矯正治療を早く終わらせるには? 期間を長引かせないための注意点を矯正医が解説
矯正治療に興味はあるけど、なかなか一歩踏み出せない。そのネックの1つになっているのが「治療期間」という人も多いと思います。一度はじめると数年はかかってしまう矯正治療ですが、治療を受ける人の取り組み1つで期間が大きく変わってしまうこともあるようです。そこで今回は、矯正治療を長引かせないために気をつけたいポイントを「ウエキ矯正歯科」の植木先生にお聞きしました。
監修歯科医師:
植木 伸隆(ウエキ矯正歯科)
矯正治療にかかる期間
編集部
矯正治療は平均すると、どのぐらい期間がかかるのでしょうか?
植木先生
矯正治療にかかる期間については、最初の歯並びの状態や治療方針、使用する矯正装置によって大きく変わります。したがって、一概に「○年」とは言えないのが正直なところです。大まかな目安を挙げるとすれば1~3年ほど、複雑な治療になると3年以上かかることもあります。
編集部
矯正治療が予定していた期間よりも長引いてしまうことはあるのでしょうか?
植木先生
はい。矯正の治療期間には個人差が大きく、当初予定していたより長引くことも少なくありません。これは患者さんの歯並びの状態や習癖(無意識にしているクセ)、年齢などによります。また、歯が動くスピードも実際に治療をはじめてみないとわからないことが多いので、数カ月~半年ほどのズレがでてしまう可能性はあります。
矯正治療が長引くケースは?
編集部
治療を受ける患者側の事情で、治療が長引いてしまうこともあるのでしょうか?
植木先生
あります。例えば、矯正治療では「顎間ゴム」といった患者さんご自身で装着したり、交換していただいたりする器具があります。このような器具を歯科医の指示通りにきちんと着けるかどうかで、治療のゴールも大きく違ってきます。
編集部
指示通りに器具を着けなかったり、装着時間を守らなかったりすると治療が長引いてしまうのですね。
植木先生
そのとおりです。矯正治療ではそのほかにも、「口呼吸」や「舌のクセ」など歯並びを悪くする習癖を改善するトレーニングも並行しておこないます。このトレーニングも患者さん自身にご家庭でしっかり実践していただかないと歯並びが後戻りしてしまい、結果として治療が長引いてしまいます。
編集部
ほかにも、治療が長引いてしまう原因はありますか?
植木先生
「通院の予約を守らない」「固定式の装置が外れたときにそのまま放置する」なども治療が長引く原因になり得ます。さらに矯正治療中にむし歯や歯周病になると、場合によっては治療を中断しなければならないケースもあるため、こちらも要注意です。
矯正治療を長引かせないためには?
編集部
矯正治療を長引かせず、できるだけ早く終わらせるにはどのような点に注意したらよいでしょうか?
植木先生
矯正治療をスムーズに進めるためには我々矯正歯科医の技術だけでなく、患者さんの協力も不可欠です。したがって、まずは「歯科医から指示されたことは必ず守ること」「通院の予約も必ず守ること」が治療を長引かせない一番のポイントでしょう。加えて、治療中はむし歯や歯周病にも十分注意して、毎日のセルフケアもこまめにおこなっていただきたいと思います。
編集部まとめ
矯正治療にかかる期間は個人差が大きく、予定していた期間よりも長引いてしまうことも少なくないようです。一方で、期間については治療を受ける患者さん自身の取り組みも大きく左右しています。治療をできるだけ早く終わらせるために重要なのは「きちんと器具を装着する」「通院予約を忘れない」など、歯医者さんとの約束はしっかり守ることです。何事も地道にコツコツ続けることが一番の近道ですので、「あせらず」「さぼらず」治療を続けていきましょう。歯科医に任せきりではなく、ご自身の努力が矯正治療を長引かせないコツです。
医院情報
所在地 | 〒662-0918 兵庫県西宮市六湛寺町15-2 エビスタイースト1F |
アクセス | JR「西宮駅」 徒歩1分 |
診療科目 | 歯科、矯正歯科 |