「汗によるかぶれ」の見た目の特徴はご存知ですか?医師が徹底解説!

汗によるかぶれの原因とは?Medical DOC監修医が原因や治し方・考えられる病気・市販薬・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

監修医師:
鮫島 舞(医師)
目次 -INDEX-
「汗によるかぶれ」の原因と治し方
汗によるかぶれは、ただ汗をかいたから起きるものではありません。皮膚のバリア機能が低下している状態で、汗に含まれる塩分や老廃物が皮膚に刺激を与えることで、かゆみや赤みを引き起こします。
また、汗の出口である汗管(かんかん)が老廃物や皮脂で詰まってしまうと、汗が皮膚内にたまり、炎症が起きることがあります。これが「汗疹(あせも)」と呼ばれる症状です。特に高温多湿な環境や、運動後に汗を放置することが原因となることが多く、皮膚バリアが弱っている状態では悪化しやすくなります。
汗によるかぶれの原因と治し方
小さな発疹や赤み、痒みなどが汗をかいた部分に現れるのが特徴です。
すぐにできる処置としては、汗をかいたら、優しく拭き取る、通気性の良い服装を心がける、入浴後の保湿で皮膚バリアをサポートすることが効果的です。
このような場合には汗疹(あせも)、接触皮膚炎、アレルギー性皮膚炎などが考えられます。
受診先は皮膚科が基本ですが、かぶれが広範囲に及ぶ場合や発熱などの症状を伴う場合は内科で相談することが適切です。こどもの場合は小児科にも相談できます。
汗による顔のかぶれの原因と治し方
頬や額、鼻の周囲など、汗をかきやすい部位に赤みや発疹が出ることがあります。
すぐにできる処置は洗顔後に優しく保湿を行い、刺激を避けることです。
このような場合、汗疹、脂漏性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎などが原因となることがあります。
皮膚科に相談することができます。目の周囲の痛みや熱感を伴う発赤の場合は内科や眼科に相談が必要になることがあります。
汗による腕のかぶれの原因と治し方
二の腕や肘の内側に赤い発疹や痒みが出やすいです。
すぐにできる処置として、汗をかいたら、優しく拭き取る、通気性の良い服装を心がける、入浴後の保湿で皮膚バリアをサポートすることが効果的です。
このような場合、アトピー性皮膚炎や接触皮膚炎、日光過敏症などが考えられます。
皮膚科で相談できます。症状が慢性的に生じる場合はアトピー要因の有無のチェックのため、アレルギー検査を行うこともあります。
汗による首のかぶれの原因と治し方
首の前面や後ろに赤み、痒み、水疱などがみられることがあります。
すぐにできる処置として、こまめに汗を拭き取り、ネックレスや香水などの刺激物を避けるようにしましょう。
このような場合、汗疹、接触皮膚炎などが考えられます。
皮膚科で相談することができます。
すぐに病院へ行くべき「汗によるかぶれ」に関する症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
発熱や全身の発疹、関節痛がある場合は、内科へ
皮膚の症状(赤み、痒みなど)に加え、発熱、関節痛や筋肉痛などが生じることがあります。考えられる病気には、膠原病関連皮膚炎、感染症、薬疹などが挙げられます。
全身の症状を伴う場合は内科へ受診しましょう。
「汗によるかぶれ」の特徴的な病気・疾患
ここではMedical DOC監修医が、「汗によるかぶれ」症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
汗疹(あせも)
汗疹は、汗に含まれる塩分や老廃物が汗の通り道を塞ぐことで炎症を起こし、皮膚の発疹が生じる病気です。
対処法・治療法としては、清潔に保ち、保湿を行います。必要に応じてステロイド外用薬を使用します。
数日で治らない場合は皮膚科へ相談してください。
接触皮膚炎
接触皮膚炎は、汗と一緒に付着した物質(洗剤や金属など)によってかぶれを起こす病気です。対処法・治療法としては、原因物質の除去と保湿による皮膚バリアサポートが効果的です。
数日で治らない場合は皮膚科へ相談してください。
アレルギー性皮膚炎
アレルギー性皮膚炎は、アレルギー体質と皮膚バリア機能の破綻に起因して、皮膚が過敏になることでアレルギー反応を引き起こす病気です。
対処法・治療法としては抗アレルギー薬の内服や保湿、ステロイド外用薬などを使用します。
慢性的な皮膚の赤みや痒みがある場合は皮膚科もしくは内科に相談しましょう。
「汗によるかぶれ」に効果的な市販薬は?
軽度のかぶれであれば、市販薬の使用は可能です。抗ヒスタミン薬、ステロイド外用薬、抗炎症外用薬などの塗り薬を検討して良いと思います。
ただし、水疱やただれを伴う場合は医師の診察を受けましょう。
「汗によるかぶれ」の正しい対処法は?
日常生活では、通気性の良い服装やこまめな汗の拭き取り、入浴後の保湿などで、皮膚バリアを維持しましょう。
早く治したい時は保湿を徹底し、刺激を避けましょう。それでも症状が収まらない場合、数日で治らない場合、水疱やただれを伴う場合などは皮膚科を受診しましょう。
「汗によるかぶれ」についてよくある質問
ここまで汗によるかぶれについて紹介しました。ここでは「汗によるかぶれ」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
汗によるかぶれにはどんな見た目の特徴がありますか?
鮫島 舞
赤く小さな発疹が汗をかきやすい部位に散在し、痒みを伴うことが多いです。水ぶくれのようになることもあります。
まとめ
汗によるかぶれは汗疹、接触皮膚炎、アレルギー性皮膚炎などが原因となります。軽症であれば市販薬や日常のケアで改善しますが、症状が続く場合は早めに皮膚科を受診しましょう。発熱や関節痛などの全身の症状を伴う場合は内科を受診しましょう。
「汗によるかぶれ」で考えられる病気
「汗によるかぶれ」から医師が考えられる病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
内科の病気
- 膠原病関連皮膚炎
- 薬疹
清潔を保ち、保湿を行うなどセルフケアで改善する場合には様子を見て構いませんが、ただれや発熱などが生じる場合には早めに医療機関を受診するようにしてください。
「汗によるかぶれ」に似ている症状・関連する症状
「汗によるかぶれ」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
関連する症状
- 乾燥による湿疹
- 蕁麻疹
- 帯状疱疹
汗によるかぶれかどうかは、自己判断が難しい面があります。数日で改善しない場合には医療機関で相談するようにしてください。