インプラント治療の特徴|ブリッジや入れ歯との違いや成功のためのポイントを解説

インプラント治療は、歯を失った場合の審美面や噛む力などから注目されている治療法です。
しかし、その一方で「手術が必要であることに不安を感じる」「ほかの治療と比べてデメリットはないのだろうか」といった不安を抱えている方もいるかもしれません。
今回の記事では、インプラント治療の概要やメリット・デメリットなどを解説していきます。インプラント治療が気になるけれど迷っているという方も、ぜひ参考にしてください。

監修歯科医師:
下地 茂弘(歯科・矯正歯科 GOOD SMILE)
2008年 4月 歯科医師免許取得
2009年 3月 臨床研修終了登録証取得
4月 松本歯科大学 口腔顎顔面外科学講座入局 助手
松本歯科大学大学院入学(顎口腔機能制御学分野專攻)
2012年 11月 日本口腔インプラント学会認定講習会修了
2013年 3月 学位取得(歯学博士)
4月 松本歯科大学口腔顎顔面外科学講座 助教
2015年 12月 NYU(ニューヨーク大学)インプラントコース研修プログラム修了
目次 -INDEX-
インプラント治療とは?構造や治療の流れ
最初に、インプラントはどのような構造で、どのような流れで治療を進めるのかなど、インプラント治療の概要をみていきましょう。
インプラントの構造
インプラントは病気や外傷などにより失った歯を補うための人工歯で、下記の3つのパーツに分かれています。
- 歯根部(インプラント体)
- 支台部(アバットメント)
- 人工歯(上部構造)
歯根部は、歯槽骨に植え込むネジのような部分です。歯根部の素材は、生体との親和性が高く歯槽骨になじみやすいチタンなどが使用されることが多いです。そして、その上に歯根部と人工歯をつなぐ支台部を装着します。ここまでで人工歯を取り付ける土台が整ったので、そこに人工歯を装着します。人工歯は審美性と耐久性に優れた素材で作ることが多く、患者さんの歯に合わせた自然な色や形になるよう調整します。
なお、インプラントはさまざまなメーカーで製造されており、歯根部と支台部が一体化している場合もあります。
インプラント治療の流れ
次に、実際にインプラント体を埋め込む場合はどのような準備と治療を行うのかみていきましょう。
治療前に行われる検査
インプラント治療を行う場合、まずは精密な診査を行います。検査では、レントゲンだけでなく歯科用CTを用いて、歯槽骨の厚みや神経・血管の位置などを詳しく調べます。こうした確認は、歯槽骨の厚みや高さがインプラントを支えるのに十分かどうか、インプラントをどこに植え込むのがよいかを事前に判断するために重要です。
また、血液検査や心電図検査などにより全身の健康状態を確認するほか、持病についても問診します。糖尿病や高血圧などの持病がある場合や、薬を内服している場合は治療に影響する可能性があるため、インプラント治療の可否を慎重に検討します。
手術方法
まず歯茎を切開して歯槽骨を露出させ、歯槽骨にドリルで穴を作成し、そこに歯根部を埋め込みます。切開傷が大きい場合は、埋め込み後に縫合が必要です。一般的には一次手術で歯根部を埋め込んだ後に、後日改めて二次手術を行い支台部を取り付けることが多いです。歯根部と支台部が一体になっているワンピース型のインプラント体の場合は、手術が1度で終わることもあります。いずれの場合も、すぐに人工歯を取り付けるわけではなく歯根部が歯槽骨になじんだ頃に人工歯を取り付けます。
なお、治療中は局所麻酔を用いることが多いですが、静脈内鎮静法や吸入鎮静法により患者さんの負担を和らげる場合もあります。
治療期間
埋め込むインプラント体の数や種類にもよりますが、一般的には6ヶ月前後の治療期間を要します。前述のとおり、埋め込んだ歯根部が歯槽骨になじんで結合してから、支台部や人工歯を取り付けることになります。結合までにかかる期間は上顎で5ヶ月、下顎で3ヶ月が目安ですが、骨の状態により前後する可能性があります。
メンテナンス
インプラントは、治療が終わった後も適切なメンテナンスを続けることが大切です。
インプラントそのものは天然歯のようにむし歯にはなりませんが、歯周病菌が増殖するとインプラント周囲炎が起きやすくなります。インプラント周囲炎を放置すると、歯根部を支えている歯肉や歯槽骨が破壊されてインプラントが抜け落ちてしまうこともあるため注意が必要です。
せっかく入れたインプラントを長持ちさせるためには、日常的な歯磨きや歯間ブラシによるケアに加え、定期的に歯科医院でのクリーニングや検診を受けましょう。
