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インプラントに医療保険は使える?費用を抑える医療費控除とは

 更新日:2023/03/27

噛む機能の回復を期待することができるインプラントは自費診療による治療となるため、治療費用が高額になりやすい傾向があります。治療本数が多い場合には数百万円の出費となってしまうこともあるため、治療を受けることに二の足を踏んでしまう方も少なくありません。

しかし、医療費控除の制度を活用することでインプラントの治療費用の総額を抑えることが可能な場合があります。

今回は医療費控除の制度の賢い活用の仕方について、Medical DOC編集部がお届けします。

この記事の監修ドクター:
和田 晃 歯科医師(和田デンタルクリニック 院長)

治療費用が高額になりやすいインプラント治療

歯周病の症状が進行したことなどによって歯が抜けてしまった場合には、何らかの方法で歯を再建し、噛む機能を回復させる必要があります。インプラントは入れ歯やブリッジなどの治療方法よりも、より力強く噛む機能の回復をはかることができる治療方法です。

歯科医院で行われる治療は、保険診療と自費診療に大きく分けることができますが、インプラント治療は一部の症例を除き、すべて自費診療で行われます。保険診療で治療を受けた場合、公的医療保険制度によって治療費用の一部を負担するかたちになりますが、自費診療では公的医療保険制度を利用することができないため、治療費用の全額を負担する必要があります。

例えば、虫歯を銀歯やレジンなどを使って治療する場合には保険診療となりますが、白いセラミックなどの機能性にすぐれた素材を使って治療を行う場合には自費診療による治療となります。

インプラントは治療費用が数百万円にのぼるケースも

インプラント治療は歯科治療のなかでも、とくに治療費用が高額となりやすい治療のひとつです。治療の内容ごとに保険点数が決まっている保険診療とは異なり、自費診療では同様の治療を行った場合であっても、歯科医院ごとに治療費用が異なります。

インプラント治療も歯科医院によって治療費用に大きな違いが見られますが、多くの歯科医院では治療費用が1本あたり30~50万円に設定されていることが多く、診断料や上部構造の作製・取り付けに別途の費用が必要となることもあります。歯が失われた原因が歯周病であった場合には、同時に複数本のインプラントの埋め込みを行うケースも多く、そのような場合には治療費用が数百万円にのぼることも珍しくありません。

また、顎の骨が不足している場合に行われる再生療法などの付加的な治療を受けた場合には、さらに治療費用が高額となります。保険診療で行うことができるレジン床入れ歯やブリッジの治療に比べると経済的な負担が大きく、治療を受けることをためらってしまう方も多く見られます。

治療費用の申告で受けられる医療費控除

歯を失ってしまった場合に、インプラントとともに検討されることの多い治療方法に入れ歯やブリッジがあります。いずれの治療方法もお口に残っている歯にダメージを与えてしまう可能性を慎重に考慮する必要があります。

また、入れ歯は装用時の痛みや違和感に悩まされるケースも多く、より快適な噛み心地を求める方は、たとえ治療費用が高額となる場合でもインプラント治療を選択する傾向がみられます。治療費用の負担を緩和するためにデンタルローンの利用が可能となっている歯科医院も増えています。

医療費控除を活用してインプラントの治療費用を軽減

年間に支払った医療費が10万円を超えた場合には、医療費控除を受けることができます。控除の対象となる医療費にはいくつかの条件がありますが、失ってしまった歯の機能回復をはかるためのインプラントにかかわる治療費用は医療費控除の対象です。

また、インプラント治療のための通院に要した交通費や治療後に処方された薬の費用も、同様に医療費控除の対象となります。医療費の申告は5年前までさかのぼって行うことができるため、過去にインプラント治療を行った方は医療費の申告を行うことで、税金の還付を受けることが可能です。治療費用の総額によっては、かなりの額の還付金を受け取ることができるため、申告を行っていない方は早めに申告を行うことをおすすめします。

また、これからインプラント治療をお考えの場合には医療費控除が受けられることを前提に、治療を検討してみてはいかがでしょうか?

デンタルローンで支払った治療費用も控除対象

インプラント治療に支払った医療費は、ほかの治療に支出した医療費とともに確定申告を行うことができます。

歯科医院や薬局、交通機関の領収証などを申告時に提出する必要があり、会社員や公務員などの方は源泉徴収票も併せて提出します。毎年2月16日から1ヶ月にわたって確定申告の受付が行われますので、忘れずに申告を行いましょう。申告を行った時期にもよりますが、還付金は3月から4月にかけて確定申告書に記入した銀行口座で受け取ることができます。インプラントの治療費用をデンタルローンなどで支払った場合にも同様に医療費控除を受けることが可能です。

申告の内容や方法に不明な点がある場合には、確定申告の期限に余裕をもって管轄の税務署に相談してください。

民間の医療保険の補償内容も忘れずチェック

民間の医療保険のなかには、インプラントなどの自費診療で行われる歯科治療について費用の一部の補償を行っているものがあります。インプラント治療を考えている方は、ご自身が加入している医療保険の補償内容を改めてチェックしてみることをおすすめします。

また、インプラントによって入れ歯そのものをお口のなかに固定するインプラント義歯は、2012年4月より保険診療による治療が可能となりました。

失ってしまった歯の本数やお口の状態にもよりますが、インプラント義歯によって噛む機能を回復させることが望ましいケースも少なくないため、まずは信頼できる歯科医院を見つけてどのような治療が望ましいか相談に乗ってもらうことが大切です。

インプラント治療の費用負担を抑える医療費控除

インプラントは噛む機能を取り戻すために有効な治療方法のひとつですが、治療費用の総額が高額になりやすい治療方法でもあります。高い治療技術を備えた信頼できる歯科医院を選ぶことも大切ですが、医療保険や医療費控除の制度を賢く利用して治療費用の総額を抑えることも大事なポイントのひとつです。

経済的な負担がネックとなってインプラント治療を受けることをためらっている方には、インプラント治療の費用が医療費控除の対象となることをぜひ知っていただきたいと思います。また、過去にインプラントの治療費用を申告していなかった方も、すでに納付した税金の一部について還付を受けられる可能性があるため、インプラント治療にかかわる費用の領収書がお手元に残っている場合には、しっかりと申告を行うことをおすすめします。

監修ドクターのコメント

ご存知の通り、インプラントは失った歯の代わりを務めるものです。歯が抜けたまま放っておくと、ほかの歯への負担が増えたり、全身に問題が起きるリスクにもつながります。
インプラントは違和感や周りの歯への負担もなく、噛む力も得られますし、見た目も美しい優れた治療です。ただし、この記事にもあるように、金銭的な負担は少なくありません。
しかし、だからと言って治療費だけでインプラントを行う歯科医院を決めるのは危険です。手術はもちろん、口腔内全体にわたる術前の診査診断、術後のメンテナンスをきちんとしないと「インプラント周囲炎」などの感染症に悩まされることもあります。専門の設備や知識・経験を持った病院を選ぶことが、長い目で見ると大切だと言えるのです。

 

監修ドクター:和田 晃 歯科医師 和田デンタルクリニック 院長

インプラントでおすすめの歯医者さん 関東編

和田デンタルクリニック

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住所 神奈川県横浜市港北区綱島西2-2-1
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