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じんましん(蕁麻疹)
高藤 円香

監修医師
高藤 円香(医師)

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防衛医科大学校卒業 / 現在は自衛隊阪神病院勤務 / 専門は皮膚科

じんましん(蕁麻疹)の概要

じんましん(蕁麻疹)は、皮膚に突然発生する赤い腫れやかゆみを伴う発疹です。多くの人が生涯に一度は経験する一般的な症状で、一時的なものから慢性的なものまでさまざまです。 蕁麻疹は主にアレルギー反応によって引き起こされます。具体的には、食物、薬、動物の毛、花粉、昆虫の刺傷など、さまざまなアレルゲンが原因で発生することがあります。また、ストレスや寒冷、日光などの物理的な刺激が原因で起こることもあります。体内でヒスタミンという物質が過剰に放出されることで、血管が拡張し、皮膚の一部が腫れて痒みを感じるようになります。

じんましん(蕁麻疹)の原因

蕁麻疹の主な原因を以下に列挙します。

  • アレルギー反応 蕁麻疹の一般的な原因は、食物、薬物、花粉、ペットの毛など、特定のアレルゲンに対する身体の過敏反応です。たとえば、ナッツ、貝類、卵、ペニシリンやアスピリンなどがよく知られています。これらの物質に対する反応として、体内でヒスタミンが過剰に放出され、皮膚に蕁麻疹が現れます。
  • 感染症 特に小児において、ウイルス感染や細菌感染は蕁麻疹を引き起こすことがあります。風邪やインフルエンザなどの一般的な感染症が原因で発疹が生じることがあります。
  • 物理的刺激 寒冷、熱、日光などの物理的刺激によっても蕁麻疹が発生することがあります。例えば、冷たい風にさらされた後や、長時間日光に晒された後に蕁麻疹が現れることがあります。
  • ストレス 精神的なストレスや感情の動揺も、身体に蕁麻疹を引き起こす要因となることがあります。ストレスが原因でヒスタミンが過剰に放出され、蕁麻疹が発生することがあります。
  • その他の要因 ホルモン変動や自己免疫疾患、甲状腺異常、さらには運動後なども、蕁麻疹を引き起こすことが知られています。これらの条件下での蕁麻疹はしばしば突発的に現れ、消えることが特徴です。

じんましん(蕁麻疹)の前兆や初期症状について

蕁麻疹の前兆

蕁麻疹の発生前には、特定の明確な前兆があるわけではありませんが、身体がアレルゲンに反応しているサインとして、以下のような症状が見られることがあります。

  • 異常なかゆみ 発疹が現れる前に、皮膚が突然とてもかゆくなることがあります。特にアレルゲンに触れた直後にこの症状が現れることが一般的です。
  • ほてりや軽い発赤 発疹が現れる部位が、発疹が出る前に赤くなることや、皮膚が温かく感じることがあります。

蕁麻疹の初期症状

蕁麻疹が発生すると、以下のような症状が典型的に見られます。

  • 発疹 明確な境界を持つ赤い盛り上がりが皮膚に現れます。これらは大きさや形がさまざまで、数時間から数日で消失することが一般的です。
  • 強いかゆみ 発疹が出ると、強いかゆみを伴います。このかゆみはしばしば不快で、日常生活に支障をきたすこともあります。
  • 疼痛や灼熱感 一部の人々は、発疹のある部分が痛むか、焼けるような感じを伴うことがあります。

蕁麻疹の初期対応

蕁麻疹の前兆や初期症状に気づいた場合、以下の対応をおすすめします。

  • 冷却 冷たい布やアイスパックを使用して、かゆみや腫れを抑えます。
  • 抗ヒスタミン薬の使用 抗ヒスタミン薬を服用して症状を緩和します。
  • アレルゲンの特定と避難 可能であれば、蕁麻疹の原因となるアレルゲンを特定し、避けることが重要です。
じんましんの前兆や初期症状が見られた場合に受診すべき診療科は、皮膚科です。

じんましん(蕁麻疹)の検査・診断

蕁麻疹の診断プロセス

蕁麻疹の診断は主に臨床的な観察に基づいて行われます。医師は患者さんの経歴を詳細に聞き取り、症状の特性、発生の状況、持続時間、そして症状が現れた際の環境などについて質問します。特に、食事、薬物使用、最近の健康状態の変化、アレルギー歴などが詳しく調べられます。

