「足首が腫れた」時の治し方は？主な原因や考えられる病気など医師が解説！

足首が腫れるを治すには？Medical DOC監修医が対処法や考えられる原因・病気・何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

「足首が腫れる」症状で考えられる病気と対処法

足首が腫れるという症状は誰しもが経験することが多い症状だと思います。同じ足首の腫れでもそこには様々な原因があります。足首の腫れの原因と、痛みが出た際の注意点や対処法について解説していきます。

足首が腫れて痛みもある症状で考えられる原因と対処法

足首が腫れて痛みを伴う場合、「足関節捻挫」が代表的な原因の一つです。捻挫は、足首の靭帯に過度な力が加わった際に起こり、腫れや痛み、場合によってはあざ（皮下出血）が出ることもあります。捻挫は重症度によって軽度から重度まで分類され、靭帯が部分的に伸びただけの軽いものから、完全に断裂してしまう重症のものまであります。捻挫を放置すると、靭帯の損傷が長引き、足首が不安定になることがあります。 不安定性が残れば場合によっては手術が必要になることもありますので、ただの捻挫と思って放置せずに、整形外科で治療を受けることがのぞましいです。

足首が腫れてむくんでいる症状で考えられる原因と対処法

足首のむくみは、血行不良や体液の滞留が原因で起こることが多いです。むくみの原因としては、長時間同じ姿勢を保つことによるリンパ液や血液の流れが滞ることや、高血圧、心不全、腎不全などが考えられます。また、妊娠中の女性はホルモンバランスの変化や血液量の増加によってむくみやすくなります。こういったいわゆるむくみに関しては、運動をしたり、足を心臓より高いところに置いておくことで改善しやすくなります。それでも改善しない場合には、医療機関で早めに相談しましょう。

片足の足首が腫れて症状で考えられる原因と対処法

片足のみが腫れる場合、最も注意が必要なのは、「深部静脈血栓症（DVT）」です。これは別名エコノミークラス症候群ともいい、長時間座ったままの姿勢が続いた場合などに起きやすいです。血栓という血の塊が足の静脈にでき、血流を阻害する状態です。この血栓が肺に移動すると、肺塞栓症という命に関わる重篤な状態を引き起こす可能性があります。片足に限らず、足首だけでなくふくらはぎや太ももにも腫れや痛みが広がることが多いです。 足の腫れとともに息苦しさなどもある場合には、これを疑って早急に医療機関を受信する必要があります。

足首の内側が腫れて症状で考えられる原因と対処法

足首の内側が腫れる場合、「後脛骨筋機能不全」が考えられます。後脛骨筋は足のアーチを支える重要な筋肉であり、その機能が低下するとアーチが崩れ、足首の内側に過剰な負担がかかります。これにより、腫れや痛みが生じます。特に、長時間立ち続けたり歩き続けたりすることで悪化することが多いです。 この状態を放置すると、足首の変形が進行し、歩行が困難になることもあります。進行した場合には、足全体のバランスが崩れ、膝や腰にまで影響を及ぼすことがあります。治療としては、リハビリテーションや、インソールの作成などが重要です。整形外科でご相談ください。

高齢者で足首が腫れる症状で考えられる原因と対処法

高齢者の場合、加齢に伴う関節や筋肉の変性が原因で足首が腫れることがあります。代表的な例として、「変形性足関節症」が挙げられます。この病気は、足首の軟骨が徐々に擦り減り、骨同士が直接接触することで痛みや腫れを引き起こします。すり減った軟骨を再生させることは困難で、基本的には対症療法となります。 痛み止めの飲み薬や貼り薬、足首への注射などが効果的ですので、整形外科でご相談ください。

すぐに病院へ行くべき「足首が腫れる」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。 応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。 以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

足首が腫れて激しい痛みや赤みがある場合は、整形外科へ

足首が腫れて激しい痛みや赤み、または熱感が伴う場合は、関節や靭帯の損傷、あるいは感染症の可能性が考えられます。特に患部が熱を帯びている場合は、化膿性関節炎という細菌が関節に入り込んで痛みや赤み、腫れを引き起こしている可能性もあります。このような症状が見られた際には、まず整形外科を受診することが重要です。もし感染症が疑われる場合には、早期に抗生剤での治療が必要で、手術が必要になることがあるため、すぐに受診するのがのぞましいです。

受診・予防の目安となる「足首が腫れる」ときのセルフチェック法

・片足のみの腫れがある場合： 血流や血栓に関連する可能性が高いため、循環器内科への早急な受診が必要です。特に、急に腫れが生じた場合は緊急性が高いです。
・両足のむくみが続いている場合：
全身の循環器や内臓機能の低下が考えられます。数日間続くようであれば、内科での診察が推奨されます。
・腫れが徐々にひどくなる場合：
腫れが日に日に悪化する場合、靭帯や筋肉の損傷、関節の炎症の可能性があります。整形外科での診察が必要です。

