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マウスピース型矯正の治療中…食事の際に気をつけるべきことは?【歯科医師に聞く】

 公開日:2023/10/18

昨今、よく見かけるようになってきたのが、歯の矯正治療を目的とした「マウスピース」です。ワイヤー型のように着けたままでないということは、おそらく、食事への配慮もなされているのでしょう。そこで今回は、マウスピース型矯正をしている際の食事の具体的な注意点について、「赤坂さくら歯科クリニック」の土黒先生を取材しました。

土黒 さくら 医師

監修歯科医師
土黒 さくら(赤坂さくら歯科クリニック 院長)

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鹿児島大学歯学部卒業。その後、東京医科歯科大学臨床研修歯科医や民間歯科医院勤務を経験する。2020年、東京都港区に「赤坂さくら歯科クリニック」を開院。完全個室の自由診療クリニックであり、歯周病菌のPCR検査や虫歯菌の培養検査を含む「歯科ドック」、インビザライン・キレイラインなどのマウスピース矯正治療も多数おこなっている。日本口腔インプラント学会、日本歯周病学会、日本顕微鏡歯科学会の各会員。インビザライン認定ドクター。

食べるときは外すのが原則

食べるときは外すのが原則

編集部編集部

マウスピース型矯正で気になるのが食事中の脱着です。

土黒 さくら 医師土黒先生

そうですね。マウスピース型矯正装置を装着したまま食事をすると、「マウスピースを破損しかねない」、「歯やマウスピースに着色する可能性がある」、「むし歯や歯周病のリスクを高める」などのリスクが考えられます。なにより、マウスピースなしで食べた方が美味しく感じられるとも思いますので、食事のときは外すようにしてください。

編集部編集部

マウスピースの装着時間に制限はあるのでしょうか?

土黒 さくら 医師土黒先生

一般的には、「1日20時間以上」とされています。しかし、会食と移動で2時間ほど割かれてしまう場面などは、日常的に起こり得ますよね。もし、「1日20時間以上」の装着が難しいようなら、マウスピースの交換時期で調節する方法もあります。交換を数日、後倒しにすることで、足りていなかった時間の埋め合わせにするイメージです。もちろん、その判断は歯科医師と相談して決めてください。

編集部編集部

食事の後は歯磨きしてからマウスピースを装着するのですよね?

土黒 さくら 医師土黒先生

もちろんです。マウスピースを着けた後、歯に挟まったちょっとした食べカスに気づいたところで取ることができず、気持ち悪さがずっと残りますし、むし歯の原因にもなります。そのため、歯を磨ける場所の確保とブラッシングの時間、そして、装着し続けていたマウスピース自体のお掃除の時間などにも注意が必要です。

食事以外の間食や飲み物

食事以外の間食や飲み物

編集部編集部

続いて、マウスピース矯正中の食べ物についても注意点を教えてください。

土黒 さくら 医師土黒先生

マウスピースを外した状態なら、あまり気にしなくていいと思います。問題は、食べ物よりも口にする頻度の多い飲み物です。マウスピースを着けたまま飲むとしたら、お水などに限られると思います。コーヒーなどの色の濃い飲み物や糖分を含む飲み物は、マウスピースの着色やむし歯などのトラブルになり得るので可能な限り控えましょう。

編集部編集部

普通の水ばかり飲んでいても飽きてしまいそうです。

土黒 さくら 医師土黒先生

人間ですから、ジュースやコーヒーを飲みたくなる欲求は当然あるかと思います。もし、マウスピースを着けたままこうした飲み物を飲んでしまったら、その直後にそのまま軽く水ですすぐだけでも変わってきます。一方、着色を一向に気にしない患者さんも中にはいらっしゃいます。甘い飲み物はむし歯リスクを押し上げるので控えるべきなのですが、着色リスクなら人それぞれという印象です。

編集部編集部

熱いスープやお茶などはどうでしょうか? 熱でマウスピースが変形するイメージがあります。

土黒 さくら 医師土黒先生

とても熱ければマウスピースが変形を起こす可能性はあります。もし、変形した後に冷やしても、元に戻ることはないので注意が必要です。

編集部編集部

間食として、軽くお菓子などを食べるのはどうでしょうか?

土黒 さくら 医師土黒先生

私がマウスピース矯正をしていたときは、逐一、外して食べていました。また、間食についてですが、患者さんからは「間食する機会が減って痩せました」という報告をうけたこともあります。何が言いたいのかというと、マウスピース型矯正は制約が生まれ、ネガティブなことばかりが起こるのではなく、歯並びがよくなる以外のポジティブなことも起こり得るということです。

様々なタイプがあるマウスピース型矯正

様々なタイプがあるマウスピース型矯正

編集部編集部

その一方、脱着のできないワイヤー矯正なら、先述のような問題も起こらないのですか?

土黒 さくら 医師土黒先生

そうかもしれませんが、ワイヤー矯正にしても食事後のデンタルケアが難しいことに変わりありません。むしろ、ワイヤーは簡単に取り外すことができず、より挟まりにくいものを選びがちなので、食事内容に偏りが起きるかもしれません。そのあたりは、患者さんが「どういう価値観」を優先するかで変わってくると思います。

編集部編集部

一長一短なのですね。ワイヤー矯正の方が心理的に楽なのかと思っていました。

土黒 さくら 医師土黒先生

治療に関して言えば、ワイヤー矯正の方が「医師に任せきりにできる」側面はあります。矯正治療の方法を選択する場面では、想像力が問われます。飲み物は水だけで十分、間食も一切不要という人もいらっしゃるように、心理的な不安は個人によって異なる印象です。

編集部編集部

マウスピースの脱着自体が、手間に感じる人もいますよね?

土黒 さくら 医師土黒先生

はい。ただ、医師やメーカーが想定したとおりに装着しないと、治療の効果が出なくなってしまいます。そしてこのリスクは、脱着回数が多いマウスピース型矯正ほど、頻回に起こり得ます。また、適切な脱着と同様に、保管も重要です。もし、マウスピースをなくした場合は後戻り防止のため、新しいマウスピースが届くまで「1ステップ前のマウスピース」を着用することになり、治療効果が下がってしまいかねません。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

土黒 さくら 医師土黒先生

マウスピース型矯正には様々なメーカーが参入していて、それぞれに「できること、できないこと」がありますし、通院頻度も変わってきます。予算も含めて、自分の歯並びやライフスタイルに合わせたマウスピース型矯正を選んでください。また、「きちんとはめられているかどうか」がご自身ではなかなか気づきにくいため、定期的な受診を重ねた方が、早くゴールに近づけると思います。

編集部まとめ

マウスピースを外している場面なら、食事についての気遣いはとくにいらないとのことでした。問題は、「正しく装着する習慣」と、「着けている間に手を出してしまう飲料」なのかもしれません。当然ですが、糖分を含む飲料はむし歯リスクがあるので避けるべきです。加えて、保管が問われるという点も意外でした。食事中、マウスピースをティッシュに包んでいたら、ゴミと間違われて捨てられたというケースもあり得ない話ではないので、保管の仕方も念頭に置く必要がありそうです。

医院情報

赤坂さくら歯科クリニック

赤坂さくら歯科クリニック
所在地 〒107-0052 東京都港区赤坂5-4-6 赤坂三辻ビル5F
アクセス 東京メトロ千代田線「赤坂駅」 徒歩1分
東京メトロ南北線・銀座線「溜池山王駅」 徒歩7分
東京メトロ銀座線・丸ノ内線「赤坂見附駅」 徒歩8分
診療科目 歯科

この記事の監修歯科医師