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「二日酔いで吐き気が止まらない」原因・対処法はご存知ですか?医師が徹底解説!

「二日酔いで吐き気が止まらない」原因・対処法はご存知ですか?医師が徹底解説!

二日酔いで吐き気が止まらないときの対処法は?Medical DOC監修医が対処法や考えられる原因・病気・何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

中川 龍太郎

監修医師
中川 龍太郎(医療法人資生会 医員)

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奈良県立医科大学卒業。臨床研修を経て、医療法人やわらぎ会、医療法人資生会南川医院に勤務。生活習慣病や肥満治療、予防医学、ヘルスメンテナンスに注力すると同時に、訪問診療にも従事している。日本プライマリ・ケア連合学会、日本在宅医療連合学会、日本旅行医学会の各会員。オンライン診療研修受講。

「二日酔いで吐き気が止まらない」症状で考えられる病気と対処法

吐き気というのは二日酔いの代表的な症状ですよね。深酒をしてしまった翌日に苦しんだ経験のある方も多いのではないでしょうか。二日酔いは数多くの原因が重なって、吐き気以外にもさまざまな症状が現れるとされています。どんな場合に対処ができて、どんな時に病院を受診する必要があるのか解説していきます。

二日酔いで吐き気が止まらない症状で考えられる原因と治し方

お酒を飲み過ぎた翌日に吐き気がなかなか治らない症状のことを指します。二日酔いで代表的な症状は、吐き気に加えて疲労感、脱力感、喉の渇き、頭痛、筋肉痛、胃痛、めまい、光や音への過敏、不安、発汗、血圧上昇などがあります。基本的には時間経過とともに症状は改善し、24時間あればアルコールは代謝され、症状も治ることがほとんどです。
二日酔いは複数の原因で起こっているものが多いですが、その中にはすぐに対処できる原因もあります。それが脱水症です。お酒をたくさん飲むと、抗利尿ホルモン(水分を体に溜めようとするホルモン)の分泌が低下します。お酒を飲まれる方は誰しも経験があると思いますが、尿がたくさん出ることになり、身体は脱水状態になります。例えば喉の渇きや脱力感は、脱水が原因で起こると考えられます。すぐにできる対処法は、気持ち悪くてもしっかりと水分を摂取することです。可能であれば電解質を含んだ経口補水液を摂取するのが良いでしょう。この対処法を行ってもめまいがして立てなかったり、意識を失ってしまったりするような場合は病院を受診しましょう。
主な診療科は一般内科です。脱水を補正するために、点滴治療を実施することが多いです。緊急性はないため、日中に受診しましょう。

二日酔いで頭痛と吐き気が止まらないの症状で考えられる原因と対処法

お酒を飲み過ぎた翌日に、吐き気に加えて頭痛もなかなか治らない状態を指します。
これはアルコールそのものの作用による可能性があります。というのも、アルコールには体内の炎症反応を引き起こす作用があり、その炎症が原因で頭痛が起きている可能性があります。またお酒の利尿作用による軽度の脱水状態も頭痛を引き起こします。すぐにできる対処法は、抗炎症作用のある鎮痛薬(NSAIDs : 非ステロイド性消炎鎮痛薬 ロキソニンなど)を内服すること、水分摂取を心がけて脱水を治すことです。
ほとんどの人は、時間が経つにつれて症状が良くなります。しかし、頭痛が強すぎるせいで嘔吐してしまったり、全く水分摂取ができない場合は、さらに脱水状態が進んでしまうため、病院受診を検討してください。栄養と水分の補給のため、点滴治療を実施することが多いです。緊急性はないため、日中に受診しましょう。

二日酔いで吐き気が2~3日長引いて止まらないの症状で考えられる原因と対処法

二日酔いで吐き気が出現してから2~3日改善しない症状を指します。
このような場合、アルコールで引き起こされた胃食道逆流症の可能性があります。アルコールは胃の粘膜を直接刺激し、酸の放出を増加させます。この増加した胃酸が、吐き気や胃の不快感につながる可能性があります。アルコールがきっかけとなって症状が出現した場合は時間経過とともに改善することが多いですが、すっきり改善せずに症状が長引くこともあるので注意が必要です。
対処法には、やや上半身を起こした状態で休息を取る、消化しやすい食事を摂る、寝る3時間前からは食事を避ける、などがあります。二日酔いのしんどさから、すぐに横たわってしまうと胃液が逆流しやすくなり、症状がさらに強くなってしまうので注意してください。
受診すべき診療科は消化器内科です。胃酸分泌抑制薬の処方が検討されることになります。緊急性はないので日中に受診してください。

すぐに病院へ行くべき「二日酔いで吐き気が止まらない」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

みぞおちや背中の痛みがみられた場合は、消化器内科へ

二日酔いで吐き気などの症状に加えて、みぞおちあたりの急激な腹痛や、背中への激痛、嘔吐が見られた場合は注意が必要です。この場合、アルコールの過剰摂取による急性膵炎という病気が疑われます。急性膵炎は、膵臓という消化に重要な臓器に、突然起こる炎症を指します。軽症から重症まで程度はさまざまですが、基本的には入院で治療を行う疾患です。
主な診療科は消化器内科です。緊急性の高い疾患ですので、できるだけ早く受診しましょう。歩いたり咳をするだけで激痛が生じるようであれば、急性腹症といって非常に危険な状態です。迷わず救急要請をしてください。

