「肩の付け根がズキズキ痛い」原因は筋肉痛や関節痛だけではない？医師が徹底解説！

肩の付け根がズキズキ痛い時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか？Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

「肩の付け根がズキズキ痛い」原因と対処法

肩が痛いときに考えられる病気はさまざまです。肩の痛みだけでなく、腕や手にまで症状が広がる場合もあり、注意が必要です。肩の痛みは日常生活に大きな影響を与えるため、病院受診の目安や自分でできる対処法を紹介します。

肩の付け根がズキズキ痛い原因と対処法

肩の付け根がズキズキと痛む場合、原因として筋肉や関節の炎症、神経の圧迫、血行不良などが考えられます。特に、長時間の同じ姿勢や無理な動作の積み重ねが原因で痛みが発生することが多く、加齢による関節の変性も関与することがあります。痛みが急に強くなったり、慢性的に続く場合は注意が必要です。すぐにできる処置としては、痛みがある側の肩を安静にし、無理な動きを避けることが重要です。冷やすことで炎症を抑えられる場合があり、慢性的な痛みには温めることで血流を促進し、症状を緩和できることがあります。また、軽いストレッチやマッサージを行うことで、筋肉の緊張を和らげることも有効です。考えられる病気としては、肩関節周囲炎（五十肩）、肩腱板損傷、頚椎椎間板ヘルニア、神経障害などがあります。痛みが続く場合や、腕が上がらなくなる、夜間の痛みがひどくなる場合は整形外科を受診しましょう。

左肩の付け根がズキズキ痛い原因と対処法

左肩の付け根がズキズキと痛む場合、筋肉や関節の炎症以外に、その痛みが突然発症し、胸の圧迫感や息苦しさを伴う場合は、狭心症や心筋梗塞などの心臓の血管の異常の可能性も考えられます。すぐにできる処置としては、安静を保ち、痛みの経過を観察することが重要です。筋肉や関節が原因の場合は、温めたりストレッチを行うことで痛みが軽減することがありますが、心臓に関連する痛みの場合はそれでは改善しません。胸の圧迫感などを伴い、１５分以上痛みが続いて改善が見られない場合にはすぐに医療機関を受診しましょう。

右肩の付け根がズキズキ痛い原因と対処法

右肩の付け根がズキズキ痛む場合、筋肉や関節の問題が多いですが、胆のうという内蔵の異常（胆石症や胆嚢炎）によっても右肩の痛みが生じることがあります。特に、食後に痛みが強くなる場合は、内科での診察が必要です。すぐにできる処置としては、安静にし、痛みの程度を確認することが重要です。筋肉や関節の痛みであれば、軽いストレッチや温めることで症状が改善することがありますが、内臓の異常の場合ではそれでは改善しません。痛みが長引く場合や、腹痛や下痢などを伴う場合は、内科を受診してください。

スポーツで肩の付け根がズキズキ痛くなる原因と対処法

スポーツによって肩の付け根がズキズキ痛む場合、肩の過度な使用による腱や靭帯の損傷が考えられます。特に、野球やテニスなど、肩を大きく動かすスポーツでは、腱板損傷やインピンジメント症候群を発症しやすくなります。 すぐにできる処置としては、痛みがある部分を冷やし、炎症を抑えることが有効です。また、無理に肩を動かさず、安静にすることも大切です。痛みが続く場合や、肩の動きが制限される場合は、整形外科を受診して適切な治療を受けましょう。

急に肩の付け根がズキズキ痛い原因と対処法

急に肩の付け根がズキズキと痛む場合、特に、突然の痛みで腕が上がらなくなる場合は、石灰沈着性腱炎の可能性があります。これは、肩周辺で石灰化といってカルシウムの塊のようなものができ、強い痛みと炎症を起こすものです。すぐにできる処置としては、安静にし、冷やすことで炎症を抑えることが重要です。強い痛みがある場合は、市販の鎮痛薬を使用するのも有効ですが、症状が続く場合は医療機関での診察を受けましょう。

肩の付け根がズキズキ痛く、しびれる原因と対処法

肩の付け根のズキズキする痛みに加えてしびれがある場合、神経の圧迫が原因となっている可能性が高いです。頚椎椎間板ヘルニアや胸郭出口症候群などが疑われ、症状が悪化すると腕の感覚が低下することもあります。 すぐにできる処置としては、無理な姿勢を避け、首や肩を安静に保つことが重要です。しびれが強くなる場合や、腕の力が入りにくい場合は、整形外科または神経内科を受診しましょう。

すぐに病院へ行くべき「肩の付け根がズキズキ痛い」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

転倒後に強い痛みや腫れがある場合は、整形外科へ

転倒後に肩の付け根に強いズキズキとした痛みがあり、腫れや熱感を伴う場合や、骨折などが考えられます。安静にして様子をみても症状が改善しない場合や、むしろ痛みや腫れが悪化する場合にはその可能性が高いです。整形外科を受診し、レントゲンやMRIなどで詳しく検査を受けましょう。特に、動かせないほどの痛みがある場合は、早めに診察を受けることが大切です。

