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歯科医院での予防治療の重要性は?治療内容・トラブルを未然に防ぐセルフケアを解説

 公開日:2024/05/30
歯科医院での予防治療の重要性は?治療内容・トラブルを未然に防ぐセルフケアを解説

歯科治療の現場では、むし歯や歯周病の予防が重要視されています。これらの病気の予防は口腔環境の維持はもちろん、むし歯や歯周病との関係が深い全身疾患を遠ざけ、健康を守ることにもつながります。

歯科医院が実施する予防治療は、定期検診・クリーニング・歯磨き指導です。また、患者さん自身による口腔ケアも、むし歯や歯周病の予防には欠かせません。

この記事では歯科医院での予防治療の重要性や予防治療の内容、セルフケアの方法について解説します。

日比野 瑞己

監修歯科医師
日比野 瑞己(桶川歯科)

プロフィールをもっと見る
2012年 東京医科歯科大学歯学部 卒業
2012年 東京都内・埼玉県内の医療法人の複数の歯科医院にて勤務
2020年 こかつ歯科医院にて勤務
2021年 桶川歯科 開院

歯科医院での予防治療の重要性

歯科医院での予防治療の重要性
予防治療では、歯を治療する必要がない状態を維持するための口腔ケアや定期検診が重要視されています。
悪くなった歯を削り、詰め物で補う治療は歯の寿命を縮めることにつながります。そのため、むし歯や歯周病にならないように予防することがとても大事です。予防治療の重要性について詳しく紹介します。

むし歯のリスクを減らせる

事故や怪我を除き、歯が失われる主な原因は、むし歯と歯周病です。
むし歯の治療によって削られた歯は脆く、歯が折れたり欠けたりして抜歯が必要になることがあります。予防治療はむし歯の予防だけではなくむし歯の早期発見にもつながるため、初期の段階で治療することが
可能です。歯を削る範囲も少しで済むため、歯へのダメージも軽減できるでしょう。

歯周病の予防につながる

歯周病はプラークによる細菌感染症です。プラークは粘り気があり歯に強く付着しているため、うがいだけでは取り除けません。しっかりと歯磨きをして、取り除く必要があります。
歯周病によって歯周組織の深い部分に炎症が起きると、歯を支える歯槽骨が吸収され、歯が失われます。歯周病は40歳前後に発症するケースが多く、年齢が上がるにつれて発症者が増加する傾向にあります。日本における歯周病罹患率は35~44歳で40%、45~54歳で50%、55歳以上で55~60%です。
歯周病は予防できる病気です。歯周病の原因となるプラーク除去は丁寧な歯磨きはもちろん、歯科医院で清掃してもらうことも有効です。定期検診や歯石除去などの予防治療を受け、歯周病を予防しましょう。

全身の健康につながる

むし歯や歯周病を引き起こす細菌が全身に移動すると、さまざまな病気を引き起こします。以下に記載するのは、関連する病気の一部です。

  • 糖尿病
  • 脳梗塞
  • 心筋梗塞
  • 骨粗鬆症
  • 敗血症
  • 動脈硬化症
  • 感染性心内膜炎
  • 閉塞性血栓血管炎(バージャー病)
  • 誤嚥性肺炎

近年の研究では、100種類を超える全身疾患が歯周病に関連することが判明しています。歯科治療や予防治療を受けることで、むし歯や歯周病を引き起こす細菌の増殖や活性化を抑えることができます。
むし歯や歯周病による細菌は全身の健康につながるため、日頃から予防治療に力を入れることが重要です。

予防治療で歯の健康寿命は延ばせる?

