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「首のかぶれ」の原因はご存知ですか?対処法も医師が徹底解説!

「首のかぶれ」の原因はご存知ですか?対処法も医師が徹底解説!

首のかぶれで、身体はどんなサインを発している?Medical DOC監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

中川 龍太郎

監修医師
中川 龍太郎(医療法人資生会 医員)

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奈良県立医科大学卒業。臨床研修を経て、医療法人やわらぎ会、医療法人資生会南川医院に勤務。生活習慣病や肥満治療、予防医学、ヘルスメンテナンスに注力すると同時に、訪問診療にも従事している。日本プライマリ・ケア連合学会、日本在宅医療連合学会、日本旅行医学会の各会員。オンライン診療研修受講。

「首のかぶれ」の症状で考えられる病気と対処法

首のかぶれで悩まれたことはありませんか。一言で「首のかぶれ」と表現しても、その原因となる病気はさまざまです。考えられる病気について以下で解説します。

首のかぶれの症状で考えられる原因と対処法

首の部分がかぶれる症状の場合、あせも(汗疹)の可能性が考えられます。医学的には異汗性湿疹といいます。あせも(汗疹)と言うだけあって、首だけでなく汗をかきやすい部位ならどこでもできる可能性があります。小さいぶつぶつが痒みを伴って、規則正しく配列するように出現するのが特徴です。
夏に多く、汗をかいてもしっかりと拭かないと生じやすいとされています。ご自身でできる対処法は、汗をかいたらシャワーで早めに流す、冷えたタオルでしっかり拭き取るなどの対応があります。
ただし、すでにかぶれがしっかり出ている場合は、ステロイドの塗り薬が効果的です。専門科は皮膚科で、症状が良くならない場合は同科のクリニックを受診してください。緊急性はありませんので日中に受診しましょう。

首にかぶれがありかゆい症状で考えられる原因と対処法

首にかぶれがあり、痒みも伴う場合、接触皮膚炎の可能性が考えられます。
接触皮膚炎の詳細に関しては後述しますが、簡単に言えばアレルギー抗原になる物質が皮膚に接触することによって起きる皮膚の炎症のことを指します。
接触皮膚炎の原因になる物質はあらゆる種類が考えられます。首に限定して言えば、よくある例はネックレスなどのアクセサリーや衣服(ワイシャツの襟、タートルネックのニット、マフラーなど)、ボディクリームや香水、シャンプーやリンスなどの洗髪剤、ヘアカラーやブリーチなどの美容院で扱う薬品などです。
ご自身でできる対処法は、これらを変更することや使用を中止してみることです。それでも改善がなかったり、そもそも心当たりのあるものがなければ皮膚科を受診してみましょう。緊急性はないので日中に受診してください。

首にかぶれがあり治らない症状で考えられる原因と対処法

首にかぶれがあり治りにくい状態を指します。この場合、尋常性乾癬の可能性が考えられます。尋常性乾癬とは、日本人では300人に1人、全世界では1億人が罹患していると言う、比較的よくみられる病気です。
特徴的な症状には、
・境界線がはっきりしてやや盛り上がった紅斑が体のあちこちにみられる
・銀白色の鱗屑(皮膚が薄くポロポロと剥がれ落ちたもの)が付着していて剥がすと出血する
・異常のない部分の皮膚を擦ると乾癬が出現する
といったものが挙げられます。この病気の原因は詳しくわかっておらず、また治りにくいのが特徴的です。加齢とともに自然に治ることもあるのですが、20-30年と長い経過になることが多いです。ご自身でできる対処法に有効なものはないので早期診断が重要です。
治療法はビタミンD3軟膏やステロイド軟膏、紫外線療法や生物学的製剤などがあります。専門科は皮膚科です。緊急性はありませんので日中に受診しましょう。

