「キーンとした耳鳴りがずっと続く」のは「突発性難聴」が原因?医師が解説!
突然耳からキーンという音が聞こえてきたことがある人も多いのではないでしょうか。仕事中や家にいる時、いつどこに居ても耳鳴りは突然やってきます。
本記事ではそんな耳鳴りが起こる原因や耳鳴りが起こったときに考えられる病気、そして耳鳴りの治し方についてご紹介します。
今まで見過ごしてきた耳鳴りも、何らかの病気が隠れている場合もあるので、普段から耳鳴りに悩まされている方は特に最後までご覧になってください。
監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)
キーンとした耳鳴りがずっと続く原因は?
まずは、耳鳴りはどんなことが原因で引き起こってしまうのでしょうか。今現在、耳鳴りで悩まされている方はこれらの要因を取り除くことで改善されるかもしれません。
下記の要因が当てはまっていないか1つ1つ確認してみましょう。もし、当てはまっているのならばその原因を見直して耳鳴りを改善していきましょう。
ストレス
まず1つ目の原因はストレスです。ストレスは身体に様々な変化をもたらします。そしてストレスは自律神経の乱れを引き起こしてしまいます。
自律神経の乱れがストレスによって起こっているのならそのストレスを排除する必要があるでしょう。自分ではストレスを溜めているつもりはなくても、知らず知らずのうちに溜め込んでしまっている場合もありますので適度にストレス発散をすることをおすすめします。
睡眠不足
次に2つ目の原因は睡眠不足です。まず、睡眠不足が続くと自律神経の乱れが生じてしまいます。
上記でも記載したように、自律神経の乱れが睡眠不足なら改善する必要があります。そして、仮に睡眠時間がある程度確保できていても耳鳴りは起こる場合があり、例えば睡眠の質が悪い場合も耳鳴りを引き起こしてしまう可能性があります。
自分に枕が合っていなかったり、寝る前にスマートフォンを見てしまったりすると睡眠の質は下がってしまうでしょう。心当たりのある人はまず良い睡眠がとれるように心掛けてみましょう。
自律神経の乱れ
そして3つ目の原因は自立神経の乱れです。自律神経の乱れは様々なことが原因で引き起こされます。
強いストレス・生活リズムの崩れ・疲労などが原因ですが、自律神経が乱れると交感神経が優位になり血管が収縮してしまうのです。血管が収縮してしまうと耳周りの血行が悪くなり、耳鳴りを引き起こしてしまいます。
自律神経が乱れていると自覚のある方は、少しずつ改善していきましょう。そして、自律神経の乱れは耳鳴り以外の症状も誘発してしまうので、自律神経が乱れていると身体に様々な影響が出てしまいます。
できるだけ自律神経を整えれるようの生活リズムなどを見直していきましょう。
冷え
最後の原因は冷えです。身体の冷えは血行が悪くなってしまうため、耳鳴りを引き起こしてしまいます。元々、冷え性の方はもちろん身体を冷やさないようになるべく体を温めるように心がけましょう。漢方などを服用して身体を温めることもおすすめです。
キーンとした耳鳴りがずっと続くときに考えられる病気・疾患
耳鳴りには様々な原因がありましたが、それらの要因を取り除いても改善されない場合は病気や疾患が考えられます。キーンとした耳鳴りがずっと続く方は何らかの病気の可能性があります。
症状のある方は、医療機関に受診することをおすすめいたします。ここでは、耳鳴りが続く場合に考えられる病気を3つ紹介しますので、是非最後までご覧になってください。
メニエール病
まず、メニエール病です。メニエール病はストレス・睡眠不足・疲労が原因です。この病になると、内耳のリンパが増えてしまい、水ぶくれのような状態になります。
症状は、激しいめまい・嘔吐・難聴・耳鳴りなどの症状が発生し、特に激しいめまいが、10分以上続いたり難聴の症状が出ることが特徴です。この病気は特に30代から多くなるといわれており、女性が多いとされていました。
しかし、男性でももちろん起こりうる可能性があります。耳鳴りを呈することはあまりありませんが、これらの症状がある方は一度、医療機関に受診することをおすすめいたします。
突発性難聴
次に突発性難聴の可能性が考えられます。突発性難聴は名前の通り突発的に片耳の聞こえが悪くなってしまったり、全く聞こえなくなってしまう方もいる病気です。
