鼻の横押すと痛い
鼻の横を押すと痛いときはどんな病気の可能性があるの?放置してはいけないのか、病院受診が必要なのかなど、気になる気になる原因や対処方法をMedical DOC監修医が紹介します。
監修医師:
村上 友太(東京予防クリニック)
脳神経外科専門医、脳卒中専門医、抗加齢医学専門医。日本認知症学会、日本内科学会などの各会員。
「鼻の横を押すと痛い」場合に考えられる病気と対処法
鼻の横を押すと痛いときには、腫れていたり赤みが強くなっていたりし、鏡を見るたびに心配になる方も多いでしょう。歯茎が浮いた感じする、鼻閉感が強かったりなどの違和感が強いと原因がわからないと不安になりますよね。そのような悩みを解決するためにも、それぞれの症状を詳しく見ていきましょう。
鼻の横を押すと片方だけに痛みを感じる場合の原因と治し方
鼻の横を押すと痛みがでる、黄色い鼻汁がでる、鼻汁が喉のおくに垂れてくるなどの症状が当てはまります。
このような症状の場合、急性副鼻腔炎や慢性副鼻腔炎が疑われます。
急性副鼻腔炎は、ウイルス感染の場合には2週間以内で自然に治りやすく、細菌感染の場合には発熱が続き、痛みが強く、自然治癒が難しくなります。急性副鼻腔炎が長引いたり繰り返されたりして、3ヶ月以上症状が続く慢性副鼻腔炎といいます。副鼻腔炎の多くは両側性に起こりますが、片側だけに痛みが起こる場合には、上顎洞がんなどが隠れていることもあり、注意が必要です。
自分で対処するにはゆっくりと鼻をかみ、鼻水を押し出すようにしましょう。改善が見られない場合は、耳鼻咽喉科を受診しましょう。
鼻の横と歯茎に押すと痛みがある場合の原因と治し方
鼻の横を押すと痛いときに、歯や歯茎も痛むことがあります。
このような症状の場合、歯性上顎洞炎が疑われます。鼻の近くにある上顎洞と歯は非常に近い場所にあるため、歯周病や虫歯を放置しておくと炎症が波及します。歯性上顎洞炎は、片側性に起こることが多いといわれます。市販の痛み止めを使うことで一時的には効果がありますが、歯科・口腔外科を受診し、原因を突き止めて治療をおこなう必要があります。
鼻の横にしこりや腫れがあり、押すと痛みを感じる場合の原因と治し方
鼻の横に数mm程度のしこりがある、ブツブツしている、腫れている、押すと痛いなどの症状が当てはまります。
このような症状の場合、粉瘤 (表皮嚢腫、アテローム)やニキビが疑われます。
粉瘤は、皮膚の一部が変化し袋状になり、その袋のなかに古い角質や皮脂がたまることで発症します。痛みなどもなくでき、押すと痛い場合などが主ですが、時に炎症を伴い赤くはれます。
内部にたまった膿を排出させなければ症状は改善しません。ただ、感染しなければ痛みもないことが多く良性疾患であるため、放置でも構いません。
にきびとは、皮脂が毛穴につまり、炎症を起こし赤くはれ、さらに炎症が進むと膿がたまり黄色く腫れます。原因となるアクネ菌は常在菌でどこにでもいますが、毛穴のなかはアクネ菌が増えやすい低酸素状態なため増殖します。
大きくなってきた場合、赤く腫れ炎症が起きた場合などは手術や抗生剤による治療も検討されます。皮膚科を受診するようにしましょう。
鼻の表面や鼻の穴を入ったすぐのところに痛みがある場合の原因と治し方
鼻の表面や鼻の穴を入ったすぐのところに、どんより重いいたみを感じたり、つーんと痛んだり、触ると痛みが生じたりすることがあります。
このような場合は、鼻前庭炎やニキビや吹き出物、皮膚感染症などによって生じる痛みが考えられます。
鼻前庭炎は、鼻の入口付近の内側にある鼻前庭が炎症を起こす病気です。鼻をよく触ったりほじったりすることが主な原因で細菌感染が起こると言われています。鼻毛を抜いたり、切った際に毛根が炎症を起こしたり、埋没した鼻毛が原因で痛みや腫れが生じることもあります。また、鼻の皮脂腺が詰まって吹き出物やにきびができることがあります。
治療法は、抗菌薬などの薬物治療が有効です。自分でできる対応策は鼻を清潔に保つことであり、余計な刺激を与えないようにすることが重要です。
炎症の程度がひどくなると痛む範囲も広がるため、早めに耳鼻科で相談することをお勧めいたします。
すぐに病院へ行くべき「鼻の横を押すと痛い」症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
赤みがある、強い痛みがある場合は、皮膚科へ
