ホントにいるの?虫歯になりやすい人の特徴について徹底解説
「自分は虫歯になりやすい人だから・・・」という発言を耳にしたことがある方は少なくないかと思います。 また、ご自身がこの様に考えている方も中にはいるのではないでしょうか?
虫歯は誰でもなってしまう可能性がある病気ですが、はたして本当に虫歯になりやすい人というのは存在するのでしょうか?
そこで今回は、虫歯になりやすい人にみられる特徴などについてMedical DOC編集部がお届けいたします。
この記事の監修ドクター:
山田 修平 歯科医師 西永福やまだデンタルクリニック 院長
目次 -INDEX-
虫歯についての基礎知
虫歯とは?
虫歯について端的に述べると、「虫歯とは、口内の糖分を養分として増殖する虫歯菌が排出する酸によって歯が溶かされてしまう病気」であると言えます。酸によって溶かされ柔らかくなってしまった歯が徐々に欠けてしまうことで歯に穴が開いてしまい、重症化するとどんどん歯の内部へと虫歯が侵食し最終的には歯の欠損へとつながる恐ろしい病気なのです。
この記事は「虫歯になりやすい人」について解説する記事ですが、そもそも虫歯は多くの人が発症してしまうとても身近な病気であり、日本人の9割以上が生涯のうちに一度は虫歯を経験するといわれています。
また、歯を失ってしまう原因の32%が虫歯によるものであることから、身近でありながらも大変怖い病気であることがわかります。
さまざまな要因によって虫歯になりやすい人が存在すると考えられていますが、その要因に当てはまらないからといって油断することはできない、誰にでも発症の恐れのある病気であることをあらかじめ心に留めておきましょう。
虫歯発症のメカニズム
もともと口内には沢山の菌類が済んでおり、虫歯菌とも呼ばれる「ミュータンス菌」もその中のひとつです。
このミュータンス菌は、食べカスなどの糖分を栄養としてどんどん増殖します。 その増殖のプロセスのなかで、「グルカン」という物質と酸を排出します。
このグルカンはネバネバとした粘性の高い物質であり、食べカスやミュータンス菌をネバネバと包んで「プラーク(歯垢)」となります。 こうしてできたプラーク内にはミュータンス菌の栄養となる糖分も豊富にあるため、プラーク内のミュータンス菌はますます増殖しプラークもそれにともなってどんどん大きくなります。
そうすると、プラークを住処とするミュータンス菌が排出する酸もどんどん増加し、唾液などが持つ口内の自浄作用や中和作用が追い付かなくなってしまい、やがて歯表面を覆う「エナメル質」が酸によって溶け出しはじめてしまうのです。
これが、虫歯のはじまりのメカニズムなのです。
虫歯はプラークを除去することで予防できます
このように、プラーク内に潜むミュータンス菌が原因となって生じる虫歯ですが、しっかりとプラークを落とし口内の清潔を保つことで完全に予防できると考えられています。
実際に、常日頃から適切なセルフケアをおこない予防歯科による定期的なクリーニングをおこなっている方にはほとんど全くと言っていいほど虫歯が無いと言われているのです。
虫歯になりやすい人の特徴とは?
このように、ミュータンス菌の住処となるプラークをしっかりと除去することでほぼ完全に予防することができる虫歯ですが、虫歯になりやすい人が存在していることも確かです。
毎日の歯磨きを怠り不衛生な口腔内状態の方は論外としても、中には毎日歯磨きを欠かさずおこなっているにも関わらず虫歯になりやすい人も存在しているのです。
虫歯になりやすい人について調べてみると、いくつかの共通の特徴があることがわかってきました。 それではここからは、虫歯になりやすい人にみられる特徴について解説してまいります。
歯並びや噛み合わせに問題がある
毎日しっかりと歯磨きをしているつもりでも、ほとんどの人に磨き残しが生じてしまっているといわれています。歯の溝や、歯と歯の間、奥歯のさらに奥などは歯ブラシが届きにくく、時間をかけて歯磨きをしているつもりでもどうしてもプラークが残りがちになってしまうのです。
歯並びが悪い人の場合では、重なり合った歯と歯の隙間や、重なった歯の陰に隠れてしまった部分など、歯ブラシが届きにくくプラークが溜まりやすい箇所がさらに多くなってしまうのです。 この歯ブラシが届きにくい箇所が多い歯並びこそが、虫歯になりやすい人の特徴として代表的な要因であると言えるでしょう。
また、噛み合わせが悪い場合には噛む力のバランスも悪くなってしまい、歯の表面を保護するエナメル質を傷つけてしまう場合があります。 エナメル質が削れてしまったり傷ついてしまうとその箇所からミュータンス菌が侵入し虫歯へとつながってしまいます。
したがって、歯並びが悪い人も虫歯になりやすい人であると考えられます。
間食の習慣がある・甘い食べ物を好む
甘い食べ物が好きな方と同様に、ミュータンス菌にとっても糖分は大好物です。ミュータンス菌のエサとなる糖分が多く含まれる甘い食べ物を習慣的に食べている方は、やはり虫歯になりやすい傾向が見られます。
また、本来の健康な口内ではミュータンス菌が排出する酸を唾液が中和することで中性が保たれていますが、この唾液の中和作用には一定の時間が必要となります。 この中和に必要な時間が間食によって寸断され、ミュータンス菌の排出する酸によって口内が酸性となっている状態が長くなると虫歯リスクは大きく増大します。
したがって、間食の習慣がある人も虫歯になりやすい人であるということになるのです。
唾液に問題がある
唾液が少ない人の場合には、唾液による口内の中和作用がうまく働かないことによって口内が酸性となっている状態が続いてしまいます。
また、唾液がネバついている人の場合には唾液が口内の隅々までうまく広がることができずに酸性の状態が続いてしまうことに加えて、液体である唾液が持つ口内の清浄効果もうまく働かず、結果として虫歯になりやすい人になってしまうのです。
就寝前の食習慣
睡眠時には唾液の量が減少するため、ミュータンス菌が最も活発に活動することができる時間帯となります。 就寝前の歯磨きを怠ることや就寝直前に食事をすることは、活発なミュータンス菌にエサをあたえている事と同義です。
歯磨きをサボることは論外としても、就寝直前に食べものを食べてしまう習慣がある人はやはり虫歯になりやすい人であると言えるでしょう。
虫歯になりにくい人の特徴とは?