突発性難聴の原因ははっきりと解明はされていません。ただ、症状として耳鳴り・めまいなどの症状が出るため耳鳴りが止まない方は注意しましょう。突発性難聴は放っておくと、聴力が戻らなくなってしまうため疑わしい症状があれば必ず受診しましょう。そして突発性難聴は、特に働き盛りの40代から60代の方が多く発症するといわれています。
老人性難聴
最後は老人性難聴という病気です。この病気は1番身近な病だと感じる方が多いかもしれません。
人間の聴力は20代がピークとされています。その後は徐々に聴力というのは衰えてしまうのです。老人性難聴とは内耳の細胞の減少や機能低下によって聞こえにくくなってしまいます。
特に言葉の聞き取りが難しくなる等の、様々な特徴がある病です。両耳の進行具合が同じということが多いため、老人性難聴の方は補聴器などを使って生活する方が多いです。そしてこの老人性難聴は、歳を重ねていく上で誰でもが発症する可能性があります。
これを防ぐには、適度な運動をするなどの健康的な生活をすることが大切になってきます。この病は突発的に聞こえにくくなったりはせず、徐々に聞こえなくなるのでご自身の症状に思い当たる節がある方は、医療機関に受診しましょう。
キーンとした耳鳴りの治し方
キーンとした耳鳴りで悩まれている方は、すぐ治したいと思われるはずです。そして耳鳴りをすぐ治すには、ツボを押したりマッサージをするなどといった方法があります。
ただ、それらは一時的な物も多く根本的に改善するには、やはり耳鳴りの原因を取り除く必要があるでしょう。上記で紹介したような原因が1つでもあるのなら、まずはそれらを意識しながら生活していきましょう。
もしかすると、病気が隠れていたという可能性もあるのでなるべく早めに医療機関に受診し、治療をして根本的に治してもらいましょう。仮に病気ではなかった場合でも、専門医に相談し適切な処置を教えてもらってください。
キーンとした耳鳴りがずっと続くときの受診の目安は?
少し身体を休ませたり、耳鳴りの原因と考えられるものを改善しても、なかなか耳鳴りが治まらない場合はすぐに医療機関に受診しましょう。なぜなら上記でもお伝えしたように、例えば突発性難聴の場合だと症状が出始めて、放っておくと聴力が元に戻らなくなってしまいます。
そして、その期間は大体1〜2ヶ月です。なるべく早期発見できて、治療を行えるよう疑わしい症状があれば専門医に相談しましょう。そのため耳鳴りがずっと続くようなら、1日でも早い受診をおすすめいたします。
受診が遅れて、手遅れになってしまわないためにも早め早めの行動が大切です。
すぐ病院に行ったほうが良い「キーンとした耳鳴りがずっと続く」の症状は?
キーンとした耳鳴りがずっと続くことを自覚した場合には、難聴の状態になっている可能性もあります。救急受診をする必要はありませんが、早めの病院受診を検討しましょう。
行くならどの診療科が良い?
主な受診科目は、耳鼻咽喉科です。
問診、診察、聴力検査、画像検査(CT、MRI)などを実施する可能性があります。
病院を受診する際の注意点は?
持病があって内服している薬がある際には、医師へ申告しましょう。
いつから症状があるのか、めまいや聞こえづらさなど、他にも気になる症状があるのかを医師に伝えましょう。
治療をする場合の費用や注意事項は?
保険医療機関の診療であれば、保険診療の範囲内での負担となります。
まとめ
この記事では、耳鳴りの原因は主に自律神経の乱れが影響しているとご紹介しました。日頃からストレスを溜め込んでしまっている方、睡眠不足な方は生活リズムを整え、睡眠の質を上げるようにしましょう。
疲労が溜まっている方も、たまには息抜きをして身体を休ませてあげてください。それらを改善することで辛い耳鳴りも改善するかもしれません。
もし、それでも改善できない場合は耳鳴りの症状が出る病気が隠れている可能性があります。いくつかの病気があるので、それらの病を疑ってみましょう。
中には、早期発見が重要な病気もあります。最悪のケースに陥ってしまわないためにも、できるだけ早めに医療機関に受診しましょう。
聴力は生きていく上で非常に重要な役割を果たしてくれます。日常的な会話も、聴力が乏しければとても不便になってしまいます。
手遅れにならないためにも、耳鳴りが続く場合は1日でも早く専門医に相談しましょう。