受診・予防の目安となる「二日酔いで吐き気が止まらない」ときのセルフチェック法

  • 二日酔いで吐き気が止まらない以外に嘔吐症状がある場合
  • 二日酔いで吐き気が止まらない以外に頭痛症状がある場合
  • 二日酔いで吐き気が止まらない以外に腰痛や背中の痛みがある場合

「二日酔いで吐き気が止まらない」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「二日酔いで吐き気が止まらない」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

脱水症

脱水症とは、体内の必要な水分・塩分が不足してしまう状態を指します。この状態の多くは、水分摂取不足、激しい運動や高温の環境下での発汗、下痢や嘔吐といった症状によって引き起こされます。
初期段階では、喉や口の乾き、頭痛、疲れやすさなどの軽い症状が現れます。しかし、水分不足が進行すると重度の脱水症となり、筋肉のけいれん、血圧の低下、脱力感、最悪の場合、ショック状態になることもあります。
特に夏場の暑い日やスポーツをする際には、こまめに水分補給をすることが大切です。また、高齢者や子供は脱水症になりやすいため、特に注意が必要です。
もし激しい頭痛や吐き気、めまいなどの症状がある場合は、中等度以上の脱水症の可能性があり、緊急性も高くなります。受診すべき診療科は一般内科です。速やかに医療機関を受診し、適切な治療(点滴による補水)を受けることが重要です。

「二日酔いで吐き気が止まらない」の正しい対処法は?

二日酔いの症状は、吐き気は当然のことながら疲労感や脱力感、喉の渇き、頭痛、筋肉痛、めまいと幅広く、そしてその原因もさまざまです。そのため、唯一これをすれば吐き気や二日酔い自体が改善するという方法はありません。症状と原因に合わせて対応していく必要があります。
例えば、二日酔いの症状の中で頭痛が一番辛い時は、市販の鎮痛薬(ロキソプロフェン)を飲むことで緩和できるかもしれません。2020年の研究では、二日酔いの症状のうち、頭痛に対してロキソプロフェンが有効ということが証明されました。一方で吐き気、みぞおちあたりの不快感といった症状は改善しないことも判明しています。
また、別の種類の痛み止めでカロナール(成分:アセトアミノフェン)という薬がありますが、これは肝臓への負担がかかるため、二日酔いの時にはさらに肝臓に負担をかけてしまうことになります。
吐き気症状が脱水状態から来ている場合は、水分補給をこまめに行うと改善することもありますが、そのほかの原因で吐き気が出現している可能性もあるため、絶対に改善するとはいえません。
唯一、二日酔いの解消に重要であるとわかっていることは「時間」です。時間さえ経てば症状は治ります。その時間をできるだけ苦痛なく過ごすことが重要です。

「二日酔いで吐き気が止まらない」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「二日酔いで吐き気が止まらない」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

二日酔いで吐き気が止まらないときにやってはいけないことは何ですか?

中川 龍太郎医師中川 龍太郎(医師)

いわゆる迎え酒、二日酔いのときにお酒を飲むという対処法がありますが、これはお勧めできません。迎え酒をすると一時的に症状が緩和するかもしれませんが、倦怠感やその他の症状の一因となり、長引かせる可能性があり、根本的な解決法とは言えません。
また、「二日酔い」自体が少量のアルコール離脱症状であるという説もあります。その場合では一時的な症状緩和は、離脱症状が満たされたことで緩和しただけであり、アルコール依存症へつながる可能性があります。

アルコールの代謝を促進してくれる栄養素はありますか?

中川 龍太郎医師中川 龍太郎(医師)

しじみの味噌汁やグレープフルーツ、ウコン配合成分、ハイチオールCなど、これらの食品は、アルコールの代謝産物であるアセトアルデヒドを分解するのに役立つ、肝機能をサポートするといった効果はあります。そういう意味ではアルコールの代謝を促進する栄養素と言えます。ただ注意して欲しいのは、「アルコールを早く代謝したからといって二日酔いが消えるわけではない」ということです。二日酔いはアセトアルデヒド以外に、脱水状態・炎症反応・軽度の離脱症状という多数の要因が重なっているため、一つの要因を解決しても「二日酔い」全てには効きにくいというわけです。

二日酔いの吐き気はどのくらいで治りますか?

中川 龍太郎医師中川 龍太郎(医師)

個人差はありますが、丸1日あれば回復する方が多い印象です。

まとめ 二日酔いで吐き気が止まらないは水分補給で対処

二日酔いに伴う吐き気は、お酒を飲む方は比較的経験することの多い症状だと思います。基本的には安静にしていれば回復しますが、しんどさを和らげる方法はあります。また急激なお腹の痛み、背中の痛みなどが伴うと、ただの二日酔いとはいえませんので、すぐに医療機関を受診してください。

「二日酔いで吐き気が止まらない」症状で考えられる病気

「二日酔いで吐き気が止まらない」から医師が考えられる病気は3個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

消化器系の病気

循環器系の病気

時間が経てば二日酔い症状の多くは改善します。同じ症状でも原因が二日酔いではない場合には注意が必要です。

「二日酔いで吐き気が止まらない」に似ている症状・関連する症状

「二日酔いで吐き気が止まらない」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

吐き気の他に、これらの症状がある場合は「急性膵炎」「胃食道逆流症」など、ただの二日酔いではない可能性が考えられます。複数併発している場合は、なるべく早く医療機関への受診をお薦めします。