ラミネートベニアは、欠けや変色がある歯の見た目を改善するために使われる、近年人気のある歯科治療法の一つです。
しかし、特徴や寿命、正しいケア方法などがわからない方もいるのではないでしょうか?
ラミネートベニアは、摩耗などによって見た目や機能に影響がでることがあります。
そこでこの記事では、ラミネートベニアの寿命に加え、正しいケア方法や破損した場合の応急処置を含めた取り扱い方法をわかりやすく解説します。
監修歯科医師:
石毛 俊作(大神宮デンタルクリニック)
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東北大学歯学部卒業。千葉大学医学部附属病院 歯科・顎・口腔外科 臨床研修医。千葉大学大学院 医学薬学府 医学博士。独立行政法人地域医療機能推進機構。船橋中央病院。歯科口腔外科/インプラントセンター勤務。いとう歯科クリニック勤務、海岸歯科室勤務。
ラミネートベニアの寿命と比較

ラミネートベニアの寿命は何年ですか?
ラミネートベニアは、欠けや変色がある前歯の表面をわずかに削り、その部分に歯の色や性状に近いポーセレンなどの
セラミックスを接着剤でつける
審美治療の一つです。特徴には以下のものが挙げられます。
- 歯色と形状の修正が可能
- 治療期間が短い
- 歯面の切削量が少なく痛みが少ないことから、麻酔が不要
ラミネートベニアは短期間で治療が完了するため、忙しい方でも治療期間やクリニックに行く負担を少なくすることが可能です。痛みが少なく、麻酔を使わなくて済むこともあるそうです。また、セラミックスは耐久性が高く、長期間維持することができるとされています。一方ラミネートベニアは永久に使えるものではなく、年月の経過により摩耗が生じ、10年ほどで見た目に不満を感じる方が増えるといわれています。15~18年装着された症例もあり、ケア方法により寿命には個人差があるそうです。おおむね10~20年が寿命であると考えられます。
ラミネートベニアの寿命を短くする原因は何ですか?
ラミネートベニアの寿命が短くなる主な原因は、摩耗です。摩耗は硬い物を食べる習慣だけでなく、歯ぎしりや食いしばり、爪を噛む癖などの無意識の習慣も影響します。また、歯並びや噛み合わせが悪いと、一部の歯に負担がかかりやすくなりベニアが欠けたり剥がれたりするリスクも高まる点にも注意が必要です。さらに、硬い歯ブラシや過度な歯磨きも、ベニアが剥がれてしまうリスクがあるため避けた方がよいでしょう。日頃からお口の中を清潔に保ち、定期的な歯科医院でのメンテナンスや診察を受けることで、ラミネートベニアの寿命を伸ばすことができます。日常生活での意識とケアのどちらも大切です。
セラミッククラウンとの耐久性の違いを教えてください。
セラミッククラウンの年間故障率は約4.9%とされており、見た目や機能に多少の問題があっても使用には支障がない場合が多いようです。そのため、10年後も約60%は使用可能です。ラミネートベニアの使用期間も10~20年ほどといわれているため、ラミネートベニアと
セラミッククラウンの耐久性に
大きな差はないとされています。また、ラミネートベニアは部分的な治療が可能ですが、
セラミッククラウンは歯1本をまるごと治療する必要があります。治療範囲が異なるため、一概にどちらの耐久性が高いとは言い切れません。
ラミネートベニアの正しいケア方法

