歯周病は治るのか?治療と予防において大切なポイントとは

世間一般に広く認知されている「歯周病」ですが、具体的にどういった症状があり、どうすれば治るのかを知っている人は多くありません。また、歯周病は虫歯と違って自覚症状が出にくい病気なので、日頃からより一層気をつけておく必要があります。

この記事では、歯周病の概要、歯周病は治るのか治らないのか、日頃からできる予防法について、Medical DOC編集部がお届けします。

この記事の監修ドクター:
吉崎 志保 歯科医師(光が丘クローバー歯科 院長)

そもそも歯周病とはどんな病気か?その概要と危険性

そもそも歯周病とはどういった病気なのでしょうか?ここからは、歯周病の概要について解説していきます。

歯周病とは「歯と歯茎が溶けてしまう病気」

歯周病とは、端的に表現すると「歯を支える骨が溶けてしまう病気」です。

まず歯の表面や歯と歯茎の境目に歯垢が溜まると、そこが細菌に感染して炎症を起こします。そして、徐々に歯茎や歯を支えている骨(=歯槽骨)を溶かしていきます。

原因となるのは、口の中に300〜700種類いる細菌です。それらが歯磨きで落としきれずに残った結果、歯垢(=プラーク)となり歯周病を発生させます。また、噛み合わせが悪いと余計な力が歯にかかり、それが歯周病の進行を加速させてしまう場合もあります。

歯周病を悪化させてしまう原因とは

歯周病の主な原因は、口の中に残った歯垢と噛み合わせの悪さですが、それらに加えて以下の要因が症状の悪化を加速させてしまいます。

  • 乱れた食生活
  • 慢性的なストレス
  • 喫煙習慣
  • 糖尿病、ホルモン異常などの全身疾患
  • 長期的な服薬

上記の項目に該当している人は、禁煙をしたり食生活を見直したりするなどの対策が必要です。

歯周病の症状とは

歯周病の代表的な症状には、

  • 歯茎の腫れ、炎症
  • 歯茎からの出血
  • 歯茎の退化(歯茎が下がって歯が長く見える)
  • 口臭

といったものがあります。歯周病が危険なのは、「初期〜中期にかけて自覚症状がほとんど出ない点」です。上記のような症状が出ればすぐに気づきそうなものの、初期〜中期の歯周病においては痛みがほとんどなく、多くの人は自覚症状がありません。そのため、知らず知らずのうちに症状が進行し、取り返しのつかない状況にまで進んでいるケースもあります。溶けた骨は元には戻らないため、歯周病は早期発見・早期治療が何より大事なのです。

歯周病は100%治すのが難しい病気

歯周病が治るかどうかについては、歯科医師の間でも意見がわかれており、「治る」という意見もあれば、「完全に治すことは難しい」という意見もあります。

なぜなら、歯周病は一度症状が治っても、数ヶ月〜1年前後で再発しやすいからです。歯周病は生活習慣病のひとつにも数えられています。「生活習慣が乱れると、また再発してしまう病気」とも言えるでしょう。また、歯周病が進行すると骨が溶けてしまうため、そういった骨は完全に元通りにすることはできません。

例えば、「治る」の定義を「病気による進行が収まる」とすれば治すことは可能です。しかし、「治る」の定義を「病気になる前の状態と100%同じ状態にする」とすれば、それは難しいでしょう。

これらのことから、歯周病は風邪などのような「完全に治せる病気」ではなく、肥満や高血圧のような「症状を改善することはできるが、再発の可能性はゼロにできない病気」として認識しておくべきでしょう。

もちろん、歯科医療の分野は成長を続けており、これまでは「不治の病」とされていた歯周病も、治療によって症状を大幅に改善できるようになりました。また、発見と治療開始が早期であればあるほど症状は改善でき、発症前の状態に近づけることができます。

歯周病の症状改善・治療のためにできること

ステップ1:自覚から受診まで

 まずは、「自分が歯周病であるかどうか」を判断する必要があります。自身で以下の項目に当てはまっているのであれば、歯科医院に行って歯周病の検査を受けてみましょう。また、セルフチェックでは限界があるため、もし項目に当てはまっていなくても、一度歯周病の検査をしてみることをおすすめします。

