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骨造成に痛みはある?痛みが生じる期間や痛みが出た場合の対処法を解説

 公開日:2026/02/18
骨造成に痛みはある?痛みが生じる期間や痛みが出た場合の対処法を解説

インプラントをしたい方の顎の骨量が不足している場合に、十分な骨量を確保するために行う骨造成ですが、治療における痛みなどが気になるという方もいるのではないでしょうか。
手術中や術後の痛みがどの程度なのか、そして痛みを抑えるためにはどうしたらよいのかなどについて解説します。

松浦 明

監修歯科医師
松浦 明(歯科医師)

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職場
医療法人 松栄会 まつうら歯科クリニック

出身大学
福岡歯科大学

経歴
1989年福岡歯科大学 卒業
1991年松浦明歯科医院 開院
2020年医療法人松栄会まつうら歯科 理事長就任

資格
厚生労働省認定研修指導医
日本口腔インプラント学会認定医
ICOI (国際インプラント学会)Fellowship認定医

所属学会
ICOI(国際口腔インプラント学会)
日本口腔インプラント学会
日本臨床歯科学会(SJCD) 福岡支部 理事
日本顎咬合学会 会員
日本臨床歯科CAD/CAM学会(JSCAD)会員

骨造成を受ける際に感じる痛みとは

骨造成を受ける際に感じる痛みとは
まずは骨造成の手術中に感じる痛みと手術後の回復期における痛みについて、それぞれ解説します。

骨造成手術中の痛み

骨造成にはさまざまな術式がありますが、どの方法の場合も共通して歯肉を切開し、顎骨の周囲に骨補填材(骨の成長を促進するため薬剤)を充填するという方法で行われます。
歯肉を切開するというと痛そうですが、実際に手術を行う際はしっかりと麻酔を効かせた状態での対応であるため、手術中に痛みを感じることはありません。
痛みがあるとすれば、麻酔のために注射針を歯茎に刺す際のチクッとした痛み程度ですが、麻酔注射の痛みも表面麻酔や極細の針を使用するなどして抑えている歯科医院が多いため、強い痛みは感じにくいといえるでしょう。
ただし、麻酔が効いていても治療の際の衝撃や圧迫感などは感じる場合があり、こういった刺激を痛みととらえてしまう可能性はあります。
また、麻酔の効き目が弱い場合などで治療中に痛みが生じる可能性もありますが、その場合は歯科医師に伝えれば麻酔の追加などで対応してもらうことができるので、遠慮せずに痛いと伝えましょう。

骨造成後の回復期間中の痛み

骨造成による痛みを感じやすいのは、手術中よりも手術後の回復期です。歯肉の切開などにより炎症が生じているため、麻酔が切れた後には身体の正常な反応として、手術を行った患部に痛みや腫れが生じます。
手術後の痛みについては痛み止めの薬を服用するなどすれば軽減可能で、治療の際に炎症を抑える薬と一緒に処方されることが多いので、歯科医師の指示を守って服用しましょう。
回復期間中の痛みは2~3日後までがピークで、その後は痛みが引いていき、その1週間程度でおさまっていきます。痛みが我慢できないほど強い場合や、手術後に痛みが強くなっていく場合は感染症などのトラブルが生じている場合があるため、早めに歯科医院を受診しましょう。

骨造成手術の痛みを軽減する麻酔の種類

骨造成手術の痛みを軽減する麻酔の種類
骨造成の手術における痛みは、適切に麻酔を利用することで抑えられます。
手術の際に行われる麻酔の種類は下記のとおりです。

局所麻酔

局所麻酔は、薬剤を注入した部分の痛みのみを抑える麻酔方法です。骨造成をはじめ、むし歯治療などの多くの治療は、一般的に局所麻酔にて行われます。
局所麻酔は注射で痛みを抑えたい場所に麻酔薬を注入する方法で行われます。注射をした後は痛みが抑えられますが、注射針を刺す痛みや、薬剤を注入する際のしみるような痛みといった、麻酔注射自体の痛みがあります。
局所麻酔の痛みを抑えるためには、注射の針を細くしたり、薬剤を適度に温めて注入時の刺激を軽減したり、注入する際のスピードをコントロールして痛みを抑えたりといった方法があり、歯科医院によって痛みを抑えるためのさまざまな取り組みが行われています。

表面麻酔

表面麻酔は、クリームやジェル状の麻酔薬を痛みを抑えたい場所に塗布し、表面的な痛みを軽減するための麻酔です。
骨造成においては、麻酔注射の痛みを軽減するために、注射の前などに行われます。