蕁麻疹の検査方法

  • アレルギーテスト アレルギーが蕁麻疹の原因である可能性がある場合、スキンテストや血液検査を行うことがあります。スキンテストでは、小さなアレルゲンのサンプルを皮膚に適用し、反応を観察します。血液検査では、特定のアレルゲンに対する抗体のレベルを測定します。
  • 日記の記録 患者さんには、食事、活動、発疹の出現と消失、その他の関連する症状を記録する日記の作成を依頼することがあります。これは、潜在的なトリガーを特定するのに役立ちます。
  • 血液検査 蕁麻疹がほかの健康問題、特に自己免疫疾患や甲状腺異常と関連があるかどうかを調べるために、炎症マーカーや甲状腺機能テストを含む血液検査を行うこともあります。

診断後の対応

診断が確定した後、医師は症状の管理と再発の予防に焦点を当てた治療計画を提案します。これには、生活習慣の調整適切な薬物治療、および必要に応じてアレルゲンの回避が含まれます。蕁麻疹は多くの場合一時的なものですが、慢性的になることもあります。もし蕁麻疹の症状が頻繁に現れる場合は、専門の医療機関での診察を受けることをおすすめします。患者さん一人ひとりに合ったケアを提供することで、症状の管理と生活の質の向上を図ることができます。

じんましん(蕁麻疹)の治療

蕁麻疹の治療方法

  • 抗ヒスタミン薬 蕁麻疹の治療で最も一般的に用いられるのは、抗ヒスタミン薬です。ドラッグストアなどで直接購入できるものとしてセチリジン、ロラタジン、フェキソフェナジンなどがあり、これらは発疹とかゆみを効果的に抑制します。これらの薬は日常的に使用しても眠気を引き起こさないものが多い傾向ですが、どの薬が最適かは、医師の判断もありますが、個人の状態により異なる場合があります。
  • 生活習慣の調整 アレルゲンによる蕁麻疹の場合、その原因となるアレルゲンを避けることが最も重要です。アレルギーを特定するために、食事日記をつけたり、除去食を試したりすることが有効です。また、ストレスが原因の一つと考えられる場合には、リラクゼーション技法や適度な運動が推奨されます。
  • 適切なスキンケア 皮膚を清潔に保ち、乾燥を防ぐために、無香料の保湿剤を使用することが推奨されます。また、温水でのシャワー後に保湿クリームを塗ることで、皮膚のバリア機能を維持することができます。
蕁麻疹の治療は、主に症状の管理と再発の予防に焦点を当てています。もし蕁麻疹が頻繁に発生する場合や、自己管理が難しい場合は、皮膚科の専門医に相談することをおすすめします。

じんましん(蕁麻疹)になりやすい人・予防の方法

蕁麻疹になりやすい人

  • アレルギー体質の人 アレルギーを持つ人々は、花粉、食物、動物の毛などのアレルゲンに反応して蕁麻疹を発症しやすいです。特に、ピーナッツや卵、貝類など特定の食物に対して過敏な人が多く見られます。
  • ストレスが多い生活を送っている人 高いストレスレベルは免疫系に影響を与え、蕁麻疹の発生につながることがあります。
  • 特定の薬物を使用している人 アスピリンやいくつかの抗生物質など、特定の薬物が原因で蕁麻疹を引き起こすことがあります。

蕁麻疹の予防方法

  • アレルゲンの特定と回避 アレルギーが原因で蕁麻疹を繰り返す場合、アレルゲンの特定が最初のステップです。特定後は、そのアレルゲンを避けるようにしましょう。食物アレルギーの場合は食事日記をつけ、何が反応を引き起こすかを記録することが有効です。
  • ストレス管理 定期的なリラクゼーションや適度な運動、趣味の時間を持つことで、ストレスレベルを管理し、蕁麻疹の発生を抑制できます。
  • 適切なスキンケア 皮膚を清潔に保ち、乾燥から保護するために、低刺激の保湿剤を使用することが重要です。また、極端な温度や乾燥した環境は避け、肌を刺激から守りましょう。
  • 健康的な生活習慣 良質な睡眠とバランスの取れた栄養摂取は、蕁麻疹を含むさまざまな健康問題の予防に役立ちます。

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