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胃が痛い原因はストレス?食べ過ぎ?病気を疑うなら迷わず病院へ 2018.09.30

この記事の監修ドクター:
寒河江 三太郎(さがえ・さんたろう)医師(厚木胃腸科委員 院長)

胃が痛くなるメカニズムは?


それではまず、胃が痛くなるメカニズムについてご説明したいと思います。

胃は食べ物を消化するために胃酸を出しているのですが、胃酸は食べ物を溶かしてしまうことからも想像できるように強酸性です。

この働きは多くの細菌を殺してくれる働きがある反面、人の体の一部である胃壁そのものを傷つけてしまう作用もあります。

そこで健康な人間の身体では、粘膜液を分泌することで胃壁を胃酸から守っているのです。

この胃酸と粘膜液のバランスは、自律神経の働きによって調節されています。

自律神経は興奮時や活動時に優位になる交感神経と安静時に優位になる副交感神経からなっており、副交感神経が優位になることで適度な量の胃酸や粘膜液の分泌がおこなわれているのです。

しかし、何らかの理由によって自律神経が乱れ、交感神経優位の状態が長く続いてしまうことがあります。

そうすると胃酸が過剰に分泌され、逆に粘膜の分泌が抑制されてしまうので胃が荒れて痛みなどの症状が出てしまうのです。

 胃が痛い場合の原因

胃が痛くなってしまうメカニズムについてご説明いたしました。
それでは、自律神経の乱れはどのようなことが原因でおこってしまうのでしょうか?

 1.ストレス

胃が痛い場合の原因として、まず挙げられるのがストレスではないでしょうか。

実はストレスそのものは、人間にとって悪いものではありません。

ほどほどのストレスであれば、やる気を出したり心身を強くしたりする効果が期待できるからです。

しかし、問題なのは強すぎるストレスです。

ストレスが強くなりすぎてしまうと自律神経のバランスが乱れ、交感神経が優位である状態が続いてしまうので胃が痛くなってしまうのです。

 .食べ過ぎ

食べ過ぎも胃が痛くなってしまう原因のひとつです。

なぜ、食べ過ぎると胃が痛くなってしまうのか、それは食べ物が胃に入ると消化のために胃酸が分泌されるからです。

上記でもご説明したように、胃酸は強酸性で胃壁をも傷つけてしまう力を持っているのですが、胃壁は粘膜液を分泌することで胃酸から胃を守っています。

適量の食事であれば胃酸と粘膜液のバランスが取れているので問題はありません。

しかし、食べ過ぎてしまうと消化のために大量の胃液が分泌されてしまうので、粘膜液では胃壁を保護しきれなくなってしまうのです。

そして胃が荒れてしまい、痛みを感じてしまいます。

また、食べ過ぎが続くことにより消化不良をおこしてしまうことも胃が痛くなる原因となります。

胃にたくさんの食べ物が入ってくると消化のために胃の働きが活発になりますが、食べ過ぎが続くと胃が疲れてしまって消化がうまくできなくなってしまいます。

胃で十分な消化ができなくなってしまうので、胃が痛くなったり胃もたれを起こしてしまったりするのです。

食べ過ぎていなくても、加齢とともに胃腸の働きが弱くなり、消化能力が落ちてしまうことで胃が痛くなってしまうこともあります。

 胃が痛い場合に考えられる病気

 1.急性胃炎

急性胃炎は胃壁の粘膜に炎症が起こってしまう病気ですが、原因を取り除けば数日で治ります。

急性胃炎の原因で多いのが暴飲暴食であり、その他にも刺激物の取り過ぎ、解熱鎮痛剤、抗生物質などの薬の服用が原因になってしまうこともあります。

食べ物や薬以外にストレスや過労、睡眠不足が原因の場合もあることに加えて、細菌やウイルス性の病気の合併症として起こる感染性胃炎、魚介類が原因のアレルギー性胃炎などもあり、その原因は実に多岐にわたります。

