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「首にニキビ」ができる原因とは?しこりのようなニキビも解説!

「首にニキビ」ができる原因とは?しこりのようなニキビも解説!

首にニキビがある時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

マイマイテイリ イマム

監修医師
マイマイテイリ イマム(新宿アイランド内科クリニック 院長)

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医師、医学博士。2009年新疆医科大学を卒業し、中国医師免許取得。2014年10月に血液悪性腫瘍の研究を志して、神戸大学大学院に入学。2019年3月に医学博士号と日本医師免許を取得。赤穂市民病院、亀田総合病院などを歴任後、2022年2月新宿アイランド内科クリニック院長に就任。内科全般の疾患を幅広く診療している。

「首のニキビ」で考えられる病気と対処法

痛いな、と感じて首筋やうなじを触るとそこに吹き出物があった。そんな時に、あなたならどう考えますか。どうやったら治るのか、本当でニキビでいいのか。いろいろな疑問が浮かぶと思います。この記事では「首のニキビ」で考えられる病気とその対処法について、読者の方の疑問に答えていきます。

首周り・輪郭周りにニキビがあるときに考えられる原因と治し方

ニキビは皮脂がよくでる脂漏部位と呼ばれる部位にできます。ニキビは毛穴の病気です。毛穴には脂腺と呼ばれる脂を出す役割の組織がくっついている構造になっています。ニキビができやすい部位は、年齢が上がるにつれて頬や顎、さらに進むと胸や背中など体の下側に移動していく傾向があります。そのため、首周り・輪郭周りにできるニキビは大人ニキビといわれます。

首に大量のニキビがあるときに考えられる原因と治し方

首に大量のニキビができている時は、強い炎症が起こっている可能性があります。炎症が強ければ強いほど、ニキビ跡といわれる痤瘡後瘢痕になりやすくなります。炎症が強いと痛みも感じることがあるでしょう。大量のニキビができた場合は、皮膚科への受診をお勧めします。

首にしこりのようなニキビがあり、押すと痛いときに考えられる原因と治し方

首にしこりのようなニキビがあり、押すと痛みを感じる場合には、炎症のある状態のニキビであると思われます。
そもそも、ニキビは炎症のある状態と炎症のない状態に分かれます。
炎症のないニキビは、目に見えない微小面ぽう、白ニキビや黒ニキビといわれる面ぽうがあります。その後症状が進み炎症のあるニキビは、赤ニキビといわれる紅色丘疹、黄ニキビといわれる膿疱になります。その後に先ほどの痤瘡後瘢痕というニキビ痕の状態になります。
炎症のある状態のニキビをご自身で対処しようとすると、痕になることがあるので、皮膚科で相談すると良いでしょう。

首のニキビがかゆいときに考えられる原因と治し方

首のニキビにかゆみを感じることがあります。ただ、意外かもしれませんが、基本的には、ニキビはかゆくないことが多いものです。
ニキビがかゆい場合は、毛包虫、別名でニキビダニといわれるダニの一種が原因である可能性があります。ニキビダニが原因の場合も、皮膚科で顕微鏡検査を行なってもらえば診断がつきます。目に見えない大きさのダニなので、ご自身では確認することはできません。
ニキビにかゆみがある他の原因としては、湿疹が肌荒れを引き起こし、周りの皮膚が盛り上がったり、毛穴が硬くなって、毛穴を塞いでしまっている状態です。その場合も、湿疹とニキビという2つの病気が混ざっているので、お肌の状態に合わせた適切な治療を選ぶ必要があります。

