審美治療の費用はどのくらいかかる?治療の種類や医療費控除について解説
かつては、歯科医院には「歯が痛いから」「歯が抜けた」といった理由で通院することがほとんどでした。
しかし、現在では「歯を美しく見せたいから」という理由で、通院する患者さんが多くなっているそうです。
歯に自信がないため笑顔が作れない、口元をつい手で隠してしまうという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
現在では、一般的な歯科治療以外に、審美治療も選べるようになりました。
セラミックやジルコニアのクラウンで白い歯を作る技術もあります。
表情豊かな口元は、明るく自信を持った生活への大切な条件です。人前で堂々と話すためには、白い歯が不可欠です。
美しい歯を手に入れる審美治療について紹介します。
監修歯科医師:
荒井 学(あらい歯科クリニック)
2000年 明海大学歯学部 歯科補綴学第二講座 入局
2004年 さくま歯科医院 勤務
2016年 あらい歯科クリニック開院
目次 -INDEX-
審美治療とは
審美治療について、あまりご存じない方もいらっしゃるでしょう。審美治療とは、一般的な治療とどこが違うのでしょうか。まず、審美治療について詳しく解説していきます。
審美的な面に配慮した歯科治療
従来の歯科治療は、痛みを取る・抜けた歯を補うといったもので、歯の詰め物や被せ物(クラウン)は金属が一般的でした。審美治療では歯並びの美しさ、歯の白さに注目します。
むし歯治療で被せた金属を、セラミックなどの白い被せ物に変更するのも、審美治療です。見た目だけを良くするだけではなく、患者さんの個性との調和や良好な噛み合わせなど、総合的に治療していきます。
また条件次第では、保険適用でCAD/CAM(キャドキャム)冠という白い被せ物を使用できる医院も存在します。それでも保険適用外の審美治療の方が、寿命が長く、見た目も良いです。
一般歯科との違い
審美治療は、一般歯科とはっきりと区別されているわけではありません。一般歯科でもある程度の美しさは目標としますし、審美治療を行うための免許などもありません。とはいえ、いくつかの点で一般歯科治療とは違いがあります。
審美治療では、痛みを取るだけではなく、患者さんのクオリティー・オブ・ライフ(QOL)を向上させます。審美治療は病気を治すという意味の治療ではありません。患者さんの心と体を健やかに保つための治療です。
また、審美治療は保険適用外の治療です。そのため、保険適用の治療では使えない高価な材料を使って治療することができます。保険適用外の治療ですから、従来の歯科治療よりも費用はかかります。一般歯科とは違う材料のクラウンを使うことで、美しく仕上げられるだけでなく、金属アレルギーにも対応可能です。
さらに、審美治療で使う材料は主にセラミックで、丈夫なものが多く、長く使用できます。一般的な歯の治療の際、部分的に審美治療にするといったことも可能です。保険適用の歯根治療を行い、クラウンは保険適用外のセラミック素材で製作するといったケースはそれにあたります。
現在、多くの歯科医院でもそういった治療に対応しています。ただし、審美治療を行わない歯科医院も存在するので、美しい歯を目指す際には事前に調べておきましょう。ホワイトニングは一般歯科ではできず、審美治療でのみ対応できます。
審美治療の費用
前述したように、審美治療は保険適用外の治療です。材料も高価なものを使いますし、技術料も高額になります。セラミックのような特殊な材料は、成形した後陶器などと同様、加熱処理が必要です。こういった作成手法のため、歯科医院内で作ることはできず、専門の製作会社に発注します。
機能面でも審美性でも優れている審美治療ですが、他の治療に比べると費用がかかります。セラミック治療は、6〜10万円(税込)が費用相場となっており、1本の歯で10万円(税込)以上する治療もあります。
ホワイトニングには、自宅で行うホームホワイトニングと、歯科医院で行うオフィスホワイトニングがあり、どちらも1〜5万円(税込)が費用相場となっています。
多くの審美治療を行う歯科医院では、クレジットカード支払いでの分割支払いや、デンタルローンにも対応しています。担当の歯科医師とよく相談して、従来型の治療を組み入れるなど計画を立てましょう。
歯科医院によって値段が異なる
保険適用外の治療では歯科医院が自由に値段を設定することができます。歯科医院によって、同じセラミッククラウンでも材料が厳密には違いますし、発注する技工所も違います。
また、歯科医師の技術・歯科医院の設備・保障内容なども違い、結果的に治療費が変わってくるのです。ご自身が納得するまで、説明を受け費用面でも無理のない計画を立てましょう。