鼻の横を押すと痛みがあり、その部位を中心として顔がむくんでいたり、若干赤みがあるような症状が当てはまります。
このような症状の場合、丹毒や蜂窩織炎が疑われます。丹毒や蜂窩織炎は真皮や皮下脂肪といった皮膚表層の細菌感染症で、2-3日で急激に発症・悪化します。局所の熱感や紅潮があることが多く、押すと痛みがあります。
自宅でできる処置は冷却であり、痛みの緩和が望めますが、治療には皮膚科を受診し、抗菌薬の内服や点滴による治療が必要です。
「鼻の横の痛み」が特徴的な病気・疾患
ここではMedical DOC監修医が、鼻の横を押すと痛い症状が特徴の病気を紹介します。
どのような痛み方なのか、鼻の他に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
ニキビ(尋常性ざ瘡)
にきびは、皮膚の慢性炎症性疾患として考えられています。皮脂の分泌が多い毛穴に皮脂がたまり、アクネ菌に感染することで発症します。毛穴が閉じて皮脂がたまると白くなり、毛穴が開くと黒ずみのあるにきびになります。炎症が進むと発赤や腫脹が出現し痛みも生じます。炎症が消えても痕が残ることもあります(陥凹性瘢痕)。ニキビをいじったり潰したりするのは、治りにくくなる原因となります。市販薬だけでなく皮膚科を受診し、適切な治療を受けることが望ましい病気です。
副鼻腔炎
副鼻腔炎は、鼻の周囲にある副鼻腔という空間に感染することでおこります。特に上顎洞という大きな空間に感染することが多いといわれています。
鼻を押すと痛む、膿性鼻汁が止まらない、などの症状が特徴的です。主な診療科は、耳鼻咽喉科です。抗菌薬の内服や点鼻薬、漢方薬などで治療することになります。難治性の場合には手術も検討されるため、発熱が続いたり痛みが強い場合には、早めに受診することをお勧めします。
細菌感染
細菌感染症によって鼻の横の痛みが生じることがあります。代表的な病気としては、丹毒や蜂窩織炎が挙げられます。これらは、溶連菌などの感染で起こる皮膚の感染症で、厳密に区別することは難しく、同様に扱われることが多い病気です。抗菌薬で治療されますが、抗菌薬に耐性をもっている場合などは治りづらく、また病気を繰り返す場合もあります。皮膚科を受診してしっかりと治療することが必要です。
鼻前庭炎
鼻前庭炎は、鼻の入口付近にある鼻前庭という部分が炎症を起こす病気です。主な原因は細菌感染であり、鼻を頻繁に触る習慣や、鼻をほじる習慣がある人に多く見られます。
鼻の入口の痛みや腫れ、赤みなどの症状が現れます。
治療法は鼻を清潔に保つことと、抗生物質の塗り薬や内服薬が用いられます。鼻を頻繁に触ったりほじったりすることは避けるべきです。炎症が強い場合や膿がたまっている場合は切開排膿が必要になることもあります。鼻の横を押すと痛い場合は、炎症や感染が周囲の組織にも広がっている可能性があり、早めに耳鼻科への受診を検討するのが良いでしょう。
「鼻の横を押すと痛い」ときに使用しても良い市販薬は?
副鼻腔炎では漢方薬も効果が認められており、軽症であれば市販薬でも治る可能性があります。ただし、発赤や腫脹が強い場合には、市販の鎮痛薬では十分な効果がないこともあります。
抗菌薬を含む塗り薬は市販でも購入可能ですが、多くの場合は効果が不十分です。
虫歯が原因である場合、細菌感染症である場合など、根本の原因治療をしなければよくならないため、長期間にわたって市販薬を継続せずに、医療機関を受診することが良いでしょう。
「鼻の横を押すと痛い」症状で考えられる病気と特徴
考えられる病気は7個ほどあります。
各病気の詳細はリンクからご覧ください。
鼻や副鼻腔に特有の炎症を起こす病気
抗菌薬で治ることが多いのですが、慢性化すると治りづらくなります。
- 急性副鼻腔炎
- 慢性副鼻腔炎
- 歯性上顎洞炎
腫瘍に伴う炎症が起きている場合
副鼻腔炎の治りが悪い場合や、片側だけ鼻の横の痛みがある場合には疑う必要がある病気です。
- 上顎洞がん
皮膚科の細菌感染症
- 丹毒
- 蜂窩織炎
- 尋常性痤瘡
まとめ
鼻の横を押すと痛い疾患には、緊急性が高い病気は少なく、過度に心配する必要はありません。ただし、適切な治療を受けなければ症状が長引くだけでなく、難治性となる可能性があります。気になる症状が改善されなければ早めに医療機関を受診することをお勧めまします。