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歯周病とタバコの関係は?喫煙による歯への悪影響や予防法を紹介

 更新日:2023/03/27

ちょっとした休憩や、気分を変えたいという時に、タバコを吸うという方もいるのではないでしょうか。タバコは直接口の中にニコチンなど人体に害のある成分を含んでしまうため、口内へダメージを与えてしまいます。

加えて、口内は粘膜で覆われており、有害物質が吸収されやすい部分です。そのため、タバコを吸っている方はお口のトラブルが起きやすいと言われています。

歯周病もそのひとつ。今回は歯周病とタバコの関係について、Medical DOC編集部がお届けします。

この記事の監修ドクター:
穂坂 康朗 歯科医師(ほさか歯科クリニック 院長)

 歯周病はどんな病気?

歯周病は、細菌が感染したことで起こる炎症疾患です。主な原因として、歯と歯肉の境目の清掃がしっかり行われていないために、細菌が多く繁殖してしまって起こることが多いです。

もし放置したまま、歯周病が悪化していくと、細菌が歯を支える土台となっている骨を溶かしてしまい、歯がグラグラに。最終的には抜歯を余儀なくされてしまいます。さらに、細菌は他の歯への侵食していき、複数本の歯が細菌に蝕まれていくことになります。

さらに、たとえ治療を行っても、原因となる習慣やケアなどを改善していかなければ、再発してしまう非常に厄介な歯の病気です。

歯周病とタバコの関係

誰でも患う可能性がある歯周病。特にタバコを吸っている人は注意しましょう。なぜなら、喫煙は歯周病を悪化させてしまう可能性があるからです。

タバコにはニコチンや一酸化炭素、タールといった有害物質が含まれています。それらを口の中に含むことで、細菌の繁殖を抑える身体の機能を低下させ、歯周病の進行につながってしまいます。

さらに、ニコチンは血管を収縮させる効果があるため、歯周病によって炎症が発生しても気が付かないことがあります。ということは、歯周病の初期症状が起こっても放置されやすく、気がついたら重度となっている可能性が高いということです。歯周病とタバコは非常に相性が悪いのです。

 タバコによる歯周病治療の影響

タバコと歯周病の相性は非常に悪いです。組み合わさることで、歯周病治療に対して悪い影響を与える可能性も十分あります。影響は以下の通りです。

・治療効果が薄く低く?なる可能性
・治りにくくなり再発の可能性
・歯周病の炎症に気が付かない可能性

これらの悪影響がどのようなものなのかを説明します。

治療効果が薄くなる可能性

タバコに含まれるニコチンやタール、一酸化炭素などの有害物質によって、たとえ治療を行っても効果が現れにくくなってしまいます。そうなれば、歯周病の進行を食い止められず治療後も悪化していく可能性があります。

さらに、タバコによって初期症状に気が付かなければ、治療開始が遅くなってしまい初期に比べ治りづらくなります。歯周病を治療するのなら、喫煙を控えるなど対策を考えておいたほうがいいでしょう。

治りにくくなり再発の可能性

タバコは止めようと思っても簡単に辞められるものではありません。喫煙が原因で(喫煙は“原因”ではありません。“誘因”あるいは“リスクファクター”といった表現をされます。)歯周病になり、治療を行っても引き続き喫煙を続けてしまう方も多いでしょう。

しかし、吸い続けていると血行障害や白血球の機能低下などにより歯周病治療の効果が出づらくなってしまいます。治療後も吸い続けていると歯周病のリスクが増加します。歯周病が治りにくくなるだけではなく、残った細菌が再び歯を蝕んでしまうこともあります。そうなればまた治療のやり直しです。再治療をしたあともタバコを吸い続ければ、また再発するかもしれません。

禁煙が難しいことは理解できますが、歯周病を完治させたいのなら、タバコをやめる覚悟が必要でしょう。

歯周病の炎症に気が付かない可能性

上記でも触れたように、タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させる効果があります。そのため、歯周病の初期症状である炎症や出血に気が付かない可能性があります。

気が付かなければ、知らないうちに重度の歯周病になっていることもあり、治療が遅れてしまいます。治療が遅れれば先ほども説明したように、治りにくくなるためタバコは歯周病にとって悪影響しかありません。

もし禁煙が難しいのであれば、本数を減らすか、ニコチン濃度の低いものを吸うようにしましょう。(濃度の低いものを吸っても効果は関係ないといわれています。全か無かどちらかです。)