ただし、安価を謳う審美治療でトラブルが起こることもあります。歯科医院にかかるときは、よく調べてからにしてください。
再治療が必要な場合の費用
審美治療後、ケアを怠るとむし歯などが進行し、再治療が必要になる場合があります。また、作った歯が思ったものと違う仕上がりで、違う歯科医院で新しく治療を受けることもあるでしょう。
この場合、新たなクラウンや詰め物を作成するため、最初に治療した際と同等の費用がかかります。一方、クラウンが欠けてしまうなどした場合は、歯科医院によっては保証期間を設けている場合もあります。
保証期間中は、定期メンテナンスを行うことが条件になっている歯科医院がほとんどです。歯科医院での定期メンテナンスと自宅での口腔ケアは必須事項です。
審美治療の種類
ここからは、審美治療の種類について解説していきましょう。各材料によって、特徴があります。材料によって価格も違います。歯科医師と相談し、目的に合った材料・治療法を決めることが大切です。
ジルコニアセラミック
ジルコニアは白い人工ダイヤモンドとも呼ばれる、セラミックの一つです。非常に硬い素材で、ジルコニアを使用した歯はとても丈夫です。「ジルコニア」については次項で述べます。
ジルコニアセラミックを使用したクラウンは、ジルコニアで裏打ちした上で表面をセラミックで仕上げます。患者さんご自身の歯の色を忠実に再現することができ、汚れも着きにくい歯を作れます。経年変色もほとんどありません。
また、保険適用の治療より丈夫なのはもちろん、オールセラミックと比べてもとても丈夫です。さらに、オールセラミックより自然で美しい仕上がりが期待できます。以前は、ジルコニアセラミックについては奥歯には使用できませんでしたが、2023年現在では使用可能になりました。
ジルコニアセラミックの人工歯は、非常に優秀で、多くの審美治療を行う医院で推奨されています。しかし、治療費が高くなってしまうのが難点です。
被せ物の場合、1本あたり110,000〜200,000円(税込)程となっています。
他にもいくつかデメリットがあります。天然の歯より硬いジルコニアセラミックは調整が不十分だと歯が削れるリスクがあり、修理も難しいです。そのため修理が必要となった場合、再製作を依頼しなくてはいけません。
オールジルコニア
ジルコニアはジルコニウムの酸化物二酸化ジルコニウムで、融点が高く非常に丈夫な材料です。結晶化したジルコニアは無色透明で、高い屈折率を有し、模造ダイヤモンドとして宝飾品にも使われます。
この二酸化ジルコニウムに希土類酸化物を添加し、強度・靭性を高めたものが歯科で使われる安定化ジルコニアであり、2005年に厚生労働省により認可された歯科材料です。
ジルコニアはセラミック材料の中でも、非常に強度・靭性があります。常温では酸にもアルカリにも溶出しないため、人体には無害です。歯科でいうオールジルコニアは、白く透明感があり、汚れが着きにくい材料です。
従来のセラミックよりも丈夫で、耐久性があります。ジルコニアセラミックの主材料である、ジルコニウムは金属ですが、チタンと同様にアレルギー反応を起こしにくいです。
しかし自然の歯よりも白くてきれいなため、違和感を覚える場合もあるでしょう。色味を選択できるので、白さが気になる方は自然の歯に近い色を選ぶといいでしょう。
また硬い素材のため、噛み合わせによってはもともとある自然の歯を傷付けてしまうリスクもあります。噛み合わせが気になる場合はすぐに歯科医師に相談してください。費用は被せ物の場合、1本あたり66,000円(税込)程です。
オールセラミック
セラミックはセラミクスとも呼ばれ、広義では陶器やガラスなども含む無機物を焼結して作る製品を指します。歯科で使うセラミックは、長石もしくは二ケイ酸リチウムを材料としたガラスセラミックです。近年では、3Dプリンターを利用して作ることも多くなってきています。
透明性と白さがメリットで、金属アレルギーの心配はなく、人体にも無害とされている素材です。ただし、ジルコニアに比べると、強度に劣ります。
オールセラミックの費用は詰め物の場合、1本あたり66,000円(税込)程です。被せ物は1本あたり88,000円(税込)程となります。
ファイバーコア
重篤なむし歯を治療する際、支柱を立ててその上に被せ物を装着します。支柱は保険適用の治療では金属ですが、ファイバーコアではこの支柱を金属ではなくグラスファイバーを使用します。
グラスファイバーは、ガラスを加工して繊維にしたもので、束にすることで強度を持ちます。一方、適度なしなやかさも持つため、歯根を傷めません。また、光透過性なのでジルコニアやセラミックの被せ物をした際、歯の透明度を損ねません。
