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「上を向くと首が痛い」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

「上を向くと首が痛い」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

上を向くと首が痛いとき、身体はどんなサインを発している?Medical DOC監修医が主な原因や考えられる病気・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

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大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

「上を向くと首が痛い」症状で考えられる病気と対処法

上を向くと首が痛くなる原因には、骨や筋肉、筋などの問題によるものもあれば、皮膚や血管の問題、リンパ節の腫れなど、さまざまな病気が考えられます。
自然と治ることも多い首の痛みですが、時間が経過しても治らない、症状を繰り返しているなどの場合には、一定の注意が必要です。
今回は、特に上を向くと首が痛くなる症状で考えられる病気と対処法について紹介していきます。

上を向くと首が痛い症状で考えられる原因と対処法

上を向くと首が痛い症状として考えられる原因疾患として、「変形性頚椎症」が挙げられます。
変形性頚椎症は、従来から比較的有病率の高い疾患であるといわれております。
多くの場合、頚椎は加齢に伴って大きな変化が生じやすく、50歳以降に発症しやすい病気と考えられています。
この病気を発症すれば、首が痛い以外にも、首や背中を含めて手足のしびれといった症状を呈することがありますし、さらに病状が悪化すれば手がうまく使えないばかりか足に力が十分入らずにスムーズに歩行できないなど運動障害が認められるようになります。
心配であれば、整形外科など専門医療機関を受診しましょう。

上を向くと急に首が痛い症状で考えられる原因と対処法

上を向くと急に首が痛い症状で考えられる原因疾患として、「寝違え」が挙げられます。
寝違えは朝起きたときに激しい痛みを感じ、首を動かせない 、首から肩にかけての痛みが特にひどく横を向くこともできないほどですが、その痛みは徐々に改善していき、数日で通常に戻ります。
寝違えの多くは寝ているときの状態によって起こり、同じ姿勢で寝入ってしまった場合などの朝、寝違えの症状が起こることが多いといわれています。
また数日仕事で同じ姿勢をとることが多く首に負担をかけ続けたり、過度な運動を行ったりした場合にも寝違えを発症しやすくなります。
症状が気になる際には、整形外科など専門医療機関を受診しましょう。

上を向くと首が痛くて手が痺れる症状で考えられる原因と対処法

上を向くと首が痛くて手が痺れる症状で考えられる原因疾患として、「頚椎椎間板ヘルニア」が挙げられます。
頚椎椎間板ヘルニアを始めとする頚椎疾患は日常診療のなかで経験することが多い病気のひとつとされています。
30~50歳代前後の中年層に患者数が多く、時に訳もなく発症するケースもありますが、その多くは普段の生活の中で悪い姿勢で作業をする、あるいは首に負担のかかりやすいスポーツや運動などが主たる誘因になることもあります。
首の骨は「頚椎」と呼ばれており、一般的には頚椎は7つの骨で構成されています。
脊椎領域においては、骨と骨の間には「椎間板」と呼ばれるクッションの役割を担っている軟骨が存在していますが、頚椎椎間板ヘルニアではその椎間板の一部が本来の正常な位置からずれて後方へ突出してしまう病気を意味しています。
特に、頭側に位置する上位頚椎椎間板ヘルニアは、加齢に伴って足側に存在する下位頚椎の変形などによって、上位頚椎に重く負荷がかかることで引き起こされます。
首や肩、そして腕にかけて比較的広範囲に痛みやしびれが現われる、また食事中に箸が持ちにくくなる、着衣時にボタンがかけづらくなる、歩行時に足がもつれるなどの症状が認められます。
安静保持や手術治療など検討されますので、心配であれば、整形外科など専門医療機関を受診して相談しましょう。

上を向くと首が痛くて頭痛がする症状で考えられる原因と対処法

上を向くと首が痛くて頭痛がする症状で考えられる原因疾患として、「頸肩腕症候群」が挙げられます。
頸肩腕症候群は、長時間のデスクワークや姿勢の悪さなどが原因で、首とその周辺・肩・背中・腕・手・手首など頸部から肩、上肢にかけて痛み・違和感・こわばりなどの何らかの症状があらわれる病気です。
主に、神経や血管への圧迫など継続的な負荷によって、首の痛み・こり・しびれが生じるだけでなく、腕が重く感じたり脱力感から腕が動かせなくなったりと症状の悪化が見られますし、病状によっては、精神的なダメージにも繋がり、イライラ感や抗うつ感を生じることもあります。
心配であれば、整形外科など専門医療機関を受診しましょう。