全身麻酔

局所麻酔が注射を行った一部のみに麻酔を効かせるのに対し、麻酔薬を血液内に投与して意識そのものを低下させる麻酔が全身麻酔です。
全身麻酔を行う場合、自発呼吸などもできなくなるため、人工呼吸器による呼吸のサポートなども必要になります。
麻酔中はまったく意識がない状態になるため、骨造成の手術などの大がかりな治療に恐怖心がある方も、ストレスを感じずに治療を受けやすくなります。

静脈内鎮静法

静脈内鎮静法は、点滴で静脈に鎮静剤を投与し、うとうとと眠ったような状態にして治療を行う麻酔方法です。意識そのものを低下させるという点では全身麻酔の一種ですが、静脈内鎮静法は自発呼吸などは行える程度の麻酔であり、人工呼吸などは必要ありません。
全身麻酔と同様に治療中の恐怖などを感じずに済み、身体への負担も全身麻酔よりは低いといえます。

笑気麻酔

笑気麻酔は、鼻から亜酸化窒素という気体を呼吸で取り込み、意識をぼんやりさせる麻酔です。全身麻酔や静脈内鎮静法のように眠った状態になるのではなく、お酒によってぼんやりしているときのような、フワフワとした感覚になります。
骨造成などの治療に対する恐怖心が強い方などを対象に行われ、笑気麻酔でストレスを和らげながら、局所麻酔で痛みを抑えて治療を行うことが可能です。

骨造成手術後の痛みと腫れの経過

骨造成手術後の痛みと腫れの経過
骨造成手術後の痛みや腫れは、一般的に下記のような経過をたどります。

手術当日

骨造成の手術を行った直後は、まだ麻酔が効いているため、痛みをはじめとしたお口の感覚がありません。むし歯の治療など、麻酔を使用して行う歯科治療を受けたときと同様に、麻酔が残っている間に食事をすると、口腔内を噛んでしまったり、熱い食事をお口に含んでやけどしてしまったりする可能性があるので、注意しましょう。注入した麻酔の量によっては、腫れを強く感じる場合もあります。
麻酔が切れるとともに、切開による炎症などが原因の痛みが生じてくるため、処方された痛み止めなどを適宜服用し、安静に過ごしましょう。痛みが強い場合は手術した場所を保冷剤などで冷やすなどの対応も有効です。

手術後2〜3日程度

手術後2〜3日は、痛みや腫れが特に現われやすい時期です。切開した部位に炎症が生じているため、入浴などの身体を温める行為は控えましょう。
手術を受ける際には3日分程度の痛み止めを処方されるケースが多いので、必要に応じて服用するとよいでしょう。

手術から1週間程度

骨造成手術の痛みや腫れは、2〜3日までピークが続き、その後少しずつおさまっていきます。1週間程度が経過する頃には、ほとんど痛みや腫れを感じない場合が多いでしょう。
もし1週間が経過しても強い痛みが残っていたり、痛みが時間経過とともに強くなっていったりする場合は、細菌感染などのトラブルが生じている場合があるため、早めに歯科医師へ相談しましょう。

骨造成後の痛みに対する主な対策方法

骨造成を受けた後の痛みを抑えるためには、下記のポイントに気を付けて過ごすとよいでしょう。

処方薬をしっかり服用する

骨造成の際には、手術後の痛みや炎症を抑えるために、鎮痛剤や抗生物質が処方されます。処方された薬は歯科医師の指示にしたがってしっかりと服用することが大切です。
鎮痛剤については痛みがあれば積極的に服用する方が多いと思いますが、抗生物質などの一緒に処方された薬も、きちんと飲み切るようにしましょう。適切に服用することで術後の感染症などを防ぎ、痛みや腫れをはじめとしたさまざまなトラブルの予防につながります。

医師の指示に従い患部を冷やす

骨造成の術後の痛みは、冷却することで軽減可能です。術後は炎症によって血流が増加している状況であり、これが痛みを引き起こす要因であるため、適度に患部を冷やすことで痛みを軽減し、炎症による腫れも抑えることができます。
ただし、冷却のしすぎや、痛みが収まっているのに冷却を続けてしまうと術後の回復を遅くしてしまうため、歯科医師の指示にしたがって適度に冷やすようにしましょう。

口腔内を清潔に保つ

口腔内が不衛生な状態だと、骨造成を行った患部に細菌が感染するなどして腫れや痛みが強くなったり、骨がしっかりと作られなくなったりしてしまう可能性があります。術後もしっかりと歯磨きを始めた口腔ケアを行い、お口のなかを清潔に保つようにしましょう。
手術部位に直接歯ブラシを強く当ててしまうと傷口が開いたりしてしまう可能性があるので、やわらかい歯ブラシを使用し、患部を避けながら歯を一本一本丁寧に磨くようにすることが大切です。
適切な歯磨きの方法は歯科医師や歯科衛生士から教わるとよいでしょう。

