「肘の内側がかゆい」症状の対処法はご存知ですか?医師が徹底解説!
肘の内側がかゆいのを治すには?Medical DOC監修医が対処法や考えられる原因・病気・何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。
監修医師:
中川 龍太郎(医療法人資生会 医員)
「肘の内側がかゆい」症状で考えられる病気と対処法
肘の内側がかゆい、という症状は誰もが経験されたことがあるかと思います。この記事では肘の内側がかゆい症状で考えられる病気の特徴や対処法について詳しく解説していきます。ぜひ最後までご覧になって、参考にしてみてください。
肘の内側がかゆい症状で考えられる原因と治し方
肘の内側がかゆい場合、かゆい部分に発疹がでている場合があります。また、発疹の内容も、ぷくっと膨れるようなものから、小さいぶつぶつがあるものまであります。そのため、かゆみがあるときには、発疹がないかよく観察することが重要です。
すぐにできる処置として、かゆい部分を清潔にして保湿クリームを塗るなど乾燥への対策をするようにしましょう。また、皮膚を掻いてしまうと、かゆみを悪化させることがあるので、できるだけ掻かないように心がけましょう。かゆみに対しては市販の抗ヒスタミン薬などの内服が有効な場合があります。原因には、アトピー性皮膚炎や接触性皮膚炎、蕁麻疹、あせもなどの可能性が挙げられます。症状が良くならずに、悪化している場合には皮膚科で医師の診察を受けることが大切です。
肘の内側がぶつぶつしていてかゆい症状で考えられる原因と治し方
肘の内側がぶつぶつしてかゆい場合にはアレルギーの反応、つまり蕁麻疹の可能性があります。ぶつぶつは小さく赤みがあるものから、盛り上がったようにみえるものまで多彩な症状があります。対策は、皮膚への刺激を避けて、皮膚を清潔に保ち保湿剤を塗ることです。また市販の軟膏も有効な場合があります。このような自己処置でも症状が良くならずに、悪化している場合には皮膚科を受診するようにしましょう。
肘の内側が突然かゆい症状で考えられる原因と治し方
肘の内側が突然かゆくなってしまった場合、急性のアレルギー反応が考えられます。この反応は蕁麻疹や接触性皮膚炎を引き起こし、またかゆみ以外の皮膚の症状が遅れてでてくることがあります。普段と違う環境に行った、違うものを食べたなどの思い当たる原因がないか、探すようにしましょう。かゆみだけで、皮膚の症状がない場合は経過観察でも大丈夫です。しかし、かゆみ以外に蕁麻疹や、息切れ、呼吸の苦しさなどが出てきた場合はアナフィラキシーという重症のアレルギー反応が起きている可能性があります。そのため、症状が悪化している場合には、できるだけ早く処置をしてもらえる病院を受診するようにしてください。
肘の内側が赤くかゆい症状で考えられる原因と治し方
肘の内側が赤くかゆい場合には、皮膚が赤くなり、小さいぶつぶつが出ることがあります。このような場合、接触性皮膚炎の可能性が考えられます。接触性皮膚炎では、原因となる物質が肌に触れたことでアレルギーの反応で皮膚に炎症を起こしています。対処法は、皮膚を清潔に保ち、保湿剤や軟膏を塗ることです。それでも改善しない場合や、早く治したい場合には皮膚科を受診して医師に診察してもらうようにしましょう。
夏に肘の内側がかゆい症状で考えられる原因と治し方
夏に肘の内側がかゆい場合には、かゆみの他に発疹が出ることが多いです。原因として、あせもが考えられます。あせもは医学的には汗疹(かんしん)と言い、汗が原因で皮膚に湿疹を起こす病気です。詳細は後述しますが、汗をかきやすい夏に多く、かゆみを伴います。あせもが出た時には皮膚を清潔にして、軟膏を塗るなどの対策をとるようにしましょう。良くならない場合には皮膚科で治療を受けることができます。
冬に肘の内側がかゆい症状で考えられる原因と治し方
冬に肘の内側がかゆい場合には、皮脂欠乏性湿疹という乾燥が原因の病気である可能性があります。乾燥によって、皮膚のバリア機能が低下してしまうことでかゆみを起こし、悪化すると湿疹を伴うことがあります。治療は保湿剤を塗って乾燥を防ぐようにし、できるだけ皮膚への刺激を避けることです。自分で処置をしていてもよくならない場合には、別の病気の可能性もあるので皮膚科を受診して治療を受けるようにしましょう。
肘の内側がかゆく黒ずみがある症状で考えられる原因と治し方
肘に黒ずみができる大きな原因は、日常生活で起こる摩擦や圧迫です。かゆみに加えて、このような皮膚の症状が出現する場合には、対策を講じる必要があります。服による摩擦やほおづえなどで肘に摩擦が起こると、刺激によって肌の内部でわずかな炎症が起こります。