虫歯になりにくい人の特徴とは、ズバリ「虫歯になりやすい人の特徴」の正反対であると言えるでしょう。
歯並びや噛み合わせが良く、間食をせず甘い食べ物を食べ過ぎず、唾液も正常に働いており、就寝前にはなにも食べない。このような特徴を持つ人こそが虫歯になりにくい人であると言えます。
つまり、現在虫歯になりやすい人だとしてもこれらの特徴を取り入れることで、虫歯になりにくい人になることができるのです。
間食の習慣や甘い食べ物の過剰摂取、就寝前の食事のガマンなどは心がけ次第ですぐにでも取り入れることができます。
また、歯並びや噛み合わせの問題については矯正歯科による抜本的な改善ができますが、それはハードルが高すぎるという方は予防歯科による定期的なクリーニングや歯磨き指導によるセルフケア技術の向上によってプラークをより丁寧に除去することが可能となるでしょう。
また、唾液の量が少ない人や唾液がネバついている人は、水分摂取が不足している場合が多く見られます。適切な水分補給を心がけることによって唾液の量や質の向上を図ることができるでしょう。
尚、唾液の分泌量が少ない人の中には、ストレスが原因の場合や薬の副作用の場合もあります。水分補給を心がけても唾液量が改善しない場合には医師に相談してみることをおすすめします。
虫歯のなりやすさは遺伝する?
ご家族に虫歯が多いと、「遺伝のせいで虫歯になりやすいのではないか?」と考えてしまうのはムリもないことかと思いますが、結論から述べると
・虫歯の直接的な原因となる虫歯菌は遺伝しない
・虫歯になりやすさへとつながる間接的な要因は遺伝する
上記の様に言うことができるでしょう。
まず、虫歯菌は新生児の口内には存在しないことがわかっています。かわいい赤ちゃんについついキスしてしまうことで虫歯菌は伝染するのです。
したがって、赤ちゃんへのキスは避けるべきであるという意見もありますが、なかなかそうはいかないものであるのも愛情であり人情であるかと思います。 赤ちゃんに虫歯菌をうつしてしまうキスが止められないのであれば、愛する赤ちゃんが虫歯になりにくい人になるためのケア&生活習慣づけをおこなうよう心がけるとよいでしょう。
また、虫歯になりやすさへとつながる間接的な要因である歯並びや噛み合わせの問題、唾液の質などは遺伝する場合があります。この要因についても同様に、先に述べた対策をおこなうことで改善することができるでしょう。
また、親御さんの生活習慣は子供にも影響をあたえることは言うまでもありません。ご家族そろっての3時のおやつタイムはとても微笑ましい一家団欒の姿ですが、間食の習慣や間食で甘いものを食べた際にはかならず歯磨きなどのケアを怠らないようご家族一同で心がけると良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、虫歯になりやすい人の特徴について解説いたしました。 虫歯になりやすい人は確かに存在しますが、その要因は遺伝ではないため普段の心がけによって虫歯になりにくい人を目指すことができると言えるでしょう。
「どうせ自分は虫歯になりやすい人だから・・・」とあきらめてしまわずに、日々の心がけで虫歯になりにくい人を目指しましょう!
再治療にならないようにするためには、定期的に検査を受け、ケアをしていくことが大切ですし、詰め物や被せ物の素材の少なからず影響があります。
歯やお口の中の状態によっても変わりますが、できれば3ヶ月に1回、最低でも半年に1回は定期検査を受けていただくことをおすすめしています。
これまでの経験から、乳歯の時に虫歯が多くできてしまった場合、永久歯になっても虫歯で苦労をする患者さんがいらっしゃいます。
生え変わるから・・・と安心せずに、定期的な検査やケアをして、幼児のうちから、お口の中の環境を整えておくことが大切です。
定期的な歯のメンテナンスを行うことで、むし歯が出来る前からの徹底した清掃・ケアによる口内環境の維持、そして万一虫歯ができたとしても最小限の被害で抑えることが大切です。
少しでも気になることがございましたら、まずはご相談ください。
監修ドクター:山田 修平 歯科医師 西永福やまだデンタルクリニック 院長
虫歯治療でおすすめの歯医者さん 関東編
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