首の下部(喉仏・デコルテ周辺)や首の後ろ(うなじ・襟足)のニキビで考えられる原因と治し方

首の下部(喉仏・デコルテ周辺)や首の後ろ(うなじ・襟足)にニキビができることもあります。それぞれ場所によって、ニキビの状態が悪化する原因が異なります。
首の下部(喉仏・デコルテ周辺)にできる場合の多くは、汗を拭いたり、かいてしまったりすることが悪化する原因です。汗をかきやすい部位ではありますが、汗が出る汗腺という部位とニキビができる毛包は異なる部位です。そのため、汗とニキビは直接関係していないといわれています。冬はマフラーなどの衣服が刺激となって、乾燥と合わさって皮膚が荒れやすい状態になります。皮膚が荒れるとニキビはできやすくなります。
一方で、首の後ろ(頸・襟足)のニキビは、シャンプーやコンディショナーなどの洗い忘れが多い部分です。薬品が皮膚についたままでいると、ニキビができやすくなります。頭を洗う際は、皮膚を傷つけないように、優しく薬品を洗い流しましょう。

すぐに病院へ行くべき「首のニキビ」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

首にニキビがあり、発熱や関節痛などがある場合は、皮膚科へ

ニキビと一緒に発熱や関節痛など、他の体の症状がある場合は速やかに皮膚科を受診してください。ニキビで発熱や関節痛などは基本的には起こりません。そのような症状がある場合は、ニキビ以外の原因を考えなければいけません。ニキビに近い見た目をしている病気を挙げると、集簇性痤瘡・マラセチア毛包炎・酒さ・酒さ様皮膚炎・顔面播種状粟粒性狼瘡・汗菅腫・稗粒腫などです。実際にはこれらの病気であったとしても、皮膚科以外の診療科に受診すると、ニキビと診断されてしまうかもしれません。そのため、まずは皮膚科に受診して、他の科と連携のとれる総合病院に紹介状を書いてもらうことをお勧めします。

「首のニキビ」症状の特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「首のニキビ」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

皮膚がん

ニキビだと思っていたら、次第にニキビが大きくなってきた。見た目もニキビとはあまり似ていない。その場合は、皮膚がんの可能性があります。皮膚がんの場合は早めに治療を進めることが大事です。大きくなる前に早めに皮膚科を受診しましょう。

粉瘤(ふんりゅう)

粉瘤とは、皮膚の下にできる、アカが溜まった袋状の良性のできものです。基本的には手術でとることが、唯一の治療法です。放置していると、炎症によって痛みや赤みが出てくることがあります。

リンパ節腫脹

首のしこり、といった症状で来院される方が多いです。表面は普通の皮膚の色をしています。触ると、皮膚の下にできものがあります。かぜや虫歯などウイルスや細菌による感染症でも、リンパ節が反応して大きくなります。リンパ節のがんもありますので、心配であれば耳鼻科に受診したり、病院で超音波の検査を受けると詳しく調べることができます。

伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)

伝染性軟属腫ウイルスによるウイルス感染症です。ニキビとは見た目が異なり、中央に「へそ」のようなくぼみがあり、光って見えるブツブツが多発します。子供に多いですが、アトピー性皮膚炎や乾燥肌の人は大人になってもうつる可能性があります。

「首のニキビ」におすすめの対処法・市販塗り薬は?

ニキビ患者さんの行動を観察した興味深い研究があります。ニキビ患者さんの1/3が薬局で購入した薬でニキビに対処しました。スキンケアを心がける、自分でつぶす、睡眠を取るなどの対処をする患者さんが2割いました。皮膚科などの医療機関を受診しているのはたったの1割程度でした。
ニキビであると安易に考えて、市販の塗り薬を自己判断で使用するよりは、しっかり診断をつけるという意味でも皮膚科に受診することをお勧めします。その方がニキビ跡になる可能性も低いです。しかし、ニキビの数が数個であって、どうしても忙しくて皮膚科に受診できないときもあるでしょう。その際には、まず抗生剤や抗炎症作用がある市販の外用薬を試して、治らない場合には可能な限り早めに皮膚科での治療へ切り替えるのが良いと思います。

「首のニキビ」正しい予防法は?

