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見えない歯列矯正法ならば他人の視線も気にならないので安心

 更新日:2024/01/04

歯列矯正をするときに多くの人を悩ませるのが見た目の問題です。昔からある金属製のブラケットを使用した矯正方法は、銀色の金具部分がとても目立ってしまうので人の視線が気になるという人は少なくありませんでした。また、透明なブラケットや白いワイヤーを使用する矯正装置も目立ちにくいといった特長がありますが、完全に見た目の問題を解決しているとはいえません。

そこでおすすめなのが「他人からは見えない歯列矯正」である舌側矯正です。この記事では舌側矯正についての詳しい解説をMedical DOC編集部がお届します。

この記事の監修歯科医師
渋谷 直樹 (しぶたに矯正歯科 院長)

舌側矯正は他人からは見えない歯列矯正方法

舌側矯正(ぜっそくきょうせい)というのは、通常は歯の表側に装着する矯正装置を歯の裏側に装着して歯並びを治す方法です。リンガル矯正や裏側矯正と呼ばれることもあります。他人の視線からは矯正装置が見えることがないので、人前に出るお仕事をされている方や、矯正治療をおこなっていることを他人に知られたくないという方を中心に需要が高まってきている新しいタイプの歯列矯正方法です。

最大の特徴は歯の裏側に矯正装置を装着することで他人からは矯正していることがわからないという点です。そのためよく「見えない矯正治療」などと表現されます。

舌側矯正の仕組みと注意点

舌側矯正では最初に歯の裏側に人間の噛む力にも十分に耐えることができるほどの強力な接着剤を用いてブラケット(小さな金属装置)を取りつけます。その後、固定したブラケットにワイヤーを通して輪郭を作ることで少しずつ歯を動かして理想の歯並びへと近づけていくという仕組みです。

表側に装着する矯正治療法と同様に抜歯を伴う矯正や大きく歯を動かすことも可能なので、さまざまな不正咬合の症状に対応することができます。しかし表側の矯正治療と異なり、舌側矯正は歯の動くメカニックスが異なります。そのため舌側矯正をおこなうときには、専門的な技術があり信頼できる医師による施術を受けることができる歯科医院を慎重に選ぶ必要があります。

舌側矯正のメリット

それでは舌側矯正のメリットを詳しくみていきましょう。舌側矯正のメリットをまとめると以下の通りになります。

他人の視線が気にならない

矯正装置が歯の裏側についているので他人の視線が気になることもなくストレスを感じません。

矯正中に虫歯になるリスクが軽減される

私たちの歯は表側と裏側でエナメル質の強度が違います。一般的に歯の裏側は表側よりも3倍もエナメル質が厚いといわれているので、矯正装置を装着することによって上手く歯が磨けなくなってしまったとしても表側矯正にくらべ虫歯になるリスクが軽減されます。

人前でも気兼ねなく食事ができる

表側矯正の場合は、食事をするとどうしても食べカスが装置の間に挟まってしまうので人前での食事や、外食することをためらう人も多いですが、舌側矯正ならばそのような心配は必要ありません。

前歯の矯正には効果的

表側矯正の場合は奥歯を固定源として前歯を移動させようとしたときに、反対に奥歯が引っ張られてしまうということも珍しくありません。しかし舌側矯正では仕組み的に奥歯が動きにくいので前歯をしっかりと移動させることが可能です。出っ張った前歯を引っ込めたいという時には舌側矯正は効果的です。

舌側矯正のデメリット

他人からは見えないというとても大きなメリットのある舌側矯正ですが知っておかなければならないデメリットも存在します。以下に舌側矯正のデメリットをまとめました。

発音がしづらい

舌側矯正は装置が歯の裏側に付いているために発音するときに舌が装置に触れてしまい発音しづらいといったデメリットがあります。特にさ行・た行・ら行の発音が難しくなりますが、1~2ヶ月も経過する頃には慣れてくるのでそれほど心配はいりません。

慣れるまでは食事が難しい

これは表側矯正の場合も同じですが、慣れるまではどうしても食事の時に頬の内側を噛んでしまったり硬い食べ物が食べづらかったりすることがあります。

違和感が強い

装置が歯の裏側に付いていて常に舌が装置に触れてしまうために、どうしても最初の内は違和感を強く感じてしまいます。舌が傷つき口内炎になってしまうこともあります。その時は専用のワックスで装置を覆い舌への機械的刺激を和らげることで傷の回復を待ちます。傷が治るとその部分の粘膜が強くなり再度傷になりにくくなります。慣れるまでには個人差がありますが、多くの人は2週間もするとこの違和感には慣れてくるようです。

