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「魚の目」ができる原因はご存知ですか?対処法も解説!【医師監修】

魚の目は、強い痛みが伴うこともある病気です。経験したことのある人は多いのではないでしょうか。

魚の目ができる原因は何か気になっている人も多いでしょう。また、万が一できた時に、ご自分で治療できるのかなど気になっているのではないでしょうか。

そこで本記事では、魚の目ができる原因について解説します。

魚の目ができやすい場所・似た病気との違い・治療方法・ご自分で治療できるのかも解説しますので、参考にしてください。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

魚の目ができる原因

医師
魚の目ができる原因には、さまざまなものが考えられます。単純に靴のサイズが合わないだけで、できるわけではないのです。適切な対処をするためにも、正しい原因を把握しましょう。ここでは、魚の目ができる原因についてご紹介します。

靴が合っていない

魚の目ができる原因の1つが、靴が合っていない点です。具体的な例としては、ヒールの高いタイプ・つま先の細いタイプ・靴底が薄いタイプの靴が魚の目を引き起こす靴に挙げられます。
これらの靴は、足の指や足底に圧が集中しやすくなる靴です。このような靴を普段から長時間履いていると、過剰な圧力・摩擦・剪断力(せんだんりょく)などが働いてしまい、内部を守るために一部分だけ角質が盛り上がって魚の目を作ります。

角質の蓄積

角質の蓄積も魚の目ができる原因の1つです。角質の蓄積は、先述したような合わない靴によっても引き起こされますが、乾燥によっても発生します。特にかかとなどの特定の場所は角質の蓄積を起こしやすく、魚の目を発症しやすいです。
また、かかとは皮脂腺がない構造のため、乾燥によってひび割れたり分厚くなったりといったトラブルが起きやすい場所です。角質の蓄積や乾燥が続いている皮膚は新しい皮膚へのターンオーバーが乱れやすく、魚の目ができる可能性を高めてしまいます。

糖尿病

糖尿病を発症していることが関係して、糖尿病性足病変の1つとして魚の目を発症することもあります。糖尿病になると、足の血流が悪くなり、足元の冷えやしびれを感じるなどの症状が現れます。
すると、足が靴で刺激を受けているなどに気づけない可能性があるのです。気づかないうちに魚の目だけでなく、傷・腫れ・水虫・足の変形などを発症していることもあります。糖尿病による知覚神経の悪化によって発症する可能性があるため、注意が必要です。

魚の目ができやすい場所

走る人
魚の目の原因についてご紹介しました。それでは、魚の目ができやすい場所はどこなのでしょうか。実は、魚の目ができやすい場所はある程度決まっています。ここでは、できやすい詳細な場所を理由とともにご紹介します。

指の間

魚の目ができやすい場所の1つが、指の間です。これは、先述したように合わない靴を使っているためです。特に先端がとがって細い靴を履いている場合などは、各指の間が擦れてしまいます。
そのため、指の間の魚の目ができやすくなってしまうのです。

足の裏

足の裏も魚の目ができやすい場所です。足の裏の中でも特にできやすい場所が、小指の付け根・中指の付け根・親指の付け根・親指の側面が挙げられます。
小指の付け根にできる理由は、がに股・O脚・外反母趾など歩行の仕方に関わる理由が挙げられます。中指の付け根にできる理由は、主にかかとの高い靴を履いている影響です。体重が加わって強い力がかかるためにできてしまいます。親指の付け根も同様の理由でできやすいです。親指の側面は、歩行時の重心位置・O脚・外反母趾などが理由に挙げられます。歩行時の重心位置については、親指側にかかってしまっているためです。

かかと

かかとも魚の目ができやすい場所の1つです。かかとの場合は、サイズの合わない靴や先述したような乾燥やターンオーバーの乱れなどが理由に挙げられます。
体重がかかり強い力がかかってしまうために角質が蓄積してしまい、乾燥やターンオーバーなどの理由も重なることで、魚の目ができてしまうのです。

似た病気との違いは?

