噛み合わせを正して頭痛や首の痛みを解消
「人前でも何の不安もなく笑顔になりたい」とお考えの方が多数おられます。口元の美しさが人の印象を左右しかねない大きな要素であり、矯正治療や審美治療を検討される第一の理由になっているのも当然の流れです。
しかしその一方で、噛み合わせを正す意味合いについてご存知でしょうか。歯の1本1本がそれぞれの役割を果たせる状態こそが、正しい噛み合わせを実現したものです。噛み合わせを正すことで、口腔内の機能が高まるのと同時に、頭痛や肩こり、首の痛みなどが軽減される可能性があります。
ここでは、頭痛や肩こりといった問題と噛み合わせの関連性、噛み合わせの簡易な診断方法などについて、Medical DOC編集部がお届けします。
花田 一彦 (花田歯科医院 院長)
目次 -INDEX-
噛み合わせが果たす役割
噛み合わせはそもそも、年齢を重ねるうちに徐々に変化していくものです。歯がすり減ったり、噛む力が次第に弱くなったりすることに加えて、顎の関節などにも変化があります。しかし、こうした変化にしっかり目を配っていけば、さほど大きな問題にはなりません。こうした口腔内の変化に対応しつつ、28本の歯が全て均等に並んでいること、噛む筋肉や顎の関節などの負担になっていないことを、「よい噛み合わせである」と表現します。
お口の中の土台部分
噛み合わせの果たす役割は、建物の土台の部分にも譬えられます。通常は建物の外観や内装などにしか目がいきませんが、その土台となる部分がしっかりしたものでなければ、ちょっとした嵐や地震にも負けてしまいます。耐久性を上げることを考えれば、土台部分、家の基礎をしっかり作りあげねばならないのです。歯の見た目が気になってなかなか笑うことができない、歯が黄ばんでいて口元に自信が持てないと嘆かれている方は、その外見を改善するため、審美的な治療やホワイトニングの施術を受けられるでしょう。しかし、こうした治療は建物の補修です。その土台そのものにしっかり手を加えることで、建物を長く使える状態に導くことが、噛み合わせを正す意味合いです。
悪い噛み合わせによる影響
噛み合わせが正しい状態にないまま歳月を重ねることは、土台部分がしっかりしていない建物が地震や台風などの被害に遭うようなものです。口腔内は実際に、非常に過酷な状況にあります。食物を摂るたび噛みしめるたび、大きな力が歯や歯ぐきにかかりますし、頬杖やうつ伏せなどの習慣が拍車をかけます。もともとの骨格の歪みや顎の発育不良などに噛み合わせが悪くなる原因があることも否定できませんが、うつ伏せに寝る、足を組んで座る、片方でだけ噛む、歯ぎしりする、抜けた歯を放置するといったことも大きな要因になります。
噛み合わせの悪さが招く結果
噛み合わせが悪い状態は、左右のどちらかに負担をかけることとなり、身体の歪みを引き起こします。噛み合わせを原因とする身体の異常として考えられるものは、歯がすり減る、歯や歯の根が折れやすくなる、歯周病が進行しやすいなど、歯と口に関わるものばかりではありません。偏頭痛やめまい、眼の疲労や難聴、耳鳴り、顎関節症、鼻づまり、発音障害、肩こりや首の痛み、不眠症など、身体的な問題にも少なからず関わっているとされています。また、顔が左右非対称になっている、頬が張る、背骨が曲がる、片方の肩が下がるなど、第三者から見ても明らかな問題につながるケースも否定できません。
噛み合わせを確認する方法
もともとの骨格や顎の成長などが原因で噛み合わせが悪くなっている場合も、若い時分は筋肉や関節が柔らかいため、骨格の歪みなどに柔軟に対応できていた、といったケースがあります。また、頬杖やうつ伏せ寝といった習慣による身体の歪みや、何らかの原因で抜歯せざるをえなかった歯が要因となって噛み合わせが悪化することもあります。最近は妙に肩がこる、首が痛い、寝つきが悪いといった症状に悩んでおられる方は、噛み合わせが正しい状態にあるかどうかをまず調べてみることをお勧めします。
簡単な自己診断方法
噛み合わせが悪くなっているケースには、前後・左右・高低への広がりがあります。さまざまなパターンが存在し、一概に言い切ることができませんが、多くの方に共通しているものや、自己診断しやすいものがありますので、まずは自分でチェックしてみましょう。
上の歯が、下の歯を3分の1以上隠していないか、奥歯で噛んでも前歯に空きがないか、前歯の上下の真ん中の線がずれていないか、口を開けたときに顎がならないか、頬を噛むことがないか、顎が疲れやすいことはないか、歯ぎしりや喰いしばりといった悪癖はないか、こういった項目に自分を当てはめ、確認してみてください。
噛み合わせの悪化に起因すると考えられている症状があり、自己診断の項目に合致している場合は、早めに歯科医師に相談してみる必要があります。
噛み合わせの治療を受ける意味合い
歯の数は全部で28本です。それぞれで、かたちや大きさが全く異なります。これは、歯の1本1本が持つ役割、機能が異なるためです。何らかの原因で失った歯をそのままにしていると、その歯が果たしていた役割を果たすことができず、口腔内のバランスが崩れてしまいます。歯のいずれかが飛び出していたり、引っ込んだりしていると、全体が崩れていってしまうのです。
上下・左右の歯のバランスがとれていることで、奥歯で支えてすりつぶす、前歯で噛み切るという働きができるのだとご理解ください。こうした状態を維持することで、顎は動きたいように動くことができ、無理することなく歯を左右に動かすことができます。
前歯と奥歯の関係性
しっかりそれぞれの機能を果たしている歯は、それぞれが支え合う関係です。垂直な力に強い奥歯は、横揺れに弱く、大きなダメージを受けがちですが、その横揺れの力を弱めたり防いだりするのが、犬歯などの前歯です。前歯は奥歯を守り、奥歯は前歯を守ります。互いに支え合うことで、歯が倒れたり、過分な力がかかったりしないようにしているのです。
機能面でのチェックポイント
歯科医院では、こうした機能面や審美面を視野に入れた噛み合わせの治療を受けることができます。その際にチェックされるポイントは、患者さまの顎に違和感や痛みがないこと、両側の奥歯が均等に当たっていてしっかり噛めること、上下の歯を軽く噛んだ際に下の歯が強く当たっていないこと、上下の犬歯がしっかり噛んでいること、上顎を左右にずらした際に犬歯が当たることなどです。また、上下の歯の間に大きな隙間がないことなども大切なポイントです。
身体が発するサインの数々
噛み合わせの悪さを意識するポイントは、その見た目、肩こりや頭痛、首などの痛みといった症状だけにとどまりません。麺類を食べているときに、前歯で麺を噛み切ることができないというのも、噛み合わせに何らかの異常が生じているサインです。日常生活を送る中で、私たちに身体が示してくれるサインは数多くあります。鏡をのぞき込みながら歯を磨いている最中に気づける変化も少なくはありません。この記事を通して、身体が発しているサインの数々を意識していただけるようになれば、あなたの悩みを早期に解決できるかもしれません。ご自身の身体が今どのような状態になっているのか、口腔はどのような環境にあるのか、身体のさまざまな声にしっかり耳を傾け、その痛みや苦しみを取り除いていただく契機となれば幸いです。
監修ドクター:花田 一彦 歯科医師 花田歯科医院 院長
噛み合わせ治療でおすすめの歯医者さん 九州編
花田歯科医院
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