急性胃炎は原因を取り除いた上で絶食を含む食事療法をすれば数日で軽快しますが、それでも良くならない場合は他の病気を疑ったほうが良いでしょう。

 2.慢性胃炎

慢性胃炎は急性胃炎を繰り返した結果、胃液を分泌する働きを持つ胃腺組織が破壊、減少、消失してしまった状態です。

その原因ははっきりとは分かっていないのですが、胃壁が炎症を繰り返すことで治る際の過形成や腸上皮化生といった変化も繰り返し起こり、胃粘膜自体が萎縮し薄くなってしまうことが理由なのではないかと言われています。

また、胃粘膜の萎縮は加齢が原因でも起こります。

さらに急性胃炎から慢性胃炎に移行してしまう原因には、胃の中に住むピロリ菌も関係しているのではないかと言われています。

慢性胃炎は胃粘膜の状態により、

  • 表層性胃炎(胃粘膜の表面が軽く炎症を起こしている状態)
  • びらん性胃炎(炎症が原因で胃粘膜の表面がえぐれてしまった状態)
  • 萎縮性胃炎(胃粘膜が萎縮して薄くなってしまった状態)
  • 肥厚性胃炎(胃粘膜表面がぶ厚くなってしまった状態)

の4つに分けられます。

この中で一番多いのは萎縮性胃炎ですが、胃壁の一部が肥厚、一部が萎縮している状態の慢性肥厚性萎縮性胃炎もあります。

 3.胃潰瘍

胃炎は急性でも慢性でもあくまで胃壁の粘膜が炎症を起こしてしまっている状態に過ぎませんが、胃炎が悪化して症状が進むと胃潰瘍になってしまいます。

胃の痛みを感じて病院を受診すると、内視鏡で炎症がどこまで進んでいるかを診察してもらえます。
検査における症状の目安として胃壁内部の粘膜筋板という筋肉を超えていない場合は胃炎、超えてしまっている場合は胃潰瘍と診断されます。

胃潰瘍の症状がさらに進むと胃に穴が開いてしまう胃穿孔という症状になってしまうこともあります。

こうなると胃の外に食べ物が出てしまうこともあり、非常に危険な状態だと言えるのです。

ちなみに胃炎も胃潰瘍も食後に胃の痛みを感じることが多く、胃がキリキリと痛い、鋭く焼けるような痛みといったように表現される強い痛みがあります。

 4.胃痙攣

胃痙攣は、胃壁にある筋肉の層が異常に緊張し、痛むことで胃が痙攣しているかのように感じてしまう症状です。

痛みは短くて数分、長い場合は1~2時間ほど継続することもあります。

胃痙攣自体は病気ではないので、胃痙攣を起こしてしまう原因となっている病気を見つけて治療しなくてはいけません。

胃痙攣の原因として考えられる病気には、胃炎や胃潰瘍、膵炎、胆石などがあります。

また、病気ではありませんが、強すぎるストレスによる緊張も胃痙攣の原因になってしまいます。

 5.胃下垂・胃アトニー

胃下垂は胃が骨盤よりも下がってしまっている状態のことを言いますが、自覚症状はないことがほとんどです。

そして、自覚症状がなければ治療の必要はありません。

ただし、胃下垂に胃炎などが加わると胃もたれや膨満感など不快な症状が出ることもあります。

胃アトニーは、胃下垂が悪化して胃の筋肉がたるんで胃の働きが悪くなってしまった状態です。

胃アトニーになってしまうと、胃が張ったように痛んだり、胃もたれや吐き気があったりと様々な症状が出てきます。

 6.胃がん

胃がんの場合、初期症状はほとんどないのですが病気が進行すると胃が張ったような痛みや胃の不快感、吐き気などの症状が出てきます。

また、胃がんに限らず胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍など上部消化管からの出血を伴う病気の場合は便が黒っぽくなること(タール便)があります。

肉の食べ過ぎでも便が黒っぽくなってしまうケースもあるのですが、他の症状もある場合は一度病院を受診したほうがよいでしょう。

 7.機能性胃腸症(機能性ディスペプシア)

胃の痛みや不快感、胃もたれ、吐き気などの症状が長く続いているにもかかわらず、病院で内視鏡などの検査を受けても異常がない・・・
そのような場合は機能性胃腸症(機能性ディスペプシア)と診断されることがあります。