 歯周病以外に起こりうる病気

タバコが原因によって起こる歯への悪影響は、歯周病だけではありません。歯が汚くなるや歯茎の黒ずみも大変ですが、1番注意しなければならないのは『虫歯』です。タバコを吸うことで、

・唾液の減少
・歯垢がつきやすくなる

といった悪影響を及ぼします。それにより、虫歯の原因となる細菌の繁殖が進んでしまい、虫歯ができやすくなってしまいます。

虫歯は放置してしまうと蓄膿症やその他の病気に繋がりやすくなるため、早急な治療が必要です。歯周病に苦しめられるだけならまだしも、虫歯にも苦しめられるのはイヤですよね。

タバコによる口内の影響

タバコは歯だけではなく、口内環境も悪化させます。タバコによる悪影響は以下の通りです。

・唾液の減少
・口臭の悪化
・粘膜の病気
・味覚障害
・口腔ガン

中でも唾液の減少は、口臭の悪化や味覚障害の原因となってしまいます。唾液が減少したことでした表面に舌苔(ぜったい)が付着しやすくなり、味覚を感じづらくさせるだけではなく、口臭の原因にもなる可能性があります。

さらにタバコの有害物質が粘膜にも作用することで、粘膜の病気や口腔ガンを引き起こすことも。タバコは百害あって一利なしなのです。

歯周病や他の病気を防ぐのなら禁煙!

ここまでタバコが歯周病や他の病気に悪影響を及ぼすと説明してきました。この悪影響を和らげる方法には、

・ニコチンの少ないタバコを吸う
・1日に吸う本数を減らす

などありますが、完全に予防できるわけではありません。上記してきた悪影響を防ぐ唯一の方法は『禁煙』です。悪影響の元を断つことが重要となります。中毒症状などもあるので禁煙は簡単なことではありません。

しかし、本当に防ぎたいのなら、禁煙外来に通うか電子タバコなど禁煙グッズを利用するなどの方法で禁煙しましょう。

禁煙による歯へのメリット

禁煙による歯へのメリットは多くあります。

・唾液量の回復
・粘膜へのダメージの軽減
・口内環境の改善

などが挙げられます。タバコを吸うと自律神経の働きにより唾液量が減ってしまうのですが、禁煙することで非喫煙者と同じレベルまで量を増やすことが可能です。それにより、自浄効果が活発化し歯周病や虫歯になる確率を減少させてくれます。

さらに、有害物質が口に入らないので粘膜へのダメージも軽減。口内環境の正常化にも効果があります。禁煙をするだけで、口内の健康を保ち病気を防ぐことができるので、ぜひ禁煙をお勧めします。

 喫煙による悪影響を知り歯周病予防

タバコとの関係性について、ここまでをまとめると、

・歯周病にタバコは大きく関係している
・タバコによって歯周病が悪化する可能性がある
・タバコによって歯周病以外にも悪影響がある
・防ぐ方法は禁煙のみ

ということになります。タバコと歯周病は深い関係にあります。加えて、タバコを吸うことで口内環境を劣悪にし、虫歯など別の病気も併発する恐れもあるのです。病気が進行すれば、多くの歯を失うことにもなりかねません。

タバコは百害あって一利なし。歯周病で苦しみたくないのなら、タバコは控えるのが最善でしょう。禁煙が難しい場合は、禁煙外来を受診するなど、医療機関の助けを借りることもできます。歯周病治療と並行して禁煙治療を行うことをおすすめします。

監修ドクターのコメント

タバコは、好きな方には精神安定剤的に作用して嗜好性もあり、なかなか止められるものではありません。私(穂坂)も若いころは吸っていた時期もありましたが、歯周病専門医を志すようになってから禁煙をして、もう20年以上吸っていません。自分が吸っていては患者さんに禁煙を勧められないからです。タバコは身体的には百害あって一利なしです。特に重度の歯周病に罹患していらっしゃる方は、できるだけ早く禁煙することをお勧めします。歯がなくなってからでは遅いのです。人間の歯は、噛むことで脳に刺激を与え、老化やボケを防止すると言われています。入れ歯になったら噛みにくくなりますし、食事も自分の歯で噛むのと比べたらかなり美味しくなくなりますよ。歯周病になっていない方でも、喫煙習慣のある方は定期的な歯科の受診をお勧めします。

 

監修ドクター:穂坂 康朗 歯科医師 ほさか歯科クリニック 院長

 歯周病治療でおすすめの歯医者さん 関東編

ほさか歯科クリニック

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