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反対咬合(受け口)の治療費用の目安は?治療方法や保険適用になるケースも解説

 公開日:2026/01/17
反対咬合(受け口)の治療費用の目安は?治療方法や保険適用になるケースも解説

下の歯が上の歯より前に出ている状態を反対咬合といい、一般には受け口と呼ばれます。反対咬合は見た目だけでなく、食事や発音、全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があるため、適切な治療が推奨されます。
この記事では、反対咬合(受け口)の治療方法や費用、保険適用になるのはどういったケースなのかについて解説します。

中山 雄司

監修歯科医師
中山 雄司(おとなとこどもの歯並び 中山矯正歯科・小児歯科 西大寺)

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所属先:おとなとこどもの歯並び 中山矯正歯科・小児歯科 西大寺
出身大学:大阪歯科大学歯科矯正学講座
経歴: 2012年3月 大阪歯科大学卒業
    2018年3月 大阪歯科大学大学院歯学研究科博士課程終了
    2019年4月 大阪歯科大学 歯科矯正学講座 助教
    2021年4月 大阪歯科大学 附属病院矯正科 診療主任
    2024年6月 おとなとこどもの歯並び 中山矯正歯科・小児歯科 西大寺 開院
    2025年1月 大阪歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学)講師(非常勤)
取得資格:日本矯正歯科学会 認定医
所属学会:日本矯正歯科学会/ 近畿東海矯正歯科学会 / 日本舌側矯正歯科学会 / 日本顎変形症学会 / 近畿矯正歯科研究会

反対咬合(受け口)の基礎知識

反対咬合(受け口)の基礎知識

反対咬合とはどのような状態ですか?

反対咬合とは、上下の歯の噛み合わせが前後で逆になっている状態で、一般に受け口とも呼ばれる状態を指します。具体的には、下の前歯が上の前歯よりも前に出ている位置関係です。
この状態は、食べ物を噛む機能(咀嚼)、発音、そして顔全体の見た目に影響を与えます。

反対咬合は治療した方がよいですか?

反対咬合は、そのまま放置しておくことで悪影響が生じるリスクが高く、治療することで多くのメリットが得られるため、治療を検討する方がよいといえます。

治療しない場合の主なリスクとして具体的には下記のようなものがあります。

  • 咀嚼・消化不良のリスク
  • 歯と歯周組織への負担
  • 顎関節・全身の不調
  • 発音への影響

まず、反対咬合の場合は噛み合わせの不調により食べ物をうまく噛み切れないため、食事による栄養吸収が妨げられたり、消化不良を引き起こしたりする可能性があります。
また、不適切な噛み合わせ(咬合不良)は特定の歯に過度な負担をかけ、歯の摩耗や損傷を早めたり、歯の寿命を短くしたり、歯周病になりやすくしたりするリスクがあります。
さらに、顎の筋肉のバランスが乱れることで、顎関節症を発症しやすくなるほか、頭痛や肩こりなどを引き起こす場合もあります。

そして、反対咬合は発音への影響も引き起こします。特にサ行やタ行などの発音に影響が出やすく、コミュニケーションを行ううえでのトラブルやコンプレックスにつながる可能性があります。

治療によるメリットとしては、これらの悪影響の原因を解消できるうえ、顔の下半分のバランスが整うなど、見た目(審美性)にもよい影響があります。

反対咬合の治療方法を教えてください

反対咬合の治療法は、主に患者さんの年齢や原因(歯の問題か骨格の問題か)によって選択肢が異なります。
永久歯が生えそろっている大人の方の場合は、ワイヤーとブラケットを使用した矯正や、マウスピース型矯正など、歯の位置を動かす治療法が用いられます。
ただし、反対咬合の原因が歯列ではなく骨格にある場合は歯列矯正のみでは改善が難しいため、外科的矯正治療と呼ばれる歯列矯正と外科手術を併用して噛み合わせを改善する治療法が用いられます。
一方で、永久歯が生えそろう前や顎が成長段階にある子どもの場合は、顎の成長を利用して、上顎の発達を促したり、下顎の成長を抑制したりする専用の器具を用いて行う治療法が用いられます。

歯列矯正で反対咬合を治す方法と治療費

歯列矯正で反対咬合を治す方法と治療費

反対咬合は歯列矯正で治せますか?

反対咬合の原因が歯の位置や傾きのみである場合や、骨格のずれが軽度な場合は、歯列矯正によって治せる可能性が高いです。
永久歯列完成後の反対咬合の治療はワイヤー矯正やマウスピース型矯正といった歯列矯正で歯の位置を動かし、正しい噛み合わせへと導く治療で反対咬合の改善が期待できます。
しかし、反対咬合の根本的な原因が顎の形や位置といった骨格に大きくある場合には、歯列矯正治療だけでは限界があるため、外科手術を併用した矯正治療外科的矯正)が必要です。
まずはご自身の噛み合わせの状態と、治療でどこまで改善できるかを歯科医院に相談することから始めましょう。

反対咬合の歯列矯正はどのように行いますか?

