目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 歯科TOP
  3. インプラントTOP
  4. インプラントコンテンツ
  5. インプラントの再治療はどんな場合に必要?再治療の流れ・費用・リスクを解説

インプラントの再治療はどんな場合に必要?再治療の流れ・費用・リスクを解説

 公開日:2026/02/28
インプラントの再治療はどんな場合に必要?再治療の流れ・費用・リスクを解説

せっかく受けたインプラント治療でも、インプラント周囲炎や骨との結合不全により、再治療を検討せざるを得ないケースがあります。また痛い思いをするのか、費用はどれくらいかかるのか、などと不安を感じる方も多いでしょう。 インプラントの再治療は、原因を正しく特定し、適切なプロセスを踏めば十分に成功可能です。本記事では、再治療が必要になるケースから、費用、リスク、成功率を高めるためのポイントまでを詳しく解説します。

松浦 明

監修歯科医師
松浦 明(歯科医師)

プロフィールをもっと見る
職場
医療法人 松栄会 まつうら歯科クリニック

出身大学
福岡歯科大学

経歴
1989年福岡歯科大学 卒業
1991年松浦明歯科医院 開院
2020年医療法人松栄会まつうら歯科 理事長就任

資格
厚生労働省認定研修指導医
日本口腔インプラント学会認定医
ICOI (国際インプラント学会)Fellowship認定医

所属学会
ICOI(国際口腔インプラント学会)
日本口腔インプラント学会
日本臨床歯科学会(SJCD) 福岡支部 理事
日本顎咬合学会 会員
日本臨床歯科CAD/CAM学会(JSCAD)会員

インプラントの再治療について

インプラントの再治療について

インプラントの再治療はどのような場合に必要ですか?

インプラントの再治療とは、何らかのやむを得ない理由によって、インプラント治療が中断されたときや、インプラントを抜去した後などに行われます。
その理由はさまざまなケースがありますが、主にはインプラント周囲炎などでインプラントを抜去せざるを得なくなり、患者さん自身が抜去後に再びインプラント治療を希望する場合は再治療となります。
インプラントは自費診療であるため、再治療は必ずしも必要ということではなく、患者さん自身が強い希望がある場合は再治療が検討され、改めて適応検査などを行ったうえで問題なければ再治療が進められます。

インプラントが揺れている場合は必ず再治療が必要ですか?

インプラントが揺れている程度や原因によって、再治療が必要な場合とそうでない場合があります。
揺れている原因が、部品の緩みによるものであれば、歯科医師がネジを締め直すことで解決できる可能性があります。インプラント周囲炎によって揺れている場合は、インプラントを固定していた骨が溶けてしまっている状態ですので、その進行度合いによっては再治療が必要です。初期であれば、消毒などを施すことで解決できることもあります。
いずれにしても、無理に抜こうとしたり、放置したりせずに、歯科医院に連絡し、適切に対処をしてもらいましょう。

インプラントの再治療が必要かどうかはどのように診断されますか?

インプラントを治療中、または治療後に、再治療が必要な状態かどうかを見極めるには、さまざまなポイントがあります。
患者さん自身の自覚症状として、痛みや腫れが長期間続く場合は、内部で細菌感染や炎症が起きている可能性があります。この場合は、状況に応じて一度インプラントを抜去し、患部の状態が落ち着くのを待ってから、改めて再治療の可否を判断します。
診断においては、現在のインプラントが骨と結合する見込みがあるか、そして周囲の骨が再治療に耐えうる状態であるかを慎重に見極めます。
まず、レントゲンや歯科用CTを用いて、骨の診査を行います。画像診断では、インプラント周囲の骨が溶けていないか、またはインプラントと骨の間に隙間が生じていないかを確認します。もしインプラントを支える骨が著しく減少している場合は、再治療にあたって骨造成などの追加処置が必要かどうかを判断する重要な指標となります。
次に、インプラント体のぐらつきをチェックします。専用の器具で振動を与えたり、軽く触れたりすることで、骨との結合強度を数値化して測定します。目視でわかるほどのグラつきがある場合は、骨との結合が失われているため、抜去と再治療が強く推奨されます。
さらに、歯茎の炎症状態を診査します。血や膿が出ている場合は、インプラント周囲炎の進行具合を確認し、クリーニングや薬物療法でリカバリーが可能か、あるいは根本的な再治療が必要かを総合的に診断します。

再治療を防ぐためにできることはありますか?

インプラントの再治療という事態を避けるためには、術後の過ごし方と日々のセルフケアが何よりも重要です。
まず、手術直後から数ヶ月間は、インプラントが骨としっかり結合するように細心の注意を払いましょう。特に食事の際は、インプラントに強い負荷がかかって位置がずれるのを防ぐため、安定するまでは硬いものを噛まないよう心がけてください。
また、全身の健康状態を良好に保つことも不可欠です。特に喫煙は血流を阻害し、骨とインプラントの結合を妨げるため、禁煙は必須といえます。あわせて、十分な睡眠と栄養をとり、免疫力を高めておくことがお口の中の健康維持にもつながります。
さらに、日頃からご自身の状態を観察し、痛みや腫れ、わずかなぐらつきなど、少しでも気になるサインがあればすぐに歯科医院へ相談してください。この程度なら大丈夫と放置せず早めに対応することで、再治療に至る前の段階でリカバリーできる可能性が高まります。

インプラントの再治療にはどのくらいの費用がかかりますか?

