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嵌頓痔核の症状や原因、治療方法とは?

嵌頓痔核(読み方:かんとんじかく)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
東 光邦 医師 東肛門科胃腸科クリニック 院長

嵌頓痔核とは

非常に急激に悪化した内痔核で、脱肛した内痔核が肛門外に飛び出しているため、肛門で痔核が締め付けられてうっ血がさらに悪化して悪循環に陥ったものです。痔核や肛門周辺は非常に大きく腫れ上がってむくんでおり(浮腫)、激しい痛みを伴います。

引用:こば消化器・乳腺クリニック
http://koba-cli.com/proctology/entry24.html

東 光邦 先生 東肛門科胃腸科クリニック 院長ドクターの解説
嵌頓とは臓器が脱出し戻らなくなった状態をいいます。排便時に脱出するようになったⅡ度以上の内痔核が排便時に脱出し、強いいきみなどで括約筋の緊張が強くなり痔核が戻らなくなった状態をいいます。循環障害がおき血栓を形成し更に浮腫が進んで戻りにくくなり痛みを伴います。

嵌頓痔核の症状

脱出した痔核が肛門括約筋で締め付けられた結果、うっ血、むくみ、血栓形成などがおき、腫れや出血を伴って激しく痛みます。痛みのため肛門括約筋は収縮し、症状が悪化して、排便や排尿ができなくなることもあります。無理に痔核を戻そうとすると、かえって悪化させてしまうことがあります。

引用:松島病院 大腸肛門病センター
http://www.matsushima-hp.or.jp/diagnosis/08/

東 光邦 先生 東肛門科胃腸科クリニック 院長ドクターの解説
脱出による腫大・腫脹による痛みがあり、血行障害から血栓ができ、さらに痛みが強くなることがあります。脱出した部分から時に出血が起きることもあります。

嵌頓痔核の原因

内痔核が進行すると、歯状線を越えて肛門外に脱出するようになりますが、嵌頓(かんとん)痔核は、脱出した痔核が戻らなくなり、血栓ができたもので、大きく腫れあがり、激しい痛みを伴います。

引用:天藤製薬
http://www.borraginol.com/remedy/info01/

東 光邦 先生 東肛門科胃腸科クリニック 院長ドクターの解説
Ⅱ度以上の内痔核は排便時に多少なりとも脱出がおきます。強く息みすぎるなどして痔核が脱出した状態で肛門括約筋の緊張が強まり、脱出したままの状態で元に戻らなくなり、その結果痔核の血流障害が起きて血栓ができたり浮腫がおきることが原因です。

嵌頓痔核の検査法

内痔核の腫大, 嵌頓のない全周性の血栓性外痔核と鑑別を要する

引用:日本大腸肛門病学会「肛門疾患診療ガイドライン2014年版」
https://www.coloproctology.gr.jp/files/uploads/肛門疾患診療ガイドライン2014-2刷.pdf

東 光邦 先生 東肛門科胃腸科クリニック 院長ドクターの解説
視診で明らかで肛門外に脱出した大きな痔核を認めます。単なる血栓性外痔核とは異なり肛門の一部が腫れ上がった状態になります。肛門鏡診は疼痛が強く困難な場合がほとんどです。

嵌頓痔核の治療方法

まず急激に腫れ上がった痔核のむくみ(浮腫)を軽減させるため、さまざまな薬を駆使して痔核をできるだけ小さくします。これで治るのならいいのですが、通常はある程度まで萎んだあとも、何らかの異常が残ってしまうことが多いです。内痔核も残りますが、嵌頓痔核が猛烈な腫れ方をしたせいで、肛門周囲の表皮が伸びてしまい「皮膚のタルミ」として残ってしまうのです。

再発の危険性も高く、不快感が強かったり何らかの症状があることが多いため、嵌頓痔核はある程度まで萎ませた後に根治術を含む外科的療法を併せて行った方がよいと考えられます。
引用:こば消化器・乳腺クリニック
http://koba-cli.com/proctology/entry24.html

東 光邦 先生 東肛門科胃腸科クリニック 院長ドクターの解説
まずは嵌頓を整復します。鎮痛剤の坐剤を挿入し、局所麻酔薬のゼリーなどを脱出している痔核に塗って手で愛護的に肛門内へ戻します。
全周性に脱出するなどしている場合は、捌いたガーゼにゼリーを塗布した後、摂子を用いてガーゼの端を順時肛門内に送り込むと脱出した痔核が肛門内に戻ります。
還納した後は経口鎮痛薬と座剤・軟膏を処方して治療しますが、排便困難な状態にあるときは緩下剤なども処方すると良いでしょう。
毎日の入浴と排便に脱出した場合は直ちに自分で戻すように指導すると良いでしょう。


この記事の監修ドクター

東 光邦 先生 東肛門科胃腸科クリニック 院長東 光邦 医師
東肛門科胃腸科クリニック 院長

PROFILE

1982年日本医科大学卒業。日本医科大学第2外科にて一般消化器外科、胸部外科を学ぶ。
1987年より社会保険中央総合病院大腸肛門病センターにて大腸肛門疾患の研究、診療に従事。
1995年より現職。
医学博士
日本大腸肛門病学会評議員
日本大腸肛門病学会指導医
日本消化器外科学会認定医
日本外科学会専門医
日本臨床外科学会評議員