

監修医師:
松繁 治(医師)
岡山大学医学部卒業 / 現在は新東京病院勤務 / 専門は整形外科、脊椎外科
主な研究内容・論文
ガイドワイヤーを用いない経皮的椎弓根スクリュー(PPS)刺入法とその長期成績
著書
保有免許・資格
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会認定 脊椎脊髄病医
日本脊椎脊髄病学会認定 脊椎脊髄外科指導医
日本整形外科学会認定 脊椎内視鏡下手術・技術認定医
目次 -INDEX-
穿孔外傷の概要
穿孔外傷(せんこうがいしょう)とは、一般的に、眼球付近の受傷によって生じる「角膜(かくまく)穿孔外傷」のことです。
転倒や事故、あるいは飛来物の衝突などによって眼球付近を負傷した際に起こる可能性があります。眼球に穿孔創(せんこうそう=あなのあいた傷)が認められるのが特徴の外傷です。事故や衝突では、ガラス片などが眼内異物として残るケースもあります。
穿孔外傷では受傷直後から痛みと視力障害が生じます。眼球に生じた傷の深さによっては、水晶体、硝子体、網膜など複数の眼内組織に損傷が及ぶことも珍しくありません。
重症度は傷の状態によって異なるものの、穿孔外傷の治療では眼科専門医による診察が欠かせません。主に外科的手術によって治療されますが、入院治療や複数回の手術が必要となるケースがあります。受傷後はできるだけすみやかに治療を受ける必要があります。治療が遅れるほど、失明を含む重い合併症・後遺症のリスクが高まります。

穿孔外傷の原因
穿孔外傷の原因は、交通事故や労働災害など偶発的な事故によるものが大半です。人為的な暴力などによっても起こり得ます。
いずれの原因であれ、眼球付近に強い打撲、裂傷を受けるような場合や、金属片やガラス片などの飛来物が眼球付近に衝突するような場合に、穿孔外傷が生じる可能性があります。
穿孔外傷の前兆や初期症状について
穿孔外傷は、主に偶発的な事故などが原因となって起きるため、前兆はありません。
一般的に、受傷直後から強い痛みと視力障害・視力低下が発生します。穿孔外傷が生じた場合でも、それだけですぐに患者さんの生命が危険にさらされるわけではありません。
しかし、できるだけすみやかに適切な治療を受けなければ、失明を含む重い合併症・後遺症のリスクが高まります。したがって、さまざまな外傷の中でも、比較的重篤なものの1つと言えます。
穿孔外傷の検査・診断
穿孔外傷が疑われる場合は、点眼麻酔をおこなってから創部を確認します。角膜や強膜に「穿孔創」が確認できた場合は、穿孔外傷と診断できます。
眼科検査
眼内組織の損傷の程度を調べる目的で、一般的な眼科検査がおこなわれます。穿孔外傷においては、眼球に生じた傷の深さや位置によっては、水晶体、硝子体、網膜など複数の眼内組織にも損傷が及ぶことも珍しくありません。
細隙灯(さいげきとう)顕微鏡検査、眼底検査、網膜電図検査などの必要な検査をおこない、治療方針の参考にします。
画像検査
穿孔外傷の受傷機転によっては、ガラス片や金属片、プラスチック片など比較的小さな異物が、眼内異物として創部付近に残っている可能性があります。このような眼内異物の残存が疑われる場合は、超音波検査、CT撮影などの画像診断も活用されます。
穿孔外傷の治療
穿孔外傷の治療では、主に外科的手術がおこなわれます。手術の難易度は傷の程度にもよるものの、入院治療や複数回の手術が必要となるケースがあります。手術による治療と同時に、感染症等を予防するために必要な薬剤が処方されます。
外科的手術
外科的手術により、穿孔創、裂傷を縫合します。外傷性白内障や硝子体出血を併発しているケースではそれらに対する手術がおこなわれます。網膜をはじめその他の眼内組織に損傷があるケースも、可能であれば手術で治療します。1度の手術で対応できない場合は、手術が複数回おこなわれることもあります。
感染症等の予防
治療と並行して、感染症を予防するための抗菌薬、炎症を抑えるためのステロイド薬などが処方・使用されます。すぐに治療が受けられないような状況においても、眼の周囲をできるだけ清潔に保ち、圧迫を避けて安静を保つことが推奨されます。
穿孔外傷になりやすい人・予防の方法
穿孔外傷は、主に偶発的な事故などが原因となって起きるため、誰でもなる可能性があります。特に交通事故や労働災害によって起こりやすいとされています。そのため、事故の発生を防ぐさまざまな安全対策が、穿孔外傷の予防につながる可能性があります。
具体的には、運転中のシートベルトの着用、バイク運転時のヘルメットの着用などがあげられます。また、工場での機械作業や屋外での草刈り作業など、飛来物の恐れのあるような環境では保護用ゴーグルの着用といった安全対策も必要です。こうした安全対策が穿孔外傷の予防策となります。
ただし、安全対策をしていても、穿孔外傷を完全に予防できるわけではありません。穿孔外傷を負ってしまった場合は、できるだけすみやかに眼科専門医の診察を受け、治療を開始することが重要です。