重篤なむし歯治療によりジルコニアやセラミックの歯を入れる際には、支柱をファイバーコアにすることも検討してみるといいでしょう。
ただし、残っている根の部分が少ない場合は治療の対象外となります。また金属ほどの強度がないため、コアが折れてしまう可能性もあります。ファイバーコアの費用は11,000円(税込)程です。
審美治療の医療費控除
前述したように、審美治療は保険適用外のため治療費が高額です。しかし、費用を軽減する方法もあります。以下で、その点を解説していきましょう。
審美治療は医療費控除の対象
審美治療は医療費控除の対象になります。医療費控除とは、一世帯で医療にかかった費用に対する所得税が控除される制度です。一年間に支払った医療費のうち200万円までが控除の対象になります。
確定申告で控除の申請を行えば、所得税の一部が返還されます。確定申告の際には、医療費の領収書原本が必要です。必ず保管しておきましょう。クレジットカードやデンタルローンで支払った場合も、全額がその年の医療費として計算されます。
ただし、審美治療のすべてが医療費控除の対象になるわけではありません。ホワイトニングは「医療」ではないので、控除の対象になりません。
審美治療は保険適用外
審美治療は、保険適用の治療ではありません。歯科医師と十分に話し合い、治療計画を立てましょう。歯根治療は保険適用の治療で行い、被せ物は保険適用外のものを使うといったこともできるので、目的と予算に合った治療を考えることができます。
また、咬合異常や顎疾患など一部の疾患のための審美治療は保険適用となりますので、事前に歯科医師に相談しましょう。
審美治療ならあらい歯科クリニックへ
あらい歯科クリニックは、埼玉県熊谷市のスーパーマーケット・ヤオコー熊谷箱田店2Fにあるクリニックです。
キッズルーム完備で、お買い物のついでに通院できます。
あらい歯科クリニックの目標は、患者さんご自身にご満足いただける歯科治療の提供です。
マタニティ診療、小児診療にも対応し、地域の皆さんに利用されている地域密着型歯科医院です。
それではあらい歯科クリニックについてご紹介しましょう。
患者さんに合った治療方針を提案している
あらい歯科クリニックでは、患者さんのお口の健康を守ることに加え、美しく仕上げることによって患者さんにご満足いただける治療を提供しています。
患者さんとのコミュニケーションを第一に考え、ニーズ・悩みを確認しながら、患者さんが納得のいく診療を進めています。
患者さんにご納得いただいた上で治療を進めるため、どのような内容でもお話しできる環境作りも万全です。
治療に際しては、治療法を豊富な経験と高度な技術をいかして、患者さん一人ひとりに合った治療方針を立てています。
保険適用の治療・自費治療、または両方を組み合わせるなど、患者さんの目的に合った治療を一緒に計画していきます。
高度な治療技術と新しい設備を整えている
患者さんにご満足いただく治療のためには、まず正確な診断が必要です。
あらい歯科クリニックでは、そのために、先進的な設備・技術を導入しています。
適格な診断を行い、豊富な経験と知識で患者さんにご納得いただき、治療方針を立てています。
日本顎咬合学会の咬み合わせ認定医である院長をはじめ、4人の歯科医師が患者さん本位の治療を担当します。
十分に経験を積んだ歯科衛生士・歯科助手が、歯科医師とともに治療にあたっています。
完全予約制で治療している
あらい歯科クリニックは、完全予約制のため、待ち時間が長くなることはなく、スムーズな治療が行われています。
院内は、ナチュラルなカフェのような雰囲気で、ゆったりとくつろげる環境の中でリラックスして治療を受けられます。
待ち時間のかからないスムーズな治療・落ち着ける環境を心がけているので、安心して治療を受けられるでしょう。
あらい歯科クリニックの基本情報
アクセス・住所・診療時間
JR 熊谷駅 車で8分(駐車場有り)
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
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10:00~13:30 | ● | - | ● | ● | ● | △ | ■ | - |
15:30~20:00 | ● | - | ● | ● | ● | △ | - | - |
△:10:00~13:00/14:00~18:00
■:10:00~15:00
【休診日】火曜日・祝日
参考文献