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「顎にニキビ」ができる原因とは?しこり・繰り返す・治らない原因も解説!

「顎にニキビ」ができる原因とは?しこり・繰り返す・治らない原因も解説!

顎にニキビがある時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

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大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

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「顎のニキビ」で考えられる病気と対処法

顎のラインや口の下にニキビなどの吹き出物やしこりを認めて痛くてかゆい、あるいはブツブツが出来て肌荒れした経験などはありませんか。
顎周りや顎下部は目立つので、ニキビができると気持ちが憂うつになりますね。
また、ニキビ自体やニキビ跡などが気になってしまい、ついつい触ってしまうために、患部が治らない、あるいはひどい症状を繰り返すこともあります。
ここでは、顎にできるニキビの原因疾患や、即効性のある食べ物や薬の対処法などについて紹介していきます。

顎にニキビがあるときに考えられる原因と治し方

顎にニキビがあるときに考えられる原因疾患は、「皮脂の詰まり」です。
基本的に、顎周辺の皮膚は汗腺が少ないので、乾燥しやすい場所であり、その一方で皮脂腺が多く存在するため、皮膚の水分不足を補うために皮脂分泌が過剰になる結果、毛穴などに皮脂が詰まり、ニキビができやすくなります。
万が一、顎にニキビができた場合には、乾燥を改善するために保湿剤を塗布しましょう。
顎のニキビが治りづらくて悪化するような場合は、皮膚科を受診してください。

顎のニキビが痛いときに考えられる原因と治し方

顎のニキビが痛いときに考えられる原因は、「皮膚への物理的刺激」です。
昨今のコロナ禍で長時間マスクを着用することで生じる顎の皮膚摩擦による刺激でも顎周辺にニキビが発生して悪化する場合が想定されています。
顎のニキビが痛い際には、顎周囲の皮膚に物理的な刺激を与える動作などを控えて、マスク着用をしなくても良い状況ではなるべくマスクを外すように意識しましょう。
症状が悪化すれば、皮膚科を受診してください。

顎のニキビがかゆいときに考えられる原因と治し方

顎のニキビがかゆいときに考えられる原因は、「紫外線」が挙げられます。
ニキビの原因菌と認識されているアクネ菌は、肌に常在していてポルフィリンと呼ばれる代謝物を産生しますが、このポルフィリンに紫外線があたると、大量の活性酸素が発生してニキビ自体の炎症を悪化させることが知られています。
顎のニキビがかゆい際には、日々の紫外線対策が非常に重要なポイントであり、サンバイザーや日傘などを上手に活用しましょう。
万が一、顎のニキビが増加してかゆみがひどくなった場合には、皮膚科を受診して相談するように心がけましょう。

顎にしこりのようなニキビがあるときに考えられる原因と治し方

顎にしこりのようなニキビがあるときに考えられる原因疾患としては、「粉瘤」が挙げられます。

粉瘤(アテローム)

粉瘤というのは、本来であれば自然と剥脱する皮膚の垢(あか)成分である角質や皮脂が、皮膚の下にある袋状の内部に貯留して形成されたでき物をいいます。
粉瘤に対する治療は、手術処置によって形成されている腫瘤を取り除くことが基本です。
症状を放置したままで自然に治癒することはほぼ無いため、腫瘤が小さい段階で皮膚科を受診して対応してもらうことが肝要です。

顎のニキビがなかなか治らない症状で考えられる原因と治し方

顎のニキビがなかなか治らない症状で考えられる原因としては、「睡眠不足」が挙げられます。
寝不足など不規則な生活習慣によって自律神経が乱れると、ホルモン分泌にも影響を及ぼすことが知られています。
ホルモン分泌異常に関連した病気の一つには多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)が挙げられ、本疾患では体内の男性ホルモンが多くなりすぎて、角質層が厚くなる変化に伴って毛穴が詰まりやすく、皮脂が過剰に分泌されて顎にニキビを発生させやすくなります。
顎のニキビがなかなか治らない場合は、規則正しい生活を送るように心がけましょう。
ニキビが治りにくい(難治性)場合や繰り返す(症状が継続する)場合は、ホルモン分泌異常などが潜在している可能性がありますので、婦人科を受診してください。

顎のニキビが繰り返しできるときに考えられる原因と治し方

顎のニキビが繰り返しできるときに想定される原因として大きな影響を与えるのが、「ホルモンバランスの乱れ」です。
特に、40代以降の中年女性では月経などで常にホルモンバランスが変化しており、不規則な生活が続くと自然と顎にニキビが形成されやすくなると考えられます。
顎に繰り返しニキビが出来る場合は、規則正しい生活を送るように心がけましょう。
ニキビが治りにくい(難治性)場合や繰り返す(症状が継続する)場合は、皮膚科を受診しましょう。

すぐに病院へ行くべき「顎のニキビ」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

顎に白ニキビや赤ニキビが認められる場合は、皮膚科へ

ニキビは、主に、白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビの3種類に分類されており、その中でも白ニキビは、毛穴に皮脂が詰まった初期段階で認められるニキビのタイプです。
さらに、毛穴に詰まった皮脂などによってアクネ菌を始めとするさまざまな皮膚常在菌が繁殖すると、患部に炎症が惹起されて赤ニキビに移行することが知られています。
顎に白ニキビや赤ニキビが出現している際には、速やかに皮膚科へ受診されることをおすすめします。

「顎のニキビ」症状の特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「顎のニキビ」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

粉瘤(ふんりゅう)

粉瘤とは、皮膚に袋状の構造物が形成されて、その袋の内部に脱落した皮膚の角質や皮脂が貯留して徐々に拡大した病変を指しています。
細菌が侵入して患部が化膿すると赤く腫れあがって、痛み症状を伴うこともあります。
基本的な治療は、手術による腫瘍の切除です。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

多嚢胞性卵巣症候群は、卵巣で健常より多くの男性ホルモンが分泌されることで卵胞の成熟に通常よりも時間がかかり、排卵しにくくなる状態を指しています。
この疾患では、月経周期が不規則になるなどの月経異常の症状が引き起こされますし、男性ホルモンが多く分泌されることで、ニキビが増えるなど全身にさまざまな影響を与えます。
治療は、症状や妊娠希望の有無など個々のケースに応じて生活指導、薬物治療などを実践します。

「顎のニキビ」におすすめの対処法・市販塗り薬は?

