FOLLOW US

目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 病気の事典
  3. 交感性眼炎の症状・原因・治療方法とは?

交感性眼炎の症状・原因・治療方法とは?

 更新日:2023/03/27

交感性眼炎(読み方:こうかんせいがんえん)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
川原 由宏 医師(川原眼科医院 院長)

交感性眼炎とは

片方の目に穿孔性外傷をこ受けた場合,特に虹彩毛様体の損傷がある場合は,反対の健康な目にフォークト・小柳病,原田氏病と同じ症状が現われることがあります。これを交感性眼炎といいます。外傷後1~2カ月してから起こってくることが多く,高度な視力障害を残すこともあります。

引用:医療法人社団 医新会
http://www.ocular.net/jiten/jiten024.htm

川原 由宏 医師 川原眼科医院 院長ドクターの解説
交感性眼炎の有病率は、人口100万人に1人。また、外傷後1年以内の発症は90%と言われています。
発症する確率は低い病気ですが、虹彩、毛様体、脈絡膜が損傷を受けるような外傷、目に穴があいた合などにおこりやすい病気で、遺伝的な関与も指摘されています。
参考文献:眼科疾患最新の治療2016-2018大橋裕一、白神史雄、村上晶 南江堂

交感性眼炎の症状

1) 視力低下
2) まぶしさ
3) 大量の涙が出る
4) 眼の奥が痛い
5) 目の充血、かすみ、物がゆがんで見える

引用:みやび眼科・内科クリニック
http://www.miyabi-ganka-naika.com/detail.php?CONTENTS=1&RECORD_ID=59

川原 由宏 医師 川原眼科医院 院長ドクターの解説
症状は多彩で、頭痛・耳鳴り・白髪・皮膚の色素脱出など、目以外の症状を伴うこともあります。
症状としては眼科の病気の中では一般的ですが、過去にぶつけた・怪我したという既往があれば交感性眼炎の可能性が考えられます。

交感性眼炎の原因

一方の眼球が穿孔性外傷を受け,ぶどう膜が損傷することにより,ぶどう膜色素(メラノサイト)に対して自己免疫機能が働くためと考えられています1).

しかし,なぜ外傷でこのようなことが起きるのでしょうか?

私たちの免疫系は,生後まもなく構築されるわけですが,その過程で各器官が「自己」であることを免疫系にアピールすることで,寛容が誘導され,その器官は「異物」ではなく自らの免疫で攻撃しなくなることはご存知のとおりです.ところが,生体のなかには,バリアによって免疫系から認識されにくい器官があり,隔離抗原(sequestered antigen)と呼ばれています2).眼球には,血液房水関門があり,リンパ球などの免疫を担当する細胞が眼球内の抗原と接触しにくいため,ぶどう膜色素は「自己」として認識されにくくなります.よって,このバリアが壊れて,抗原が免疫系と接触したときに「異物」として認識され,攻撃されてしまうのです.

引用:羊土社 レジデントノート
https://www.yodosha.co.jp/rnote/trivia/trivia_9784758115698.html

川原 由宏 医師 川原眼科医院 院長ドクターの解説
色素細胞やメラニン細胞と言われるメラノサイトに対する自己免疫疾患が原因で、原田病と病態はほぼ同じと言われています
ぶどう膜に損傷を与えるような外傷によって引き起こされることが多く、遺伝的な関与がある場合もあります。

交感性眼炎の治療方法

一般に交感性眼炎の治療には、コルチコステロイドの経口投与に加え、免疫系を抑制する別の種類の薬(免疫抑制薬)の投与を長期間続ける必要があります。

ときに、片方の眼の損傷がひどい場合、視力障害が起こってから2週間以内にその眼を摘出し、他眼で交感性眼炎が発生するリスクを抑えようとする医師もいます。しかし、このような眼球の摘出は、損傷した方の眼が完全に失明し、視力が回復する見込みがない場合に限られます。

引用:MSDマニュアル家庭版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/20-眼の病気/ぶどう膜炎と関連疾患/交感性眼炎

川原 由宏 医師 川原眼科医院 院長ドクターの解説
慢性化している場合は、ステロイドと免疫抑制剤を併用し、数年単位の長期投与が必要になる症例もあります。急性の場合は、ステロイドを大量投与するステロイドパルス療法を行います。
ステロイドパルス療法をおこなう場合は、入院して治療をおこなうことになります。

この記事の監修ドクター

この記事の監修医師