歯列矯正でよくある後悔の原因(仕上がり・費用・期間)と対策、歯科医院選びのポイント
「歯並びをキレイにして自信を手にいれたい!」そんな想いで歯列矯正をはじめたものの、治療後に後悔してしまうケースも少なくないようです。そこで、矯正治療でよくある「仕上がり」「費用」「治療期間」の後悔について、その原因と対策を目白歯科矯正歯科の山澤先生に解説していただきました。
監修歯科医師:
山澤 秀彦(目白歯科矯正歯科)
目次 -INDEX-
【よくある後悔①】矯正治療後の仕上がり・歯並びに納得がいかない原因と対策
編集部
歯列矯正で理想とする歯並び・噛み合わせと、治療の結果にギャップが生まれる原因は何でしょうか?
山澤先生
1つは患者さんと矯正歯科医のコミュニケーション不足です。患者さんが理想とするゴールに対し、どこまで実現可能なのかを歯科医がきちんと伝えているか、患者さんに理解してもらえているかが一番大きいと思います。また、歯列矯正は生体を動かす治療なので、予期せぬ歯の動きが起きる可能性もあります。その際に歯科医がどのくらいリカバリーできるのか、このあたりの診断力や技術力も治療結果を大きく左右します。
編集部
矯正治療後の仕上がりに後悔しないための対策を教えてください。
山澤先生
まずは、どこが1番気になっていて、それをどう治したいのかをあらかじめしっかり歯科医に伝えることが大切です。事前のカウンセリングや検査の結果から治療方針を聞くときには写真や資料などを見せてもらって、自分がどのような歯並びになりたいのかを具体的に伝えるのがよいでしょう。また、検査の結果から自分の希望通りのゴールになるのか確認をするようにします。歯列矯正で理想的な歯並びを手に入れるためには、患者さんの協力も不可欠です。「指示通りに装置をつける」「予約日に必ず来院する」など、患者さんも歯科医との約束をしっかり守ることが、良い治療結果につながります。
編集部
治療後の歯並びでは「後戻り」に関する後悔も聞かれます。後戻りする原因を教えてください。
山澤先生
後戻りの原因の多くは、治療後の保定(元に戻らないようにすること)不足です。矯正治療は歯が並んだら終わりではなく、その状態を維持するための保定が必要となります。これはすべての患者さんに共通することで、保定装置を正しく使用しない、あるいは装着時間が短いと、必ず後戻りは起こります。
編集部
矯正治療後に後戻りしないために、注意したいことは何ですか?
山澤先生
矯正装置を外したあとは歯科医の指示に従って、所定の時間・期間に「リテーナー」という装置を必ずつけるようにしてください。くわえて、治療後も定期的に受診し、歯並びや噛み合わせの状態をチェックしてもらうことも、後戻りを防ぐうえでは大切です。矯正治療後のむし歯・歯周病も歯並びや噛み合わせが悪くなる要因となるので、歯科定期健診でこれらを予防することも後戻りの予防につながります。
【よくある後悔②】矯正治療の費用や期間のトラブル 後悔しないために事前に注意しておきたいこと
編集部
矯正治療では「費用が想定より高い」「治療が長引く」など、費用や治療期間に関するトラブルもよく耳にします。その原因として何が考えられますか?
山澤先生
費用に関するトラブルでは、安価な費用に惑わされた後に起こるケースが多数報告されています。ほかの歯科治療と比べて費用が高額になる矯正治療では「少しでもコストを抑えたい」と思う方も多いのですが、「安い」「早い」といった聞こえの良い宣伝には注意が必要です。また、矯正治療では予期せぬ歯の移動や患者さんの協力が得られないことが原因で、治療計画が変更になる可能性もあります。そのような場合に治療期間が長くなったり、追加で費用がかかったりすることがあります。
編集部
患者さん自身の問題で費用がかさんだり、治療が長引いたりすることもあるのですね。
山澤先生
マウスピース型矯正装置や顎間ゴムなど、患者さんが着脱する装置に関してはとくにその傾向が強いといえます。くわえて、歯科医の技術的な問題で予定通りに治療が進まず期間が長引くこともあります。予想外の歯の移動が起こった場合に、それをどう修復しながらゴールにより早く近づけるかといった技術面も、費用や治療期間を左右する大きな要因になります。
編集部
矯正治療の費用や治療期間で後悔しないために、患者さんが注意したいポイントを教えてください。
山澤先生
費用に関しては治療開始前に詳細な見積りをとって、治療内容に含まれる項目と費用をよく確認しておくことが大切です。また、矯正治療では治療の途中で計画が変更になる可能性があることも知っておく必要があります。その場合に治療期間が延びるのかどうか、追加で費用が発生するかどうかもあらかじめしっかり確認しておきましょう。
編集部
あとは、患者さんも歯医者さんの指示をしっかり守ることが肝心ですね。
山澤先生
予定通りにできるだけ早く終わらせるためには、患者さんにも治療に積極的に協力してもらうことが一番大切だと思います。くわえて、先述の「安い」「早い」という聞こえの良い広告に惑わされず、豊富な実績と技術力に定評のある歯科医のもとで治療を受けることも重要です。
矯正治療で後悔しないための歯科医院選び
編集部
矯正治療で歯科医院を選ぶ際、どのような点をチェックしておくとよいですか?
山澤先生
まずは矯正治療の実績や経験が豊富な歯科医が在籍していることと、事前にしっかりコミュニケーションが取れて何でも相談できるかをよく確認してください。治療説明ではメリットだけでなく、デメリットやリスク、さらに治療のゴール予測や実現性についてもきちんと伝えてくれるかが重要なポイントです。
編集部
「矯正治療の実績や経験」は患者さん側からはなかなか判断がつきにくいのですが、なにかアドバイスはありますか?
山澤先生
カウンセリングの際に実際に治療した症例やその写真などを見せてもらうのも方法の1つだと思います。また、ホームページの担当医の経歴を見た際に、日本矯正歯科学会の認定医・指導医の資格をもっていることも目安となります。近年はマウスピース型矯正治療を希望される方が多いのですが、不測の事態が生じたときにワイヤー矯正などほかの方法でリカバリーできる先生が安心です。
編集部
最後に、読者へメッセージをお願いします。
山澤先生
矯正治療で後悔しないために最も重要なのは、矯正歯科専門の歯科医院で治療を受けることです。くわえて、矯正治療は3~4年と長い時間をかけて治していく治療なので、担当医との相性やコミュニケーションの取りやすさも大きなポイントとなります。治療をはじめる前に複数の矯正歯科で話を聞いてみて、自分にぴったりで通いやすい歯科医院をぜひ見つけてください。
編集部まとめ
矯正治療後に多い後悔の原因(仕上がり・費用・期間)には歯科医の技術面のほかに、コミュニケーション不足や患者さんの非協力などが挙げられます。矯正治療をはじめる際はまず矯正歯科が専門のドクターを探し、さらに先生の人柄や相性などもチェックしておきましょう。さらに、実際に治療がはじまったら歯科医の指示や約束を守ることも、治療を成功させる重要なポイントとなります。ぜひ本記事を参考に、後悔しない矯正治療の準備をはじめていきましょう。
医院情報
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アクセス | JR山手線「目白駅」徒歩2分 |
診療科目 | インプラント、一般歯科、予防治療、入れ歯、口腔外科、審美治療、小児歯科、歯周病、矯正歯科 |