悩む女
魚の目は足に痛みを伴いますが、見た目が似たような病気としてたこいぼがあります。
どちらも同じような見た目ではありますが、何が違うのでしょうか。ここでは、たこといぼなどの似た病気との違いについてご紹介します。

たことの違い

魚の目とたこは、どちらも多角化性病変と呼ばれる病気の1つであり、強い圧力や摩擦などを受けて内部を守るために角質が厚くなったものです。
しかし、構造が異なっているため、痛みなどで大きな違いがあります。魚の目の場合、深部に向かって円錐状に角質が形成されています。そのため、中央には芯状のものが見えており、角質が厚くなると痛みが伴うことが多いです。これは、皮膚組織や神経などを圧迫するためです。歩くなどの刺激で強い痛みを感じることもあるでしょう。
一方、たこの場合は痛みがほとんどありません。角質が表面方向に広がる形状であり、魚の目などのように神経などを圧迫していないためです。痛みの有無でたこと魚の目の違いを見分けられるでしょう。

いぼとの違い

いぼと魚の目の違いは、ウイルス性であるかどうかです。魚の目は角質が厚くなってしまったものですが、いぼはウイルスを原因として発症します。
傷のある皮膚の中にウイルスが感染してしまい、表皮核細胞で増殖することで発症するのです。魚の目同様に痛みがあり、削ると点々とした出血がある点も特徴に挙げられます。

魚の目の治療方法

悩める医師
魚の目の治療方法としては、次のようなものが代表的です。

  • スピール膏やカミソリなどで芯の除去
  • 外科手術
  • レーザー治療
  • 冷凍凝固療法

一般的には、スピール膏と呼ばれる角質剥離剤を使用して、カミソリなどで芯を除去する方法が行われます。しかし、サイズが大きく重度の魚の目の場合には、外科手術によって治療されることもあります。患部に麻酔を行い、切開して芯を取り除く方法です。
レーザー治療は、重度の魚の目や化膿などしている場合に行う治療方法です。局所麻酔後に、炭酸ガスレーザー等を用いて芯を焼き切ります。冷凍凝固療法は、衛期待窒素で皮膚を凍らせて壊死させることで、魚の目を取り除く方法です。症状の度合いや治療方法によって施術期間や回数が異なるため、医師と相談しながら治療を進めましょう。

自分で治療できる?

魚の目シール
魚の目は市販の薬を使うことでご自分でも治療できます。市販薬には軟膏タイプ・液体タイプ・絆創膏タイプとさまざまです。軟膏や液体タイプの場合、定期液に患部に薬を塗って治療を進めます。絆創膏タイプは数日間貼り付けてふやかし、その後柔らかい状態にして魚の目を除去する方法です。
しかし、ご自分で除去する場合には注意点もあります。まず、清潔にして正しい治療を行わなければ悪化してしまう点です。雑菌が入るなどで悪化する場合があるのです。
さらに、再発する可能性もあります。そのため、ご自分での治療は軽度の魚の目の時だけにしておきましょう。また、魚の目といぼをきちんと見極める必要がある点にも注意しましょう。魚の目といぼはよく似ており、いぼにも関わらず魚の目だと思い込んで治療をするといぼが増える可能性があります。

魚の目で病院へ行くタイミング

看護師
病院へ行くタイミングとしては、市販薬を使ってもなかなか魚の目が改善されない場合や、再発した場合が挙げられます。魚の目はご自分でも治療は可能ですが、重症化させないためにも病院へ行くタイミングを押さえておくことが大切です。

まとめ

白い靴
魚の目は、強い痛みを伴うこともあるため、歩行も大変になってしまう可能性があります。たこやいぼだと思い込んでいて、治療が遅れることのないようにしましょう。

また、ご自分での治療は不可能ではありませんが、正しい治療を行う必要があります。間違った治療や不衛生な状態では、感染症など別の病気を引き起こす可能性があるためです。

少しでも異変を感じた場合には早期治療のためにも、自己判断で治療するだけでなく、専門の医療機関を受診しましょう。

この記事の監修医師