インプラント・ブリッジ・入れ歯の違い
歯を失ってしまった場合、治療の選択肢はインプラントのほかにブリッジや入れ歯などが考えられます。それぞれのメリットとデメリットを知っておくことで、自分に合った治療方法を選びやすくなるでしょう。
ブリッジのメリット・デメリット
ブリッジとは、失った歯の両隣の健康な歯を支えにして、橋をかけるように人工歯を固定する治療法です。
ブリッジを行うメリットは、インプラントに比べて費用を抑えやすく、治療期間が短いことです。また、入れ歯のように外れる心配がなく、咀嚼しているときの違和感も少ないといわれています。さらに、歯肉の切開などを伴わないため侵襲が少ない治療といえるでしょう。
一方、両隣の健康な歯への負担が大きい点はデメリットです。ブリッジを被せるには、支えにする両隣の健康な歯を削る必要があります。削られた歯は、自然な状態よりもむし歯や歯周病になりやすい点にも注意が必要です。
入れ歯のメリット・デメリット
入れ歯には、総入れ歯と部分入れ歯があります。総入れ歯は上顎または下顎のすべての歯を失った場合に使うもので、歯茎に吸盤のように吸着させることで安定させます。一方の部分入れ歯は、残った自分の歯に金属や樹脂の鉤部(クラスプ)をひっかけて固定する仕組みです。
入れ歯の主なメリットは、材料によっては医療保険が適用になるため費用が抑えやすく、治療期間も短いことです。また、インプラントのような手術はもちろん、ブリッジのように健康な歯を削る必要もありません。
デメリットは、噛む力が天然歯よりも弱くなることが挙げられます。また、装着時に違和感があったり、食事中に入れ歯がずれたりすることもあります。さらに、金属製の鉤部が見えて審美的に気になる方も少なくないでしょう。
インプラントのメリット・デメリット
インプラントは天然歯に近い見た目で、歯槽骨に直接埋め込むため安定感がある点が大きなメリットです。安定感は、会話や食事の際の快適性にもつながるでしょう。また、周囲の歯で支える必要がないので、健康な歯に負担がかかりにくいです。
一方で、手術が必要となるため侵襲が大きく、治療期間が長くなりがちです。さらに、基本的には保険適用外のため、治療費用が1本300,000〜400,000円(税込)ほどと高額になる点もデメリットとして挙げられます。
インプラント治療が向いている人
上記のような特徴があるインプラント治療ですが、向いている方の特徴は以下が挙げられます。
- 自然な噛み心地を手に入れたい方
- 見た目を重視したい方
- 健康な歯を削りたくない方
これらの特徴について、具体的に解説します。
自然な噛み心地を手に入れたい方
インプラントは歯槽骨に固定されるため、自分の歯と同じように噛むことができます。リンゴやおせんべいなど、噛み応えのある食べ物も問題なく楽しめるでしょう。また、ずれてしまうことがないため、食生活や会話の際の満足度が高まります。
見た目を重視したい方
インプラントの人工歯は、患者さんの歯に近い色や形に仕上げることが可能です。また、入れ歯のような鉤部もないため、自然な見た目が得られるでしょう。そのため、自分の歯のような見た目を手に入れたい方におすすめです。
健康な歯を削りたくない方
インプラントは、ブリッジのように隣接する歯を削る必要がなく、部分入れ歯のように健康な歯を支えにすることもありません。健康な歯を守りながら失った歯を補えるため、自分の歯を大切にしたいと考える方に向いています。
インプラント治療を成功させるポイント
ここまで紹介したとおり、インプラント治療はさまざまなメリットがある一方で、入れ歯やブリッジと比べて費用がかさみやすく侵襲の大きな治療です。ここからは、インプラント治療を成功させるポイントを紹介します。
信頼できる歯科医師を選ぶ
インプラントはお金も時間もかかる治療だからこそ、信頼できる歯科医師を選ぶことをおすすめします。歯科医師を選ぶポイントは、十分な説明をしてくれるか、患者さんが納得したことを確認してから治療を進めてくれるかなど、カウンセリングの丁寧さなどを確認しましょう。
また、歯科医師の技術力はインプラント治療の成功率を左右する要因となります。そのため、インプラント治療に関係する経験や症例なども、歯科医師を選ぶときのポイントになります。
充実した医療設備が備わっている歯科医院を選ぶ
精度の高い診断と治療には、歯科用CTをはじめとする医療機器が必要です。また、治療器具を滅菌する設備が整っていることも安心感につながります。こうした設備面は歯科医院のWebサイトでも確認できることが多いため、事前に確認するとよいでしょう。