「足首が腫れる」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「足首が腫れる」に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

足関節炎

足関節炎は、足首の関節に炎症が起こり、痛みや腫れが生じる病気です。発症の原因としては、感染症や自己免疫疾患、過剰な負担などが考えられます。治療法としては、 まず安静にして患部を休ませることが重要で、消炎鎮痛薬や抗炎症薬の使用が一般的です。また、リハビリテーションや理学療法も重要です。感染症の場合は、抗生物質の使用が必要です。痛みや腫れが徐々にひどくなるときや、数日以上続く場合、患部が熱を帯びている場合は病院を受診する必要があります。整形外科を受診しましょう。

変形性足関節症

変形性足関節症は、関節の軟骨が長年の使用により摩耗し、関節が変形する疾患です。加齢や過度の使用、外傷が原因となり、軟骨同士がすり減り、炎症が起こるために、痛みや腫れが生じます。治療法としては、まずは鎮痛薬や抗炎症薬で症状を緩和し、リハビリテーションで筋力強化や関節保護を図ります。進行した場合には、人工関節置換手術や固定術が必要となることも。日常生活に支障が出るほど痛みが強くなった場合や、腫れが続く場合は整形外科を受診するのが良いでしょう。

後脛骨(けいこつ)筋機能不全

後脛骨筋機能不全は、足のアーチを支える後脛骨筋の機能が低下し、足首の内側に痛みや腫れが生じる疾患です。長時間の立ち仕事や過度の運動が原因となり、足のアーチが崩れることで発症します。治療法としては、インソールで足のアーチをサポートし、リハビリテーションで筋機能を回復させます。足首の痛みや腫れが長引く場合や日常生活に支障が出る場合は、整形外科を受診するのが良いでしょう。

痛風発作

痛風発作は、血中の尿酸濃度が高くなり、尿酸結晶が関節内に蓄積されることで発生する急性の炎症です。主に親指の付け根や足首に強い痛みと腫れが伴います。発症原因には、飲酒や食生活の影響、遺伝的要因が影響すると言われています。治療には、痛みや腫れがひどい段階では炎症止めの含まれる鎮静薬が使用され、発作を繰り返さないようにするためには尿酸値を下げる薬物治療と食事療法が重要です。強い痛みが急に発生し、数日経っても改善しない場合は、医療機関で尿酸値が上がっていないかを確認することが重要です。

足関節捻挫

足関節捻挫は、足首をひねったり強い力が加わることで靭帯が損傷し発生します。軽度の捻挫では靭帯の伸びに留まりますが、重度の場合は靭帯の断裂が起こることもあります。治療法はRICE処置（安静、冷却、圧迫、挙上）を行い、整形外科でのリハビリやギプス固定が必要な場合があります。腫れが長引いたり、痛みが強い場合には骨折が隠れていないかを含め、整形外科で診断を受けるのが良いでしょう。

「足首が腫れる」の正しい対処法は？

足首が腫れた際、まずは安静とアイシングをしましょう。 市販薬の使用は症状を和らげるために使用しても問題ないことが多いです。イブプロフェンやロキソニンなどが一般的です。また、湿布も腫れや痛みを軽減するのに役立ちます。足首の腫れや赤みが強い場合には、冷却スプレーやアイスパックを用いて患部を冷やすことが良いでしょう。冷やすことで腫れを抑える効果があり、特に捻挫などで炎症が急性期にある場合には冷却が効果的です。 足首を温めるか冷やすかについては、症状の進行状況によって異なります。怪我をした直後など急性期には冷やすことが基本です。特に炎症が強いときや腫れがひどいときには冷やすことで炎症を抑えることができます。一方で、慢性的な痛みや腫れが続いている場合や、冷えによる循環不良が原因である場合には、温めるほうが良いです。温めることで血行が促進され、患部への栄養が届きやすくなり、回復を早める効果があります。 こういった処置を行っても症状が改善しないとき、またはひどくなってくるようなときにはすぐに医療機関を受診することをおすすめします。

まとめ 足首の腫れが続く場合は整形外科で相談

足首の腫れが生じる原因をいくつか紹介しました。足首が腫れる原因はさまざまで、早期治療で改善することも多いです。症状が気になる方は早めに医療機関を受診すると良いでしょう。

「足首が腫れる」症状で考えられる病気

「足首が腫れる」から医師が考えられる病気は9個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

「足首が腫れる」に似ている症状・関連する症状

「足首が腫れる」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。 症状が継続する場合には、早めに医療機関への受診をお勧めします。