インプラントの再治療にかかる費用は、歯科医院の設定や使用するメーカー、補綴物の素材などによって異なりますが、一般的には1本当たり40万円〜80万円ほどが目安です。
再治療の場合、単純な埋入手術の費用だけでなく、既存のインプラントの除去費用や、失われた骨を補うための骨造成費用などが別途加算されるケースが多いため、初回の手術よりも総額が高くなる傾向があります。
ただし、歯科医院が導入している保証制度の対象内であれば、再手術の費用が無料、あるいは一部負担のみで済むこともあります。保証の適用条件は歯科医院ごとに異なるため、治療を開始する前に保証内容をしっかりと確認しておくことが重要です。

インプラントの再治療ができないケース

インプラントの再治療ができないケース

インプラントの再治療ができない場合はありますか?

インプラントの再治療が困難、あるいは成功する可能性が低いケースはいくつか存在します。
特に多いのは、インプラントを支えるための顎骨が著しく不足しているケースです。重度のインプラント周囲炎などで骨の吸収が広範囲に進んでしまうと、インプラントを埋める土台そのものがなくなってしまいます。この場合、まずは骨造成によって骨を再生させる処置が必要となり、その回復具合によっては再治療が可能になることもあります。
次に挙げられるのが、過度な歯ぎしりや食いしばりの癖があるケースです。再治療において、インプラントが骨と結合する期間はとてもデリケートであり、無意識の強い力がかかり続けると、新しいインプラントの定着を妨げてしまいます。
また、重度の糖尿病や骨粗鬆症といった全身疾患が進行している場合や、ヘビースモーカーの方も、傷口の治癒や骨の結合が遅れるため、再治療が難しいと判断されることがあります。

インプラントの再治療を可能にするための治療法を教えてください

インプラントの再治療を可能にするためには、不足している土台を再建する骨造成が不可欠です。
骨造成は、インプラント周囲炎などで失われた顎骨に対し、人工骨や自家骨を補填して厚みや高さを回復させます。また、歯茎の状態が悪い場合は、健康な角化歯肉を移植する遊離歯肉移植術FGG)などを行い、インプラントを長期的に維持できる環境を整えます。これらの処置により、一度は困難と診断されたケースでも、再びきちんと埋入できる可能性が高まります。

インプラントの再治療が難しい場合はどのように対応しますか?

再治療が難しいと判断される場合、その原因によって対応が異なります。
まず、骨や周辺組織の不足が原因で、現時点では再治療が困難な場合です。この場合は、骨造成などの再生治療を行ったり、患部の自然治癒を数ヶ月待ったりすることで、将来的に再植立が可能になる場合があります。その期間は、傷の治癒を優先しながら、部分入れ歯などのほかの治療法で機能を補い、経過を観察します。
一方、持病やアレルギー、身体的特性により、インプラントそのものが適さないと判断された場合は、ほかの補綴治療への切り替えが必要です。お口の状態やご自身の管理しやすさを総合的に考慮し、ブリッジや部分入れ歯の中から適切な方法を選択して治療を進めていくことになります。

インプラントの再治療方法について

インプラントの再治療方法について

再治療には抜去したものと同じインプラントを使えますか?

抜去したものと同じインプラントを使い回すことは、原則的にできません。
なぜなら、感染のリスクや、定着不良を招くリスクがあるためです。
しかしながら、骨に埋入するインプラント体ではなく、人工歯やアバットメントが破損しただけであれば、消毒して再度使用することができる場合もあります。
ご自身のケースで、同じものを使えるのかどうかは、担当している歯科医師に相談してください。

インプラントの再治療は同じ歯科医院で受けた方がよいですか?

インプラントの再治療を同じ歯科医院で受けるか、転院するかは慎重に判断すべきです。
同じ歯科医院で受けることのメリットは、初回の埋入位置や使用したメーカー、手術中の詳細な記録が保管されているため、一貫した対応が可能な点です。また、保証制度が適用され、費用を抑えられる可能性もあります。
一方で、技術不足や衛生管理に不安を感じて失敗した場合は、セカンドオピニオンを検討しましょう。特に、難症例の再治療には高度な骨造成技術が必要となるため、設備が整い、再治療の経験が豊富な歯科医師を頼る方が成功率は高まります。現在の信頼関係と、歯科医師の専門性を天秤にかけて選択することが大切です。

インプラントの再治療では骨造成が必要になることはありますか?

インプラントの再治療では、骨造成が必要になるケースがとても多くあります。
インプラントが失敗した原因が、インプラント周囲炎などの感染症である場合、周囲の骨が溶けて大きく減少しています。そのままでは再埋入ができないため、人工骨などを用いて土台を再建する必要があります。初回の治療時よりも、骨の回復を待つステップが重要となることを理解しておきましょう。

編集部まとめ

編集部まとめ

インプラントの再治療は、一度失敗した原因を解消し、失われた土台を骨造成などで丁寧に再建することから始まります。初回よりも高い技術を要する場合もありますが、適切な診断とケアを行えば、再び快適に噛める喜びを取り戻すことができます。 再治療を成功させるためには、信頼できる歯科医師との対話と、術後の徹底した自己管理です。もし違和感を感じたら放置せず、将来の健康を守るための適切な選択肢を、歯科医師と一緒に見つけていきましょう。

この記事の監修歯科医師

注目記事