ラミネートベニアの正しいケア方法を教えてください。
ラミネートベニアの正しいケア方法は以下のとおりです。
- 汚れを確認する
- 毎日の清掃
- 定期的なチェックと専門的ケア
まずはお口の中を清潔に保ち、汚れを蓄積させないことが重要です。特に毎日の歯磨きでは、ベニアの周囲に歯垢や食べかすなどの汚れが残らないように意識して磨くことがポイントです。丁寧な清掃を続けることで、細菌の繁殖を防ぐことができ、お口の中の衛生環境をよくすることが可能になります。これらはラミネートベニアの劣化だけでなく、むし歯の予防にもなります。また、人工の歯である以上摩耗や亀裂、破損などの劣化は避けられません。そのため、定期的に歯科医師に調整や修理を行ってもらうことも重要でしょう。特にベニアと天然歯の境目に汚れが溜まりやすいため、専門の器具を使ったクリーニングで除去してもらうことも効果的です。正しいケア方法を行うことで、ラミネートベニアの寿命を伸ばすことができます。
ラミネートベニアを取り替える目安を教えてください。
摩耗や欠けなどで見た目に影響が出た場合は、取り替えを検討しましょう。見た目だけでなく、舌で触れたときに違和感を覚えた場合も、歯科医師に相談し取り換えの必要性を確認するとよいでしょう。また、前述したとおり10年ほどで不満を感じる方が増えるとされているため、この期間も目安にしてみてはいかがでしょうか。不安なことがある場合は、定期検診の際に歯科医師に交換の必要があるかについて確認するとよいでしょう。
ラミネートベニアを長持ちさせるポイントや応急処置方法
ラミネートベニアを長持ちさせるポイントを教えてください。
経験と技術を備えた歯科医師に治療を依頼することが大切です。ラミネートベニアを長持ちさせるポイントは、接着面がエナメル質であり、ベニアとセメントがしっかりと接着していることです。接着が不十分だと剥がれやすくなるため、ベニアの適切な処理と、セメントが十分に硬化していることも重要な条件になります。また、ラミネートベニアはお手入れ方法により使用期間に個人差があります。そのため、前述したお手入れ方法を実践することで、長持ちさせることが可能です。
万が一の際に応急処置などの対処法はありますか?
応急処置で市販の接着剤などは使用してはいけません。ご自身で無理に装着しようとすると、歯や補綴物を傷つけるおそれがあります。ラミネートベニアが欠けてしまった際には、できるだけ早く歯科医院を訪れ診察を受けるようにしましょう。
どのくらいの期間で診察や定期検診を受けるべきですか?
年に1回の定期検診が推奨されています。ラミネートベニアの様子を見るだけでなく、むし歯や歯茎の状態などお口の中の状態を確認することも重要です。ラミネートベニアは、人工歯であり経年劣化や接着部分のトラブルが生じることがあります。そのため、歯科医師による検診で早期に変化を見つけてもらい、適切なメンテナンスをすることが重要です。
ラミネートベニアは自由診療ですか?
歯の診察目的ではなく、審美目的で行われるため、ラミネートベニアは自由診療となります。費用は素材や技術料、地域差によって変動し、クリニックにより値段が異なる点に注意が必要です。また、自由診療であるため保険適用外となり、自己負担が大きくなります。そのため、治療を受ける前に見積もりや説明をしっかり受けるとよいでしょう。
ラミネートベニア治療を受けるクリニックの選び方を教えてください。
ラミネートベニア治療を受ける際は、歯科専門医のいるクリニックから選ぶとよいでしょう。日本歯科専門医機構によれば、歯科専門医とは各専門分野で適切な研修と教育を受け、十分な知識と経験を備え患者さんから信頼される専門医療を提供できる歯科医師のことです。また、過去の症例数や患者さんのレビューを確認すると、治療の質やクリニックの雰囲気などを知ることができます。ラミネートベニア治療の場合、補綴や保存の専門性を持つ歯科医師に相談するのが適切です。治療について流れや費用、リスクについてわかりやすく説明してくれ、信頼できるクリニックを選ぶとよいでしょう。治療内容や費用についてだけでなく、アフターケアについても確認しましょう。複数のクリニックを比較して検討することもおすすめです。納得がいくまで調べることが重要です。
編集部まとめ

ラミネートベニアは、見た目や歯の形を整えることを目的とした自由診療の審美治療です。
セラミッククラウンと比べても耐久性に大きな差はなく、診察期間が短いことや歯面の切削量が少なく痛みが少ないことから麻酔が不要なことなどが特徴とされています。
摩耗により寿命が縮むことがあるため、食生活や噛み合わせ、歯ぎしりなどに注意することで、寿命を延ばすことも可能です。
ベニアの適切な処理と、高度な接着技術を持つ歯科専門医がいるクリニックを選ぶことが重要です。
さらに、自分に合ったケア方法を実践し、定期検診を受ける習慣を身につけることが重要になります。