大腸ポリープ切除後、日常生活で気をつけるべきことは?

公開日:2021/01/29

「大腸の内視鏡検査時に見つかったポリープをそのまま切除した」という話を、聞くことがあります。日帰りで手術をおこなえることから、体調にさほど変化を感じない人も多そうですが、日常生活に支障はあるのでしょうか。大腸ポリープ切除後に気をつけるべき点を、「亀戸内視鏡・胃腸内科クリニック」の丸岡先生に聞いてきました。

丸岡先生

監修医師
丸岡 大介(亀戸内視鏡・胃腸内科クリニック 院長)

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山口大学医学部卒業。千葉大学医学部附属病院、鹿島労災病院、千葉市立海浜病院にて内科医として勤務。その後、千葉大学医学部附属病院にて、内視鏡センター、消化器内科などで経験を積み、2020年、東京都江東区に「亀戸内視鏡・胃腸内科クリニック」を開院。内視鏡検査や治療を中心とした診療に従事してきた経験を活かし、安定した、質の高い診療をおこなう。医学博士。千葉大学医学部附属病院非常勤講師。日本内科学会認定内科医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本消化管学会胃腸科専門医。

3日間は食事、飲酒、喫煙に制限を

3日間は食事、飲酒、喫煙に制限を

編集部編集部

大腸ポリープを切除した後に、生活で気をつけたほうがいいことはありますか?

丸岡先生丸岡先生

切除をした日は帰宅後、安静に過ごしてください。特に飲酒、喫煙は禁止、食事も制限する必要があります。なお、炭水化物や肉、魚、豆腐、アルコール類を除く水分は口にしても大丈夫です。一方で、豆類、野菜、果物、繊維が消化されにくい海藻、こんにゃく、乳製品などは避けてください。

編集部編集部

もしも、これらのことに気をつけずに生活すると、どのようなリスクがありますか?

丸岡先生丸岡先生

頻度は低いですが、合併症を生じる可能性があります。少量の赤い便が出るくらいであれば問題ありませんが、出血が多量だったり続いたりする場合は、必ず医師に相談してください。放っておくと血圧の低下や、心臓に負荷がかかり、心不全などを起こすこともあります。

編集部編集部

術後、どれくらいの期間、気をつければよいのでしょうか?

丸岡先生丸岡先生

切除方法にもよりますが、「コールドスネアポリペクトミー」という日帰りでできる方法であれば、3日くらいで十分でしょう。4日目からは食事、飲酒、喫煙など、普段どおりにおこなえることがほとんどです。

良性でもがん化のリスクがある

良性でもがん化のリスクがある

編集部編集部

そもそも大腸ポリープは、どのようなときに切除するのですか?

丸岡先生丸岡先生

大腸ポリープは良性であっても、がん化するリスクがあります。そのため、内視鏡カメラで大腸検査をした際、腫瘍性ポリープが見つかれば基本的に切除をおこないます。そうすることで、大腸がんの「発生の抑制」と「死亡率の低下」を図ります。

編集部編集部

良性のポリープでも切除する必要があるのですね。

丸岡先生丸岡先生

そうですね。ただ、大腸ポリープの中には、非腫瘍性のものもあります。非腫瘍性の大半は心配しなくていいものなので、見つかっても切除はおこないません。また、大きすぎるポリープや、やや深いがんが予想される場合は、その日に取らずに入院してもらうケースもあります。これは、内視鏡検査をする際に、拡大観察をおこなって判断することができます。

編集部編集部

具体的に、切除はどのようにおこないますか?

丸岡先生丸岡先生

当クリニックでは、コールドスネアポリペクトミーという方法で切除します。切除するポリープが内視鏡検査中に見つかったら、病変をスネアと呼ばれる金属の輪に通します。そこから、周囲の正常粘膜と一緒にポリープを取り除きます。通電してポリープを切除する方法もありますが、術後に出血などのリスクがやや高いため、当院では必要性の高い場合に限定した施行としています。

大腸がんリスクを下げる生活を心がけて

大腸がんリスクを下げる生活を心がけて

編集部編集部

大腸ポリープが現時点でない人は、予防という観点で注意すべきことはありますか?

丸岡先生丸岡先生

大腸がんの発生リスクを高める原因の一つに、牛肉と豚肉が挙げられます。1日80g以下であれば問題はないので、注意してみてください。また、喫煙や飲酒もリスクを高める要因の一つです。さらに、運動不足による肥満もよくないと言われています。牛肉と豚肉の摂りすぎに気をつけ、適度な運動で肥満の回避を心がけましょう。お酒は付き合い程度にして禁煙すれば、大腸がんのリスクは下がるでしょう。

編集部編集部

一度でも腫瘍を切除した人は、今後どのようなことを気をつけるといいですか?

丸岡先生丸岡先生

気をつけることについては、先述した通りです。新しい病気の発生の予防に加え、もし見つかった場合は早期治療をすることが大切です。そのため、一度ポリープを切除した場合は、ポリープの種類や数などにもよりますが、翌年から遅くとも3年以内にもう一度検査を受けることをおすすめします。

編集部編集部

それ以外の人は、どれくらいの頻度で検査を受けるのがいいですか?

丸岡先生丸岡先生

大腸検査で異常がなく、治療歴もない人は、3年おきに内視鏡検査を受ければ十分だと思います。40歳から大腸がんのリスクが高まるので、40歳になったら一度受けてみると安心だと思いますよ。

編集部まとめ

大腸ポリープを切除した場合、3日くらいは食事や飲酒、喫煙を制限する必要があるようです。無理をすると出血など合併症を引き起こすことも考えられます。大腸がんリスクを下げる健康的な生活を心がけながら、40歳になったら一度検査を受けてみましょう。

医院情報

亀戸内視鏡・胃腸内科クリニック

亀戸内視鏡・胃腸内科クリニック
所在地 〒136-0071 東京都江東区亀戸2-36-12 エスプリ亀戸4F
アクセス 総武線・東武亀戸線「亀戸駅」 徒歩4分

診療科目 内視鏡内科、胃腸内科、消化器内科、内科