セルフホワイトニングサロンと歯科で受けるホワイトニングを徹底比較!
エステに通うような感覚で、歯を白くすることができるとして、若い女性を中心に人気を集めているホワイトニングサロン。歯科医師や歯科衛生士が常駐していないということで、リスクはないのでしょうか? 「セルフホワイトニングで効果が得られなかった」という失敗談を、少なからず実際に患者さんから現場で聞いてきたと語る「こばやし歯科」の小林院長に、サロンと歯科医院で行うホワイトニングとの違いについて話を聞きました。
監修歯科医師:
小林 靖明(こばやし歯科 院長)
1993年大阪歯科大学卒業。桐村歯科医院、吉村歯科勤務を経て、1999年7月こばやし歯科開院。各分野の専門医が複数名在籍し、専門性の高い治療を提供。むし歯や歯周病など一般的な治療から高度な治療まで幅広く対応する。「治療を受けに行く」というよりも、「仕事帰りに立ち寄る」という気軽さで来院できるよう、居心地の良い空間作りに努めている。
セルフホワイトニングとは?
編集部
セルフホワイトニングとはなんですか?
小林先生
文字通り、自分自身で行うホワイトニングのことをセルフホワイトニングといいます。セルフホワイトニングと一口にいっても、ホワイトニングサロンや専門店などで行うものと、ご自宅で行うものの2種類があります(歯科を受診後に行うホームホワイトニングはここ含みません)。
編集部
どのようにして歯を白くするのですか?
小林先生
ホワイトニングサロンや専門店で行う場合は、薬剤を歯に塗布し、LEDを照射することで歯を白くしていくようです。
編集部
自宅で行う場合は、どのようにするのですか?
小林先生
さまざまな方法がありますが、最近ではセルフホワイトニングの薬剤が市販されているので、それらを使うこともあるのではないでしょうか。薬剤には歯磨き粉タイプのものやシートタイプのもの、パウダータイプのものなど種類があるようです。
編集部
基本的に、薬剤を歯に塗って白くするのですか?
小林先生
いいえ、自宅で行うホワイトニングにも、サロンで行うセルフホワイトニングのように、自宅で使える専用の機器で、LEDを照射するタイプのものも見受けられます。
編集部
いずれにしても、自分で行うホワイトニングをセルフホワイトニングというのですね。
小林先生
そうです。最近ではホワイトニングサロンや専門店が増えているので、利用している人も多いのではないでしょうか。
サロンと歯科のホワイトニングの違い
編集部
サロンでは、スタッフの人に手伝ってもらえるのですか?
小林先生
セルフホワイトニングのサロンや専門店にいるスタッフは、大抵の場合、医療関連の資格を持っていません。そうしたスタッフがお客さまの口のなかに触れたり、作業を手伝ったりすることは違法になるので、薬を塗布したり、LEDを照射したりする作業はすべて自分自身で行うことになります。
編集部
たしかに歯科医院で行うホワイトニングは、すべて、歯科衛生士や歯科医師が行ってくれますよね。
小林先生
それから、歯科医院で行うホワイトニングとの違いとして、薬剤が挙げられます。セルフホワイトニングのサロンで使用する薬剤は、医療資格がなくても扱える成分でなければなりません。一方、歯科医院で行うホワイトニングは、主に過酸化水素や過酸化尿素を使った薬剤を用います。これらは医薬品の扱いになるため、歯科医院など医療機関でしか使用することができません。
編集部
ホワイトニングの方法も、使用する薬剤も、歯科医院で行うホワイトニングとセルフホワイトニングでは異なるのですね。
小林先生
それだけでなく、使用する機材の違いもあります。どちらも光を照射して歯を白くしていきますが、この機材も歯科医院とサロンでは異なるのです。歯科医院では医療機器として認められたハロゲンライトやレーザーなどの機械を使って光を照射しますが、サロンでは医療機器を使えません。
セルフホワイトニングのメリット・デメリット
編集部
セルフホワイトニングには医療資格を持った人がいないということですが、危険はないのでしょうか?
小林先生
安全面ではそれほど危険はありませんが、効果については医療機関で行うホワイトニングと差があることは否定できないでしょう。
編集部
それはどういうことでしょうか?
小林先生
歯科医院で行うホワイトニングは歯科衛生士などが行いますから、隅々まで薬剤を行き届かせ、しっかり光を照射します。しかし、セルフホワイトニングは自分で行うため、どうしても薬剤の塗り残しが出たり、光の照射が不十分だったりしてしまいます。その結果、期待した効果が得られないということが起こりえます。
編集部
ほかに、セルフホワイトニングにはどのようなデメリットがあるのですか?
小林先生
一般的に、セルフホワイトニングで使用する薬剤はそれほど強力ではないため、表面の汚れを落とすことはできても、漂白作用は期待できないことがほとんど。そのため、すでに黄ばみが進行している人は、セルフホワイトニングで期待通りの効果を出すことは難しいかもしれません。
編集部
ほかにも違いはありますか?
小林先生
歯科医院でホワイトニングを行うときには、まず、むし歯や歯周病などのチェックをします。なぜなら、むし歯や歯周病があると、薬剤がしみて痛くなることがあるからです。一方、サロンで行うセルフホワイトニングでは、歯科医が常駐していないため、口の中の状態を診察してもらうことができません。
編集部
なるほど、いろいろ違いがあるのですね。
小林先生
たしかに、セルフホワイトニングは歯科医院で行うホワイトニングに比べて、安価で続けやすいというメリットがあるでしょう。また、歯科医院で行うホワイトニングと薬剤が違うため、痛みを感じにくいということもメリットです。ただし、セルフホワイトニングにはこれまでお話ししたようなデメリットもありますから、現在のお口の中の状態や期待する効果などを考慮して、どちらかを選択すると良いのではないでしょうか。
編集部
最後に、読者へのメッセージがあれば。
小林先生
セルフホワイトニングにもメリットはありますが、その反面、期待した効果が得られないとして、途中であきらめてしまう人が少なくありません。しかし、歯科医院で行うホワイトニングなら、きちんと白くできる可能性は高まります。実際、当院にも「セルフホワイトニングで期待通りの効果が得られなかった」といって、歯科医院のホワイトニングを始める方が多くいらっしゃいます。セルフホワイトニングで白くならなかった方は、ホワイトニング自体をあきらめてしまうのではなく、ぜひ一度、歯科医院にご相談いただきたいですね。
編集部まとめ
確かに最近では気軽に通える価格でホワイトニングができるサロンが増えています。しかし、費用対効果などを考えれば、はじめから歯科医院でのホワイトニングを行った方が良いケースもあります。歯科医院なら、ホワイトニングをするとどれくらい歯が白くなるかというアドバイスももらえます。ホワイトニングを考えている方は、ぜひ、歯科医院でのホワイトニングも検討してはどうでしょうか。
医院情報
所在地 | 〒590-0134 大阪府堺市南区御池台3-8-12 |
アクセス | 南海電車泉北高速線「栂・美木多駅」から御池台回りのバスに乗って、「御池台センター」で下車(約8分) |
診療科目 | 歯科 |