予防治療で歯の健康寿命は延ばせる?
1989年に提唱された『8020運動』は、80歳になっても自分の歯を20本以上持つことを目指すものです。
厚生労働省が発表した令和4年度歯科疾患実態調査によれば、75歳以上85歳未満の数値から推計した8020達成者は51.6%となっており、一見大幅に目標を達成しているように思えます。しかしながら実際に「健康でよく噛める歯」が残っている方たちが多いわけではありません。思いどおりに硬いものを噛んで食べるためには、20本以上の歯が必要といわれています。
人生100年時代と言われ始めているこの時代に、健康寿命を延ばすためにはしっかり噛んでお口から食事を、そして栄養を摂るということは非常に大切になります。抜歯の主な原因は、むし歯や歯周病です。適切な予防治療を受けることで、歯を抜く必要がない状態を保ち、健康寿命を延ばすことが期待できます。

歯科医院の予防治療内容

歯科医院の予防治療内容
ここでは、歯科医院で行われる予防治療内容を解説します。
予防治療の基本は、定期検診・クリーニング・歯磨き指導です。

定期検診

歯科医院の定期検診では、歯や口腔の状態を調べ、むし歯や歯周病が見つかった場合は治療を行います。
歯周ポケット検査では、歯と歯肉の境目にある歯周ポケットの深さから、歯周病の進み具合を調べる検査です。年齢や症状にもよりますが、症状が軽いうちにむし歯や歯周病を見つけて進行を抑えるためには、3~4ヵ月に一度の頻度で定期検診を受けることが望ましいでしょう。
自治体や健康保険組合によっては、検診費用の補助を行っていることがあります。定期検診を受ける前に自治体や健康保険組合の広報誌・Webサイトなどで条件を確認してください。

クリーニング

歯には、歯磨きでは落としきれなかった汚れが付いています。むし歯や歯周病を防ぐには、クリーニングが効果的です。スケーラーという器具による歯石の除去は、スケーリングと呼ばれます。
歯石は唾液などに含まれるカルシウム分などが歯の表面に石灰化、沈着したものです。表面が粗造でプラークや細菌が留まりやすくなっています歯周病の原因となる細菌の増殖を防ぐためにも、歯石除去は3~4ヵ月に一度の頻度で受けてください。
歯科医師や歯科衛生士が専用の機械を使って行うPMTC(プロフェッショナル・メカニカル・ティース・クリーニング)には、歯の表面に付いたプラークや着色物質を除去するだけではなく、歯の研磨や艶出しの効果も期待できます。

歯磨き指導

むし歯や歯周病を予防するには、患者さん自身による日頃のお手入れが欠かせません。しかし歯磨きのやり方が間違っていると、汚れは落としきれずに蓄積され、むし歯や歯周病を招きます。
歯科医院では、患者さんが正しく歯を磨けるように、歯磨き指導を行っています。指導を受けて正しい歯磨きの方法を習得すれば、磨き残しなどは少なくなるでしょう。

トラブルを未然に防ぐセルフケア方法は?

トラブルを未然に防ぐセルフケア方法は?
むし歯や歯周病の予防に必要なのは、歯科医院での予防治療と患者さんのセルフケアです。この項目では、家庭で行えるセルフケアについて解説します。

デンタルフロスを活用する

歯と歯の間の掃除には、デンタルフロスや歯間ブラシが効果的です。
2018年に、歯と歯の間を掃除した後に歯磨きを行った場合と歯磨きの後に歯と歯の間を掃除した場合、効率よくお手入れができるのはどちらなのかという調査が行われました。調査の結果、歯と歯の間を掃除した後に歯磨きを行った方が隣接面プラーク中のフッ化物濃度が高かったことが報告されています。

毎日正しい歯磨きを行う

歯のセルフケアの基本は、歯の表面をしっかり擦り、磨くことでプラークを取り除くことです。歯科医院で受けた指導は、忘れないように心がけましょう。歯並びには個人差があるため、自分に合ったサイズ・素材の歯ブラシや歯間ブラシ、フロスを選ぶことも重要です。
電動歯ブラシは、自分で細かく動かす必要がなく便利ですが、手磨きと同じように歯の表面にしっかり当たらないとその効果を発揮できないだけでなく、間違った当て方では歯が磨り減るリスクがあります。普通の歯ブラシでも電動歯ブラシでもそれぞれに合った使い方を一度歯医者さんで確認することをお勧めします。
また、歯磨剤(デンタルペースト)に含まれているフッ化物・殺菌剤・酵素などの薬効成分が効果を示すために、フッ化物配合歯磨剤は下記の使い方が推奨されています。