セルフケアとして、規則正しい生活を心がけましょう。日常生活では、ストレスを溜め込まずによく睡眠をとることが重要です。入浴時には、ゴシゴシこすらずに、洗剤を優しく洗い流し、皮膚に薬剤が残らないようにしましょう。洗顔の頻度は、1日2回が理想です。
一般的にニキビが悪化しやすいイメージの食べ物は、チョコレート・脂っこい食事・ナッツ類などが挙げられますが、実はこれらの食べ物とニキビの関連性は明確ではありません。皮膚科学会が発表しているガイドラインでは、バランスの取れた食事を心がけることが推奨されています。
月経前にホルモンバランスの変化で、女性の75%は月経前にニキビが悪化します。月経前後でホルモンバランスが変化するのは正常の反応です。生理前にはニキビが悪化しやすいということを意識して、普段より多く休みをとり、規則正しい生活を心がけましょう。
ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンEなどがニキビの補助治療として、皮膚科でも使用されています。お近くの薬局でも販売しているので、サプリメントなどで摂取することでニキビの予防につながる可能性があります。
メイクをする場合は「ノンコメドジェニック」と記載している物を選ぶといいでしょう。ノンコメドジェニックとはニキビができにくいと証明された化粧品になります。マスクを外した後は、お肌が乾燥します。乾燥が毛穴の詰まりを引き起こすので、保湿を積極的に行ってください。保湿も油分が多いものよりも、水分に富んだものがおすすめです。

「首のニキビ」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「首のニキビ」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

首のニキビはできる場所によって原因が異なりますか?

マイマイテイリ イマムマイマイテイリ イマム 医師

ニキビは①皮脂の増加 ②毛穴の角化 ③アクネ菌の増殖が原因です。年齢によって出やすい場所は違いますが、場所によって直接的な原因が異なるということはありません。

首の後ろに大量のニキビができました。早く治す方法はありますか?

マイマイテイリ イマムマイマイテイリ イマム 医師

まずは触らないこと、潰さないことが大事です。「大量の」ニキビということなので、早めに皮膚科に受診してニキビの薬を処方してもらうといいと思います。

顎下の吹き出物が治りにくいです。皮膚科で治療できますか?

マイマイテイリ イマムマイマイテイリ イマム 医師

Uゾーンはマスクの刺激を受けやすい場所で、マスクを外した後に皮膚が乾燥するためにニキビができやすいです。場所に限らず、ニキビは皮膚科の病気ですので、跡を残さないためにもぜひお気軽に受診してみてください。

首にできるニキビの原因は、男性と女性で異なるのでしょうか?

マイマイテイリ イマムマイマイテイリ イマム 医師

首のニキビに限った話ではないのですが、思春期のニキビは多くの場合は性ホルモンの分泌が亢進することで起こります。大人ニキビは女性も男性も、男性ホルモンの影響で皮脂が増加することで生じやすいと言われています。女性の場合は、月経周期の影響も考えられています。

まとめ

首は衣服から肌が露出される部分です。人の目が気になり、手で触りやすい部位でもあります。自分の目では見えにくいので、お化粧やシャンプーやコンディショナーなどの落とし忘れも多くなります。数が少なければ、市販薬で様子をみてもいいかもしれませんが、早めに治療を開始することが跡になりにくいことがわかっています。炎症が強かったり、できものが大きかったりする場合は、数が少なくても皮膚科を受診すると良いでしょう。

「首のニキビ」で考えられる病気と特徴

「首のニキビ」から医師が考えられる病気は10個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

皮膚科の病気

市販薬で様子をみて改善する場合も多いのですが、早めに治療を開始することが痕になりにくいことがわかっています、炎症が強かったり、できものが大きかったりする場合は、皮膚科での相談をお勧めします。

「首のニキビ」と関連のある症状

「首にニキビ」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

「首にニキビ」の他に、これらの症状が見られる際は、「集簇性痤瘡」「マラセチア毛包炎」「汗菅腫」「皮膚がん」「粉瘤」「伝染性軟属腫」「口角炎」「口唇ヘルペス」「口唇カンジダ」などの病気の存在が疑われます。なかなか治らない場合は、早めに医療機関への受診を検討しましょう。

この記事の監修医師