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【雑誌「Hanako」コラボ #1】若年層でも要注意!? 女性にとっての歯の健康《歯科》

 更新日:2023/10/04
【雑誌「Hanako」コラボ #1】若年層でも要注意!? 女性にとっての歯の健康《歯科》

人気雑誌『Hanako』とのコラボし、副編集長の佐藤あやが、体に関するさまざまな情報を専門医に聞く対談連載の第1弾。マスク生活が続き、お口の健康への関心が高まる今、歯科医師・関根伸行先生の下を訪ねました。

関根伸行先生

監修歯科医師
関根 伸行(かめいどファミリー歯科 院長)

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歯科医師。“口の中を守ることで体全体が良くなる”と、健康寿命まで考えた治療・コミュニケーションを心がける。歯磨き剤のCMへの出演や口コミから知名度は全国的で県外から通院する人も。

CLINIC DATA
丁寧なカウンセリングが評判。関根先生の指名もできる。JR総武線・東武亀戸線亀戸駅から徒歩7分。東京都江東区亀戸3-59-16 小坂ビル1F 103-3681-9448 10:00~13:10(最終受付12:30)、14:30~19:10(最終受付18:30)、土14:30~18:10(最終受付17:30) 日祝休

佐藤あやさん

佐藤あや(「Medical DOC」副編集長)

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モデル、ハナコラボ パートナー。最新医療に関心が高く、2021年8月から「Medical DOC」副編集長に。YouTubeチャンネル『教えてドクター・Medical DOC』などで活動。一児の母としての目線も。

お口の健康相談は、元気な体づくりの入り口

お口の健康相談は、元気な体づくりの入り口

編集部佐藤あや

モデルとして歯の健康には気を使ってきた方ですが、最近になって矯正を始め、ホワイトニングも実践中。私のような人は増えているんでしょうか?

関根伸行先生関根先生

コロナ禍もあって、マスク生活のうちに歯列矯正をする人はぐっと増加しました。さらに、佐藤さんと同じ20~40代の女性は特に歯の健康が心配な世代。ケアが気になり始める時期ですね。

編集部佐藤あや

私は妊娠を経験してからむし歯ができやすくなりました。歯磨きが大好きで、いつもツルツルピカピカになるまで時間をかけているのに、どうしてなんでしょうか?

関根伸行先生関根先生

実は、女性ホルモンによって口腔ケアの方法は変わるんです。特に、女性ホルモンが出やすくなる時に歯周病菌が活発になります。つわりなどで酸性の物質が口の方に上がってきたら、“酸蝕歯”になりやすくなり、しみたり、むし歯ができたりという影響も出てくるんですよ。

編集部佐藤あや

むし歯だけでなく歯周病の予防も考えなくてはですね。

関根伸行先生関根先生

妊娠時の歯周病が悪化すると、早産や低体重児のリスクもアップするというデータもあります。口は体の入り口なので、歯周病のように毛細血管が壊れたところから細菌が入って、体のほかの部分が病気になってしまうことも。

編集部佐藤あや

マスクをしていて、口臭が気になるという人もいるかと。こちらも菌が原因ですか?

関根伸行先生関根先生

口臭には、大きく分けて生理的口臭と病的口臭の二つがあります。たとえば朝イチやマスク着用時は生理的口臭が強くなりますね。唾液が少なくなり、乾燥してしまうことで細菌が増殖しますから。女性の場合は、生理期間に口臭が強まることもあります。これも生理的口臭の一つで、誰にでもあるものです。

編集部佐藤あや

ということは、病的口臭はお口の健康状態が原因?

関根伸行先生関根先生

はい。歯周病菌などの細菌が増殖すると、口臭の原因物質がたくさん作られてしまいますね。

編集部佐藤あや

予防のためには、やはり歯科医の受診がマストでしょうか?

関根伸行先生関根先生

まずは、上手なセルフケアを身につけましょう。朝起きてすぐの口腔内は歯周病菌など細菌が大量。マウスウォッシュでも歯ブラシでもいいので、綺麗にすることが大事です。

編集部佐藤あや

よく、朝一番に白湯(さゆ)を飲む健康法を聞きますが、それよりまずは細菌を取り除くのが先なんですね。歯の磨き方や、歯ブラシの選び方のおすすめはありますか?

関根伸行先生関根先生

これは歯並びや歯の健康状態など人によって異なるので、一概には言えません。歯磨きが上手な人、苦手な人もいますから、歯科医で“処方”してもらうのがいいですよ。

編集部佐藤あや

私は磨き過ぎと言われることも。圧のかけ方や、磨き残しやすい箇所なども教えてもらえそうですね。

関根伸行先生関根先生

一つ守ってほしいのは、歯と歯茎の間の“歯周ポケット”を磨くこと。歯ブラシで取れるプラークは全体の6割程度なんです。デンタルフロスや歯間ブラシなどを組み合わせて、残りも綺麗にしましょう。

編集部佐藤あや

歯磨き剤の相談にも、乗ってもらえますか?

関根伸行先生関根先生

それも人それぞれなので、ぜひ歯科医に聞いてみてください。弱っている部分を修復させるアイテムや、抗菌作用が強いものなど、朝と夜で使い分けるのもありですね。市販でもコスパを含めていいものがありますよ。

編集部佐藤あや

とはいえ、セルフケアだけだと心配な部分もあります。

関根伸行先生関根先生

自分では取れない歯石の除去が、歯の健康に大きく影響します。だから定期的なメインテナンスがおすすめ。歯のクリーニングは保険診療ですので、ご安心を!

編集部佐藤あや

妊娠や生理など、女性のライフサイクルと歯の健康が密接なことが、今回の発見。歯を守ることは、体全体を考えることにつながるんですね。関根先生のように話を聞いてもらいやすいと安心。

関根伸行先生関根先生

悩みの原因がわかるだけでも、ストレスが減るんじゃないかな、と心を込めたコミュニケーションに努めています。最終的な目標は、患者さんの健康寿命を延ばしてあげることです。

歯茎から上のバイオフィルム(プラーク、歯垢のこと)を取り除くケアは、歯や歯周ポケットを歯ブラシや歯間ブラシで磨く毎日のケアで行う。一方、歯茎から下のバイオフィルムや歯ブラシでは取れない歯石は、歯科医院で取り除いてもらう必要がある。定期的に通院し、綺麗に保とう。

Photo : Shu Yamamoto
illustration : Ema Mori
hair & make : Akina Higuchi
text : Kahoko Nishimura

この記事の監修歯科医師