歯科医院のホワイトニングはココが違う! サロン・市販品との違いや持続期間を徹底比較【歯科医監修】
歯のホワイトニングに関心があるものの、サロンや市販品など選択肢が増えるなかで「どの方法がいいのか」「効果はどう違うのか」と、疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。そこで、数あるホワイトニングの方法から歯科医院の施術を選ぶメリットやその効果、歯科医院選びのポイントなどを、「さくらぎファミリー歯科」の櫻木先生に解説していただきました。
監修歯科医師:
櫻木 慎也(さくらぎファミリー歯科)
所属は日本歯周病学会、日本先進医療機関JIADS(The Japan Institute for Advanced Dental Studies)ほか多数
目次 -INDEX-
歯科医院のホワイトニングはココが違う! サロン・市販品との効果の違いや安全性を徹底比較
編集部
ホワイトニングは歯科医院以外でも受けられるようですが、効果に違いはあるのでしょうか?
櫻木先生
歯科医院のホワイトニングは、サロンやエステで使用する薬剤よりも濃度が高いため、より効果的な施術が可能です。さらに、歯科医院の大きな強みは、施術前に口の状態を総合的に診断できる点にあります。例えば、歯ぐきに炎症があったり、歯石がついていたりすると、仮にホワイトニングをおこなっても十分な効果は得られません。このような場合に、歯科医院であれば先に歯ぐきの治療やクリーニングをおこなうことで、ホワイトニングの効果を最大限に発揮することができるわけです。
編集部
ホワイトニングをより効果的におこなう環境が、歯科医院には整っているということですね。
櫻木先生
はい。歯ぐきの炎症のほかに、むし歯や詰めものの状態も確認して、必要な治療を最優先します。このように、施術前の診断や治療ができる環境が整っていることが、歯科医院の大きな利点です。専門的な検査と適切な処置をおこなったうえでホワイトニングを実施することが、美しい歯を手に入れる近道になるでしょう。
編集部
市販のホワイトニング製品と歯科医院の施術の違いについても、教えていただけますか?
櫻木先生
歯磨き剤を例に挙げると、いわゆる「ホワイトニング歯磨き剤」は歯を白くするというよりも、現在の白さを維持する程度の効果しかないため、今以上に歯を白くすることは難しいでしょう。また、オンラインで購入できるホワイトニング剤については、安全性の面で懸念があります。
編集部
オンラインで購入できるホワイトニング剤の危険性について、もう少し詳しく教えてください。
櫻木先生
歯の状態は人それぞれ違うため、個人で安易にホワイトニング剤を選ぶのは非常に危険です。歯のしみやすさは個々で異なり、それによって適切なホワイトニング剤の濃度が変わってきます。歯科医院では、患者さん一人ひとりの状態に合わせて安全に施術をおこなっていますが、市販品はそのような個別対応が難しいため、安易な使用は控えていただきたいです。
編集部
歯科医院のホワイトニングは、誰でも確実に歯を白くできるのでしょうか?
櫻木先生
実際のところ、ホワイトニングの効果には個人差があります。例えば、抗生物質などの薬の影響で歯が変色している場合は、白くなりにくいことがあります。また、生まれつき歯の色素沈着が強く、白くなりにくい人もいらっしゃいます。このように、ホワイトニングの効果の程度には個人差があり、必ずしも誰もが同じように白くなるわけではないことは、あらかじめ理解しておきましょう。
歯科医院のホワイトニングをさらに詳しく! 施術の種類と効果、白さの持続期間について
編集部
歯科医院ではどのような方法で、歯を白くしていくのでしょうか?
櫻木先生
主に「オフィスホワイトニング」と「ホームホワイトニング」の2種類の方法があります。オフィスホワイトニングは、歯科医院でホワイトニング剤を塗布し、特殊な光を当てて歯を白くしていく方法です。その一方で、ホームホワイトニングは、ご自宅で専用のトレイに薬剤を流し入れ、それを一定時間装着していただきます。
編集部
それぞれのホワイトニング法の特徴について、もう少し詳しく教えてください。
櫻木先生
オフィスホワイトニングは歯科医院でおこなう施術で、効果が早く出るのが特徴です。通常3回セットでおこない、最短3日で終わることもあります。一方、ホームホワイトニングは自宅でゆっくりおこなうタイプで、効果が出るまでに時間がかかります。ただし、いずれの方法も最終的なゴールは同じです。
編集部
では、2つのホワイトニング法のいずれかを選ぶ際、どのような基準で選ぶのがいいでしょうか?