胃運動機能異常(胃が十分に動いていないせいで食べたものを十二指腸へと上手に送れない状態)や胃酸過多、ストレス、ピロリ菌などが原因なのではないかと考えられていますが、はっきりとは分かっていないのが現状です。

 8.十二指腸潰瘍

十二指腸は胃の右隣りにあり、胃の食べ物が送られていく場所です。

十二指腸潰瘍は胃潰瘍の場合と似たキリキリと焼けるような鋭い胃の痛みがありますが、こちらは空腹の場合に起こるのが特徴的です。

 9.胆のう症

胃の右上あたりにある胆のうや胆管などに結石ができると痛みを感じるのですが、胃に近い場所であるため胃が痛いと勘違いしてしまうケースもあります。

胆のう症の場合は胸から背中にかけて鋭い痛みが起こるのが特徴で、この痛みは疝痛発作と呼ばれています。

 10.膵炎

膵臓は胃の後ろにあるので、膵臓が炎症を起こした状態である膵炎になると胃のあたりに痛みを感じます。

 11.虫垂炎

虫垂炎とはいわゆる盲腸のことで、大腸と小腸が繋がる場所にある虫垂が何らかの理由で炎症を起こしてしまう病気です。

症状が起こっているのは腹部右下の虫垂なのですが、初期症状では胃のあたりに痛みを感じることもあります。

手術で虫垂を取ってしまえば2度と虫垂炎になることはありませんが、薬で散らす(炎症を抑える)治療をするケースもあり、この場合は再び虫垂炎になってしまう可能性もあります。

膵炎の場合は他にも背中や右脇腹が痛んだり、吐き気が生じるケースもあります。

 胃が痛い時に起こる他の症状

胃が痛い場合に、併せて起こる症状について以下にご紹介いたします。

 1.吐き気

胃の痛みと一緒に吐き気も起こっている場合は、感染性胃炎や急性胃炎、十二指腸潰瘍などの可能性が高いと考えることができます。

ちなみに感染性胃炎は急性胃炎の一種で、特にウイルスや細菌が原因で起こる急性胃炎のことを感染性胃炎と呼びます。

感染性胃炎の原因となるウイルスや細菌は様々な種類がありますが、特にロタウイルスやノロウイルスが有名です。

吐き気があったり実際に吐いてしまったりすると水分や食事もろくに取ることができなくなってしまい、非常に苦しい状態となってしまいます。

しかし、感染性胃炎の場合は体内のウイルスを排出するために吐き気が起こっているので、吐き気止めなどを服用して吐き気を抑えてしまうとするとかえって治りにくくなってしまいます。

安静にして吐き気が治まったら、水分を補給しながら少しづつ消化のしやすい食事を取るようにしましょう。

ただし、胃痛と吐き気が一緒に起こったからといって必ずしも胃炎だというわけではありません。

ストレスによる自律神経の乱れや膵炎、胆のう症、アルコールの飲み過ぎ、暴飲暴食など様々な原因が考えられるので、自己判断はせずに病院を受診するよう心がけましょう。

 2.下痢

感染性胃炎の場合は、胃の痛みと一緒に下痢も起こることが多いです。

こちらもまた体内の細菌やウイルスを排出するために下痢が起こっているので、下痢止めの服用はNGです。

やはり下痢の場合も、胃痛と一緒に起こったからといって必ずしも感染性胃炎というわけではありません。

アレルギー性腸炎や炎症性腸疾患、冷たい飲料物やカフェインの取り過ぎなどこちらも様々な原因が考えられます。

 3.胃もたれ

胃もたれもまた、胃の痛みと一緒に起こることが多い症状のひとつです。

胃もたれがなぜ起こるのかというと、何らかの理由で胃の働きが弱ってしまって食べたものを上手に十二指腸に送ることができなくなってしまうことで、食べ物がいつまでも胃に留まってしまうからです。

そのため胃が重く感じたり、胃がムカムカしてしまったりするのが胃もたれのメカニズムです。

胃もたれの原因は暴飲暴食による消化不良、運動不足や加齢による排出機能の低下、ストレスによる自律神経の乱れ、ピロリ菌により粘膜が傷ついてしまったなど様々ですが、慢性的な胃もたれがあるような場合は胃アトニーや胃潰瘍などの疾病が原因になっているケースもあります。