反対咬合の改善を対象とする歯列矯正は、前歯の傾きに対する治療を中心に行います。反対咬合は上の前歯が舌側に倒れ、下の前歯が唇側に倒れることが多いため、上の前歯を唇側に、下の前歯を舌側に傾きを整えます。
歯を移動させるためのスペースがない場合は抜歯や歯の一部を削る処置を行ってから歯列矯正が行われ、反対咬合と合わせて全体の歯並びを整えて噛み合わせを改善します。

なお、歯列矯正には、大きくわけてワイヤー矯正とマウスピース型矯正の二種類があります。

ワイヤー矯正はブラケットと呼ばれる部品を歯の表面に接着し、そこにワイヤーを通して行う歯列矯正です。
ワイヤーの力を利用して、正しい噛み合わせになるまで少しずつ歯に圧をかけながら歯並びを整えていきます。

マウスピース型矯正は、透明なアライナーと呼ばれるマウスピースを装着して歯を動かす方法です。
マウスピース型矯正は目立ちにくいというメリットがある反面、歯を大きく動かしたりといった複雑な状態の治療は苦手であるため、反対咬合の治療は軽度の症例に限られるでしょう。

そのほかに、ワイヤーやマウスピースでの歯列矯正だけでは不十分で、土台である顎骨の形や位置を改善する必要がある場合は、外科手術を伴う矯正治療が適応となります。
下顎骨矢状分割骨切り術(SSRO) や下顎枝垂直骨切り術、ルフォーI型骨切り術(上顎を移動させる手術)などが行われます。
骨の手術は入院が必要な場合があり、術後に顎を固定する器具を一定期間つけることも必要です。

反対咬合の歯列矯正にかかる治療費はどのくらいですか?

反対咬合の歯列矯正は、基本的には自由診療となるため、治療法や必要な期間、そしてクリニックによって異なります。ただし、原因が顎変形症と診断された場合は保険適用での外科的矯正が可能なケースがあります。
治療の料金相場は、自費診療の場合、マウスピース型矯正で100万円前後、表側のワイヤー矯正で70万から100万円程度、裏側矯正舌側矯正)で100〜150万円程度、外科矯正で60万から70万円程度です。

外科手術を伴う反対咬合の治療法と治療費

外科手術を伴う反対咬合の治療法と治療費

反対咬合の治療で手術が必要になることはありますか?

上述のとおり、反対咬合の原因が骨格的な問題(顎骨の大きさや位置のズレ)である場合は、外科手術でないと根本的な治療ができません。重度の骨格的な反対咬合は、手術で顎骨の位置を正しい位置に移動させる必要があります。

反対咬合の手術はどのように行われますか?

反対咬合の手術は、下顎や上顎骨を切って位置を調整する手術が行われます。
反対咬合の場合、下顎が過度に前突しているケースが多いため、下顎骨矢状分割骨切り術(SSRO) などにより下顎骨を切って短くし、正しい位置で人工的な固定具でつなぎ直し固定します。下顎骨の移動量が多い場合や、上顎骨にも問題がある場合は下顎骨に加えて上顎骨も手術で位置調整を行います。
手術は基本的にお口の中を切開して骨を露出させるため、顔の皮膚に大きな傷跡は残りません。
手術後は、手術部位が腫れたり強い痛みが出たりするため、数日間の入院が必要となる場合が多いです。

外科的矯正の治療費はどのくらいですか?

外科的矯正を自由診療で行う場合は、100万円から200万円程度(手術費用のみ)かかります。

ただし、骨格的な問題が健康保険の定める基準に該当する顎変形症と診断され、顎口腔機能診断施設といった指定された医療機関で治療を受ける場合は保険適用が可能です。その場合の自己負担額は、一般的に歯列矯正の費用も合わせて60万円ほどから受けることが可能です。
歯列矯正にかかる期間や入院期間などによっても費用が異なるため、詳細は医療機関で相談してみましょう。

外科的矯正が保険適用外になる場合はありますか?

外科的矯正が保険適用外になるケースはあります。
反対咬合であっても、顎変形症と診断されなかった場合は保険適用外です。
また、顎変形症と診断されても、厚生労働大臣が定める顎口腔機能診断施設の認定を受けていない医療機関で治療を受ける場合は、保険が適用されず全額自己負担です。
そのほかにも、単に見た目を改善したいという目的で手術を行う場合や、術前の歯列矯正を行わないなど、保険適用できめられた方法以外の治療を受ける場合も保険適用外です。

編集部まとめ

編集部まとめ
反対咬合(受け口)の治療は、見た目だけでなく、全身の健康を守るためにも重要です。治療法はワイヤー矯正からマウスピース型矯正、さらには顎の骨格に問題がある場合は外科的矯正まで多岐にわたります。
特に重度の骨格的問題(顎変形症)と診断された場合は、健康保険が適用される可能性もあります。ご自身の症例に適した治療法や費用を知るためには、まずは専門の歯科医院で精密な検査と診断を受けることが第一歩です。
ご自身に合った方法を見つけ、納得のいく治療を進めましょう。

この記事の監修歯科医師

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