口腔内の負担を避ける

手術を行った患部に強い負担がかかってしまうと、炎症が悪化して痛みが強くなったり、術後の回復が遅くなったりしてしまいます。口腔内の負担を避けるためにも、術後しばらくは硬い食べ物や辛いもの、熱いもの、アルコールを避けるなど、負担がかかる行為を控えましょう。
歯ぎしりや食いしばり、頬杖などのお口に負担をかけてしまう癖がある方は、術後にこうした癖が出ないように気を付けましょう。

痛みが強い場合に考えられるトラブル

痛みが強い場合に考えられるトラブル
骨造成の痛みは通常であれば術後2~3日をピークに落ち着いていくものであり、痛みの強さも、基本的には日常生活に大きな影響を与えるようなものではありません。
しかし、下記のような場合には痛みが強く生じてしまう可能性があり、その場合には歯科医院での適切な対応を受けることが重要です。

感染症

骨造成手術を行った術部を清潔に保てていない場合に生じやすいのが、口腔内の細菌による感染症です。感染して細菌が増殖してしまうと、術後の炎症が悪化して腫れや強い痛み、膿が出てくるといったトラブルにつながります。
炎症によって新しい骨が作られにくくなるため、骨造成が失敗してしまう要因でもあります。
感染症を防ぐためには、術後に口腔ケアを徹底してお口のなかを清潔に保つことと、抗生物質などの処方薬をきちんと服用することが重要です。

神経への刺激や損傷の可能性

特に、下顎の骨造成を行う際には、神経を刺激してしまったり、損傷してしまったりすると、術後に痛みやしびれなどが生じる可能性があります。
神経損傷を防ぐためには手術前の検査が重要で、歯科用CTのように顎の神経の位置までしっかりと確認できる検査を行い、安全性の高い手術を提供している歯科医院で治療を受けることなどで予防可能です。
手術時に組織を損傷するリスクという点では、下顎の神経を損傷する以外にも、ソケットリフトと呼ばれる骨造成で上顎洞の粘膜を損傷する場合があります。
ソケットリフトは上顎洞をインプラントを埋入する穴から持ち上げて骨補填材を充填する治療ですが、とても薄く繊細な上顎洞の粘膜を、直接見ることができない状態で持ち上げる必要があるため、粘膜を傷つけないように治療をするためにはとても繊細な技術が求められます。
粘膜が傷ついてしまうと、それによって炎症が発生して痛みが生じたり、副鼻腔炎などのトラブルにつながったりする可能性があります。

噛み合わせや周囲組織への影響

骨造成の術後に、治療した部位の刺激を避けようとして手術をした場所と反対側でばかり噛むなどしていると、噛んでいる場所に負担が集中してしまい、痛みなどにつながる場合があります。一か所に強い負担がかかるとむし歯や歯周病にもなりやすいため、食事をやわらかいものにしつつ、なるべくバランスよく噛むようにしましょう。

骨造成後の痛みがひかない場合は早めに歯科医院へ相談を

骨造成後の痛みがひかない場合は早めに歯科医院へ相談を
骨造成を受けた後の痛みは、術後2~3日程度がピークであり、その後は少しずつ軽減していく経過が通常です。術後1週間程度の期間は軽度の痛みや腫れもありますが、通常であれば痛み止めなどで抑えることができる程度であり、日常生活に大きな影響がでるほどの痛みは生じません。
もしも術後しばらくしても強い痛みが残っていたり、痛みがむしろ強くなったりしているようであれば、感染症や神経の損傷が考えられます。この場合は放置していても症状が改善されず、悪化していく可能性が高いほか、骨造成の失敗につながってしまう可能性が高まるので、早めに歯科医院へ相談して、必要な検査や処置を受けるようにしましょう。

まとめ

まとめ

骨造成は、しっかりと麻酔を行って手術をするため、手術中に痛みを感じる心配は必要ありません。ただし、麻酔注射時の痛みはあるので、注射の痛みが心配な方は表面麻酔を使用するなど、麻酔注射自体の痛みを抑える工夫を行っている歯科医院で治療を受けるとよいでしょう。
また、手術に対する恐怖心が強い方は過剰に痛みを感じてしまう可能性があるため、静脈内鎮静法笑気麻酔などによって気持ちを落ち着ける方法に対応している歯科医院で治療を受けると、安心感があるといえます。
術後は数日間をピークに、一週間程度で痛みがおさまっていきますが、感染症などのトラブルが発生すると痛みが長く続いたりする場合もあります。
痛みが強い場合は早めに適切な対応を受けることが、骨造成を成功させるためにも重要なので、気になることがあればすぐに歯科医院に相談するようにしましょう。

この記事の監修歯科医師

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