを用意している場合があります。これは、治療後数か月間は、無料や安価な価格で矯正治療を行えるというものです。
マウスピースの作成なども、お手頃な価格で行ってくれる可能性があるため、一度目の矯正のような費用がかかる心配が少なくなります。

矯正のやり直しに対応した他のクリニック

矯正のやり直しに対応した他のクリニック
セカンドオピニオンとして、矯正のやり直しに対応した他のクリニックで行う方法もあります。
特に、先述したような仕上がりに満足できない場合、同じクリニックでは再び満足できない結果になるかもしれません。
そのような心配をすることなく治療を進めるには、他のクリニックで行う方が良いでしょう。
しかし、その際でも他のクリニックでの治療を進める旨を、現在治療中のクリニックに伝えることをおすすめします。
新たなクリニックに、歯の状況や行ってきた治療内容を伝えることは、簡単ではありません。
詳細な状況を伝えるためには、現在治療中のクリニックにて紹介状などを書いてもらって、専門医からの意見を添えてもらった方が安心です。

歯列矯正のやり直しにかかる費用

歯列矯正のやり直しにかかる費用
矯正のやり直しを行う際に、費用を心配される方は多いでしょう。これまでの治療にも、決して安くない金額がかかっています。
そのため、再び同程度の治療費がかかると気になっている方は多いです。では、やり直しにかかる費用はどれくらいなのでしょうか。
金額は、症状や治療方法によっても異なりますが、おおよそ45万円~150万円程度です。
軽度な崩れのやり直しであれば、マウスピース矯正の中でも比較的安価に治療ができます。しかし、ワイヤー矯正の中でも、裏側での固定方式の場合は高額となる傾向です。
表側でブラケットを固定した場合よりも1.5倍程度の価格になるといわれており、フルマウスであれば150万円程度かかることもあるでしょう。
とはいえ、先述したように一度治療を受けたクリニックにて、再矯正プラン保証制度を整えているケースもあります。
このプランや保証制度が利用できれば、費用を抑えて治療を進めることが可能です。

歯列矯正のやり直しに伴うリスク

歯列矯正のやり直しに伴うリスク
歯列矯正のやり直しには、いくつかリスクがあります。誰しも起こる可能性があり、万が一の際には、さらに悪化して歯が抜け落ちる恐れもあります。
やり直すのであれば、このリスクを抑えたうえで、しっかりと検討してから進めましょう。

歯肉退縮

歯肉退縮とは、歯茎の位置が下がってしまう症状です。通常、歯肉は歯の根元を覆っています。
しかし、保定装置などで強い力が加わり続けると、歯肉が下がってしまうのです。歯磨きのブラッシングが強すぎるなどでも、歯肉退縮が起こる可能性があります。
歯肉退縮が起こると、歯の根元が表面に出てしまいます。その結果、知覚過敏や虫歯、歯周病を起こすリスクを高めてしまうため注意が必要です。

歯根吸収

歯根吸収
歯根吸収とは、歯の根元が短くなってしまう症状です。こちらも歯肉退縮同様に、保定装置などによって、強い力が加わり続けることで発生します。
歯の根元が短くなると、歯がグラグラし始め、最終的には抜けてしまう恐れがあります。

矯正のやり直しを成功させるための医院選びのポイント

歯根吸収
矯正のやり直しには、リスクがあることをご紹介しましたが、やはり歯並びが崩れたままでは気になる方は多いでしょう。
やり直しを成功させるためには、クリニック選びが非常に大切となります。そこで、ここではやり直しを成功させるための医院選びのポイントをご紹介します。

矯正のやり直しに実績がある

医院選びのポイントとして大切なのが、矯正のやり直しに実績があることです。
矯正を行っているクリニックは多いですが、やり直しの実績があるかどうかは別問題でしょう。
やり直しには、歯並びの状態や過去の治療から、最適な治療方法を考える必要があります。
そのため、やり直しの実績が豊富であれば、安心して治療を進められる可能性は非常に高いです。
歯根吸収や歯肉退縮などを引き起こすリスクも減らせるため、実績豊富な医院を選びましょう。

保証期間を設けている

保証期間を設けているかも、重要なポイントです。保証期間を設けているクリニックの場合、やり直しが発生した際の費用負担を大きく下げられます。
通常であれば高額な治療費がかかる内容でも、クリニックによっては無償で対応してくれるケースもあります。
保証の内容はクリニックによって異なりますが、保証期間の有無は治療の進めやすさに大きくかかわるため、チェックしておきましょう。

まとめ

歯根吸収
矯正は、やり直しが発生するケースがあります。その原因は、保定装置の取り付けを怠るなどが挙げられますが、きちんと装着していた場合でも発生する恐れがあります。
やり直したくても、費用の心配で治療を進めるか悩む方も多いでしょう。しかし、保証期間が設けてあるクリニックなどを選べれば、費用を抑えての治療も可能です。
やり直しに伴うリスクやクリニック選びのポイントなどを押さえたうえで、きれいな歯並びを手に入れましょう。

この記事の監修医師