 胃が痛い場合の治療・対処法

胃が痛い場合の治療法や応急処置的な対処法についてまとめてみました。

 1.胃が痛い時におすすめの食べ物や飲み物

胃が痛い場合は胃に負担をかけないように、消化が良い食べ物を取るようにすると良いでしょう。

消化が良い食べ物は胃痛の改善に効果があるだけではなく、胃痛の予防にも繋がります。

おかゆや柔らかく似たうどんなど、風邪の時にオススメの食事と同じようなものを選ぶと間違いがありません。

おかゆやうどん以外の、特におすすめの食材なども紹介します。

 ・卵

卵は栄養価が高い上に消化が良いので、胃が痛い時には積極的に取り入れたい食材のひとつです。

ただし、加熱しすぎると胃にとどまる時間が長くなってしまうので胃に負担をかけることになってしまいます。

お腹のためにはしっかりと加熱して食べないと!と思っていた方もいるかもしれませんが、胃が痛い時はむしろ半熟状態の方が消化に良いのでオススメです。

ただし、生卵は消化が悪いのでNGです。半熟卵や温泉卵にすると良いでしょう。

 ・大豆製品

大豆製品は栄養価が高い上に、傷ついた胃粘膜の回復力をアップしてくれる効果のあるタンパク質を豊富に含んでいます。

胃が痛い時には脂肪分が少なく、消化の良い豆腐やひきわり納豆がオススメです。

一方、同じ大豆製品でも油で揚げている生揚げや油揚げ、がんもどきなどは消化が悪いので胃に負担をかけてしまいます。

大豆の未熟な状態である枝豆も消化が悪いので胃が痛い時には避けた方がよいでしょう。

 ・キャベツ

キャベツには胃の粘膜を保護する効果を高めるビタミンUが豊富に含まれています。

ビタミンUには胃酸の過剰分泌を抑えたり、胃の血流を良くしたりする作用もあり、荒れた胃を改善してくれる効果が期待できるのです。

ちなみにビタミンUは有名な胃薬である「キャベジン」の主成分でもあるのです。

 ・牛乳

牛乳には胃液の酸性度を抑えたり、胃壁の粘膜を保護したりする効果があります。

冷たい牛乳を一気に飲んでしまうと逆効果なので、温めた牛乳をゆっくりと飲むように心がけましょう。

 ・コンビニで購入できるオススメの食べ物

胃が痛いけれど自分で料理をしている暇がない…!

そんな時にオススメなのが、コンビニでも手軽に購入できる胃に優しい食べ物です。

例えば、レトルトのおかゆならコンビニで24時間いつでも購入することができます。

他にもお湯を注ぐだけでOKのカップスープやあっさりと食べられるゼリーなどもオススメです。

ただし、ゼリーは果物や糖分が多いものは胃に負担をかけてしまうので選ぶ時は注意しましょう。

 ・調理法にも注意

自分で料理をする場合は、調理法にも気をつけましょう。

たとえ胃に優しい食材だったとしても、調理法次弟で胃に負担をかけてしまうこともあるからです。

例えばキャベツなどの野菜は、生ではなくおひたしやスープなど火を通して柔らかい状態にするのがオススメです。

特に繊維質が多い野菜の場合は、生だったり加熱が足りなくて硬い状態だったりすると消化に時間がかかり、胃にとどまる時間が長くなってしまうので胃に負担がかかります。

また、冷たい状態というのも胃のためには良くありません。柔らかい煮物やおひたしにして食べるようにしましょう。

 2.胃が痛い時に避けた方が良い食べ物や飲み物

次に、胃が痛い場合に避けた方が良い食べ物や飲み物について紹介します。

 ・脂肪分の多いものや揚げ物

「油」は消化の際に胃に負担がかかってしまうので、胃が痛い場合は避けた方が安心です。上記でも説明していますが、たとえ胃に優しい食材だったとしても揚げ物など油分の多い調理法にしてしまっては逆効果になってしまいます。