そのため、メラニンが生成され皮膚が黒ずむ原因となります。
対策は刺激や圧迫を避けるようにして、乾燥を予防するために保湿剤を塗布します。セルフケアで良くならない場合には、皮膚科で相談するようにしましょう。
肘の内側がかゆくボコボコしている症状で考えられる原因と治し方
肘の内側部分がかゆく、触れるとボコボコとした突起が感じられる症状を指します。このような場合でも、原因には皮脂欠乏性湿疹や接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎が考えられます。
かゆみは持続的で、ボコボコの部分に炎症や赤みがあることがあります。肌が乾燥している場合、保湿クリームや乳液を使って肌を保湿しましょう。また、市販のかゆみ止め薬や抗ヒスタミン薬を使用してかゆみを和らげることができます。掻くことでかゆみが悪化することがあるので、できるだけ掻かないように心がけましょう。自己処置でよくならない場合、または症状が悪化する場合は、皮膚科で医師の診察を受けることが重要です。
すぐに病院へ行くべき「肘の内側がかゆい」に関する症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
全身に発疹があるかゆみの場合は、皮膚科へ
かゆみの中には、全身に発疹が出現する病気の場合もあります。通常は全身のかゆみに加えて、発疹が全身に出現します。蕁麻疹やお薬などが原因の薬疹などの可能性があります。症状が悪化した場合には、息苦しさなどを起こすことがあるのでかゆみや発疹が全身に広がった場合には早めに皮膚科を受診するようにしましょう。
受診の際には、発疹がいつ現れたか、かゆみの程度、関連する他の症状など、症状に関する詳細な情報を医師に伝えましょう。また自分のアレルギーの既往や他の持病などについて医師に伝えることが大切です。
受診・予防の目安となる「肘の内側がかゆい」ときのセルフチェック法
・肘の内側がかゆい以外に赤いぶつぶつの症状がある場合
・肘の内側がかゆい以外にボコボコしている症状がある場合
・肘の内側がかゆい以外に〇〇な症状がある場合
「肘の内側がかゆい」症状が特徴的な病気・疾患
ここではMedical DOC監修医が、「肘の内側がかゆい」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、皮膚に慢性的な炎症を起こす病気で、主にかゆみ、乾燥、赤み、皮膚の発疹が起きることが特徴です。アトピー性皮膚炎は、皮膚バリアの障害や、アレルギー炎症を起こしやすいという遺伝的要因、環境因子などの要因が組み合わさって引き起こされます。
対処法について解説します。
- 保湿: 皮膚を保湿することが重要です。皮膚に刺激の少ない成分を選び、洗顔後や入浴後に保湿を行います。
- 抗アレルギー薬: かゆみが強い場合は症状を抑えるために、抗ヒスタミン薬を医師の指示に従って使用することがあります。
- ステロイド軟膏: 重度の症状の場合、医師が処方するステロイド軟膏を使用することがあります。ただし、顔面には可能な限り弱いステロイド軟膏を短期間使用するべきとされます。
アトピー性皮膚炎が考えられる場合には、まず皮膚科を受診して診断をつけてもらい、管理や治療の方法をしっかりと説明してもらうことが大切です。不適切な治療をしていると、症状が悪化する原因にもなります。そのため、かゆみや湿疹などの症状がある時は悩みすぎず、まずは皮膚科へ相談するようにしましょう。
あせも
あせもは別名で汗疹(かんしん)といい、汗が原因で皮膚に湿疹を起こしている状態です。
何らかの原因で汗の通り道がふさがれてしまい、汗が皮膚の外に出なくなることによって、皮膚の中に汗がたまることで起こります。汗をかきやすく、蒸れやすい場所などにぶつぶつができ、かゆみを伴います。暑く蒸れやすい夏場によく見られ、汗をたくさんかきやすい乳幼児はもちろん、大人でもよく見られる症状です。
通常のあせもは自然に治ることも多いのですが、炎症を伴ったあせもでは細菌の感染が合併することがあり、症状が悪化してしまう可能性もあります。
予防のためには、肌を清潔に保ち、通気性のよい衣服にするなどの対策が必要です。あせもを発症してしまった場合には、皮膚を清潔に保つスキンケアや市販の軟膏で改善する場合もあります。どのような薬を使ったら良いかわからないという場合は、まずは皮膚科に相談して治療をしてもらうことが大切です。
「肘の内側がかゆい」ときの正しい対処法は?