  • 前夜ちゃんと歯磨きをしているのに、朝を迎えると口の中がネバネバしている
  • 歯磨きしているときに出血する
  • 口臭がある、もしくは他人から指摘された
  • 歯茎がムズムズする、痛い
  • 歯の見た目が長くなったように感じる
  • 歯茎がピンクというよりは赤っぽく、腫れている気がする
  • 歯科医院に2年以上行っていない(歯石除去を2年以上行っていない)
  • 以前歯周病だったが症状が改善し、それから1年以上検査を受けていない

ステップ2:歯科医院での治療

歯周病の原因となる歯垢は、そのまま放っておくと「歯石」となり、通常のブラッシングでは除去できなくなります。そのため、すでに歯石ができている人は、歯科医院で歯石を除去してもらってください。歯科医院では、歯石除去の後にフッ素の塗布も行ってくれるので、通常のブラッシングよりも高い治療効果が望めるでしょう。

ただ、これらはあくまで初期〜中度の歯周病治療です。重度〜末期まで症状が進行していると歯の保存は難しく、抜歯が必要となり、その後入れ歯やブリッジを入れることもあるでしょう。

ステップ3:受けたブラッシング指導を毎日の生活に活かす

いくら歯科医院で歯石を除去して口の中をキレイにしてもらっても、自宅でのブラッシングが不十分であれば、すぐに元の状態に戻ってしまいます。そのため、歯科医院で適切なお手入れ方法を指導してもらい、それを毎日の生活に反映させましょう。

歯周病は、日々のブラッシングがしっかりできていれば、悪くなりにくい病気です(遺伝性の病気などが原因となることもあります)。日頃の積み重ねが何より大切だということを、常に心がけておきましょう。

ステップ4:年に3〜4回の定期検診

自分の中では完璧にブラッシングができ、歯垢は溜まっていないと思っていても、歯科医院で専門的な検査をしてみると、見えない部分に歯垢が溜まって歯石ができているかもしれません。繰り返しになりますが、歯周病は症状が改善されて治ったと思っていても、気を抜くとすぐに再発してしまう病気です。年に3〜4回を目安に、かかりつけの歯科医院で定期検診を受けるようにしてください。

歯周病は自覚症状が少ないので要注意

歯周病は自覚症状が出にくく、知らず知らずのうちに進行してしまう危険な病気です。

末期の状態になると歯を抜かなければいけなくなるため、なるべく早期に発見したいものです。日頃からこまめにセルフチェックをし、定期検診に通うようにしましょう。もし、すでに歯茎に腫れや痛みを感じることがあれば、症状がある程度まで進行している可能性があります。すぐに歯科医院を受診してください。

また、歯周病は症状を改善することはできますが、再発や発症の確率をゼロにすることはできない病気です。そのため、日頃からの丁寧なブラッシングが何より効果的な歯周病予防策となります。自己流ではなく、歯科医院でしっかりと正しいブラッシングの仕方を学び、それを自宅でのメインテナンスに活かしていきましょう。

吉崎 志保 歯科医師 光が丘クローバー歯科 院長監修ドクターのコメント

歯周病と正しく向かい合うには、患部のみならず、発症した背景にも目を配らせる必要があるでしょう。歯周病の疾患リスクや進行具合は、睡眠不足、妊娠時のようなホルモンバランスの変化、かみ合わせなどによっても変わってきます。とくに糖尿病と歯周病の間には、強い相関関係があるとされています。「お口で起きていることは、お体で起きていることとつながっている」。ぜひ、この発想をお持ちください。また、歯科医院に来るだけでは治らず、ご自身の取り組みが大切になるということをご理解ください。歯周病治療の目的は、歯を長持ちさせて、食事をおいしく食べること。私たちは、健康管理という観点から、皆さまのサポートを行っています。

 

監修ドクター:吉崎 志保 歯科医師 光が丘クローバー歯科 院長

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