櫻木先生
選択の基準は、ライフスタイルによると思います。例えば、歯科医院に通う時間が取りにくい人や、自分のペースでおこないたい人にはホームホワイトニングがおすすめです。反対に、早く結果を出したい人や、自分でおこなうのが面倒な人にはオフィスホワイトニングが適していると言えるでしょう。そのほかに、個々の性格も選択基準の1つとなり得ます。自分で管理するのが得意な人はホームホワイトニング、歯科医院にお任せしたい人はオフィスホワイトニングというように、個人の特性に合わせて選ぶのもいいでしょう。
編集部
施術後の白さの持続時間は、2つの方法で違いはあるのでしょうか?
櫻木先生
基本的に、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングで持続期間に大きな違いはありません。白さの持続は、施術方法よりも施術後の生活環境や習慣に大きく影響されます。
編集部
白さを長持ちさせるポイントを教えてください。
櫻木先生
まずは、毎日の丁寧なケアを徹底しましょう。その際、着色汚れ(ステイン)がつきにくいホワイトニング用歯磨き剤を使用するとより効果的です。また、定期的に歯科医院でのメンテナンスを受け、着色を除去してもらうと白さを維持できます。このように、施術後のケアとメンテナンスの頻度が、白さの持続期間を左右するカギとなります。
安心してホワイトニングを受けるために:失敗しない歯科医院選びのポイント
編集部
ホワイトニングで歯科医院を選ぶ際、どのような点に注目するといいでしょうか?
櫻木先生
ホワイトニングのメリットだけでなく、デメリットもしっかり説明してくれる医院を選びましょう。また、ホワイトニングに関する知識を丁寧に教えてくれる点も重要です。
編集部
具体的に、どのような対応の歯科医院が望ましいですか?
櫻木先生
「今すぐホワイトニングしましょう」と急かすのではなく、患者さんの現状をよく見極めてくれる歯科医院が理想的です。例えば、口腔内の状態を総合的に診断し、ホワイトニング前に必要な治療があればそれを優先するなど、適切なアドバイスをしてくれる医院が望ましいと言えます。お口全体の健康を考慮したうえで、自身に合ったホワイトニングの方法を提案してくれる歯科医院を選ぶのがおすすめです。
編集部
ホワイトニングの施術を受ける前に、歯科医院でどのようなことを相談・確認すべきでしょうか?
櫻木先生
まずは、自分がどの程度の白さを目指しているのか、歯科医師に伝えましょう。また、過去に歯の治療を受けたことがある場合や現在治療中の歯がある場合は、それらがホワイトニングにどう影響するかも確認しておくことが大切です。もし知覚過敏や歯ぐきの状態に不安がある場合は、必ず事前に相談してください。歯ぐきの状態が悪いと、ホワイトニングをしても白くなりにくいことがあります。事前に歯科医の適切な診断を受け、必要であれば治療をおこない、ホワイトニングに適した環境を整えておくことがより良い結果につながるでしょう。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
櫻木先生
ホワイトニングは単なる美容処置ではなく、自分の体に関わる大切な施術なので、歯科医院で十分な説明を受けて理解することが重要です。綺麗で清潔な歯は、見た目の印象を大きく向上させ、自信を持って笑顔を見せられるようになります。身だしなみの一環として、ぜひ専門家と相談しながら、自分に合ったホワイトニングを検討してみてください。
編集部まとめ
歯科医院のホワイトニングはただ歯を白くするだけでなく、お口全体の健康状態を考慮したうえで安全かつ確実な効果が得られるのが大きな利点です。ただし、ホワイトニングの効果を最大限に発揮するためには、事前に歯や歯ぐきの状態をしっかりチェックし、必要に応じて治療やクリーニングを受けることが重要とのことでした。本記事を参考に、まずは歯科医院でカウンセリングを受けて、自分にあったホワイトニング法を選んでいきましょう。
医院情報
所在地 | 〒607-8305 京都府京都市山科区西野山中臣町41-1 |
アクセス | 京都地下鉄東西線「椥辻駅」 徒歩15分 |
診療科目 | 歯科 |