お肉の脂身など、もともと脂肪分が多い食材も避けましょう。

ただし、乳化された油脂(バターやマヨネーズ)を料理に少量使う程度であれば問題ありません。

 ・ブラックコーヒーやアルコール

空腹時にブラックコーヒーを飲むと、胃酸が大量に分泌されてしまいます。

コーヒーを飲みたい場合は食後、できればブラックコーヒーは避けてミルク等を入れて飲むようにすると良いでしょう。

また、大量のアルコール摂取も胃に負担をかけてしまうので良くありません。飲み過ぎには十分注意してくださいね。

ただ、「酒は百薬の長」という言葉もあるように適量のアルコールは胃の働きを活発にする効果があるそうなので、お酒が絶対にダメ!というわけではありません。

 3.楽な姿勢になる

体を横にして休めることで自律神経のバランスが整い、胃の痛みが楽になるケースもあります。

ただし、食べてからすぐに横になると胃酸が逆流しやすくなってしまうので、横になるのは食後1時間以上たってからにしましょう。

自分が楽だと感じる姿勢を取ってもらって構いませんが、右半身を下にすると食べたものが胃から十二指腸にスムーズに送られるのでおすすめです。

 4.体を温める

冷えは胃の血流が滞る原因になってしまうので、胃が痛い時は冷やしてはいけません。

ぬるめのお風呂にゆっくりと浸かったり、足湯をしたり、ネックウォーマーで首を温めたりすることで全身の血流がアップし、胃の働きが活発化するので胃の痛みを軽減できます。

「冷えは万病の元」とも言われているように、特に女性で冷え性が気になる方は温かい飲み物を選ぶ、羽織ものを常備するなどして日常的に冷え対策をしておくと良いでしょう。

 5.市販の薬を服用する

ドラッグストアや薬局では様々な胃薬を販売しているので、忙しくてなかなか病院に行く時間がない・・・というような場合は、とりあえず市販の薬で様子を見てもよいでしょう。

最近ではインターネットでも薬を販売しているので、24時間いつでも購入することができます。

胃が痛くなることが多いという人は、自分の症状に合わせた胃薬を常備しておくと良いでしょう。

反対に普段あまり胃が痛くなることが無いという人や、普段とは違う痛みを感じたという場合は、インターネットで薬を購入することは避け、実店舗で薬剤師さんに相談して薬を選ぶと安心です。

 5.病院を受診する

上記で紹介した方法を試しても1週間以上全く改善しない場合や、胃の痛み以外にも発熱や激しい下痢、血便、血を吐いたなどの症状が出た場合は早めに病院を受診しましょう。

胃腸科や消化器科など様々な科があってどこを受診したら良いか分からない、というような場合はとりあえず内科を受診しましょう。

内科には総合窓口的な役割があり、診察をした後で適切な科を紹介してもらえるので安心です。

 胃が痛くなるのを予防するための方法

慢性的に胃が痛くなってしまうことを防ぐためにも、日常的に気をつけるべきポイントについてご紹介します。

 1.規則正しく食事をする

胃に何も入っていない状態が12時間以上続いてしまうと、胃酸が過剰に分泌されてしまうので胃の粘膜を傷つけてしまいます。

忙しいと朝食を抜いてしまう人もいるかもしれませんが、できる限り規則正しく食事を取ることが胃痛の予防につながるのです。
ただし、食事の時間になったからといってお腹が減ってもいないのに無理に食べてしまうのは逆効果です。

お腹が減っていないということは胃の中にまだ食べ物が残っているということ。その状態で胃に食べ物が入ってきてしまうと胃に負担をかけてしまいます。

また、暴飲暴食も胃に負担をかけてしまうので避けましょう。

食べ過ぎると消化する時に大量の胃液が分泌されてしまうので、腹八分目を心がけるようにしてください。

また、食事の際にゆっくりとよく噛んで食べることで食べ物が消化されやすい状態になるので、胃への負担を減らすことができます。

 2.食後はゆっくり休む

食事の後、食べ物を消化する時にはたくさんの血液が必要になります。食べてすぐに運動をしてはいけないとか、お風呂にはいってはいけないなどと教育された方も多いのではないでしょうか?