首にかぶれがあり痛い症状で考えられる原因と対処法

首にかぶれがあって、さらに赤く腫れ上がり、痛みを伴う症状を指します。この場合、蜂窩織炎の可能性が考えられます。これまで紹介したあせも(汗疹)であったり、虫刺されや皮膚炎では、痒みを和らげようと、皮膚を引っ掻いてしまいがちです。蜂窩織炎は、この時にできた傷から、皮膚の常在菌(健康な人でも常に存在する菌;普段は病気を引き起こすことはない)が侵入し、皮下組織まで感染を引き起こした状態です。
そのまま治る病気ではありませんので、できるだけ早く病院を受診することを勧めます。 主な診療科は皮膚科です。もし一部に膿が溜まっている場合は、皮膚を切開して膿を排出し、抗菌薬投与を行います。早期の治療が重要になりますのでできるだけ、早めに受診するようにしてください。

首にかぶれがありカサカサしている症状で考えられる原因と対処法

首にかぶれがありカサカサしている状態を指します。このような場合、ヴィダール苔癬の可能性が考えられます。
ヴィダール苔癬は慢性的に掻いてしまうことが原因である皮膚の疾患です。首にできやすく赤く盛り上がった見た目をしています。ご自身でできることはとにかく掻かないようにすること、かゆみが強いのであれば塗り薬や抗ヒスタミン薬の内服を行う事です。
それでも症状が良くならない場合は一度皮膚科を受診しましょう。緊急性はありませんので日中に受診してください。

赤い首のかぶれの症状で考えられる原因と対処法

首にかぶれがあり、赤くなっていたり強い痒みを伴う場合、アトピー性皮膚炎の可能性が考えられます。アトピー性皮膚炎とは、よくなったり悪くなったりを繰り返す、痒みのある湿疹がメインとなる疾患です。症状は、特徴的な左右対称性の分布を示す湿疹で、首や手足、体幹にも出現します。乳児期あるいは幼児期から発症して小児期に改善する方や、改善なく再発を繰り返して成人まで持続してしまう場合もあります。
ご自身でできる対処法は、スキンケアを徹底的に行うことです。特に乾燥肌はより痒みを増してしまうので、十分に保湿することをお勧めします。
治療は外用薬(塗り薬)が基本となります。特にステロイド外用薬の使用が、アトピー性皮膚炎を充分に鎮静し、有効性と安全性が科学的に立証されています。塗り薬以外では、痒みへの対応として抗ヒスタミン薬の併用は有効とされています。
アトピー性皮膚炎の専門科は皮膚科です。症状を繰り返す際は早めに皮膚科で診察を受けましょう。緊急性はありませんので日中に受診してください。

すぐに病院へ行くべき「首のかぶれ」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

首のかぶれに高熱を伴う場合は、救急科へ

首のかぶれだけでなく、腫れや痛み、高熱まで出現するようであれば、先述の蜂窩織炎からさらに病変が急速に広がっている可能性があります。(ガス壊疽や壊死性筋膜炎という緊急疾患の可能性があります。)このような場合は、早急に処置を開始しないと命に関わる危険な状態ですので、夜間でも医療機関、救急外来を受診するようにしてください。

受診・予防の目安となる「首のかぶれ」ときのセルフチェック法

・首のかぶれ以外に乾燥肌がある場合
・首のかぶれ以外にかゆみがある場合
・首のかぶれ以外に痛みがある場合

「首のかぶれ」の症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「首のかぶれ」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

接触皮膚炎

接触皮膚炎とは外来性の刺激物質やアレルギー抗原(アレルギー反応の元になる物質)が皮膚に接触することによって発症する湿疹性の炎症反応を指します。例えば、お風呂上がりに毎回同じ症状が見られる場合、ボディーソープや石鹸などが体に合っていない(アレルギーの原因となっている)可能性があります。
ご自身でできる対処法は、アレルギーの原因となる物質がないか確認することです。よくある例は入浴の際の製品や、アクセサリー、衣服などです。これらを調べても心当たりのあるものがなければ皮膚科を受診しましょう。緊急性はないので日中に受診しましょう。

