「二日酔いにコーヒー」は効果があるの?医師が徹底解説!


監修医師:
岡本 彩那(淀川キリスト教病院)
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兵庫医科大学医学部医学科卒業後、沖縄県浦添総合病院にて2年間研修 / 兵庫医科大学救命センターで3年半三次救命に従事、近大病院消化器内科にて勤務 /その後、現在は淀川キリスト教病院消化器内科に勤務 / 専門は消化器内科胆膵分野
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「二日酔いにコーヒー」は効果があるの?
二日酔いにコーヒーは効くのでしょうか。 二日酔いの原因はアルコールの代謝物であるアセトアルデヒドが体内に溜まることです。そのアセトアルデヒドを体外に出す、薄める等ができれば二日酔いも和らぐことになるでしょう。コーヒーに含まれるカフェインには利尿作用があり、アセトアルデヒドを体外に出す手伝いをしてくれるかもしれません。そのため二日酔いにコーヒーが効く可能性はあります。 その他、アセトアルデヒドは血管を拡張させることがあり、それによって頭痛を引き起こすことがあります。一方でカフェインは血管を収縮させる働きがあるため、二日酔いの症状を和らげる可能性があります。「二日酔いにコーヒー」で悪化することはある?
一方で、二日酔いの時にコーヒーを飲むと症状が悪化することはあるのでしょうか。 二日酔いの場合、体内に残っているアルコール、アセトアルデヒドが薄まれば症状は良くなるでしょう。しかしながらコーヒーなどばかり飲んでしまい、尿を出すことで身体が脱水になってしまえば、逆に血液が濃くなってしまいます。その分アセトアルデヒドも濃くなるため、症状が悪化する可能性があります。 また、アルコール自体にも利尿作用があるため、飲酒した当日に十分な水分が取れていない場合、二日酔いの日は身体がかなり脱水状態となっていることが多いでしょう。脱水自体でも様々な症状を起こしますが、さらに利尿を促すことで症状を悪化させる可能性があります。コーヒーなどを試すのであれば同時に十分な水分(スポーツドリンクや経口補水液など)を摂取するようにしましょう。二日酔いになる原因
二日酔いはどのようにしてなるのでしょうか。ここでは二日酔いになる原因について解説します。アセトアルデヒド
飲酒後、アルコールは体内でどうなるのでしょうか。 アルコールは通常体内の酵素により分解され、「アセトアルデヒド」になり、さらにほかの酵素により分解され「酢酸」となります。酢酸はさらに水と二酸化炭素に分解されていきます。この中間にある「アセトアルデヒド」が二日酔いの原因となります。 通常アルコールを飲んでもアセトアルデヒドに代謝、アセトアルデヒドも酵素によって分解されます。ただし、アルコールを過剰に飲んでしまうとアセトアルデヒドの分解が間に合わず、体内に残ってしまいます。このアセトアルデヒドが体内に残ることによって頭痛、吐き気などのような二日酔いの症状が出てくるのです。 なお、日本人の場合はこのアセトアルデヒドを分解する酵素の働きが弱い人が4割程度いるとされています。その場合、アセトアルデヒドが溜まりやすく、「お酒に弱い/飲めない」、「二日酔いになりやすい」ということになります。この酵素の働きは遺伝子で決まっています。なので、生まれつきお酒に強いか弱いかはある程度決まっていることになります。脱水
アルコールを大量に摂取すると、アルコールにある利尿作用により尿が出ます。そのため、十分な水分を補給していないと脱水になります。二日酔いの場合は大量のアルコールを摂取した後であり、身体自体は脱水状態となっていることが多いでしょう。 この脱水の症状も二日酔いの症状が悪くなる一因ととらえることができます。低血糖
アルコール摂取すると、アルコールの分解がブドウ糖の吸収より優先されるため、糖の吸収が遅れます。また一方で、肝臓での糖新生(新しくブドウ糖を作る作用)が抑制されます。そのため、アルコールだけを飲んで糖分、炭水化物等をとらない場合、低血糖を起こすことがあります。低血糖を起こした場合、頭痛や動悸、冷汗、倦怠感、意識障害などの症状を引き起こすことがあります。 糖尿病の薬を飲んでいる人は血糖が下がりすぎることがあるため、特に注意が必要です。その他
アルコールを大量に飲んだ場合、アルコールによって胃の粘膜があれてしまうことがあります。その場合、むかつきや痛み、吐き気などが現れることもあります。二日酔いに効果的な食べ物
大豆など
アルコール、アセトアルデヒドを退社するにはビタミンB群が大量に必要となります。二日酔いの場合、症状の改善に直結はしないかもしれませんが、ビタミンB群の摂取を心がけるようにすると良いでしょう。 また、大豆製品などはビタミンB群以外にも肝臓を助けるたんぱく質を含んでいるため良いでしょう。米、うどんなどの炭水化物
肝臓でアルコールを分解する時、体内にあるブドウ糖を消費します。そのため、大量のアルコールを摂取した後は体内のブドウ糖が不足します。そのため、お米やうどんなどの炭水化物をとると効果的です。なお、アルコールを飲んだ後、お米や麺類などが欲しくなるのは飲酒している間にブドウ糖が不足し、身体が炭水化物を欲するためです。 二日酔いの場合は大量の飲酒などで胃にダメージがある場合があります。お粥など消化に良いものをとると良いでしょう。二日酔いに効果的な飲み物
経口補水液、スポーツドリンク
先に述べた通り、アルコールを飲むと利尿作用が起こり脱水になりやすくなります。二日酔いになった朝などは身体が脱水の状態になっていることが多いでしょう。また、尿を出すことで体内の電解質のバランスなども崩れている可能性があります。 そのため、水分を補充し脱水を改善させることは効果的です。スポーツドリンクや経口補水液を摂取することは電解質も補えるため理想的です。スポーツドリンクの場合は糖分も含まれています。二日酔いで食事があまりできない場合など、糖分補給にも効果的でしょう。果汁入り飲料
果汁入り印象であればビタミンなどを補いつつ、糖分および水分もある程度補うことができます。二日酔いであれば吐き気で食事をとることができないこともあるでしょう。その場合、水分でこれらを補うことも一手です。「二日酔いにコーヒー」についてよくある質問
ここまで二日酔いのコーヒーについて紹介しました。ここでは「二日酔いにコーヒー」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
二日酔いにコーヒーと水ではどちらの方がいいですか?
岡本彩那(医師)
二日酔いの場合、おそらく身体は脱水状態になっていることが多いでしょう。まずは水分摂取を行い、脱水を改善させることが重要です。この状態でコーヒーを飲んでしまうとカフェインの利尿作用でさらに脱水となり、さらには体内のアセトアルデヒドも濃くなるため症状を悪化させる可能性があります。出来れば水分、それも経口補水液やスポーツドリンクを摂取するようにしましょう。
まとめ
ここでは二日酔いになった場合、どのように対処すればよいのかその原因とともに解説しました。ただし、二日酔いの一番の予防は飲みすぎないこと、自身の適切な飲酒量を知っておくことです。おいしく楽しいお酒も二日酔いになってしまうと台無しです。自身に見合った量を楽しむようにしましょう。「二日酔いにコーヒー」で考えられる病気
「二日酔いにコーヒー」から医師が考えられる病気は7個ほどあります。 各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。消化器科の病気
- アルコール性膵炎
- アルコール性肝障害/肝硬変
代謝・内分泌科の病気
- 低血糖
- ウェルニッケ脳症
神経科の病気
- 神経障害