上を向くと首の左側が痛い症状で考えられる原因と対処法

上を向くと首の左側が痛い症状で考えられる原因疾患として、「頚部筋筋膜症」が挙げられます。
頚部筋筋膜症の代表的な症状は、首の痛みであり、頚椎のまわりの筋肉(僧帽筋)の過度な緊張によって発症します。
一般的になで肩の人に多い病気であり、コンピューターやスマホ操作など首を曲げた姿勢での長時間の労働や慢性的な首や肩の運動不足によって引き起こされます。
治療内容としては、鎮痛剤内服、リハビリテーションなどが挙げられ、通常の場合には、長くても約3週間の治療で症状改善しますが、再発しやすい特徴もあります。
心配であれば、整形外科など専門医療機関を受診しましょう。

すぐに病院へ行くべき「上を向くと首が痛い」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

首が痛い症状に加えて発熱症状がある場合は、整形外科へ

上を向くと首が痛い以外にも、発熱症状や神経麻痺を認める際には、すぐに整形外科など専門医療機関を受診してください。
化膿性脊椎炎とは、いわゆる脊椎領域に生じた細菌感染症を指します。
多くの場合には「黄色ブドウ球菌」というバクテリアが原因になって脊椎部位が化膿して感染することで、脊椎の痛みを起こす、あるいはひどい場合には脊椎が破壊されることに伴って神経障害に伴う麻痺などの症状が認められることもあります。
化膿性脊椎炎は、黄色ブドウ球菌により引き起こされることが多いと言われています。発症の危険因子には、高齢者や糖尿病、悪性腫瘍、透析、ステロイド使用などがあります。
万が一、化膿性脊椎炎を罹患した際の治療方法は、原則としては安静保持、コルセット装着、あるいは抗生物質投与などを中心とした保存的治療を行います。

受診・予防の目安となる「上を向くと首が痛い」症状のセルフチェック法

  • 上を向くと首が痛い以外に発熱症状がある場合
  • 上を向くと首が痛い以外に手足のしびれ症状がある場合
  • 上を向くと首が痛い以外に手足の脱力症状がある場合

「上を向くと首が痛い」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「上を向くと首が痛い」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

頸椎間板ヘルニア

頚椎椎間板ヘルニアは、若年者から中年層にかけて幅広く発症し、多くは悪い姿勢でデスクワークをする、あるいは頚部に重い負担がかかるラグビーなどのスポーツが発症の誘因になります。
医療機関などで頚椎椎間板ヘルニアの患者さんを診療する際には、手足の感覚性や筋力が通常より低下していること、あるいは四肢における腱反射異常などを観察したうえで、MRI検査(核磁気共鳴装置)で脊髄の圧迫状態を確認します。
頚部の痛みや神経支配領域のしびれ症状が強い例では、頚部の安静保持を心掛けると同時に、鎮痛消炎剤の服用、外用薬貼付を行います。ひどい場合には神経ブロックなどの疼痛を緩和させる治療を考慮します。
また、これらの保存的な治療策で顕著な症状改善を認めず、手や足の筋力低下が持続して悪化する場合、あるいは十分スムーズに歩けないなどの歩行障害や尿失禁を始めとする排尿障害を合併する場合には根治的な手術治療を検討されることもあります。
心配であれば、整形外科など専門医療機関を受診しましょう。

変形性頸椎症

変形性頚椎症とは、頚椎などの脊柱管周囲に存在する構造物が加齢性に変形して、首の痛みをきたす病気です。病状が進行すれば重要な脊髄が走行する脊柱管の隙間が狭くなることで脊髄が圧迫されて多彩な神経症状を自覚することもあります。
変形性頚椎症を発症する原因には、加齢に伴う頚椎などの物理的構造変化が多いと考えられています。
変形性頚椎症を発症した際には、手足の軽いしびれ程度のみしか自覚しない軽症例では、鎮痛剤や神経ダメージを修復する作用を有するビタミンB12などによる薬物療法などを中心とした保存的な治療が実践されます。
その一方で、日常生活を送るうえで多大な支障をきたすような痛みやしびれ、あるいは運動機能の低下などの強度な症状を認めた際には脊柱管を拡大するための手術が必要となる場合も考えられます。
心配であれば、整形外科など専門医療機関を受診しましょう。

頚部筋筋膜症

筋肉が原因でおこる首の痛みで、「頚部筋筋膜症」が知られていて、いわゆる「肩こり、首こり」といわれるものです。
首まわりの筋肉の過度の緊張が原因で発症し、睡眠中の不自然な姿勢、あるいは日常的にパソコン作業やスマホをみる時間が長いと発症しやすくなります。
整形外科など専門医療機関を受診し、治療内容としてリハビリテーション、温熱療法、頚椎カラー装着、あるいは急性期治療が過ぎたら頚椎牽引や腕を挙げる運動などを実践しましょう。

寝違え

寝違えは、寝ているときの姿勢などにより朝起きたときに生じる首から肩にかけての痛みをいいます。
具体的な発症メカニズムは明らかではありませんが、よくある症状で誰でも一度は経験したことがあるでしょう。
寝違えは怪我とはいえず、睡眠中の不自然な姿勢、前日に無理をしたことによる筋肉の痙攣、頚椎の関節包 (関節を包んでいる膜)の炎症などが原因として考えられています。
寝違えの痛みは、通常では数日で治まることが一般的であり、痛みは徐々に弱まっていき数日で復帰します。
ただし、寝違えに伴って首の痛みが異常に強い、数日経っても治まらない、より症状が強くなったなどの場合には、他に病気が潜んでいる可能性もあるので整形外科を受診してください。

「足がムズムズする」症状の正しい対処法は?