ヴィダール苔癬

ビダール苔癬とは、慢性単純性苔癬ともいいます。皮膚をずっと掻いていると赤くなり盛り上がる、この単純な現象に命名された病気です。首にできやすいですが、そのほかには両足や臀部などさまざまな部位にできます。引っ掻いてしまうと出現する病気で、逆にいうと掻かなければ治る病気ですが、かゆみのために掻くのが止められず、なかなか治らないというのが多いパターンです。
治療はステロイドの塗り薬が効果的です。さらにかゆみに対して抗ヒスタミン薬の内服も合わせると、より効果的とされています。特にお子様の場合、掻いてしまう癖がつくと難治性となりますので、早めに皮膚科を受診して適切な治療を開始するようにしましょう。

汗かぶれ

汗かぶれとは、いわゆるあせも(汗疹)のことを指します。汗かぶれという通り、汗をかきやすい部位によく出現します。汗をかきやすい夏に多く、汗を十分に流したり拭いたりできていない場合に起こりやすいです。症状としては、頭皮や首、脇、体幹、手足、関節など汗をかきやすく、また溜まりやすい部位に、小さいぶつぶつした発疹が出現します。痒みを伴うことが多く、引っ掻いてしまった痕がよく見受けられます。
ご自身でできる対処法は、こまめに汗を除去することです。シャワーで早めに汗を流す、冷えたタオルでしっかり拭き取るなどの対応があります。また制汗剤や吸水軟膏なども一定の効果が見込めます。
専門科の診療科は皮膚科で、治療はステロイドの塗り薬が一般的です。症状が良くならない場合は早めに受診してください。緊急性はありませんので日中に受診しましょう。

「首のかぶれ」ときの正しい対処法は?

対処法としてはスキンケア(保湿)や痒み止めのクリームを使用する、抗ヒスタミン薬を内服するという方法があります。抗ヒスタミン薬は飲み薬ですが、花粉症薬として市販でも取り扱われており、これに関しては市販でも問題ありません。
一方で病気によってはステロイドの塗り薬が必要な場合がありますが、これに関しては医師の診察のもと行うのが、最も効率的と考えられます。特に最初に使い始める時、使ったものの効果が乏しい時は医師の判断のもと、外用薬を変更することをお勧めします。

「首のかぶれ」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「首のかぶれ」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

首がかぶれているのですがヘアカラーやシャンプーが原因でしょうか。

中川 龍太郎医師中川 龍太郎(医師)

ヘアカラーやシャンプーが原因で、接触皮膚炎を引き起こしている可能性はあります。一度変更して様子を見てみることをお勧めします。

マフラーやニットなど衣類が原因で首がかぶれることはありますか?

中川 龍太郎医師中川 龍太郎(医師)

首に接する衣類が原因となったり接触皮膚炎を引き起こすこともあります。

ストレスで首がかぶれることはありますか?

中川 龍太郎医師中川 龍太郎(医師)

もともとアトピー性皮膚炎がある方がストレスによって増悪することは考えられます。

首のかぶれに効く市販薬はありますか?

中川 龍太郎医師中川 龍太郎(医師)

特定の市販薬が効くと断言はできません。最短で効果を実感しようと考えると、皮膚科専門医の診察のもと処方された外用薬が良いと考えます。

まとめ 首のかぶれが続くときは皮膚科で相談

首のかぶれに注目して原因疾患を解説いたしました。誰もが聞いたことがあるあせも(汗疹)から乾癬と言った聞き慣れない病名まで、さまざまな原因が考えられますので、一度皮膚科を受診することをお勧めします。

「首のかぶれ」症状で考えられる病気

「首のかぶれ」から医師が考えられる病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する病気

首のかぶれから考えられる疾患はこれだけあります。いずれも適切な診断と治療アプローチが必要な病気ですので、症状が続くなと感じたら早めに皮膚科を受診しましょう。

「首のかぶれ」に似ている症状・関連する症状

「首のかぶれ」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 首が痒い
  • ぶつぶつができている
  • 汗をかくと痒い

「首のかぶれ」以外にこのような症状でも、アトピー性皮膚炎や汗かぶれなどの病気は疑われます。複数見られる際は一度皮膚科で相談してみてくださいね。