顎のニキビに対して日々のセルフケアのみで対処しきれない場合、あるいは早期的に完治を目指したい際には市販塗り薬を上手に用いて皮膚科で治療を受けるのがお勧めされます。特に、皮膚の炎症を抑えて菌を抑制する効果を有するゲンタシン軟膏Ⓡ、肌のターンオーバーを整えるヒルドイドソフト軟膏Ⓡなどの外用薬を使用すると症状緩和が期待できます。
塗り薬でも、肌が弱い人や湿疹がひどい場合、医薬品などでアレルギー症状を起こした既往を有する際には、市販薬を使用するときに厳重な注意が必要ですので薬剤師などに相談しましょう。
また、顎のニキビを改善するには、ビタミンB2を代表とするビタミンB群も重要であり、活性型ビタミンB2を最大量に配合しているサプリメントであるチョコラBBプラスⓇを摂取することで、しつこいニキビ症状をケアしてくれます。
自己流でニキビを潰す行為は皮膚刺激となって細菌感染を惹起して病原体を繁殖させやすくするので安全ではないことを認識する必要があり、ニキビを原則として潰さない、そして出来るだけ触らないことがニキビを治癒させる近道となります。

繰り返しできる「顎のニキビ」正しい予防法は?

顎のニキビに対する対策で重要なことは、ホルモンバランスを整えて、日々の生活においてストレスを感じないように、十分な睡眠を確保することが重要な観点です。
ビタミンB2は皮脂の分泌を抑える機能を有していますので、ビタミンB2を豊富に含有する納豆やレバーなどを積極的に取り入れることをおすすめします。
乾燥しやすい顎のスキンケアでは保湿処置が重要であり、洗顔した後は化粧水などでしっかり肌にうるおいを与えることで肌の保護機能が整備されてニキビが形成されにくい体質となります。
マスク自体が肌荒れやニキビを作る直接的な原因となっているのではなく、自分に見合っていないマスクを着用するなど誤った使用方法によって肌環境を悪化させてしまうことを再認識しておきましょう。
メイクで毛穴をふさいで汚れが残った状態をそのまま放置すると、ニキビが悪化する懸念がありますので、帰宅後はなるべく早くメイクを落として確実に洗顔するように心がけましょう。

「顎のニキビ」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「顎のニキビ」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

しつこいあごのニキビに即効性のある治し方はありますか?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

顎にできたしつこいニキビを悪化させずに早期に治癒させるためには、患部を清潔に保持して日常的に保湿作業を実践することが肝要です。

顎のニキビは美容皮膚科でも治療出来るのでしょうか?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

顎のニキビは美容皮膚科でも対応する事ができます。美容皮膚科では、ニキビを作る原因の検索から、炎症性ニキビの治療、ニキビ跡に対する美容的観点からの治療など個々のケースで皮膚状態に応じて、治療方法を判断してサポートしてくれます。

顎のニキビは、男性と女性で原因が異なるのでしょうか?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

ニキビが発症するメカニズムは男女でほとんど同様ですが、男性と女性でニキビが出来る原因は若干異なることもあります。男性ニキビの場合は、男性ホルモンの影響を受ける思春期に増えやすい特徴があり、女性ニキビは、月経周期を含めた生活リズムや日々の化粧などが影響してニキビができやすいと言われています。

あごにニキビができやすいのはマスクが原因でしょうか?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

同じマスクを長時間かけて装着し続けると、マスクの中が蒸れて細菌が繁殖しやすい環境を人為的に作ってニキビが顎に出来やすくなるので、皮膚環境を悪化させないためにも清潔なマスクを着用してこまめに交換することが重要です。

あご周りに繰り返しできる痛い吹き出物は薬で治療できますか?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

一般的にニキビが繰り返して顎周辺に出来る場合には、軽症から中等症までは塗り薬で対応できますが、痛みを自覚するニキビが顔の片側だけで6個以上多数存在する際やニキビがひどく化膿している場合には、ニキビ専門の皮膚科などに受診しましょう。

まとめ

顎のニキビは生活習慣の乱れ、過剰な精神的・身体的ストレス、間違ったスキンケア、ホルモンバランスの異常などさまざまな要因が影響することによって引き起こされます。
症状が悪化する場合は、皮膚科や婦人科などに相談して受診しましょう。

「顎のニキビ」で考えられる病気と特徴

「顎のニキビ」から医師が考えられる病気は3個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

皮膚科の病気

  • 尋常性ざ瘡(にきび)

婦人科の病気

顎のニキビの原因には、生活習慣の乱れやホルモンバランスの異常などさまざま考えられます。

「顎のニキビ」と関連のある症状

「顎のニキビ」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

「顎のニキビ」の他に、これらの症状が見られる際は、「粉瘤」「多嚢胞性卵巣症候群」などの病気の存在が疑われます。
痛みがひどい場合やなかなか治らない場合は、早めに医療機関への受診を検討しましょう。