難症例にも対応しているか確認する
インプラント体を埋め込むためには、それを支えられる歯槽骨が必要です。しかし、歯槽骨は体質や加齢、歯を失ってからの期間などにより薄くなることがあります。骨の高さや厚みが足りない場合の治療は難症例とされ、インプラント治療が難しいことがあるので注意が必要です。歯科医院により対応できる症例は異なるため、難症例にも対応できる歯科医師を探して相談することをおすすめします。
メンテナンスやアフターフォローについて確認する
インプラントは、治療後のメンテナンス次第で長持ちしやすくなります。そのため、定期的な検診やクリーニングを徹底している歯科医院を選ぶとよいでしょう。また、アフターフォロー体制についても確認しておくことをおすすめします。
インプラントのことなら歯科・矯正歯科GOOD SMILEにご相談を
今回の記事では、インプラント治療の概要やメリット・デメリット、インプラント治療を成功させるためのポイントなどについて解説してきました。
最後に、インプラント治療を受けたい方に山梨県甲府市にある歯科・矯正歯科GOOD SMILEを紹介します。
どのような特徴がある歯科医院なのか、3つのポイントをみていきましょう。
インプラント治療に精通した歯科医師が担当
歯科・矯正歯科GOOD SMILEのインプラント治療は、日本口腔外科学会 口腔外科認定医の資格を持った歯科医師が担当しています。
一定の知識や経験を有すると認められた歯科医師のみが取得できる資格であり、インプラント治療に精通した歯科医師の治療が受けられるでしょう。
こうした専門性を土台に、歯科・矯正歯科GOOD SMILEでは難症例にも対応しています。また、インプラントの院内10年無償保証やガイドデント社インプラント10年外部有償保証の対象となっているため、万が一の破損やトラブルにも対応可能です。
質の高い治療を提供するための充実した医療設備
歯科・矯正歯科GOOD SMILEは、精密な診断に必要な歯科用CTや、歯型を取る際の患者さんの負担を軽減するデジタル印象採得装置、精密治療のためのマイクロスコープ(歯科用拡大鏡)など、充実した医療設備をそろえています。
そのほか、メインの入れ歯などは連携している院外の歯科技工所で製作しますが、院内に歯科技工室があるため、仮歯などは院内歯科技工室で製作し、歯がない期間を短くしたり短期間にすることが可能だそうです。
また、衛生管理の面でもエプロンやグローブは使い捨てにするほか、滅菌レベルの高いクラスB規格の滅菌器を導入することで衛生的で安心感のある治療を提供しています。
各分野に特化した歯科医師によるチーム医療
歯科・矯正歯科GOOD SMILEでは、インプラント治療のほか精密治療や歯周病治療、歯列矯正など、さまざまな分野に特化した歯科医師が在籍しています。
医療技術や設備は日々変化しており、1人で歯科医療のすべての専門分野の新しい技術を習得して実践するのは難しいため、治療を行う際は複数の歯科医師が集まって症例検討を行い、総合的な視点から適切な治療方法を提案しているそうです。また、治療だけでなく予防治療にも注力し、口腔ケアのプロフェッショナルの歯科衛生士による予防処置も提供しています。
「自分が受けたい診療、大切な家族に受けさせたい診療」を心がけ、各専門分野の歯科医師やスタッフによるチーム歯科医療で患者さんのお口の健康をサポートされています。
無料相談も受け付けているため、お口の状況や治療に不安がある方やインプラント治療を検討している方は、歯科・矯正歯科GOOD SMILEに相談してみてはいかがでしょうか。
歯科・矯正歯科GOOD SMILEの基本情報
アクセス・住所・診療時間・費用・治療期間・治療回数
JR 甲府駅より車で10分
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
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9:00〜13:00 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | - | - |
15:00~19:00 | ● | ● | ● | ● | ● | ★ | - | - |
★:14:30〜18:00
※予約優先
【費用(税込)】370,000円/1歯
【治療期間】6ヶ月~1年
【治療回数】4〜8回
参考文献