【漫画付き】「前立腺がん」の患者が急増中! 予防する方法はあるの?

前立腺は膀胱のすぐ下にある男性特有の臓器です。そこに発生する「前立腺がん」が近年増加中で、近い将来、男性の部位別がん罹患率で1位になるといわれています。なぜ、前立腺がんが急激に増えているのか、前立腺がんを発見するために行われるPSA検査とは何か、果たして予防法はあるのか……。患者さん目線でわかりやすく病気について説明してくださる、土橋正人先生に解説していただきました。
監修医師:
土橋 正人(どばし泌尿器科クリニック)
急増の原因は、PSA検査の普及と欧米型食生活
編集部
「前立腺がん」の患者が急増中と聞いたのですが、本当なんでしょうか?
土橋 先生
本当です。2012年の部位別がんの罹患率をみますと、1位は胃がん、2位が大腸がん、3位が肺がん、4位が前立腺がんですが、実際、この前立腺がんの罹患率は急激に増えています。2020年から2024年ぐらいの間には、男性のがんの部位別1位になると予測されているほどです。予防のためには、食生活の改善と適度な運動が推奨されています。
編集部
急激に増えてきている原因は何でしょう?
土橋 先生
まず、「PSA検査」の普及によって、早期の前立腺がんが発見できるようになってきたということが、背景にあります。それから、「食生活の欧米化」と「高齢化」によって、罹患率そのものも増加してきています。
編集部
「PSA検査の普及」から、詳しく教えてください。
土橋 先生
編集部
「食生活の欧米化」についてはどうでしょう。
土橋 先生
編集部
「高齢化」についても教えてください。
土橋 先生
編集部
他のがんと同じように、遺伝要因もあるのでしょうか?
土橋 先生
PSA値は、前立腺肥大症と前立腺がんのいずれでも高値に
編集部
PSA検査はどんな検査なのでしょう?
土橋 先生
編集部
前立腺肥大症になると、いずれ前立腺がんになるのでしょうか?
土橋 先生
前立腺肥大症の患者さんからよく、「いずれ前立腺がんになるのでしょうか」と相談されることがありますが、前立腺肥大症と前立腺がんはまったく違う病気です。ですから前立腺肥大症になったからといって、がんを心配する必要はありません。ただ、PSAの検査値は前立腺肥大症でも高くなります。PSA値が高いけど、前立腺肥大症だから大丈夫、と放置していたら、実は前立腺肥大症とは別にがんができていて、知らない間に進行していた、ということもあり得ますから注意は必要です。
編集部
前立腺がんには何か自覚症状は何かありますか?
土橋 先生
前立腺がん予防には、日本型食生活と適度な運動を!
編集部
前立腺がんを予防するにはどうしたらよいでしょうか?
土橋 先生
原因の一つが欧米型の食生活といわれていますから、元々日本人が食べていた日本型食生活を基本とするのがおすすめです。とくに、肉類のとり過ぎは控えましょう。代わりに、前立腺がんの予防になるといわれている大豆や大豆製品、トマト、アブラナ科の野菜であるブロッコリーやカリフラワー、玉ねぎ、にんにくなど、抗酸化作用の高いものを積極的にとるようにしましょう。また、喫煙や多量の飲酒は避け、適度な運動を心掛けましょう。
編集部
もし前立腺がんになってしまった場合の治療法は?
土橋 先生
編集部
治療と経過観察の判断はどのようにおこなうのでしょうか?
土橋 先生
編集部まとめ
前立腺がんになる患者さんが近年急増している、というのは事実ではありますが、その背景には、PSA検査というスクリーニング検査により、早期発見できるようになったことが大きく関係していることがわかりました。前立腺がんは、自覚症状がまったくないため、PSA検査が行われる前は、かなり進行しないと発見できなかったそうです。検査は血液検査で簡単にできるため、家族歴がある方は、40歳代になったら一度検査をしたほうがよさそうです。
前立腺がんになる原因としては、欧米型食生活による肉や乳製品などの高脂肪高たんぱくの食事が関係しています。逆にいえば、予防のためには、高脂肪高たんぱくの食べ物を避けて、昔ながらの魚をメインにしたごはんと味噌汁などの日本食がよいといえます。また、果物や野菜など、抗酸化作用の高い食品を積極的にとるように心がけようと思いました。
<前立腺がんの予防によいとされる食品例>
大豆や大豆製品、トマト、アブラナ科の野菜であるブロッコリーやカリフラワー、玉ねぎ、にんにくなど。
医院情報
所在地 | 〒413-0015 静岡県熱海市中央町17−15 K’sメディカル3階 |
アクセス | 熱海駅から徒歩17分/来宮駅から徒歩13分 JR熱海駅よりバスにて清水町バス停下車 |
診療科目 | 泌尿器科・腎臓外科・ペインクリニック内科・麻酔科 |