これは、運動や入浴により手足に血液が流れてしまうと消化に必要な血液が胃に回らなくなってしまい、消化吸収がうまくできなくなってしまうからなのです。

少なくとも食後30分は、ゆっくりと休むようにすると良いでしょう。

 3.ストレス解消法を見つける

ストレスも胃が痛くなる原因のひとつです。

適度なストレスは心身を強くする効果もありますが、強いストレスで緊張状態が続いてしまうと交感神経が優位になってしまい、胃酸が過剰に分泌されてしまうので胃が痛くなってしまいます。

ストレスの原因となるものを排除できればそれが一番良いのですが、なかなかそうもいかない現実もあります。そんな場合は、自分がリラックスできるストレス解消法を見つけると良いでしょう。

温めのお風呂にゆっくりと浸かる、好きな音楽を聞く、散歩やストレッチをするなど色々試して自分に合った方法を見つけてみてください。

 4.ピロリ菌除去治療を受ける

日本では、40歳以上の実に約75%以上の人がピロリ菌に感染しているのだとか。

ピロリ菌とは胃の粘膜に住み着く細菌であり、このピロリ菌に感染すると胃の粘膜が炎症を起こしてしまいます。

この時点ではほとんどの人に自覚症状はありませんが、感染が長く続くことで炎症の部位が広がっていき、最終的には慢性胃炎となってしまうのです。

ピロリ菌に感染していると胃がんの発症リスクが高くなるとも言われているので、自覚症状がなくても除去治療を受けておくと安心です。

まず、胃カメラや血液検査でピロリ菌の有無を調べて、ピロリ菌がいた場合は飲み薬を一定期間服用すればほぼ除去できます。

保険適用で治療することができるので、特に血縁者に胃がんにかかってしまった人がいるような場合は、胃がん予防のためにも治療を検討してみてはいかがでしょうか?

 まとめ

いかがでしたか?
胃が痛くなる原因は様々ですが、基本的には「胃に負担をかけない食生活」が一番大事です。

暴飲暴食は避けて胃の痛みを改善・予防し、元気な毎日を送りましょう!

寒河江 三太郎(さがえ・さんたろう) 医師 厚木胃腸科医院 院長監修ドクターのコメント
お体の調子がいつもと違っていたら、症状や情報だけに惑わされず、内視鏡での検査を受けたり、専門家の判断を仰いではいかがでしょうか。内科的な疾患は、いろいろな自覚症状で始まる場合もあり、たいしたことないと思われた体調変化でも、重大な病気の前兆であることもあります。健康診断で異常な値が判定された場合も同様です。「もう少し様子を見よう」とは考えず、早めの受診をお願いいたします。
当院では、苦痛の少ない内視鏡検査など最新の医療知識・技術を踏まえた、最適な治療法をご提案・ご選択していただいております。これまでの経験を通し、病気を治すことや予防・早期発見することが重要なのはもちろんですが、患者様の全体をみることが重要であると考えております。 体調がすぐれない場合はもちろん、お身体のことでお困りであれば、どんなことでもお気軽にご相談ください。
 
監修ドクター:寒河江 三太郎(さがえ・さんたろう) 医師 厚木胃腸科医院 院長


 この記事の監修ドクター

寒河江 三太郎(さがえ・さんたろう) 医師 厚木胃腸科医院 院長

出典:http://www.atsugi-ichouka-dc.com/
寒河江 三太郎(さがえ・さんたろう) 医師
厚木胃腸科医院 院長

PROFILE

北里大学医学部卒業後、国際親善総合病院での研修を経て慶應義塾大学一般・消化器外科教室に入室。その後、稲城市立病院、平塚市民病院、慶應義塾大学病院で消化器疾患を中心に幅広くキャリアを積み、2015年に父が院長を務める「厚木胃腸科医院」を継承。地域のかかりつけとして一般外来をおこないながら、「厚木から胃や腸のがん患者をゼロにしたい」という思いのもと、専門分野である内視鏡による胃がんや大腸がんの早期発見・早期治療に尽力している。日本消化器内視鏡学会専門医、日本外科学会専門医、日本医師会認定産業医、日本禁煙学会認定指導医。