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抗めまい薬の効かないめまいはどうしたらいい? 受診は必要?

一言でめまいと言っても、体が浮き上がるような感覚や、世界がグルグル回っている感覚など、その種類はさまざまだ。はたして、そのすべてに抗めまい薬が有効なのだろうか。この疑問を、日本めまい平衡医学会に所属する、なかじまクリニックの中島規幸院長に伺った。

監修医師
中島 規幸(なかじまクリニック 院長)

昭和大学医学部卒業。獨協医科大学越谷病院耳鼻咽喉科入局、同局の助教も努める。その後、東埼玉総合病院耳鼻咽喉科医長に就任。2014年、埼玉県さいたま市になかじまクリニック開院。2017年には医療法人三優会なかじまクリニック設立。おもに首より上の領域を中心とした地域医療を提供し続けている。医学博士、日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医、身体障害者福祉法第15条指定医。日本めまい平衡医学会、日本耳鼻咽喉科学会ほか参加学会多数。


 

抗めまい薬は「船酔い防止」の薬だった

抗めまい薬は、すべてのめまいに有効なのでしょうか?

中島先生

いいえ。単にめまいと言っても、カゼをひいて熱のあるときとか、心臓の不整脈などでフラフラっとするときとか、いろいろな場面・種類がありますよね。したがって、抗めまい薬の効かないめまいもあります。

どのようなめまいだと、抗めまい薬が有効なのでしょう?

中島先生

実は、それがわかっていないのです。なぜ抗めまい薬がめまいに効くのかというメカニズム自体、解明されていません。

国内で最も一般的な抗めまい薬として「メイロン」というお薬があるものの、もともとは船酔い対策のお薬でした。それが臨床的にめまいに効くことが明らかになり、今では幅広く、どの科でも処方されています。

何だか、めまいのしてくる話です

中島先生

たしかにその通りで、現実と自分の認識との間にズレが生じると、めまいを感じます。例えば、停車している電車に乗っているとして、本当は隣のホームの電車が発車したのに、自分のほうが動いているような感覚ってありますよね。めまいは、神経障害や血行障害に限らず、ある種の情報に対しても生じるのです。


 

原因が特定できれば、投薬治療も可能

広範囲なめまいに対して、医学的な分類はされているのでしょうか?

中島先生

大きく分けると、中枢性めまいと末梢性めまいの2種類があります。中枢性めまいは、脳や脳幹に原因がある病態です。末梢性めまいは、内耳といった末端の部位に原因があるもの。ただし、一般の方では区別できないでしょう。

医院では正確な診断が可能なのですか?

中島先生

その場で完璧に全てを診断することは不可能です。このことは大きい病院に受診してもいえます。急激に進行する脳梗塞もありますので。

 

診察はいくつもの細かな検査によって原因を特定していきます。怖いのは脳の異常ですから、まず、中枢性めまいかどうかを確認します。麻痺や意識障害がないか、しゃべりにくといった構音障害がないかどうか。血圧、脈拍なども確認し、必要に応じてMRIによる画像診断などを用います。

 

これにより中枢性めまいではなく、末梢性めまいだということになったら、眼振検査、聴力検査、重心動揺計によるバランスの検査など、一つ一つ確認していくわけです。

眼振検査でも中枢性か末梢性かの判断をすることがあります。常に中枢性めまいを疑いながら検査をします。

どのような症状だったら、専門医を受診すべきでしょう?

中島先生

怖いのは意識消失ですね。気付いたら倒れていたとか、直前の状態が思い出せないとか。そのような場合は、心臓や脳といった重要な部分が関係しているかもしれませんので、救急要請など早急に受診してください。意識がしっかりしていて、めまいの収まりも早ければ、必ずしも受診の必要はありません。

続いて、治療方法についても教えてください

中島先生

中枢性めまいの場合は入院が必要で、原因となる脳出血や脳梗塞などにより、それぞれ対処していきます。末梢性めまいは、三半規管によるめまい、前庭神経の炎症、メニエール病のいずれかであることがほとんどです。めまい以外の症状としては吐き気が多いので、その沈静化を目指します。

先生の医院では、抗めまい薬を使わないのですか?

中島先生

末梢性めまいには処方しますよ。実際、それで落ち着かれる方もいらっしゃいますから。ただ、「メイロン」では効かないとなったときに、原因別のお薬を出します。例えば、神経の活動を抑えるお薬などですね。吐き気やふらつく感覚を抑える働きがあります。


 

老化とめまいの関係

めまいと年齢には、関係性があるのですか?

中島先生

あります。年をとると平衡を感じる細胞が減っていきますし、神経反応そのものも鈍くなります。また、関節の可動域や筋肉量も落ちますよね。ほか、生活習慣病による諸症状など、いろいろな要素が混ざってくるわけです。したがって、内耳の失調によるものではないめまいが生じやすくなります。

原因が加齢にある場合、どうしようもないのでしょうか?

中島先生

リハビリが有効です。太極拳などのゆっくりした運動がお勧めなので、ぜひ、取り入れてみてください。バランス感覚が養われます。ほか、目をぱっぱと左右上下に早く動かすことで、空間認識力が鍛えられます。自分がどのような環境にいるのかいち早くわかれば、現実と認識のギャップも起こりにくくなるのです。

立ちくらみはどうすれば?

中島先生

循環器に起因していることが多いので、頻繁に起こすようなら循環器内科を受診してください。もしかしたら不整脈や高血圧かもしれませんからね。

最後に、読者へメッセージをお願いします

中島先生

めまいで悩んでいても、仕事などが忙しく、受診する気にならないのが現状ではないでしょうか。めまいが一時的で、すぐ収まるようなら、それほど気にする必要はありません。ただし、疲労は万病のもとです。一方、日常生活に支障をきたす意識喪失のような症状が現れたら、すぐにでも医師の診断を受けてください。


 

編集部まとめ

抗めまい薬の正体には驚かされました。ただし、抗めまい薬を否定するわけではなく、有効な場合もありえるということに留意しておきましょう。何より大切なのは、自分のめまいの原因を正確に特定すること。もしかしたら重篤な疾患が隠れているかもしれませんので、症状の軽重により、検査を受けてみてはいかがでしょうか。

 

 


 

医院情報

なかじまクリニック

電話番号 048-812-1600

住所 埼玉県さいたま市緑区美園四丁目18番地11
アクセス 埼玉高速鉄道「浦和美園駅」出口2(さいたまスタジアム方面)より徒歩2分
診療科目 耳鼻咽喉科 アレルギー科

URL http://www.nakajima-ent.com/

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