糖尿病の合併症の症状や原因、治療方法とは?
  1. Medical DOCTOP
  2. 糖尿病の合併症の症状や原因、治療方法とは?

糖尿病の合併症の症状や原因、治療方法とは? 2018.07.17

糖尿病の合併症(読み方:とうにょうびょうのがっぺいしょう)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
春名 令子 医師(はるなクリニック副院長)

糖尿病の合併症とは

糖尿病が進行して、血糖値が高い状態が続くと、血管をはじめとする臓器に障害が起こります。末梢神経や網膜または腎臓の細い血管に障害が起こると、糖尿病の三大合併症と呼ばれる糖尿病性神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症を発症します。細い血管に障害が起こって発症するため、細小血管症とも呼ばれます。
また、全身の太い血管の動脈硬化が促進することにより、心筋梗塞、脳梗塞、足の閉塞性動脈硬化症などを発症することがあります。これらを、大血管症とも呼びます。
上述は高血糖が長期に続いた後に起こってくるので、慢性合併症と呼ばれます。
慢性合併症とは別の急性合併症もあります。糖尿病薬が強く作用しての低血糖症、さらに進んで意識障害、糖尿病昏睡です。意識障害や昏睡は、高血糖状態でも起こりえます。

引用:患者さんのための糖尿病ガイド
http://www.dminfo.jp/pc/gappeisyo/index.xhtml

春名令子 医師(はるなクリニック副院長)ドクターの解説
糖尿病の患者さんのなかでも合併症になりやすいのは、血糖コントロールが悪い人です。糖尿病の治療を始めるのが遅かった人や、食事の改善指導を守らない人は血糖コンロールが悪くなりがちです。また、患者さんが高齢の場合もコントロールは難しい傾向です。血糖コントロールを良くして合併症のリスクを下げるポイントは、やはり早期発見と食事改善です。血糖をコントロールする薬はあくまで補助的なものですから、血糖値を急激に上昇させないような糖質の摂り方を心がけることが基本です。GI値の低いメニューを選ぶとともに、食事の際は野菜、たんぱく質、糖質の順に食べることを心がけましょう。

糖尿病の合併症の症状

細小血管症
糖尿病に特有な合併症として、細い血管が傷つけられて生じる細小血管症があります。
糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症などがあります。
「しんけい」、「め」、「じんぞう」の頭文字をとって、「しめじ」と覚えます。
大血管症
高血糖は、血管がかたくなったり、狭くなったりする、「動脈硬化症」(いわゆる「血管の老化」)を進める原因にもなります。
高血糖のほかに、高血圧や脂質異常症(悪玉コレステロール[LDLコレステロール]が高い、中性脂肪[TG・トリグリセリド]が高いなど)、肥満、喫煙、加齢も動脈硬化症につながります。動脈硬化症はからだの比較的大きな血管と、それにつながる臓器を障害し、大血管症を引き起こします。
大血管症には、心筋梗塞、脳梗塞、末梢動脈疾患、足病変(足壊疽など)といったものがあります。
「えそ」、「のうこうそく」、「虚血性心疾患(きょけつせいしんしっかん)=心筋梗塞、狭心症のこと」の頭文字をとって、「えのき」と覚えます。
引用:国立国際医療研究センター 糖尿病情報センター
http://dmic.ncgm.go.jp/general/about-dm/060/020/02.html

春名令子 医師(はるなクリニック副院長)ドクターの解説
糖尿病の合併症は、患者さんの生活の質を低下させ、最悪の場合は寿命まで縮めてしまいます。糖尿病の合併症も、一度起きてしまうと完全に元通りの体には戻れませんから、状態を悪化させないようにしっかり管理する必要があります。糖尿病三大合併症に糖尿病網膜症や糖尿病腎症の名前が上がっているように、毛細血管が多い網膜や腎臓は比較的リスクが高い部位と言えます。また、小さなけがや足の水虫の治りが悪くなったり、インフルエンザなどの感染症にかかりやすくなったりしますので、日常の血糖コントロールをしっかり行ったうえで、外傷や感染症の予防にも細心の注意も心がけましょう。また、口腔内の環境を良くすることも大事です。

糖尿病の合併症の原因

血糖値が高いままの生活を続けると、血管がもろく、ボロボロになってしまういわゆる血管病になります。
そして、全身にネットワークを結んでいる血管と神経が、血糖値の高い状態が続くことで侵され、適正な栄養の供給が途絶えて全身の臓器にさまざまな障害が起こってくるのです。

引用:DMTOWN
http://www.dm-town.com/oneself/know04.html

糖尿病の合併症の検査法

腎臓の機能・眼底検査・大血管症などの糖尿病の合併症の状態を調べる検査があります。

引用:国立国際医療研究センター 糖尿病情報センター
http://dmic.ncgm.go.jp/general/about-dm/030/010/02.html#03

春名令子 医師(はるなクリニック副院長)ドクターの解説
糖尿病の合併症の検査としては、クリニックでは検尿を行い微量のアルブミンが出ていないかを確認します。これは糖尿病腎症を確認するためです。また、糖尿病網膜症を予防するには定期的に眼科に通院していただき、瞳孔を開いて血管の状態などを確認する眼底検査を受けていただきます。神経障害をチェックするときはアキレス腱反射を調べます。

糖尿病の合併症の治療方法

合併症は一度発病すると、今の医学では治すのはなかなか大変です。ですから、糖尿病と診断されたらきちんと血糖値をコンロールして、合併症を予防することが大切です。また、たとえ合併症が起きているとしても、よりよい血糖コントロールを保つことで、その進行を遅らせることができます。

引用:アボット
http://jp.abbott-diabetescare.com/patient/general/diabetes/tonyo/6-1.html

春名令子 医師(はるなクリニック副院長)ドクターの解説
糖尿病網膜症は、新生血管ができないようにレーザー光凝固術を行ったり、さらに進行して網膜剥離を併発した場合は手術を実施したりします。また、糖尿病腎症は食事療法が基本ですが、進行すると人工透析が必要になります。糖尿病や糖尿病の合併症は、一度発症すると一生付き合っていかなくてはならない病気ですが、患者さんにとって悪いことばかりではありません、私は糖尿病の患者さんに対して「生活習慣や食生活を見直していくので、ある意味、他の人より健康的な生活をして長生きするかもしれませんよ」とお話しすることもあります。きちんと管理していれば、命を落としたり、生活の質を著しく落としたりすることはありませんので、ご自身の楽しい毎日のためにしっかり治療と向き合っていただければと思います。


この記事の監修ドクター

春名令子 医師 はるなクリニック副院長春名 令子 医師
はるなクリニック 副院長

PROFILE

1987年、関西医科大学卒業。大阪府立病院小児科、大阪府門真保健所、神戸市北保健所、大阪市・神戸市非常勤医師を経て、2000年1月より現職。子供のアトピーをきっかけに東洋医学を勉強し、日本東洋医学会漢方専門医を取得。