  • 年齢に応じた歯磨剤を選ぶ
  • 歯磨きは1日に2~3回
  • 歯磨きの後は少量の水でうがい
  • うがいの後、1~2時間は飲食を控える

マウスウォッシュを使う

歯磨きの補助に適しているのが、液体のマウスウォッシュ(洗口液)です。歯磨きでは落としきれなかった部分に届くマウスウォッシュには殺菌作用があり、歯の表面を細菌から守る効果が期待できます。
このほかにもマウスウォッシュには、むし歯の原因となる細菌が棲息している歯肉縁上プラークを破壊する効果が確認されています。ですがマウスウォッシュは、歯周ポケットの深い部分には届きません。そのため、歯周病の原因菌が棲む歯肉縁下プラークへの効果は薄いといえます。

歯ブラシを定期的に交換する

歯ブラシや歯間ブラシの衛生状態を保つには、定期的な交換が必要です。歯ブラシや歯間ブラシが不衛生だと細菌が繫殖しやすく、そこからむし歯や歯周病につながるリスクもあります。
毛先に変化が見られない場合でも、1ヵ月に1回程度の交換をおすすめします。歯ブラシや歯間ブラシに残った細菌の増殖を抑えるためにも、歯ブラシや歯間ブラシは洗った後水気を切り、乾燥した場所で保管してください。

予防治療のことなら桶川歯科にご相談を

桶川歯科
かかりつけの歯科医院がある患者さんは、かかりつけ歯科医院を持たない患者さんに比べて残っている歯が多く、口臭が少ないという調査報告があります。

かかりつけの歯科医院を持つ患者さんのグループは、過去1年以内に口腔の衛生処置を受けた経験のある方や、デンタルフロスや歯間ブラシを使っている方の割合が高いことも判明しています。

歯の予防治療や長期的なメンテナンスにおいて、かかりつけ歯科医院の果たす役割は小さくありません。

ここでは、定期検診・クリーニング・歯磨き指導を行っている桶川市の桶川歯科を紹介します。

プロによるケアで歯周病予防にも注力

桶川歯科は歯周病予防にも注力しています。

桶川歯科では歯を失った場合の補綴治療に対応していますが、人間が本来持っている歯に比べると噛む力が弱く、周囲の歯にかかる負担も小さくはありません。8020の達成には、むし歯や歯周病の早期発見・早期治療を心がけ、歯を抜く必要がない状態を維持することが重要です。

桶川歯科では、歯周病の進行を調べる歯周ポケット検査を実施しています。また、スケーリングPMTCのほか、患者さんの状態に合わせた予防アドバイスを受けられます。

歯科治療への不安を取り除くしっかりとしたカウンセリング

桶川歯科

桶川歯科では、治療の前の患者さんのカウンセリングを重視されています。症状や治療の目標、生活習慣が一人ひとり異なる患者さんの癖や行動には、口腔内のトラブルの原因や解決のヒントが隠れていることもあるからです。

また、歯科治療に対する患者さんの感情を受け止め、寄り添うことを、桶川歯科は目標に掲げています。

歯科医師が患者さんの状態と必要な処置の説明を行い、治療の目的を共有してから、一緒に力を合わせた治療が始まるといいます。

むし歯や歯周病に由来する全身の健康をサポート

むし歯や歯周病が全身疾患と深く関わっているのは、細菌が原因です。高齢の患者さんや物を飲み込む機能が低下している患者さんが、細菌の集合体であるプラークを飲み込むと、高確率で誤嚥性肺炎を発症するといわれています。

しかし、口腔ケアによって細菌を減らせば、誤嚥性肺炎の発症を抑えられる可能性が高まります。

桶川歯科では、むし歯や歯周病を治療・予防することで、全身の健康のサポートに努められています。

桶川歯科の基本情報

アクセス・住所・診療時間

JR桶川駅より徒歩3分

埼玉県桶川市若宮1丁目1-14

診療時間
9:00~13:00
14:30~19:00

★土曜午後は14:00~16:00

この記事の監修歯科医師