歯を磨きにくい

ただでさえ歯の裏側は歯磨きしづらいですが、装置を装着することでさらに困難となり磨き残しなどが生まれてしまいます。そのため舌側矯正をおこなった場合は磨き残しのないように丁寧に歯を磨く必要があります。

費用が高い

舌側矯正は、特別な装置を用いたり、より専門的な技術や知識、経験のある医師による治療であるため、表側矯正と比較すると費用は1.5~2倍ほどになり割高になってしまいます。

舌側矯正の治療期間と費用の目安

それでは舌側矯正の治療期間の目安と費用の目安について紹介します。ここで紹介する期間や目安はあくまで1例であり、正確な数字は個人の状態によって異なってくるという点には注意してください。

舌側矯正の治療期間の目安

舌側矯正は表側矯正と比較すると多少治療期間が長くなることが多いようです。矯正の程度が軽い場合ならば約1年半ほど、大きく歯を移動する必要がある場合などだと約3年程度かかることもあります。

舌側矯正の治療期間を左右する要素としては、歯並びの凸凹の程度、噛み合わせの強さなどの個人差があります。また、高度な技術を必要とするので医師の知識、技術、経験値によっても治療期間が違ってきます。

その他、舌側矯正の治療期間を左右する要素としては、個人の歯列の乱れ方の程度、新陳代謝の活発度(新陳代謝が活発な人の方が、骨の吸収と再形成が早いので治療期間が短くなります)、歯科医の技量があります。とくに舌側矯正の場合は高度な技術を必要とするので歯科医の経験や技術レベルによっても治療期間が違ってきます。

舌側矯正の治療費用の目安

舌側矯正の治療費用の目安は装着する装置が既製品かオーダーメイドかによっても違ってきます。既製品を利用した舌側矯正の場合の費用の目安は約110万円~150万円ほど。歯に装着する装置がオーダーメイドの場合は、約130万円~170万ほどです。

表側矯正の費用の目安は約80万円~100万円ほどだといわれているので、やはり舌側矯正はより専門的な知識や技術、経験値が必要となるだけ費用的には割高となってしまうようです。

他人にバレずに歯列矯正をしたい人におすすめなのは舌側矯正

「見えない歯列矯正」である舌側矯正について詳しく紹介してきました。舌側矯正は、日常生活に支障の少ない歯列矯正法として広く普及してきています。人と会う機会が多い人や人前に出るお仕事をされている人でなかなか歯列矯正に踏み切れなった人でも、今回紹介した舌側矯正ならば他人には歯を矯正していることがバレることもないので安心です。

しかし舌側矯正は専門性の高い技術が必要な矯正治療法であり費用も大変高額となってしまいます。

そのため治療を行う前には、今回紹介したメリット・デメリットについてよく理解して信頼できる歯科医に治療をお願いすることがとても大切ですよ。

渋谷 直樹 歯科医師 しぶたに矯正歯科 院長監修ドクターのコメント
近年、歯並び噛み合わせの治療は従来の表側の装置だけでなく、舌側矯正(裏側矯正、リンガル矯正)やマウスピース型カスタムメイド矯正装置(インビザラインやASOアライナーなど)など、目立たない装置を使用した治療法が普及してきています。目立ちにくいというメリットがある一方、専門的な知識や技術、経験値のない医師による治療を受けることで、治療前に患者さんがイメージしている歯並びの仕上がりや矯正治療期間と違うことによってトラブルが生じ、セカンドオピニオンの相談で来院される患者さんも少なくありません。そうならないために、治療結果の信頼性や、治療期間・費用などを、矯正治療担当医がしっかり納得がいくまで説明してくれるかどうか、治療を受ける歯科医院の選択の指標の一つにすることをお勧めします。

 
監修ドクター:渋谷 直樹 歯科医師 しぶたに矯正歯科 院長

見えない歯列矯正でおすすめの矯正歯科 関東編

しぶたに矯正歯科

出典:http://shibutani-kyousei.com/

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