上を向くと首が痛くなる頚椎椎間板ヘルニアは、頚部の背骨を構成している骨と骨との間にある椎間板組織が、慢性的な負荷を受けて劣化することで正常位置からずれて突出して脊髄の神経を圧迫することで首の痛みなどの症状を出現させます。
椎間板が劣化する原因は多種多様であり、加齢や肥満、喫煙習慣、悪い姿勢や激しいスポーツ活動など普段の生活における環境要因が重要であると考えられています。そのため頚椎椎間板ヘルニアの人はこれらのリスク要素を少しでも回避する努力が必要です。
例えば、頚椎椎間板ヘルニアを予防するためには、例えば上半身を大きく振りながら散歩する、あるいは泳ぐのが好きな方はスイミングを取り入れるなど持続的に無理のない範囲で運動やリハビリを行うことが重要ですので念頭に置いておきましょう。
椎間板ヘルニアに伴って上を向くと首が痛くなる症状を予防するためには、普段からストレッチなどの運動で体の柔軟性を高めると同時に筋力トレーニングによって体幹の筋肉を鍛えておくことが重要です。
また、体重が重すぎるとどうしても背骨にかかる負担が増えるために適正体重を保つことも効果的です。日常生活において姿勢をこまめに変更すること、あるいは重い荷物を持つときに頸部や腰部などに負荷がかかりにくいように工夫することなども重要な視点です。
寝違えて首が痛いときには、まず無理に患部を動かそうとせず安静にしてください。
炎症や痛みを抑える効果のある湿布薬を痛む部分に貼るのもよいでしょうし、内服の鎮痛消炎薬も有効です。
軽いマッサージは有効な場合もありますが、長い時間をかけて強いマッサージを行うのはやめましょう。
筋肉の痙攣に効果のある漢方薬などもあります。
さまざまな治療効果を見ながらいろいろと試すためにも、できれば整形外科など専門医療機関を受診して治療方法を決定するようにしましょう。
全般的に、首の痛みを早く治す方法としては、消炎鎮痛効果のある湿布薬を痛む部分に貼ることや鎮痛消炎薬を飲むなどが挙げられますが、これらの方法は一時的に痛みを抑える方法なので、治るまでにはやはり数日必要になるでしょう。
筋肉や筋膜に直接局所麻酔を注射する方法などもあり、整形外科では、さまざまな方法の中から症状に応じて治療法を提案できるので相談しましょう。

「上を向くと首が痛い」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「上を向くと首が痛い」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

寝起きに上を向くと首が痛いので枕を変えた方がいいですか?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

寝起きに上を向くと首が痛い場合には、その原因は普段使用している枕かもしれません。自分に合わない枕を使い続けることで、寝違えや肩こり、首の痛みなどの症状が生じる恐れがあります。日常的に、自分の首の形状に合った枕を選ぶことで、首の痛さから解放されることが期待できます。

上を向くと首が痛む症状に効果のあるストレッチはありますか?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

首が動かしづらくて、上を向くと首が痛いといった症状をきたす「首こり」は、首の周りの筋肉が凝り固まって、痛みが出現した状態です。基本的には、ストレッチは上手にやれば効果的であり、ストレッチ自体は反動をつけずにゆっくりと行いましょう。例えば、左腕を下ろした状態で、右手で左側頭部を持ち、右斜め前に倒して15~30秒キープしたあと、反対側も同様に実施するとよいでしょう。

まとめ 上を向くと首が痛い症状が気になるときは整形外科を受診

普段の生活の中で、首などの疲れを感じたり、少しだるかったりする経験は誰もが持っていることでしょう。
そのままの状態を続けると、次第に症状が悪化して日常生活に支障が出る可能性があります。慢性的なこりや痛みは、なかなか取れません。
運動やストレッチをしても凝りや痛みが軽減されない、あるいは頭痛、めまい、手・腕がしびれるなどの症状が悪化する場合には、専門医療機関を受診してください。
セルフケア対策を実施しても、症状が長引く、あるいは悪化する際には、整形外科のクリニックや病院など専門施設を受診しましょう。
今回の情報が参考になれば幸いです。

「上を向くと首が痛い」症状で考えられる病気

「上を向くと首が痛い」から医師が考えられる病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

整形外科の病気

症状の原因の多くは骨や筋肉、筋などの問題によるものが考えられます。

この記事の監修医師