受診・予防の目安となる「肩の付け根がズキズキ痛い」のセルフチェック法

・肩の付け根がズキズキ痛み、1週間以上続いている場合 ・腕を上げることができない、もしくは動かすと強い痛みがある場合 ・肩の痛みに加えて腕や手のしびれ、力が入らない症状がある場合 ・肩の腫れや熱感、赤みがあり場合 ・夜間や安静時にも痛みがあり、生活に支障が出ている場合

「肩の付け根がズキズキ痛い」際の特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「肩の付け根がズキズキ痛い」に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

肩関節周囲炎

肩関節周囲炎は、いわゆる四十肩、五十肩と言われるものです。肩の周りで炎症が起き、痛みや動かしにくさが生じる疾患です。特に50代以降の人に多く、腕を上げるとズキズキと痛むことが特徴です。炎症が強い場合は冷やし、慢性的な痛みには温めると効果的です。症状が続く場合は整形外科でリハビリや鎮痛薬、関節内注射を受けることが推奨されます。放って置くと１年以上痛みに悩まされることもあるため、早期に治療することをおすすめします。

腱板損傷

腱板損傷は、肩の腱板という筋肉の集まりが損傷して、痛みや動かしにくさを引き起こす疾患です。腕を持ち上げる動作が困難になり、夜間痛といって夜に痛むことが特徴的です。安静にして湿布や鎮痛薬で症状を抑えることが基本ですが、重症な場合には手術が必要になることもあります。整形外科を受診し、レントゲンのみでは異常が見られないことが多いため、MRI検査で状態を確認することが重要です。

石灰沈着性腱板炎

石灰沈着性腱板炎は、肩の腱板にカルシウム成分が沈着し、強い炎症を引き起こすものです。中年女性に多く、突然の激しい痛みが特徴で、夜間痛が強く出ることもあります。強い痛みがある場合は関節内ステロイド注射が効果的で、痛み止めの服用やリハビリも併用します。

頚椎椎間板ヘルニア

頚椎椎間板ヘルニアは、首の椎間板が神経を圧迫し、首から肩の痛みや腕のしびれを引き起こす疾患です。デスクワークや加齢が発症の要因となることが多く、痛みが肩から腕、指先に広がることもあります。軽症なら姿勢の改善やリハビリ、鎮痛薬で改善することもあります。重症の場合は神経ブロック注射や手術が必要になることもあります。整形外科を受診し、MRI検査で状態を確認することが推奨されます。

胸郭出口症候群

胸郭出口症候群は、肩や首の筋肉が神経や血管を圧迫し、肩の痛みやしびれを引き起こす疾患です。デスクワークや猫背、重いものを持つ仕事をしている人、またオーバーヘッド動作の多いスポーツをしている方に発症しやすいです。 棚の上のものを取る動作など腕を上に上げた状態や何か特定の姿勢でしびれや痛みが起きる場合に疑われます。治療としては原因となる姿勢を避け、リハビリテーションを行うことが重要です。もともとの骨の形で起こりやすい人もいるため、整形外科や神経内科を受診し、原因を特定してもらうことが重要になります。

「肩の付け根がズキズキ痛い」時の正しい対処法は？

肩の付け根がズキズキ痛む場合、自身でできる対処法として、軽い痛みであれば、市販の鎮痛薬（ロキソニン、イブプロフェンなど）を服用しても問題ありませんが、痛みが強い場合や長引く場合は、無理に薬で抑えずに病院を受診しましょう。貼り薬や冷却スプレーの使用も痛みが急激に始まった最初のころは効果的です。ストレッチやマッサージは、筋肉の緊張が原因の痛みには有効ですが、炎症がある場合は悪化することもあるため注意が必要です。慢性的な痛みが続くとき、日常生活では、適度なストレッチや軽い運動を取り入れ、肩周りの血流を改善することが予防につながります。応急処置をしても症状が改善しない場合や、しびれや腕の動かしにくさを伴う場合は、整形外科や神経内科を受診してください。

まとめ

肩が痛い原因をいくつか紹介しました。肩の痛みの原因はさまざまで、中には専門的な治療を必要とする病気が隠れていることもあります。症状が気になる場合は、早めに整形外科を受診し、適切な診断と治療を受けることをおすすめします。

「肩の付け根がズキズキ痛い」で考えられる病気

「肩の付け根がズキズキ痛い」から医師が考えられる病気は9個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。 筋肉や関節の炎症、神経の圧迫、血行不良などが原因となるさまざまな病気が考えられます。

「肩の付け根がズキズキ痛い」に似ている症状・関連する症状

「肩の付け根がズキズキ痛い」と関連している、似ている症状は4個ほどあります。各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。 安静にして様子をみても症状が改善しない場合や、痛みや腫れが悪化する場合には早めの受診をお勧めします。