症状を落ち着かせるには手で掻いたり、こすったりせずにかゆみを我慢しましょう。掻くことで症状を悪化させることがあります。清潔な手でかゆみ部分を触らないようにし、感染を防ぎましょう。
かみについては軽度で一時的な場合は、保湿クリームやローションを使って保湿しましょう。症状が重い場合や続く場合は、医師に相談してください。
市販薬については使用する前に、かかりつけの医師に相談しましょう。特に、アレルギーがある場合や持病の薬との併用が心配な場合は医師に相談が必要です。
市販薬の例として抗ヒスタミン薬は、かゆみを軽減するのに効果的です。市販薬はラベルや添付文書、医師の指示に従い、正確に使用しましょう。過剰摂取を避けるために指定された量を守りましょう。
ストレスはかゆみを悪化させる要因となることがあります。リラックス法やストレス管理の方法を試してみましょう。
また、早く治したい場合や症状が長引く場合、悪化する場合は、医師に相談し、専門的な治療を受けることを検討しましょう。
最も重要なことは、かゆみの原因を特定し、適切な治療を受けることです。我慢しすぎずに、早めに医師に相談することが大切です。
「肘の内側がかゆい」症状についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「肘の内側がかゆい」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
ストレスが原因で肘の内側がかゆくなることはありますか?
中川 龍太郎(医師)
ストレスによって蕁麻疹が出現しかゆみが出ることがあります。また、ストレスは蕁麻疹以外にもいろいろな病気の原因になり得るので、ストレスによってかゆみが出ることもあるということを知っておくようにしてください。
肘の内側がかゆいのですが汗が原因でしょうか?
中川 龍太郎(医師)
いわゆる“あせも”の場合には汗が原因でかゆみが出ている可能性があります。しかし、それ以外にもかゆくなる原因があるので、自己判断をせずに医師に診断をしてもらうことが大切です。
肘の内側がかゆい時に市販薬を塗っても問題ないですか?
中川 龍太郎(医師)
症状が軽いうちは市販薬で自己処置をしても問題はないと考えられます。しかし、症状が長引く場合や悪化傾向にある場合には、無理をせずに皮膚科を受診して治療を受けることをお勧めします。
まとめ 肘の内側がかゆいときはあせもやアトピー性皮膚炎の可能性あり
肘の内側がかゆいときにはアトピー性皮膚炎や汗による湿疹である“あせも”が考えられます。適切に処置をすることで症状が早く良くなるので、症状がでてしまったら早めに皮膚科を受診して治療を受けるようにしましょう。
「肘の内側がかゆい」症状で考えられる病気
「肘の内側がかゆい」から医師が考えられる病気は4個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
肘の内側が痒い症状ですが、上記の疾患が考えられます。これまで紹介した自己処置で改善しない場合は、早めに医療機関を受診してください。
「肘の内側がかゆい」に似ている症状・関連する症状
「肘の内側がかゆい」と関連している、似ている症状は2個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
関連する症状
- 皮膚にぶつぶつができて痒い
- 赤いぶつぶつでかゆみがある
肘の内側が痒いという症状以外に、これらの症状が見られる場合もアトピー性皮膚炎やあせも、接触性皮膚炎の可能性があります。複数見られる場合は一度医療機関を受診してください。